15期生6月1日・2日の講座報告

年月日 : 2022年 6月 1日(水)晴れ ・ 2日(木) 快晴

講座名 : 芦生の森一泊研修

講 師 : ネイチャーガイド 高御堂さん、三船さん、前田さん、藤原さん

会 場 : 京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション芦生研究林

今回は待望の一泊研修で心浮き浮き笑顔で出発。1日目は昔ながらのかやぶき屋根の民家の集落である美山かやぶきの里を散策して宿に早めに到着。夜は15期がスタートしてから初めての一同での食事プラス懇親会で大いに盛り上がり、楽しい時間を共有した。

2日目は今回のメインである芦生の森のトレッキングツアーである。コースは由良川の源と言える谷で原生林の姿をよく留めている歩行距離約4kmの上谷コースである。お弁当をリックに入れてアカショウビンの鳴き声を聞きながら終点の杉尾峠を目指して長治谷作業所を出発して林道へ。スギ林を抜けた野田畑湿原には木地師の住居跡や植えられた黒松やスモモ、ヤマザクラが見られた。そうして、木々が芽吹いて新緑を鮮やかに爆発させている原生林へ。サワグルミ、トチの木、ブナなどの大木、クマハギされた杉や芦生研究林の天然林を代表するアシウスギ、モリアオガエルの白い卵塊、クマの越冬穴、ギンリョウソウ、アシウテンナンショウ、ニリンソウ、キンラン等々頭上から足元まで見るものがたくさんあり観察のネタは尽きない。2班に分かれてのトレッキングで後の班で大発見がありました。Hさんが足元の積もった落葉から先だけ頭を覗かせているキノコを見つけたのでガイドの方に見てもらうと、そのキノコが匂うかどうか確認した後「今出たての希少種のキイロスッポンタケ(匂いがしないので幼菌)です。」との答えに一同、びっくり キノコの専門の先生に連絡されてキイロスッポンタケは京都府内では絶滅したと考えられているキノコなので貴重な研究材料となりそうですネ。由良川の源頭部を確認し杉尾峠から日本海を望んで、谷を渡る心地よい涼風と共にトレッキングツアーは終了しました。自然が創り出した原生林の凄さを感じると共に未来にこの姿を残していく重要性を認識させられた。季節によっていろいろな表情を見せてくれる、この芦生の森をまた訪れてみたいものだ。好天に恵まれ、仲間たちと楽しく過ごした2日間でした。 (T・O、T・U)

トチの巨樹と集合写真

オオルリがいってらっしゃーい❣

新しいクマハギの痕

葉や枝が下向きなのは行きの重さに耐えるため

見つけたよ❕希少種のキイロスッポンタケ

花が葉の下にあるアシウテンナンショウ

植物部会の6月活動報告

日 時 : 2022年6月1日(水)

場 所 : 和田川・別所(堺市)

参加者 : 25名

 泉北高速鉄道の栂・美木多駅から御池台回りのバスに乗り、御池台5丁で下車。降りたバス停脇から直ぐに観察を開始する。

 まずはイネ科の小穂がこんもり密集しているカモガヤ、オニウシノケグサ。馴染みのブタナ、ヒメジョオン等をを見ながら近くの階段を上ると小さな広場が在り、先は長いがここでもゆっくり観察する。大きな紫色の花のムラサキツユクサ、白いトキワツユクサ。他にもホタルブクロやニワゼキショウ、キキョウソウ。木本ではハクチョウゲ。イネ科では繊細で美しいヌカススキ、ヒメコバンソウ、弓なりのカモジグサ等を観察。 さらに奥に進むと明るい高台に出て、金剛山などの山並みを見ながらゆっくりと下る。土手は白くなったチガヤが群生、ノアザミ、全隊に毛が多い黄色いセイヨウヒキヨモギ、ヤワゲフウロ、スイカズラやノイバラ(木本)等を見る。

 道路を渡って和田川横の農道を歩く。 ノゲシ、マメグンバイナズナ(分岐した枝に秩序正しく実を付けている)、刺のあるワルナスビ、紫のアレチハナガサ、ユウゲショウ、アメリカイヌホウズキ、ピンクの小さな花のキツネアザミ、アレチギシギシ、ナガバギシギシ、カギ状の毛が密生した実を付けているのはヤエムグラ。 足下にはコマツヨイグサ、コゴメツメクサ、コナスビの黄色い花に淡紫色のトキワハゼ。コモチマンネングサに、一回り大きなツルマンネングサの花は中々華やかだ。 木本ではクサギ、テイカカズラ、アカメガシワ等を見る。 川沿いにはツルヨシ(匍匐茎が地表を走る)、ナヨクサフジ、クサヨシ、涼やかな青紫色の花を付けているオオカワヂシャ(大川萵苣)は特定外来生物(ちなみに在来種のカワヂシャは準絶滅危惧種で花色が白っぽい)。 小型のイネ科ではホソムギ、オオスズメノカタビラ、カラスムギ、スズメノチャヒキ等を見る。

 昼食後、いよいよササユリを見に行く。花が大きく、色の濃いものなどがあり見応え充分で嬉しくなる。またウツボグサや珍しいソクシンラン(束心欄)も見られた。木本ではガンピ、モチツツジ、ウメモドキ等の花を見る。  盛り沢山の一日であった。  (文・写真 Y.M)

チガヤ

オオカワジシャ

ソクシンラン

ササユリ

ウツボグサ

クサヨシ

里山保全部会の6月活動報告

1    月 日 :  6月3日 (金)

2  場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

3  参加人数 :  14名

4    活動内容

  爽やかな好天に恵まれ14名参加の賑やかな活動のスタート。   畑組は3月に植えたじゃかいもの周辺除草に始まり、里山部会で初めてチャレンジする黒豆の畑づくりそして種蒔きしました。山組は新しく活動の舞台になる山に山道を作る作業に着手しました。  まずは山道とするルートを選択し、縄を張って道を確定。入口は少し傾斜があり階段にすることに決定。階段に使う木材を山の木で作り、木槌等を使って人力で完成させました。本日は困難な作業でしたが、作業後記念の写真撮影でバンザーイ。(O.N)

山に道をつけるのにまずルートを決めて縄を張る

本日黒豆の種をまく畑の草抜き          ・

3月に植付けたジャガイモも順調に生育

傾斜のきつい道を階段にする作業

完成した階段道

今日の作業は難題だったけどバンザーイと皆満足

14期生の6月1日補講講座報告

月 日:2022年6月1日(水)晴れ

講座名:琵琶湖の環境と薬用植物観察

講  師:滋賀県藤原主査、山浦 高夫館長(山科植物資料館)

場  所:滋賀県大津合同庁舎、日本新薬 山科植物資料館

 午前は、日本最大の湖である「琵琶湖の環境問題」についての講座。近畿の水がめと言われ、私たちの生活には欠かせない存在である琵琶湖の概要や価値についての話のあと、治水・利水の対策、1977年の淡水赤潮の大発生に伴う工場排水規制や石鹸運動などによる水質汚濁対策、ヨシ群落の保全活動など住民や地元企業が自治体と一体となって水環境を守ることに取り組んできたことや、近年は外来魚や外来水生植物の大量発生の問題やプラスチックごみ問題に取り組んでいる。現在は「琵琶湖」を切り口としてマザーレイクゴールズ(MLGs)により2030年の持続可能社会へ向けた13のゴールを設定しているなどの様々な環境保全対策の説明を聞き、水環境を守る大変さと大切さを認識した。今日の講座で滋賀県の皆さんに感謝の気持ちが湧いてきたようであった。

 午後は、日本新薬の山科植物資料館で薬草の観察。資料館の歴史や薬用植物がどんな薬に使われているかなどの説明を聞いて、園内の植物観察へ。園内には3080種の薬用・有用植物を栽培していて、回虫を駆除する薬になるミブヨモギやウコン、ベニバナ、コンニャク、レモン、アーモンド、アセロラ、ムクロジなど馴染みのある草木も多く、薬効などの説明を聞きながら、花や果実、葉っぱなどの匂いや味などを確認し、その度に感嘆の声が上がった。また世界三大珍植物と言われ、一生の間2枚の本葉だけを伸ばすキソウテンガイなどの珍しい植物や毒草なども紹介してもらいその特徴や効能を教えてもらった。最近の新薬はほとんどが科学的に合成して作っているが、長い歴史の中で薬草の果たしてきた役割は大切な遺産で、いつの日か自然の物から作る薬がもっと必要になるときが来るかもしれないと思った。(K.T)

資料館のミブヨモギ
この栽培・育種研究から始まった

これはどんな匂いかな?
何でもチャレンジします

食虫植物のハエジゴク
大きな口を開けて待ってますよ

これがキソウテンガイ葉っぱは2枚
1年で約20㎝伸びます

マップ部会の5月活動報告

日 時 : 2022年5月23日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道 (陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加者 : 11名

幸い天気にも恵まれ集合場所から早速観察を開始する。

<A地区> 陶器山に多いネジキが、至る所で優しい白色の壺状の花を鈴なりに付け控えめな甘い香りを漂わす。 ガンピ(雁皮・別名カミノキ)も思いのほか多く、淡黄色の先が4裂している筒状の花を10個ほど付けその存在をアピール。 クリーム色の小さな花を道一杯に落としているのはカキノキ(豆)・・・AB。大木になるニワウルシ(別名シンジュ神樹)も幼木は枝葉を傘状に伸ばしているので見分けやすく、今は穂状に小さな花をたくさん付けている(花については「綺麗とは言いがたいが作りは細かい」の表記もあるので又ゆっくり観察してみたい)AC。 ピンク色の葯の白い花をたくさん付けているのはコミノネズミモチだろうか。他にもシャリンバイ、スイカズラ、トウネズミモチ、ネズミモチAB、ノイバラA~C等が咲き始めていた。

 草本では ハハコグサやチチコグサの仲間の特定に悩むが 咲き始めていた紫のキキョウソウ(別名ダンダンギキョウ)AB、小さな黄色のコメツブツメクサAC、ヒメジョオンA~C、ルリニワゼキショウ、ユウゲショウ等の花に心が和む。 イネ科も今は花盛り{アズマザササ東笹、真っ直ぐなイチゴツナギ、繊細な(ハナ)ヌカススキ・・・A、弓なりのカモジグサB、コバンソウBC、小穂が密集しているカモガヤ(別名オーチャードグラス)C}など多様である。)

<B地区> ちょっと珍しいナナミノキ(七実の木・美しい赤い実を沢山付ける事から命名される)の小さな薄紫色の雌花を見付ける。 草本では 新たにトキワツユクサの白い花、ニワゼキショウBCを確認。

<C地区> Aでも見られたナツハゼ(夏櫨・夏にハゼノキのように葉が色付く事から付く)つやつやした鐘状の紅くなった花を付けていた。ちいさなピンク色の花を塊の様に付けたウメモドキ、そしてセンダン(背が高く花を間近に見ることが出来ず残念)、心惹かれる名前のソヨゴ(風に吹かれた葉がソヨソヨと音をたてるため付けられたとあるが漢字名は「冬青」こちらも気になる命名である)の薄緑色の雌花を見る。 

 今回も樹木の花を間近に見ることが出来、充実した一日を過ごす事ができました。(文・写真 Y.M)

ネジキ

ガンピ

ナナミノキ

ナツハゼ

ウメモドキ

スイカズラ

石ころ部会の5月活動報告

月 日 : 5月27日

場 所 : 奈良県生駒郡平群町 信貴山

参加者 : 17人

活動内容 : 前夜からの雨も早朝にはあがり、まずまずのハイキング日和。電車をいくつも乗り換えて信貴山口駅に、そこからケーブルカーとバスに乗り継いで朝護孫子寺の境内前に集まる。佐藤先生の信貴山の地形と岩石に関する簡単な説明を受けた後、境内に入り、張り子の虎や本堂を横目に赤い鳥居が立ち並ぶ長い階段を踏みしめて標高437mの信貴山山頂に到着。要所要所で佐藤先生の説明があり、地質や岩石の観察をした。今回見たものは様々な種類の安山岩(サヌキトイド、高マグネシウム安山岩、黒雲母安山岩)、黒雲母流紋岩(ザクロ石が入っているか)、安山岩の貫入の痕、流紋岩と花崗岩の境界など山盛り。野鳥のさえずりや道すがら目にした密やかに咲くキンランに癒されて心地よい思いで帰路に就いた。また訪れたいところである。

学んだこと:

  1. 生駒・金剛山地は花こう岩などの深成岩の岩盤が隆起してできた山である。
  2. 生駒山地の西側(大阪側)には南北に走る生駒断層帯があり、活動は今も続いている。
  3. 現在の生駒山地の標高は400m前後であるが、大阪平野の基盤とは2,000~3,000mの高低差がある。遠い昔の一時期、ここはアルプスの山々のようであったらしい。
  4. 西南日本は高熱のフィリピン海プレートの沈み込みにより地底の浅い所にマグマが形成され、それが随所で噴出して火山となった。信貴山もそのひとつである。
  5. 信貴山周辺には流紋岩、安山岩をはじめ多種多様な火山岩が分布しているが、そのマグマが基盤の花崗岩を貫いて噴出して固結したものである。その時のマグマの深さなどにより鉱物組成が微妙に変化するため、今回観察したような様々な岩石になった。(I.S)

    信貴山山頂へ

    山頂周辺の岩石

山歩き部会の5月活動報告

実施日 : 5月25日(水)

行き先 : 竜門山 (和歌山県・粉河)(標高756m)

コース : 粉河駅 10:00集合 (車相乗り)、登山者用駐車場~一本末登山口~田代峠~磁石岩~竜門山・山頂~明神岩~一本末登山口~登山者用駐車場 15:30頃    

参 加 : 30名

登山者用駐車場からスタートする。標高差は700mあり、かつ長い距離を歩くので、ランクはA~Bである。登山口までは、軽トラ道を登る。約1時間で登山口に着く。登山口にも駐車スペースがあり、家族連れはここまで車で来る。やっと山登りを開始する。さらに1時間ほどで田代峠に到着する。峠付近からこの地域にしか育たないキイシモツケ(シモツケはユキヤナギの仲間)の花が現れる。ここで昼食休憩。頂上に向かってさらに登ると磁石岩に到着する。この岩は、磁鉄鉱を多く含む蛇紋岩で磁気を帯びている。県の天然記念物に指定されており、磁石を近づけると、針が動く。この蛇紋岩は強い塩基性を示し、この地質に適合するキイシモツケが群落を形成する。頂上付近は、この花の独壇場となる。下山途中で明神岩に寄る。紀の川流域の景色がパノラマのように見える。登山口に戻り、駐車場に戻る。長い行程で結構疲れた。(Y.Y)

龍門山 A班

龍門山 B班

竜門山 キイシモツケ

竜門山 磁石岩

竜門山 展望台より

15期生5月25日の講座報告

年月日 : 2022年 5月  25日 (水)  晴れ

講座名 : シダ類の植物観察

講師  : 辻井 謙一 先生

場所  : ファインプラザ大阪・光明池緑地

 午前の座学では「シダ植物について」と「光明池周辺のシダ類」の講義だ。シダと言うと、花が咲かないのでマイナーな植物だと言う印象が強いが、ツクシ(スギナ)・ワラビ・ゼンマイ・コゴミ(クサソテツ)等身近な食材だと知ると親しみが湧いてくる。しかし種類が多くて同定するのは難しそうだ。 葉の色や姿と分岐、胞子嚢を入れる包膜の形・色・葉に付く部位等の特徴を確認しなければ決める事は出来ない。 パッと見ただけで分かるイノモトソウ・ノキシノブ・カニクサ・マツバラン等は楽だけれど、ベニシダ、イタチシダの仲間は手強そうだ。

午後は先生作製の“シダマップを”手に、ニュータウンの中に残っている雑木林の中を歩く。最初見たのはコハシゴシダとハシゴシダ。比べると何処が違っているかな?じっくり観察しないと分からないね! 暑い中しゃがみ込んで確認したり、裏返して胞子を見たり、多くの講座生が熱心に観察している姿が見られた。 写真を撮ったり、触ってみたり、思ったより時間が掛かる。時間内にクリア出来なくなりそうなので、初めて見るシダだけに焦点を合わせて速度アップを図った。 結果14カ所48種類のシダ類植物を観察したが、やっぱり今回観察したベニシダ類(7種)、イタチシダ(4種)を見分けるのは手強かった。    (S . Y)

座学の始まりです。スライドよく見えていますか?

コシダ 角のようにぴょんと飛び出している若芽が可愛い!

ベニシダ 包膜が少し紅紫色になっているのが分かりますか?

カニクサ 若草色の柔らかそうな葉に癒されます。

いのちの営み探検部会の5月活動報告

実施日   : 2022年5月21日 (土)

観察場所  : ならまち糞虫館・奈良公園

参加人数  : 17名 

テーマ    : 糞虫館見学と糞虫の観察

 本来であれば5月16日が活動日だが、今回は「ならまち糞虫館」の開館日に合わせて21日(土)に変更して開催。

 午前は糞虫館を見学、緑色、紫色、青く輝く糞虫たちを、まるでジュエリーショップのように美しく展示している。小さいものにはルーペや顕微鏡を備えて観やすく工夫されている。日本の糞虫、世界の糞の展示を一通り見学した後、糞虫愛が半端ない中村館長から糞虫について、日本には160種類の糞虫がいて奈良県では60種類が確認されている、中でも奈良公園は糞虫の聖地になっている等々の説明を受け、部会員も興味深く熱心に耳を傾けていた。

 午後からは奈良公園で糞虫観察。一同、棒切れでシカの糞を突っついたりひっくり返したりして糞虫を探す。そのうちに糞の塊の中に2~3㎜位の糞虫らしき甲虫を数匹発見。その近くで大きめの糞の下に青く輝く虫を見つけて歓声が。やっとオオセンチコガネをゲット。その後も次々と見つけることができた。

 いまにも降り出しそうな空模様の中、心配された雨にも合わず、楽しい大満足の部会となった。(K.I)

宝石のように美しいオオセンチコガネたち

糞虫の説明を聞く

シカの糞と糞虫(マグソコガネの仲間)

ルリセンチコガネ(オオセンチコガネ)

糞虫を観察

吟行部会の5月活動報告

第118回 吟行部会報告

実施月日: 令和4年5月21日(土)

実施場所: 和泉市・信太の森

参加者:  12名

今にも雨が降りそうな中、安倍晴明とその母の白狐で有名な信太の森に出かけました。先ずは、大楠が聳える葛葉稲荷神社に参り、旧府神社を経て、熊野街道へ。途中から、聖神社の大鳥居をくぐり、信太丘陵の坂道を登り聖神社の本殿へ。白鳳時代に創建された由緒ある神社の境内で、吟行句のネタ探しを兼ねて休憩。その後に鶴山台団地に隣接する鏡池、信太の森ふるさと館へ。ふるさと館の研修室をお借りして、昼食。引き続き句会を開催しました。途中、雨にも会わず暑くも無く楽しい句会でした。(文責:松下)

当日参加者の代表句    兼題 「立夏」 「柏餅」 「桐の花」 「麦わら」

  • 光る海思わず停める立夏かな          尚文
  • 柏餅祖母の手際が蘇る               ゆう一
  • 青空に花の挿すごと桐の花            たけみつ
  • 麦わらの散らばる牛舎昼静か           洋々志
  • 桐の花ひと際高し天を突く             まさこ(投句)
  • 初物は豆飯と決め老いの卓           ゆき雄
  • 山に来て山の脹らむ立夏かな           みえこ
  • 麦わらの帽子記憶のワンシーン        河笑流
  • 知床の海の深さよ夏嵐              流以
  • 忠魂碑村人供ふる柏餅              ふじ乃
  • 桐の花落ちて大樹を知りにけり         都史子
  • 年ごとに立夏を待たず半袖に         楠子
  • 空の青かの国想う立夏かな           万未知

当日句  特選二句

  • 万緑に浮かぶ朱色や和泉の社(しゃ)        ゆき雄
  • 万緑の大樹を守る石狐             万未知

15期生5月18日の講座報告

年月日:2022年 5月 18日 (水) 晴 

講座名: 浜辺の植物観察

 講師 : 大阪自然環境保全協会理事  木村 進 先生 

 場所 : せんなん里海公園

 爽やかな好天で干潮の時間にも恵まれ、格好の浜辺の観察日和であった。せんなん里海公園は人工的に整備された公園であるが、泥質・砂質・礫質海岸、崖地があり、大阪府では浜辺の植物観察に適しているそうである。日射、強風、乾燥、塩分・潮の満干による環境の影響等を受け独自の形態・生態をしていることに注目して観察するが大事である。

 崖地では、ウバメカシ、ヒメユズリハ、トベラなどの木が断崖に張り付くように成長していて、下にはオニヤブソテツなどのシダが見られた。 砂質・礫質海岸ではハマヒルガオ、ハマボウフウ、ハマゴウ、ハマボッスなどの花が健気に咲いているのが見られた。 オカヒジキ、ハマダイコン、ツルナは食べられるそうで、皆で試食してみた。 河口ではヒトモトススキが見られ、何と生駒でも見られるとのことだった。 クサイチゴの群生地があり、美味しく頂戴して目で舌で学習した一日だった。(U.T)

クロマツ この枝で3世代の松ぼっくりが見られた。

ハマヒルガオ 小さくても健気に花を咲かせていました。

オカヒジキ 試食したら少ししょっぱかった!

ツルナ これも試食。青臭いような味わい

14期生の5月18日補講講座報告

月 日: 2022年5月18日(水)晴れ

講座名: 里山の竹の間伐体験とクラフト作り

講 師: 田淵武夫先生(富田林の自然を守る会代表)

     カレッジ里山保全部会 野間様 牧野様

場 所: 滝谷・奥の谷

 暑いぐらいの良い天気に恵まれ滝谷不動駅から奥の谷まででひと汗かき到着。田淵先生に里山の成り立ちと保全活動のお話を聞き、この自然を維持していくことの大変さがじわじわとわかってきました。竹切は危険が伴うためヘルメット、スパッツ、滑り止めのアイゼン?革手袋、最後にノコギリとダニ除けスプレーで準備OK。この辺り元はミカン山だったとのこと。山を守るには竹を全部は伐れないし設計図どおりにはならないため「順応的管理」方法を取らざるを得ないなどのお話。植物のガマズミ、ウツギ(卯の花)などの説明や手入れをしている森としていない森の比較、竹は3ヶ月で10mも成長すること、竹藪の竹は全て同じクローンであること、竹は幹が空洞の為【節】で弱さを保持している、では竹はどの科の植物でしょうか?じつはイネ科の草本と聞いて一同驚きました。やっと目指す竹林へ到着。富田林の自然を守る会のお手伝いの方から見本の伐り方を教えて頂き、講座生の実習開始、倒す方向を見定めノコギリを使って交代しながら切り倒しましたがなかなか難しくしんどかったですね。2mぐらいにさらに切り(たまきり)竹細工用に担いで運んだ。

 午後は、皆さん何を作るか思案しながら決め、思い思い太い竹や細い竹を切ったり削ったり、先生に教えてもらってるのか、作ってもらってるのかわからない人もいませんでしたか?最後はなんとか作品として出来上がりました。よい季節でよい体験できました、お手伝いいただいた方たちにお礼申し上げます。(hiro)

ヘルメットに革手袋 準備OK

目指す 竹林

初めての竹切 頑張って!

これは「花入れ」見事ですね

野鳥部会の5月活動報告

月 日 : 5月18日(水)

探鳥地 : 大阪城公園

参加者 : 25名

鳥種数 : 17種

 申し分無しの好天気、日中は暑くなるとの予報。鳥の渡りシーズンは終盤を迎えるが、渡り鳥の通過地となる当公園に、はたして夏鳥は残っているだろうか?そんな心配をしながら先ずは市民の森へ、直ぐにキビタキを狙っているというカメラマン集団に出会うが、「なかなか現われない」とのことでその場を離れ歩を進めていくとようやくメボソムシクイの鳴き声が・・・姿は・・青葉に見え隠れしてなかなか全身を見ることが難しい。

 次の音楽堂から玉造門に通じる森ではシジュウカラの親子やスズメ、ハシボソガラスの幼鳥が我々の目の前をばたばたと拙く飛ぶ。途中「カラスに注意」の看板があったのは親鳥が神経質となる子育てシーズンだからか、他にメジロ、コゲラ少数。そして桜広場周辺ではハシブトガラスの大集団。いつも小鳥に出会うことの多い豊国神社裏もシジュウカラとスズメ、ムクドリばかり。午後は桜門から本丸を通り飛騨の森を回るがツバメ、イソヒヨドリを追加するのみで成果は得られない。堀の水面もカワウ、アオサギの他は全く水鳥の気配無し。結局、青屋門を出た所で予定より早い鳥合わせし、解散となった。

この時期の大阪城公園はカラス、スズメ、シジュウカラ、ムクドリ等の子育て場所になっているためか、何処へ行ってもこれら鳥のファミリーや幼鳥が目立ち、微笑ましくもあり親しみが湧く探鳥会となりました。

(番外編)解散後、一部の人は情報の有った全く反対側の教育塔まで足を伸ばし、お目当てのキビタキに出会うことが出来ました。綺麗な囀りも姿もばっちり。その近くではおまけのチョウゲンボウの姿も! (M.A 写真K.T、K.I)

メボソムシクイ

ハロ(日暈)

スズメ(幼鳥)

シジュウカラの親子

珍しいゴマダラチョウが!

キビタキ

14期生の5月11日補講講座報告

月 日: 2022年5月11日(水)雨のち晴れ

講座名: 昆虫入門③

講 師: 鈴木真裕 先生

場 所: 堺自然ふれあいの森

 午前の座学はまず昆虫は6本足の生物である、など前回の復習から①昆虫とは②昆虫の多様性③ふれあいの森の昆虫 の順に進みました。地球上に昆虫が出現したのが4.8億年前、現在約100万種が存在しており、植物の27万種よりはるかに多い。では種類の多い順は?カメムシ目と答えた人が多かったのはひいき目でした?皆さん驚いたのは1位コウチュウ目37万種、2位ハチ目13万種、チョウ、ハエ、カメムシの順でした。日本でもコウチュウ目10600種、ハチ目4500種などでやはり5位はカメムシ目2920種がいる。昆虫の多様性として里山では山雑木林、田、畑などでクワガタムシ、トンボ、ハンミョウ、カメムシなど環境への適応に応じた昆虫が生きていることを知った。堺自然ふれあいの森の紹介では、ギシギシアブラムシのカメムシ類イシガケチョウのチョウ類サルハムシ、コメツキムシのコウチュウ類アサヒナカワトンボのトンボ類などの多くの写真を見て午後の観察への期待が高まり、昆虫の目(モク)当てクイズでは頭をひねって回答し楽しみました。

 午後は幸いお天気も晴れ、第二豊田川みちを採集網やかごを持って思い思いに上を見たり下を見たりの昆虫採集で久しぶりに汗をかいて走り回りました。網から箱へ取り込むときに逃がしてしまうので苦労をしましたね。森の館に戻って一人一人図鑑を片手に苦労をしながら何とか同定できましたでしょうか? 今日の観られた昆虫は7目35種となりました。皆さんよく頑張りましたね。良い季節にいい汗をかいて楽しい日になりました。(hiro)

採集できましたか?逃がさないように

そこそこ! そこに・・・どこどこ?

アサヒナカワトンボ Get!!

難しいが 面白い 同定

昆虫目(モク)当てクイズ

こうやって網を仕舞います

昆虫部会の5月活動報告

1 日   時  :  5月10日(火)10:00~

2 場   所  :  新檜尾公園(堺市)

3 参加人数 : 11名

4 活動内容 :走り梅雨の合間、天候に恵まれ新檜尾公園で部会を行いました。3年前(26種)のこの時季より昆虫の種類が少ないのが気になりました。そんな中、9期生の井上さんがクマバチの幼虫の入った木を切って持って来てくださいました。みんなの見つめる中、木を割り中の様子を観察。幼虫,メスが作った花粉団子。一節ごとに幼虫と花粉団子が一つづつ。(花粉団子味見しました。食感/栗のペースト、味/甘みとほんのり酸味)井上さん曰く、上から順に卵を産んで羽化していることが分かった。三、四匹羽化しているのにまだ幼虫がいたことで理解できた。と言うことです。もう一つの巣は持ち帰り、幼虫の様子を観察されるとの事。楽しみです。また、ギンヤンマのヤゴが見つかり、平谷さんが持ち帰り育てていただけることに。早速水槽にヤゴの館を作って下さいました。今回は昆虫の数以上に充実した部会でした。

 以下、採集出来た昆虫です。ヒメウラナミジャノメ、オオヒラタシデムシ、コガタルリハムシ、ミツバチ、ホソヒラタアブ、コミスジ(つがい)、モンシロチョウ、キムネクマバチ(めす)、ベッコウガガンボ、モンキチョウ、キタキチョウ、ヨツボシトンボ?ヨモギエダシャク(個体差がある)、キムネクマバチ幼虫、ギンヤンマ(ヤゴ) 以上15種の昆虫に出会えました。(K.T)

クマバチの巣・・・クマバチの巣を割った

クマバチの巣・・・一節ごとに幼虫と花粉団子

クマバチの幼虫と餌団子・・・中を出してみた

クマバチの幼虫、餌団子・・・大きさ確認の為手のひらに

ギンヤンマ・ヤゴ

ヤゴの館

 

15期生2年目5月11日の講座報告

年月日 : 2022年5月11日(水) 曇りのち晴れ

講座名 : 薬用植物観察

講 師 : 山浦 高夫先生 (山科植物資料館館長)

会 場 : 山科植物資料館

今回は15期生では京都で初めての講座となる「薬用植物観察」である。ここ山科植物資料館は京都市の山科区内の住宅街のあり開設して70年の歴史があり現在、世界各地から収集した3,000種を超す薬用・有用植物を植栽している。午前は山浦館長からここで回虫駆虫薬サントニンの国産化に研究開発されたミブヨモギ(サントニンの結晶化に成功した圃場の所在地の京都市壬生の地名から命名された)や各種の有用な植物についての解説で薬用植物の知識を注入。

午後は小グループに分かれて園内の植物をガイドして頂いた。馴染み深い植物のベニバナ(紅花)にはアザミに似た形をしたオレンジ色の花を咲かせますが硬くて鋭いトゲがありベニバナ油となる種子の収穫に苦労するので品種改良でトゲの無い”トゲナシベニバナ”が生まれたが今度は種子が小さくなったので再度、品種改良が行われ、出来たのがトゲが無く種子の大きさも確保されたが花の色がオレンジ色から白い花が咲く”シロベニバナ”となってしまった物語があるそうです。初めて見る植物も多く時間の経過を忘れるほど楽しめたのと、今回の薬用植物観察で昔の人々が暮らしの中から自然界にある人間に有用で効能がある植物を見つけて、取り入れて来た事に人間の偉大さを感じると共に交通機関のトラブルで集合するのが大変な状況も体験した一日でした。(T・O)

日本で最も大きく毎年開花しているキソウテンガイ

日本三大毒草のドクゼリ(右側)茎が中空です

トビカズラ 赤紫色の蝶形花で開花後に独特の香りを放つ

チョウキンレン バナナに似ているが食べられないヨ、観賞用です

 

里山保全部会の5月活動報告

月 日 :  5月6日 (金)

場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

参加人数 :  13名

活動内容 :  最長の人は10日もありのゴールデンウイーク、さて何名が参加?の不安に熱心な13名の参加に安堵。 畑組は3月に植えたじゃかいもが元気に育っているのにひと安心。本日の楽しみは昨年11月に植付けた玉ねぎ・絹さやえんどう・つる有スナックエンドウの収穫。 予想以上の大収穫に歓声。参加者全員にたっぷりのおみやげ分配になりました。

 山組は先月に引き続き、通行が困難になっている山道の開通作業。草刈り機で背たけより長く伸びた笹等をなぎ倒し、台風で倒れ道をふさいでいる大木をチェーンソウで切断。先月に続きハードな作業でしたが、目標の峠までの開通を果たしました。(O.N)

3月に植付けたじゃがいもは大きく成長中

昨秋に植付け、コロナにも負けずに生育した玉葱、スナックえんどうを収穫。本日の参加者のおみやげ。

山道に伸びた草刈り機で草を刈る

台風で山道を塞いで倒れた大木にチェーンソウでチャレンジ

倒れた大木をチェーンソウで切り山道を通す

本日の大作業も無事終了しました。

 

 

 

 

山歩き部会の4月活動報告

実施日 : 5月7日(土)晴れ

行き先 : 信貴山 ( 標高487ⅿ)

コース : 信貴山口駅 ~ 高安山(昼食) ~ 信貴山頂~朝護孫子寺・空鉢護法堂 ~大虎 ~ 信貴山下駅

参 加 : 26名

当初予定の4月27日が雨天のため、5月7日に順延した。今回も2班に分かれて出発する。ケーブルのヨコを進む“おおみちハイキングコース”を行く。ケーブル山頂と高安山方面の分岐に着く。トイレ休憩のためにケーブル山頂駅に行く。昼食後、分岐に戻り、高安山に登る。三角点があるだけで見晴らしは無い。信貴山方面に向かう。低い尾根歩きが続く。やがて、信貴山頂に到着する。山頂を過ぎると、朝護孫子寺の奥ノ院に近い“空鉢護法堂”に出る。信貴山縁起絵巻で有名なお堂である。ここから鉢を飛ばし、ケチな庄屋の米蔵を鉢に載せて寺まで取り寄せた話である。お堂は、朝護孫子寺の境内の最も高い箇所にあり、ここからの景色は素晴らしい。お堂のヨコの広場で集合写真を撮る。帰りは、寺の境内を鳥居が立つ長い急な階段道で本堂まで下る。大虎で各自記念撮影を行う。今年は、当たり歳で正月は大勢いの人出で賑わったらしい。今日も、結構、人がいる。ケーブル撤去跡の道を信貴山下駅に下り、解散する。

信貴山a

信貴山b

信貴山大虎

信貴山高安山

 

マップ作り部会の4月活動報告

2022年度の「マップ作り部会」は場所を天野街道の陶器山の一部とし、陶器山トンネル上の休憩所を起点に南へ大野台西住宅地付近までをA・B・Cと地区を分け、一年をかけて定点観察します。地区をまたぐものは多く見られるところに記載しています。 なお、特に観察したい場所がある時などは柔軟に行動したいと思っています。

日 時 : 4月25日(月)  

場 所 : あまの街道陶器山尾根道

参 加 : 12名

 初回を前日の雨の影響を受ける事なく開催できほっとする。

<番外> まずはキンランが咲いていると聞き、地区外であったが会いに行く。美しい姿は一株だけでも出会えると嬉しくなる花である。

<A地区>  *木本 コナラの若木に付く虫えいを発見。直径4㎝もある大きな物で、ナラメリンゴフシ(楢芽林檎フシ)の名の通り陽の当たったところが少し紅くなっており、まるで林檎のようで美味しそうにすら見える。その他アラカシ、カマツカ、クサイチゴ、コナラ、モチツツジの花を見ることができた。  *草本では オオイヌノフグリ、オニタビラコ、オヤブジラミ、セイヨウタンポポ、チチコグサ、ツルニチニチソウ、ニガナ、ノゲシ、ヒメオドリコソウ、フラサバソウ、ヤエムグラなどの花を見る。

<B地区>  *木本 イブキジャコウソウ、ガンピ(蕾)、クサイチゴ、クロバイ、ニセアカシア(ハリエンジュ)、ミツバアケビ等の花を間近に観察。サルトリイバラやカキの実はまだ青い。  *草本では オッタチカタバミ、カスマグサ、カタバミ、カラスノエンドウ、カンサイタンポポ、シロツメクサ、セイタカハハコグサ、スイバ、スズメノエンドウ(実も可愛らしい)、スズメノヤリ(実)、タチツボスミレ(数は少ない)、ハルジオン、ヒメウズ、ヤブヘビイチゴなどを確認。

<C地区>  *木本 アオギリ(実、クルクル回りながら落ちてくるところを見てみたいものである)、アメリカマルバヤナギ、コバノガマズミ、ナワシロイチゴ(蕾)ムクノキの花を見る。   *草本では ギシギシを見付ける。黄色いコウゾリナやトウバナの花も咲き始める。その他ケキツネノボタン、コメツブツメクサ、シャガ、タチイヌノフグリ、ナガミヒナゲシ、ブタナ、ヤワゲフウロ等を確認。

 良く見かけるシャガは3倍体のため種子はできないのだと云う。花の構造も3・3・3…3本の雄蕊も雌蕊のヒラヒラした柱頭の付属体の裏に隠れている。これからシャガを見る目が変わりそうだ。 以上です。これからも部会員それぞれの観察力、知識、持ち味を出して頂き、楽しい観察会にして行ければと思います。  Y.M(文・写真)

イブキジャコウソウ

シャガ

スイバ花

ギシギシ花

ナラメリンゴフシ(虫えい)

キンラン

植物部会の5月活動報告

月 日 : 5月4日(水・祝日)

観察場所 : 金剛山山麓(伏見林道、百ヶ辻付近、池の川谷林道)

参加者 : 19名

 爽やかなみどりの日、好天にも恵まれ金剛山のロープウェイ前バス停付近は、家族連れの登山客で大混雑。その中を2班に分かれて出発。そのバス停付近では、ピンクをおびた白い花のツルカノコソウが群生しており、カキドオシの紫花やミヤマキケマンの黄花も負けじと咲き誇っている。伏見林道に入ると早速に暗紅紫色の花を付けたミヤコアオイを見つける。テンナンショウをあちこちに見つけ、ムロウテンナンショウとコウライテンナンショウは「花序の付属体の違い」にあることを確認する。沿道には地味な花を付けたイラクサ科のウワバミソウやカテンソウが続き、他にヤマルリソウ、ヤマネコノメソウ、オオバタネツケバナ、ジロボウエンゴサク、ツルキンバイ、チャルメルソウの花が咲いていた。

 伏見林道を離れ次の百ヶ辻付近の道路沿いは日当たりがよくミツバツチグリ、ヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴの小さな黄色の5弁花やジシバリ、ムラサキケマン、タチツボスミレ、ニョイスミレ、キランソウ等などの花が咲き乱れる。途中頭上に清楚な白花のシロバナハンショウヅルやツクバネウツギ、ミツバウツギ、ヤマブキや草地にはクサイチゴ、ニガイチゴ等の樹木の花を見つけ次の林道入口まで道路を下る。

 池の川谷林道に入ると道は暗くなり、両沿道にはカンスゲ、ヒメカンスゲやヌカボシソウ、クラマゴケ等の日陰植物が続く。このルートは登山客を見かけることが少なく今度はゆっくり観察出来そう。先ずチゴユリやユキザサの花を見つけ、その近くにタニギキョウの小さな白花を見つける。派手な色のラショウモンカヅラや小さな可愛らしい花のミヤマハコベ、サワハコベ、ヤマトグサも群生で咲いていて見事だ。その近くのフタリシズカはまだ蕾は固く、夏に咲くハエドクソウやトチバニンジンは花の気配も無い。

 今回は山麓だけであったが、充分満足する観察会となった。(M.K 写真M.A、M.K)

ツルカノコソウの群生

ミヤコアオイの花

ムロウテンナンショウ

ジロボウエンゴサク

ヤマルリソウ

シロバナハンショウヅル

ツクバネウツギ

ヤマトグサ

15期生2年目4月27日の講座報告

年月日 : 2022年4月27日(水) 曇り

講座名 : 天体入門

講 師 : 中島 健次 先生 (那須香大阪天文台台長)

会 場 : SAYAKAホール

午前は太陽と月、それに地球を含む惑星についての講義だ。太陽のフレア(太陽表面の爆発現象)やスーパームーン等について、スライドを見ながら教わる。昨年11月19日に見た ”ほぼ皆既月食”がとても綺麗な赤色だった事も理解できた。今年の11月8日に”皆既月食”があるが、トンガでの大規模な火山噴火の噴煙の影響で見え難くなる可能性もあるそうです。太陽系惑星では水星金星以外は全て衛星を持っており、地球は月の1個だけだが火星は2個、木星は79個、土星は82個も有るそうで、これらの星のお月見は夜空に浮かぶ満点の月を眺めるのだろうか?なんて想像するだけでも面白い

午後は先ず星座早見盤を作り、操作方法を教わる。これで見たい星がいつどの方向に現れるのかが分かる。次の星空の観察会では春の大三角、冬の大三角の解説や、星座にまつわるギリシャ神話なども加えた解説に皆聞き入っていた。私達が月や太陽や星を見た時のその光はリアルタイムの光ではなく、それぞれの星から1秒間に30万㎞の速さで進む光が地球に届くのである。身近な月は1.3秒前の光を、太陽は約8分前の光を見ているが、七夕のひこ星は16年前、おりひめ星は25年前の光を、オリオン座のベテルギウスは500年前、室町時代の光を見ていることになる。遥か遠い星からの光は人類の生まれる前の光を現在の私達が見ることは不思議な感覚に引き込まれ、果てしなく広大な宇宙を感じました。プラネタリウムにいるような空間の中で、先生自作のBGM(効果音)入りの話に笑い、星の美しさ、宇宙の神秘に感動した一日でした。 (S・Y)

望遠鏡の中の鏡を見ています。11.5㎝だって!

久し振りの工作。チョキ、チョキこれぐらいで良いかな?

星座早見盤の完成

星空の観察会の始まりです。

 

石ころ部会の4月活動報告

月 日 : 4月22日

場 所 : 大阪市立自然史博物館

参加者 : 22人

活動内容 : 新年度の初回活動は自然史博物館 館長の川端清二先生による石ころや地質関連の座学と実習。初級編とは言え難解な部分も多かったが、ポイントの幾つかを整理してみると:

(1)石ころ・岩石の特徴と分類: 地球の表層には様々な種類の岩石があるが、成因別に火成岩(火山岩、深成岩)、堆積岩(砕屑岩、生物岩、化学岩)、変成岩(広域、接触変成岩)の3つに大別される。

(2)西日本・大阪周辺の地質: 大阪平野は北側を北摂山地、東側を生駒・金剛山地、南側を和泉山脈に囲まれている。北摂山地は海底にできた堆積岩(泥岩、砂岩、チャートなど)、生駒・金剛山地は地下でマグマがゆっくりと冷えて固まった深成岩(主には花崗岩)、和泉山脈は海底にできた堆積岩(泥岩、砂岩、礫岩など)の地層が隆起して山々になったもの。反対に大阪湾側は沈みこんだ後に、新たに積もった地層に覆われて今日の大阪平野をなしている。河原の石ころはこれら山々の地層や岩石の反映である。

(3)文化地質学の応用: 大阪城の石垣は巨大な加工石の多用やその工法に目を見張るものがあるが、石材は主に瀬戸内の小豆島や六甲山系で採石された花崗岩である。近年、大阪城の地下数mに豊臣期の大阪城の石垣が埋もれていることが発見され、地質学的に詳細な調査を行われた。石材は、北摂のチャートや笠木や信貴山の岩石を含むなど種類や産地も多岐に渡り、徳川期の石垣とは大きく異なるが分かった。歴史学や考古学とは違う文化地質学の意義がここにある。

午後の実習では淀川水系の木津川、芥川、猪名川や、大和川水系や紀の川水系の河川で採取された石ころ標本の鑑定を試みた。石に含まれている粒の特徴を肉眼やルーペで観察し、検索表に従って判定を行うのであるが、難しい。鑑定には慣れが必要であり、最終的には偏光顕微鏡による確認となるようだが、高望みしても始まらない。石ころの種類が川ごとに違うことは何となく分かった。少しずつ覚えればよい。石の楽しみ方は他にもいろいろあるのだから。(S.I)

座学

実習

15期生4月20日の講座報告

年月日:2022年 4月 20日 (水) 晴

講座名: 植物入門(木本)

講師 : 大阪自然環境保全協会理事  栗谷 至  先生 

場所 : 栂文化会館・西原公園

 

 従来は1年目の初期段階で実施予定の講座であったが、コロナ禍の影響で2年目の実施となった。

午前中は座学で樹木の分類、その構造、幹・枝・葉の構造と形などの説明を受けた。特に近くで見かけることの多い「クリ」「コナラ」「クヌギ」「アベマキ」の4種類の木を、樹皮の形状からグランドキャニオンの地形変化の様子に合わせて覚えておくと、物知り顔できるかも・・・などユーモアたっぷりの話しに皆納得顔であった。

午後は西原公園に出て、実際に樹木の観察を行った。桜の葉をルーペを使って熱心に観察するところからのスタートでした。ケヤキが切られた枝の切り口を樹皮が巻き込んで補強していく様子や、その中心部では樹皮の巻き込みより早く腐朽してしまった様子もみられ、興味深かった。ここ西原公園はニュータウン開発前のアカマツ林が一部残っており、現在はコナラが多いが、やがてはシイの林へとアカマツ林の遷移が予想される貴重な場所である。途中で今日一番の可憐な花のカマツカ(バラ科で非常に硬い材質で別名牛殺し)を見つけ、皆一斉にシャッターを切っていました。(U.T)

桜の葉をルーペで観察中。真剣そのもの!

樹皮の様子からもコナラが同定できる。

傷口を樹皮が巻く様子と、その中の腐朽部位

カマツカの花。可憐で思わずシャッターを・・・!

いのちの営み探検部会の4月活動報告

日 時 : 2022年4月18日 月曜日

行き先 : 浜寺公園 

参加者 : 25名

テーマ : 松ぼっくりはどうやってできるの?

春4月マツは花を咲かせます。上に向かって長く伸びている物があります。マツの花です。一つの木に松ぼっくりに育つ雌花と花粉をつくる雄花ができます。雄花でつくられた花粉は風により運ばれ、新しい枝の先にある雌花にたどりついて受粉・受精をし、雌花は時間をかけて成長をして松ぼっくりの状態になります(種が成熟するまで、一年半を要します)2年目の秋、成熟した松ぼっくりは、天気のいい日に開き、中の種が風に乗って飛ばされ地上に落下して春に芽を出します。種を飛ばした松ぼっくりはやがて地面に落下します。

 久しぶりの部会、浜寺公園は、桜は散ってバラはまだつぼみが多く、華やかさはありませんでしたが、松は(ほとんどクロマツ)花盛りで、観察にはとてもよい状態でした。(T.M)

春 花のさいている松の木

雌花・雄花と前年の松ぼっくり

雄花

雌花と前年の松ぼっくり

14期生の4月20日補講講座報告

月 日:2022年4月20日(水)晴れ

講座名:ネイチャーフォト入門

講 師:阿倉 薫先生

場 所:ファインプラザ大阪

 さわやかな青空。今日は、カメラのレンズを通して昆虫などの観察や撮影を行う講座。岩湧の森で出会った虫たちを1000種類以上撮影され、その中から様々な写真や動画を鑑賞。ユニークな動きで散歩するナナフシモドキの動画で癒される。アブラムシはメスだけで子どもを産むことができる「単為生殖」だそうである。ヒメバチはコナラの木に長い産卵管を入れて器用に卵を産む。知らないことがまだまだいっぱい!「昆虫に出合うたびに感動するんです!すごいですよね。」と仰る講師の優しい言葉に昆虫愛があふれている。

 トンボの雌雄の見分け方は、横向きにして腹部の根本付近がふくれている(副性器)のがオス、滑らかであればメス。これからはじっくりと観察してみよう。嫌われがちなクモは眼が8個で種類によって位置や形状が違う。クモをじっと見ることがないのでこんなにあるなんて驚き。最後に100均で買えるというマクロレンズを使って、紙幣や硬貨の細かい部分を撮影。肉眼では見えなかった細かい文字やデザインがはっきり見ることが出来た。賑やかな声に包まれ笑顔のまま講座終了となった。(S.N)

久々の座学 真剣に耳を傾けます

マクロレンズ 100均で買えます

エサキモンツキノカメムシ背中にハート模様

アケボノソウ 密を求めてアリさん集合

野鳥部会の4月活動報告

月日 : 4月20日(水)晴れ

探鳥地 : 大泉緑地

参加者 : 27名

観察種数 : 22種

春の陽気の中、園内は八重桜、ハナミズキが満開で草花や野花は真っ盛り、樹木の新緑もまぶしい位の好天気。天気は夏日を予報していたが、湿度が低いせいか暑さは感じられない。

 大泉池や頭泉池では常連のアオサギ、コサギ、カワウ、カイツブリ、バン、カルガモ、オオバンの他に冬鳥のヒドリガモやコガモが数羽であるが未だ残っていた。アオサギの巣では雛が孵っているのを見つけ、池ではカイツブリの親子が一緒に泳いでいるのを見る。またカイツブリ2羽が水上を“追いかけっこ“するかのように走りまわり泳ぐのを興味深く観察した。そして時々、水上をツバメが横切り、空高くオオタカ2羽が通過した。

 小鳥の森である「水流」エリアでは、いるはずの小鳥の姿が全く見えない。鳴き声すら聴こえない。ここでは渡ってくる夏鳥を期待していたが残念。しかし林下草叢ではシロハラやツグミがあちこちで歩きまわっている。その後、園内各所で「またか」というほど出合うことになる。北へ渡る準備のためこの公園に集まってきているのか。

 コナラ等の新緑樹林の中を進むとあちこちからシジュウカラ、コゲラ、スズメやカワラヒワの鳴き声があるが、姿を見つけるのが難しくなってきた。それでも新緑の中を探すのも気持ちよく楽しい観察のひと時だ。今回は種数としての数は少なかったが各個種の鳥数は多く、満足する観察会となった。(M.K 写真K.T、M.A)

カイツブリの親子

オオバン(手前)とバン(奥)

ツグミ

シロハラ

シジュウカラ♂

コゲラ

吟行部会の4月活動報告

第117回 吟行部会報告

日  時  令和4年4月16日(土)

場  所  岩室山 観音院

参 加 者  13名

コロナ拡大で部会もWEB句会が主流になって部員が顔を合わすことが出来なくなっていましたが、ようやく 今年度初めての部会を再開することが出来ました。泉北ニュータウンから少し外れた閑静な岩室山 観音院ご住職から観音院の縁起を伺った後、ご厚意で本堂をお借りしての句会。お天気にも恵まれて「御衣黄桜」「八重桜」の咲く院庭を散策しながら、新しい部員2名を迎えて、部会を行いました。  (文責 M.T)

当日参加者の代表句

  • 山道をゆるり登りてきじの声     尚文
  • 若布干す磯の香懐かし鳴門浜     ゆう一
  • 三陸の若布刈る娘のまなこ澄み    たけみつ
  • 戦場の靴音鈍し春の泥        洋々志
  • 和布刈舟関門峡の潮速し       まさこ
  • 雉の声女人高野の塔越へて      ゆき雄
  • 熱き湯に一瞬の青生わかめ      美枝子
  • 行く春を惜しみて眺むる空は青    河笑流
  • 風吹くな風吹くな小粉団の花     流以
  • 故郷の焙る香ほのか板若布      都史子
  • 子ら走りこでまり揺れる通学路    桂子
  • 若布刈る磯に賑はふ土地言葉     ふじ乃
  • 横殴り桜吹雪に舞う帽子       中楠萬壽子
  • 行く春や常温で飲る吟醸酒      花井一道

当日句

特選  観音寺石段走る花の塵         洋々志

入選  御衣黄の葉よりも淡き花の色      都史子

14期生の4月13日補講講座報告

年月日:2022年4月13日(水) くもりのち晴れ

講座名:補講講座 生命の歴史物語と自然博物館見学

講 師:各施設担当者

場 所:JT高槻生命誌研究館、高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)

 今年度最初の補講はJT高槻生命誌研究館から始まりました。生命誌とは?地球誕生から46億年。では生命は?ここで扇型の生命誌絵巻が登場、38億年前に生命が誕生し、現在地球上には5000万種いる生物も元は1種の生命であった。展示物の説明を受けながら、祖先細胞、ゲノム、DNA、RNA・・・段々頭の中は二重らせん状になってきました。人間の細胞は37兆個で構成されている事、脊椎動物の祖先はミクロミンギアとの事。46億年の時間生き物の多様性と共通性を体験して、何とか我に返った感じがしたのは私だけだったでしょうか? 説明員の方々お世話になりました。

 その後高槻駅よりバスで高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)に異動し昼食。午後は遊びながら学ぶとのコンセプトの展示物や芥川に生息する魚類の水槽や生き物、鳥類の剝製、昆虫標本も説明を受けた。カナヘビのお出迎えを受けての芥川緑地観察では、ツクシンボも残っていました。研究員さんの専門であるアリを主体とした昆虫観察ではタイワンタケクマバチ(クマバチ類)、キバネアシブトマキバサシガメ(カメムシ類)、アミメアリなど沢山を観察できました。鳥のイカルがきれいな声で鳴き観察会の最後にカワセミも姿を見せてくれ、面白いお話を聴けて楽しい一日となりました。(hiro)

これがDNAの二重らせん構造

カナヘビくんがお出迎え

今年の最後のツクシでしたね

カワセミがきれいな姿をみせてくれました

昆虫部会の4月活動報告

日  時 : 4月12日(火)

場  所 : 長野公園(河内長野市)

参加人数 : 13名

活動内容 : 

 新年度の昆虫部会活動を長野公園で行いました。初夏を思わせる日差しの中、たくさんの昆虫に出会えると思っていましたが以外にも昆虫の種類が少なかったです。1時間ほど採集しその後、みんなで同定。少ない昆虫でしたが、すぐに判るもの、そうでないものがあり、持ち帰って調べる昆虫もあり全て写真に収めます。少し物足りなかったものの、久し振りの部会。新しい方も2名参加していただき充実した一日でした。未同定を含む8種の昆虫を採集することが出来ました。(K.T)

キムネクマバチ(オス):ホバリングしているのは全てオス

ベニシジミ:季節により色が変わる(夏は黒っぽくなる)

ホソヒラタアブ:季節によって腹部の斑紋が変わるらしい

スジグロチョウ:翅脈が黒い

写真部会の4月活動報告

日  時 : 令和4年4月13日 

行  先 : 鶴見緑地公園

参加人数 : 4名

 朝方、少し雨模様であり参加人数は少なかったが3か月振りの撮影会。地下鉄鶴見緑地駅に10時に集合し公園内自由散策し撮影、天気は良好で少し暑かったが昼までに終了し散会。(H.O)