16期生の10月16日講座報告

年月日  2024年 10月16日(水)  曇り

講座名:淀川の水生生物

講師:施設担当(丸山さん)

場所:大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センター(寝屋川市)

 今回も天気に恵まれ、センターでの展示物の見学や講義、また野外での観察など生物多様性の大切さを十分に実感できる良い講座となった。特に「淀川のシンボルフィッシュ」といわれるイタセンパラについて学ぶことが多かった。イタセンパラは現在、大阪府淀川と富山県氷見市、濃尾平野の河川にのみ生息する日本固有種で、1974年に魚類で初めて国の天然記念物に指定された。そして1995年には国内希少野生動植物種に指定され、2005年には城北ワンドで最後の姿を確認。絶滅が危惧された。生物多様性センターでは、野生復帰への取組として2013年にイタセンパラ500個体を淀川の城北ワンドに導入し、その後2022年までは自然繁殖を繰り返した個体が継続的に確認された。しかし2023年の調査では稚魚も成魚も確認できず、また新たな危機に直面することになったという。イタセンパラ保全のために公的機関や市民ネットワークと連携して、さまざまな調査や保全活動が現在も行われていると知った。

 午後からは、野外に出て水辺の植物や生物、昆虫などを観察した。全員が網を持ってオンブバッタを追いかけ、幼いころにタイムスリップしたようで楽しかった。バッタを捕まえては翅を広げ、赤(外来種)か白(在来種)かを確認。結果、赤のアカハネオンブバッタ30に対して白の在来種はわずかに2体のみ。2年前15期生の時には11対9だったので、その激減ぶりが恐ろしい。アカハネオンブバッタは2012年ごろから関西を中心に増加したのだとか。17期生の方が観察するころには果たして在来種は見つかるのだろうか?

 生物多様性が50年で、自然環境の損失や気候変動により73%低下したとの報告書を世界自然保護基金(WWF)が発表(10/10)したと知ったのはついこの間のこと。スズメでさえも「絶滅危惧種」の基準に相当するペースで急速に減少していると聞いたが、なんとも恐ろしい。琵琶湖・淀川水系の生物多様性の問題は、淀川の水を「いのちの水」として利用している私たちにとっても看過できない大きな問題だ。様々な生物が互いに支えあい、互いの命を守っている。生物多様性がいかに大切であるか、身近な話、体験を通して深く考えさせられる1日だった。  (K/T)

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身近で見つける生物多様性(特別展示中)

淀川の淡水魚、絶滅の危機を乗り越えて復活!しかし今また危機が…イタセンパラを守る市民運動

上段:淀川のシンボルフィッシュ、イタセンパラ
下左:琵琶湖のイチモンジタナゴ、下右:カネヒラ(淀川で復活)

 

センター内の水槽で淀川の淡水魚を観察。近くには琵琶湖の淡水魚も展示。

水辺の植物園を観察、生物季節観測の取組についても学んだ。

ニホンイシガメ(在来種)とクサガメ(外来種)、見分けられますか?

ビオトープで水辺の生物を観察。アメリカザリガニは駆除対象。

オンブバッタの観察。左上はアカハネオンブバッタ、左下は在来のオンブバッタ。30対2で外来種の圧勝、絶句。

16期生の10月9日講座報告

年月日  2024年 10月 9日(水)  晴

講座名:気象台と津波高潮

講師: 施設担当

場所: 大阪管区気象台と津波・高潮ステーション

谷町4丁目にある「大阪管区気象台」を訪ねた。管区気象台は全国に5つあるが、その主な仕事は気象情報の発表と地震・火山観測に関することだ。

震度とマグニチュードの違い(震度は場所によって違い防災対策に必要)、阪神淡路大震災以降に89ケ所に増やして震度計測するようになったことを聞いた。危惧されている南海トラフ地震について「長周期地震動」や「南海トラフ地震臨時情報」について学んだ。

気象情報として「天気図」「警報・注意報」「天気予報」を作成しており、天気予報作成の4つの過程は①アメダスや気象衛星などによる「観測」②スーパーコンピュータによる「計算」③地域特性などを加味し予報官が判断する「予報の作成」④3回/日出す「発表」であり、警報や注意報は都度発表される。

「どのような学問をした人が気象庁に入庁」⇒理学部系が多い、「気象予報士の資格は必要か」⇒必要ない十分な研修がある等々、講座生は興味深々で次々に質問が続いた。その後、建物内の「予報現業室」と外にある「露場」にある観測機器を見学した。

午後から阿波座駅に移動し「津波・高潮ステーション」を訪ね、高潮発生の原理と過去大阪の被害や対策、地震による津波被害や今後の南海トラフ地震に対する準備や心がけについて学んだ。大阪では総長234㎞におよぶ防潮堤や独自のアーチ型防潮水門を備えた防潮対策が取られていることや大阪駅近辺でも海面より低く、津波の際には御堂筋より西側は浸かる危険があると聞いた。

防潮堤に586ケ所もある防潮扉を一斉に閉めるための「水防団」の取り組み、地震が発生した場合には①「まず逃げる」そして②「生ききる」ことを肝に銘じ、今すぐには「家族が集まる場所を確認」することが大切だと学んだ。(H.I)

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地震火山活動の測定・機器保守や情報発信も気象台の役割。

南海トラフ地震臨時情報の有効期間は1週間(避難期間の限度との意見から設定)

アメダス、気象衛星など情報と地域の特性に過去の天気変化や一日7度の天気観望などから予報。

気温の測定機器に近づくと気温が変わると注意された。当日天気は?「晴れ」が正解。

映像による模擬南海トラフ地震映像を見る。大阪中心部は海面より低い。

過去の台風による高潮被害模様を見る。一斉に防水扉を閉めるなど「水防団活動」が重要。

16期生の10月2日講座報告

年月日  2024年 10月2日(水)  晴のち曇り

講座名:浄水場と植物園

講師: 施設担当

場所: 村野浄水場および大阪公立大学附属植物園

 

まだまだ暑さが続くなか京阪交野線「村野駅」に集合、日本一の供給能力を誇る村野浄水場の見学に向かった。昭和26年から淀川を水源として大阪府下に「暮らしの水」が供給されている。枚方市の磯島で取水された源水は4㎞離れたこの村野浄水場に送られ、取水されてから様々な工程を経て12時間で水道水ができる。水需要が増えるに従い現在は平面系1と階層系(ビル内)2の3系統で運営されていると学んだ。

長い間「大阪の水」はかび臭いなど不評であったが、オゾン処理を含む高度浄水処理が始まった平成10年以降はおいしい「大阪の水」になった。また、安全な水道水を供給するために様々な工夫がされていることも学んだ。取水口には源水の安全確認のため「コイセンサー」として炭鉱のカナリアの代わりに鯉が飼われていると聞いた。

午後は同じ交野線沿線「私市駅」にある大阪公立大学附属植物園のガイドウォークに参加した。人気の温室や派手な花壇は無いがしっとりと落ち着いた日本産樹木を中心とした広い植物園だ。来園者が観察しやすいように枝や葉が手に取れる高さに樹高が工夫されていた。入口にあるスイレン池の説明からメタセコイアと沼杉の林、関西のメタセコイアはここから広がったとの話を聞いた。ここでも気温や雨の降り方などで樹木が弱って、紅葉も以前ほどでなくなっているらしい。

 この植物園は日本の代表的な樹林型が再現されている。エゾマツやマングローブの2種の樹林型を除く13種の樹林型が再現され、あわせて外国樹林型も栽培されている。1時間のガイドウォークは30分ほど伸びたが、楽しむには不十分であった。はやりではないが、ゆっくりと色々な季節に訪れてみたい植物園だった。(H.I)

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直径2.6mの導水管前に全員集合、取水口から浄水場まで4kmをつないでいる。

PACで源水中の微粒子を凝集させ砂でろ過するろ過工程の再現。見事に透明な水になった。

広い平面浄水施設を見て回る、甲子園6倍の広さ。工程を経るごとに水は透明になっていく。

施設内や府内のポンプ場もほぼ無人、この中央管理室で集中管理されている。

さあガイドウォークに出発、まずは温帯と熱帯スイレンを見る。熱帯スイレンは色濃く派手やね。

池の周りに広がるヌマスギの気根。メキシコでは4×2mにもなるらしい。

メタセコイアとヌマスギの林。樹幹や樹皮の外観や葉が互生と対生で違っている。

13種の日本産樹林型への林が始まる大きなクスノキの前で、枝や葉に触れるよう樹高が低く育てられている。

16期生の9月18日講座報告

年月日 2024年 9月18日(水)  晴

講座名:キノコ入門②

講師: 丸山健一郎先生(認定NPO法人大阪自然史センター・関西菌類談話会)

場所: 烏帽子形公園・ラブリーホール 

 16期生2年目のキノコ観察講座。9月半ばとはいえ、今年の異常気象ともいえる猛暑の中、集合時にはすでに汗びっしょり。初めに講師持参のカメムシタケを見せてもらった。カメムシににょきっと生えるキノコにびっくり。出発前にキノコ採集の基礎を教えてもらった。ポイント1、まずまわりの環境をしっかり見る。何から生えているのか。虫から生えるものもあれば、モグラの巣のトイレから生えるキノコもある。地面の下にも特徴がある。キノコの上だけを見るのではなく下から採集すること。採集したキノコはビニール袋に入れない。新聞紙やアルミホイルで飴ちゃん絞りにして紙袋に入れること。

さて、今日はどんなキノコが……と歩き出したがいつもなら可愛い姿を見せてくれる苔の上も乾燥し、皆無。草原を抜けて林間部へ。ポイント2、目星をつけて探す。キノコにはそれぞれ仲良しの木がある。クスノキにはキノコはつかない。マッタケがアカマツと仲良しであるようにお気に入りの木がある。カシやクヌギ、コナラなどブナ科は根っこにキノコがつく。竹林には竹にしかつかないキノコがあるがあまり見つからないとか。どんなところにキノコがつくか、目星をつけて探すことが大切と学んで歩き出すと、カワラタケやウロコタケ、マンネンタケなど乾いた系のキノコをはじめとしてテングタケ3種、イグチ9種、ベニタケ4種など次々と見つけ、立ち止まっては講師の解説に耳を傾けた。結果、20種以上の大収穫。

午後からは、涼しいラブリーホールの会議室で、座学。午前のキノコ観察を振り返りつつ、さらに知識を深めた。最後はみんなで採集したキノコをグループ別に並べ、じっくり観察し同定作業。なかなか同定しづらいものもあったが、みんなでワイワイとたのしく観察ができた。   K・T

名前が出たキノコ

・シロテングタケ・コタマテングタケ・ヘビキノコモドキ・キクバナイグチ・コガネキクバナイグチ・ヤマドリダケイグチ・ニガイグチの仲間(イグチは?も入れて9種)・ウラベニイグチ・ウツロイグチ・ベニダケ4種・ナラタケモドキ・ノウダケ・ニセショウロ・コフキサルノコシカケ・ツガサルノコシカケ・ウチワタケ・カワラタケ・カイガラタケ・クロコブタケ・ニセキンカクアカビョウタケ・ホウライタケ属・モミジウロコタケ・マンネンタケ・おまけツノホコリ(粘菌)

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カメムシタケにびっくり!冬虫夏草もいろいろ

上・テングタケの観察。傘・ヒダ・つば・柄・つぼの5つそろえばテングタケの仲間と考えられる。つまり毒キノコも多い
 下・イグチの仲間、食べられるものもあれば毒もある

いろいろなキノコを観察

午後は座学でキノコの学習、それにしてもなんとカラフル、種類も多い

本日の収穫をグループ別に並べ、観察

キノコは傘の下側を観察しよう、色も形もいろいろ

これもキノコ?!中・ニセショウロを切ったもの、まるで薄皮まんじゅう?

収穫したキノコたちのポージング、撮る角度で見え方も違うものだなあ

 

 

16期生の9月11日講座報告

年月日  2024年 9月11日(水)  晴

講座名:ウミホタル観察

講師: 山田浩二 先生(貝塚市立自然遊学館学芸員)

場所: せんなん里海公園・青少年海洋センター

「疲れたー、楽しかった―」参加者の声をまとめるとこうなるだろうか。充実した疲れ、大満足の楽しさを感じた。まだ暑さの厳しい中、初めての夜間活動。参加者が少なかったのは残念だったが、ウミホタルについて理解を深めることができ、それぞれが工夫して作った仕掛けでウミホタルも大収穫、その青白い神秘的な光にすっかり魅了された。

大阪湾でウミホタルが観察されるようになったのは2,000年以降、それまでは赤潮が大発生するような汚い海。夜になるとピンクの赤潮の中にボヤっとヤコウチュウの光が見えたとか。その大阪湾がきれいになるにつれ、ウミホタルが観察されるようになった。ここ泉南の海でもたくさん観察できるようになったが、まだ関空より北では見られない。ウミホタルだけでなく、海洋汚染で減少していたアマモも泉南の海辺に増えてきた。アマモは二色浜でも観察されるようになってきたとか。やがて二色浜でもウミホタルが見られる日がくるのではと「きぼう」がわく。

ウミホタルは海底の砂の中で昼寝て、夜になると魚の死体などエサを求めて砂の上を這うようにして泳ぎだす、いわば海のお掃除屋さん。口から発光物質を放出させて青紫色に発光する。その光り方で求愛や敵を威嚇したり、危険を知らせたり、メッセージを送る。まるで言葉のようだ。また、キンメモドキという魚はウミホタルを捕食することでその発光物質を体内に取り込み、大型の魚から身を守るために利用しているとか。人もまた乾燥させたウミホタルの発光物質を利用していたなど、ウミホタルへの興味はますます深まるばかり。わずか2,3ミリの小さなウミホタルの命の光と空に輝く「きぼう」の真っすぐな光に心が大きく揺さぶられる講座だった。 K・T

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ウミホタルについて構造や生態などを学習

ヤコウチュウ、ウミホタル、ゲンジボタル その光り方の違いは?

さまざまに工夫された採集道具、エサにはカニカマ・魚肉ソーセージ・チクワ・チリメンジャコなど、混合がよい

 

青少年海洋センター横の船着き場の桟橋で仕掛けを海に投入

なんと神秘的なウミホタルの発光 これは危険を感じての発光か?

仕掛けを投入して待つこと20分 その間に空を見上げて「きぼう」(国際宇宙ステーション)の光を観測(月の右斜め上)    ウミホタルと「きぼう」の光 2つが見られる幸運

16期生の9月4日講座報告

年月日  2024年 9月4日(水)  晴

講座名:こだわりの草木染

講師: 水谷 道子 先生

場所: 国営飛鳥歴史公園

夏休みが終了し久々に講座生が集合した。1,300年以上昔、飛鳥時代の文化遺産と飛鳥の自然を生かすために造られた公園で古代手法に沿った草木染を体験し、続いて古代の余韻にひたりながら彩色の壁画で有名な高松塚を見学した。

古代の人たちは自然とのふれあいの中から身近な植物の葉・茎・根・実を使って、それを刻んだり熱したりして布に染色を施してきた。そして板や棒などを使って様々な模様を創造したことを学んだ。その模様は主に自然現象から発想され、雲の形状であったり虹の形状であったりした。また、その手法は布を三角形や四角形や紡錘形に折りたたむなど、「何やこんなんでできるのか」と思うほど単純だった。

講座生は講壇にある様々なサンプルを見ながらめざす模様を決めた。染める布を折りたたみ、染めない部分を平板や輪ゴムで絞り込んだ。色にじみがないように輪ゴムでしっかりときつく絞ることがコツのようだ。

次に6種の植物を煮出した染料に染める部分ごとに漬けて水洗いし次の染料に漬ける、折り込んだ布の細部まで染料をしみこませることがコツのようだ。講座生それぞれの色遣いと模様に個性があり、甲乙つけがたい出来であった。

 午後からは歩いて10分ほどの高松塚壁画館を見学した。福岡学芸員からしょうがを保存するための穴を掘っていて発見された話や、描かれている人物像や四神の図などの説明を受けた。埋葬品や高松塚の位置関係などから、埋葬された年代や被埋葬者の特定するための様々な検討模様を伺った。

古代人の草木染体験や高松塚の壁画を見ることで少し飛鳥時代へタイムトラベルできたかなと思う反面、植物は当時と変わってないものも多く1,300年たっても変わってないなとも思えた。(H.I)

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「今から古代にタイムスリップします」から 講座が始まりました

布に色々な折り目をつけることで模様が出現「なんやカンタンやな」

実際に布を折ることから始まった、「なかなか難しいな」

煮出した染液を布にしみ込ませる、「慌てないでじっくりと」講師の注意が続く

染液1種類ごとに軽く水洗いをする

 

 

ホント力作ぞろい、満足顔と個性的な作品が並んでます

極彩色の壁画の人物は活き活きとしています

 

 

16期生の7月24日講座報告

年月日:2024年7月24日(水) 雨

講座名:梅花藻の観賞と琵琶湖博物館見学

場所:米原市醒井、草津市滋賀県立琵琶湖博物館、草津市立水生植物公園みずの森

  前日より雨予報となり少しの心配があったが、当日の出発後に伊吹山ドライブウェイが豪雨で終日閉鎖となり、急遽、予定を「伊吹山高山植物観察と梅花藻観賞」から「梅花藻の観賞と琵琶湖博物館の見学」に切り替えた。

 梅花藻観賞では地蔵川の清流の中で揺れるキンポウゲ科の淡水植物の梅花藻を見た。流れの穏やかなところでは花が水面に顔を出しているのを観察し写真を撮ることができた。冷たい水に手を浸し涼感を楽しんだり中山道の宿場町の風情ある街並みをゆっくりと散策した。

  午後は琵琶湖博物館と水性植物園の見学。琵琶湖博物館では古代湖である琵琶湖の地質、生き物の歴史、人の暮らしなど広範囲の展示がされていた。特に淡水生物の水族展示室では昨年の水槽破損事故からクラウドファンディングで支援を受けて再生されたというアクリル水槽で身近なコイ、フナからビワマス、ウグイ、ハス、スゴモロコ、コアユ、ビワヒガイなど豊富な展示を見ることができた。

 最後に水性植物公園みずの森。ハスやスイレンの花が見頃でヒツジグサの名の由来は未の刻に咲くことからきているといわれるが、その名のとおり開花しているのが興味深かった。一方午前中に咲くというハスは花を閉じていた。ハスの花は水面より高く、スイレンは水面近くに咲くという花の時期ならではの見分け方を知った。温室や手入れの行き届いた池に浮かぶパラグアイオニバスや色とりどりの花を楽しむことができた。

 もう一度ゆっくりと来たいという声も聞かれ博物館を訪れて楽しい時間を過ごせて幸いだった。E.H.

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醒ヶ井の佇まい

地蔵川に生息するハリヨ

16期生の7月17日講座報告 

年月日  2024年7月17日(水)  晴れ

講座名:粘菌観察

講師:川上 新一先生(和歌山県立自然博物館 学芸員)

場所:堺自然ふれあいの森

 今回の主役は「森の魔術師」「森の宝石」または「森の妖精」「癒し系微生物」などのニックネームを持つ粘菌(変形菌)。前週の講座「微小貝」で小さなものから大自然、生命を見るという視点について学んだが、今回はまさに小さな単細胞生物、粘菌について講義を受けた。

 粘菌は植物でも動物でも菌類でもない生き物。近年の研究で、アメーバ細胞を有するグループ「アメーバ動物」に属することがわかっている。植物のように胞子で殖えるが、発芽すれば粘菌アメーバ(10ミクロメートル=1ミリメートルの100分の1)となって自由に形を変えエサ(バクテリア)を求めて動き回る。さらにいくつもの性を持っていて(モジホコリはなんと720もの性を持つものもいるとか)、接合し細胞内核分裂を繰り返してさらに大きな変形体となって動き回る。ときには倒木を覆いつくすくらい世界で一番大きな単細胞生物となる。やがて栄養が少なくなり、乾燥するなど環境が変化すると倒木や朽木、落ち葉、土の表面へと移動し、子実体に変わり、胞子をホコリのように飛ばして子孫を残していく(ゆえに粘菌の名前は~ホコリとつく。)単細胞から何億もの胞子を飛ばしていくのだ。ホコリは軽いので、成層圏までも飛び、世界中へとその生命をつないでいく。聞けば聞くほどに神秘に包まれている。そして、変形体から変化した子実体のなんと小さく美しく、なんと繊細な不思議な姿。

 午前中しっかりと座学し、午後からは、先生に見せていただいた子実体の標本でその大きさを確認したうえでフィールドへ出た。足元のぬかるみや泥も気にせず、どんどん叢や落ち葉をかき分け、朽木や倒木を転がし、しゃがんでルーペで確かめた。蒸し暑さの中、1時間の奮闘でなんと11種も見つけることができた。変形体も見つけることができ、大収穫。

 その後、森の館に戻り、顕微鏡を使ってみんなで同定作業に取り掛かった。短い時間なので?もあるが、正確な同定は後日川上先生が連絡してくださると、楽しい約束をしていただき講座を終えた。それぞれ、スマホの中に「森の宝石」をしっかりとらえることができたでしょうか?  K.T

*今日見つかった粘菌

シロウツボホコリ、ウツボホコリ、マメホコリ、ツノホコリ、フシアミホコリ?、ススホコリのなかま、アミホコリ、モジホコリのなかま、白い変形体、ススホコリ?の変形体、チャコムラサキホコリ?  以上11種

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さあ、変形菌入門講座のはじまり~

粘菌を求めて、ふれあいの森を大調査!

顕微鏡を駆使して同定作業

左上からシロウツボホコリ、ウツボホコリ、マメホコリ、ツノホコリ

左上からフシアミホコリ?、ススホコリのなかま、アミホコリ、モジホコリのなかま

上 白い変形体、
下 ススホコリ?の変形体

上 チャコムラサキホコリ
下 白い変形体の子実体 ソラマメモジホコリ?(翌日、参加者が確認)

16期生の7月10日講座報告

年月日  2024年7月10日(水)  曇り

講座名:こんな小さな世界(微小貝)

講師:菅井 啓之先生

場所:ノバティーホール会議室B

 菅井先生に1年目「自然観察の視点」の講義を受けて、今回は2回目。視点を変えて、小さな世界から自然を観る。先生の口癖は「気づくことが大切、気づけばあるが、気づかなければ何もない。」今回は微小貝の観察。さあ、ルーペを準備して、「これから今まで一度も触れたことのない世界に触れてみますよ!」なんと心躍る声掛けか。

 まず、沖永良部島の砂から星砂を見つける。みんな真剣だ。よく見ると星形のもの以外に丸っこいものも。いずれも有孔虫の死骸からできたものだと。さらによく見ると小さな貝も混じっている。

 次に海岸で採取し、ふるいにかけた(微小貝を除いた)中から2枚貝を探す。よく似たものがほとんどで、ミミエガイの茶色の皮がとれたものだとか。2枚貝は種類が少ないことを確認。

 さあ、次はいよいよふるい落とされた微小貝を探す。ルーペを見ながら慎重にピンセットでつまんでは白黒シートの上に並べる。1~2ミリのなんと小さく、なんと種類の多いことか。そしてほぼ巻貝。なぜ?それは巻貝(微小貝)の構造上の特徴にある。8000メートルを潜る探査船ができたおかげで水深3000メートルの海底から多くの微小貝が見つかっているがすべて新種(今まで誰も観察したことがなかったので)。その姿もようやくわかってきたのだが、その貝殻の芸術的ともいえる繊細な彫刻の美しさ。そして強さ。ドラム缶をもつぶす深海の水圧に耐えられるような構造になっているのだ。小さな貝になるほど、その彫刻も複雑になっているとか。こんなにも小さな貝がこんなところでこんなふうに生きていたなんて、まさに「今まで一度も触れたことのない世界に触れてみた。」

 私たちが海岸を歩くとき、その足下の砂浜や磯部に微小貝が眠っているかもしれない。深い海から運ばれて砂に混じっているかもしれない。気づけばあるが、気づかなければ何もない。今回も、菅井先生のお話は深いなあと感じた。

 大阪シニア自然カレッジは自然を学ぶ集まり。ただ自然を知るだけはなく、自然を感じ、考え、行う学びが大切だと言う。微小貝を窓として、その奥に広がりつながる大自然や多くの命、そして自己の生き方を考え深める観方とは何か。それを考えるのがシニアの自然観察の在り方ではないかという先生の言葉は、これからの大きな宿題だなと感じた。いただいた微小貝曼荼羅の資料をじっくり読んでみようと思う。   K.T

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さて、星砂は何個?微小貝もあるよ!

2枚貝を真剣に集めてます。

左:ミミエガイ
右:星砂といろいろな2枚貝

図鑑で確認、ミミエガイとネズミノテ

微小貝を並べるのは一苦労

微小貝の巧みな構造にびっくり!

米粒ほどの微小ウニのマメウニ。口(大穴)と肛門(小穴)がある。

微小貝曼荼羅と菅井先生、オリジナルTシャツが素敵!

16期生の6月19日講座報告

年月日:2024年6月19日(水) 晴れ

講座名:浜辺の植物観察

講師:今井周治先生

場所:せんなん里海公園

 前日の大雨が嘘のような明るい6月の空の下。美しく管理されたせんなん里海公園で植物観察を行った。日差しが強く汗をかいたが日陰に入ると風が心地よかった。

 淡輪駅から公園に向かう道中から観察は始まりゴツゴツした海食崖、人口砂浜、塩性湿地、河口湿地という異なった環境の植生を見ることができた。

 海食崖ではウバメガシ、トベラのようなしっかりした感触で光沢のある葉を持つものやネムノキ、アカメガシワ、スイカズラがみられた。クロマツは触れた瞬間痛いと声を上げるほど鋭かった。シダ類のオニヤマソテツやヒトツバなどが下方で見られ明るい草むらではナルトサワギキョウやヒルザキツキミソウ、スイカズラ、テリハノイバラの花が咲いていた。

 砂浜ではハマダイコンの種、ツルナ、ヘラオオバコ、ハマヒルガオ、オカヒジキそしてママコノシリヌグイという恐ろしい名前の植物がみられた。肉厚の葉を持ち根は細くても深く砂の中に伸びている様子が観察できた。

 塩性湿地では潮の満ち引きによって海水の影響を受けても耐えられる植物がみられた。特にホソバノハマアカザが海水をかぶると赤くなる事を知った。オカヒジキが砂浜に這うように広がっている様子が興味深かった。海岸は石組みで整備されフェンスで囲まれたところではコウボウムギ、コマツヨイグサが広がりフェンスの近くではネナシカズラという不思議な植物に注目した。

 河口湿地では、雨の後で湿地の様子がよくわかり東大阪とここにしかない絶滅危惧II類のヒトモトススキを見ることができた。

 箱作自然海岸。崖と砂浜がすぐ近くで見られ、ホルトノキ、サンゴジュのような厚い葉を持つ木やヨシの群生、巨大なハマウドが生えた崖、砂浜にはオカヒジキが生えていた。一方手入れがされていない海岸部分では植生は変わらないが沢山のゴミが打ち寄せられていた。自然を守るためには人の手が入ることが必要だとよくわかった。

 海岸を歩きながら沢山の植物を観察し、環境に適合した強く多様な植物を見ながら光沢のある葉やトゲの多い茎、肉厚の葉、逆にイネ科やカヤツリグサ科の細く硬い葉を持つ植物が見られる理由を考える機会になった。E.H.

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16期生の6月5日~6日講座報告

年月日 2024年 6月5日(水)~6日(木)  晴

講座名:芦生の森一泊研修

講師: 福本繁、加藤潤子ガイド

場所: 芦生研究林 トロッコ道・上谷コース

 京都の北東部にある「芦生の森」は環状線の内側の2倍近い広さを持ち、京都大学の研究林として100年近く手つかずの天然林が残っている。生き物の種類が豊富で大都会に近い低山地としては非常に珍しい森林だ。2年目講座生がこの時期に訪れるフィールドで初めての宿泊講座だ。特別に許可されたガイドトレッキングでしか歩けないコースを歩いた。

JR園部駅に集合。マイクロバスで山道を行き、きれいなロッジ風の「芦生山の家」に着いた。途中の「美山かやぶきの里」で休憩、午後2時過ぎには山の家に到着した。その後、全員で昭和の前半に活躍したという森林軌道の朽ちた「トロッコ道」を2時間ほど散策した。山の家の奥さんから軽く「ヒルがいますよ」とやさしく注意を受けたが、本当に多かった。河原に降りたり、線路わきの植物を観察したり、途中にはオオバアサガラ・イワガラミ・コアジサイなどが盛んに咲いていた。

 翌日は8時からトレッキングに出発した。途中の下谷の大カツラを観察。株立ちのカツラの大木であるがヤマザクラやコシアブラなどたくさんの樹木が着生している。近くに寄ると圧倒されるが、周りではオオルリやミソサザイが盛んに美声で鳴いており別世界に入り込んだような感じがした。

 上谷・杉尾峠コースは芦生の森のメインコース、出発点の長治谷作業所からトレッキングが始まった。途中20回以上も流れを渡渉、「このコースは長靴が必須ですよ」との山の家の助言に従ってよかった。ミソサザイやオオルリやアカショウビンなどの小鳥の鳴き声やドラミングに癒されながら渓流わきの道を歩いた。

 苔むした岩や倒木、絡み合った木、倒木の上に生えた幼い木、クマに樹皮をはがされた木や冬眠穴となった大きな洞、盛んに落ちているトチの花、ツルアジサイやサワフタギが咲いている様やモリアオガエルが木の枝に産み付けた卵塊などを見つけて喜び、サワフタギの虫こぶやシカの顎の骨に驚かされた。

 しかし、湿地や池の縮小や消滅、山の斜面や渓流わきの野原はシカの食害によりシダやバイケイソウなどがわずかに生えているだけだった。一部ではシカ除け網が設置され植生回復への努力が見られた。

 行程4kmほどではあるが、杉尾峠をめざして歩け歩け、流れは細くなり由良川の源頭に近づく。やがて源頭に到着、そこは湿地状だった。さらに源頭の沢を上り詰め杉尾峠に着いた。タンナサワフタギが咲く山頂からは若狭湾や丹後半島が遠くにかすんで見えた。峠を下るとマイクロバスが待っていてくれた、みんなよく頑張った。

 暖温帯から冷温帯の植生が見られ多種多様な動植物が生息している「芦生の森」は濃密で、自然に関心があれば一度は訪ねてみる場所だと強く思った。また、夕食や懇親会時には話が弾み楽しい一夜となった。何を聞いても答えてくれ、スケジュールどおり案内していただいた二人のガイドさんに感謝します。(H.I)

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かやぶきの里

朽ちたレールや鉄橋を渡りトロッコ道を歩く

トチノキ平の大カツラ、ヒコバエが育つ萌芽更新で株立ちの大木に。ヤマザクラなどが着生、幹の周りで環境DNAなど様々な観測をしていた。

朽ちて倒れたトチの大木にコシアブラやタラが育つ。

ガイドさんから聞いた説明、覚えてるかな?

クマ剥ぎ、ホントに新鮮。ガイドさんもクマのように舐めて味見をしていた、あまりおいしくないとのこと。

遠くの斜面の大木の大きな洞が、クマの冬眠穴らしい。

モリアオガエルの卵塊。枝に産み付けられた卵塊の下に水たまり。ここにアカハライモリが待ち構えている、生きるのも厳しいね。

倒木の下で発見した、シカの下あごの骨。周りにはほかのものはなかった。

芦生の森の花。時計周りに右から、ミヤマカタバミのタネ、コナスビ、コアジサイ、トケンラン、落ちたトチの花びら、トチの花

歩け歩け、渡渉し由良川の源頭から杉尾峠をめざす。

シカ除けの網が張られ保護されたエリア、以前の植生が回復している。遅れて根までなくなると回復は無理。

トチノキに絡みついたツルアジサイ。アジサイの幹は20㎝ほどあった、木を枯らすことはない。

芦生の森の不思議。時計回りに右上から、コケの上に生えるヒメコガサ、サワフタギの虫こぶ、クダホコリ、残りは?

終点杉尾峠から、かすんでいたが若狭湾や丹後半島が見えた。日本海だよ。

ガイドのお二人と山の家玄関前で記念撮影。

16期生の5月29日講座報告

年月日 2024年5月29日(水)  晴れ

講座名:深泥池と京都府立植物園

講 師:竹門康弘先生(大阪公立大学国際機関教育機構客員研究員)

場 所:深泥池と京都府立植物園

 地下鉄北山駅から徒歩10分ほど、市街地のすぐそばに深泥池は存在する。わずか9haの小さな池が3haの浮島を浮かべて14万年、10万年と存在し続けてきた。さらに太古から人がその恵みを享受し利用しながらも存続できたという、まさに奇跡的な池。前日の大雨が嘘のようなさわやかな風の吹く中、深泥池の観察が始まった。

 まずは深泥池の歴史とその成り立ちについての説明を聞きながら、今の深泥池を観察。遠くに見える浮島はミズゴケが堆積してできた「高層湿原」で手前は新しく400年前、奥は数千年前に出来たものだという。浮島でジャンプすると目の前の水面が揺れるという。まさに浮島。なぜ腐らず堆積し続けることができたのか。夏は微生物が分解のために酸素を使い溶存酸素量がなくなり、冬は京都の底冷えで温度がぐっと下がるから。最近の調査で謎が解けたらしい。浮島は夏に浮かび、冬に沈むという浮沈活動をすることで多様な生態系を支えているのだとか。さらに水面に見える網やもんどりは外来種を捕まえるもの。そして水面の水草や藻の分かれ目が意味するものは?事前にもらっていた資料で学習してきた受講生が「○○です」と答え、先生の「正解!」をもらう。また、すぐ目の前にアオサギが獲物を狙っている。今2羽が住みついていて、ザリガニやカダヤシなどの外来種をせっせと駆除してくれているとのことだ。岸辺の湿地を観察しているとシカの足跡やオオバナノイトタヌキモ(外来種)やジュンサイを見つけた。かの魯山人をもうならせたという絶品のジュンサイ。保護管理のおかげか、今は増えすぎて年に数回、間引いて処理しなければならないとか(もったいない)。

 次に池の横の森の中へ。かつては段々畑があり、里山として日々の生活に密着して利用されていたが薄暗い森に。足元には処理されたオオバナノイトタヌキモと茎を切られたジュンサイの根が山盛り!?のはずがジュンサイだけがない。ここにも○○の足跡が、これは今まで気づかなかった大発見だと写真を撮る先生。浮島を寝床に絶滅危惧種を食い荒らすだけでなく、生ごみ処理をしてくれていたことに驚き(笑い)。

 次に浮島がよく見える場所に移動。水面にたくさんの稚魚、カムルチ(雷魚)で外来種といえども縄文時代からいたとか。遠くに目をやると水面にヒメコウホネの黄色い花が見える。絶滅危惧Ⅱ類の希少品種。またタヌキモは深泥池にしかない絶滅危惧種で深泥池には食虫植物が多く、水中食虫植物は15種もあり、陸上のモウセンゴケも多く花を咲かせているという。これもまた深泥池の水質が古くから“酸性で貧栄養”であるからこそだとか。富栄養の水辺では競争に負けてしまうような動植物も、また外来種であってもすべてを受け入れる懐の深さがあったからだと説明を受け、なぜか深泥池が尊く愛しく感じた。

 10万年以上も続いてきたこの豊かで貴重な生態系を未来につないでいくには?

「深泥池の現状・変化を知り、適切な管理方法を選択するためには、保全の基本方針と日々のモニタリングが不可欠。深泥池の価値を知り、保全の基本を理解し、そのうえで保全から得られるメリットをうまく人に還元することが大切だ」と。

かつて自然と生活が密着にかかわっていた里山生活のように、深泥池からの恵みも有効利用しながら、その環境を整え、更に共存し続けていくことが大切なのだと学んだ。

 午後からは京都府立植物園を見学。ガイドさんの見せたいものがあるというの熱い思いで、時間を1時間30分に延長していろいろ紹介してもらった。午前午後ともに熱心に聞く受講生の姿が講師やガイドさんにも伝わったのだと、すべてに感謝感謝!お疲れさまでした。(K・T)

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天然記念物深泥池生物群集の記念碑

深泥池の全体を眺めて
下左から、シカの足跡、オオバナノイトタヌキモとジュンサイ、ジュンサイの花

浮島(上)と浮島に向かうシカの泳いだ後(寝るために毎晩通う)

中央、ジュンサイを手にする講師。みごとな大きさ!

オオバナノイトタヌキモ(外来種の水中食虫植物)の捕虫嚢

前日の大雨で池から流れ出す水、めったに見られることがない。

右上、かつては段々畑や小屋や作業場所があった
中央、大量のオオバナノイトタヌキモ
下、ジュンサイの根を食べたのは”シカ”、講師も驚きの発見!すぐ報告!

浮島がよく見える場所へ。奥にヒメコウホネの黄色い花が見える。左、シカが通る場所とシカから保護された場所、カムルチの稚魚

京都府立植物園でガイドさんから説明を聞く。

 

 

 

樹齢300年のアキニレ、植物園ができる200年前から存在していた。

おしべが花の間にめり込んでいる。指ではじくと花粉を飛ばして中央のめしべに倒れこむ。すごい知恵

16期生の5月22日講座報告

年月日  2024年 5月22日(水)  曇り時々晴

講座名:昆虫観察②

講師: 鈴木 真裕 先生

場所: 堺自然ふれあいの森

 昆虫を採集し分類同定作業を行い、昆虫の種類や形態の理解を深めるために堺南部にある堺自然ふれあいの森に集合した。分類同定作業を重点としたことで、自らが採集した生き物の同定や分類を体験できる貴重な講座となった。

 座学は1年目「昆虫入門」で学んだ昆虫に関する知識ついての復習から始まった。24の様々な色や模様のナミテントウムシは1種類であり遺伝によって様々な姿になること、昆虫は100万種ほど判明しており全生物の60%ほどを占めていることなどを思い出した。続いてこの時期にふれあいの森で見られる昆虫について話があった。

 簡潔な座学の後にフィールドでの昆虫採集が始まった。日当たりのよい野原部分と樹木が繁る森部分の2つのフィールドで採集活動を行った。網を片手に持ち「昆虫なんてよう捕まえへん」と言っていた講座生もフィールドに出ると夢中で網を振ってジプロックやプラカップに獲物を収めていた。一歩野原に出ると童心に戻ってしまうらしい。収穫した昆虫は、おおよそ野原部分で70種、森部分で50種くらいであった。1年目の倍近い成果だった。

 午後からは森の館に戻りグループごとに自分たちが採集した昆虫の分類同定作業を行った。昆虫の大きさ・色・翅や触角などの形態を観察して、図鑑やスマホや施設の昆虫見本などを参考に活発な意見交換を行いながら同定に取り組んだ。最後の手段は「先生これ何でしょうか」と聞いていたが実に楽しそうだった。

 昆虫の中には大阪では準絶滅危惧種に指定されている「フタスジサナエ」というトンボも含まれていた。一説によると昆虫は500万種いるとか、フィールドで新しい昆虫を見つけるのはこのようにマンパワーで探すのが一番らしい。講座終了後には講師の鈴木先生が昆虫の撮影を行い、すべての昆虫を野原に帰した。(H.I)

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森の館で昆虫に関する知識のおさらい、シオカラトンボのオスとメスどっち?

野原部分でフィールドワーク、イネ科やマメ科などいろいろな植物の近くに特有の昆虫がいました

森部分でのフィールドワーク、真ん中で網を振っているのが講師、フタスジサナエを捕まえました

チョウ、時計回りに右上からキモンガ・ヒメウラナミジャノメ、ルリシジミ、ベニシジミ、オオムラサキ

 

トンボ、左 ハラビロトンボ、右 胸側面に黒い筋が2本見える、フタスジサナエ

甲虫など ツチイナゴ、ホソハリカメムシ、ヨコヅナサシガメ、クロハナムグリ、チビクワガタ、フタスジバネゴミムシ

その他、左 キスジホソマダラ、右 名前の通り見事なポーズの、ヤマトシリアゲ

グループごとに類別同定中、真剣に意見交換

同定作業中の教室、図鑑やスマホと講師先生を駆使

16期生の5月8日講座報告

年月日:2024年5月8日(水) 曇り晴れ

講座名:ウミウシの観察

講師:田中広樹先生

場所:加太・城ヶ崎海岸

  加太駅から徒歩35分程で城ヶ崎海岸に到着。空は晴れ渡り、海に浮かぶ島々を遠くまで見通すことができた。大潮の日で干潮が午前12時頃とウミウシの観察にぴったりの日和となった。この時期の海は海藻も美しく、干潮時には海水の浅い所に緑色の海藻が、中程では淡い黄色、遠くには褐色の分布が見られた。海藻の種類が変わればそこに住む魚や生物も変わる。日光の届き方や水深によって異なる生物の分布の事を層状分布(帯状分布)というそうだ。

 先生に頂いた「うみうしノート」という冊子を開いて春から夏にかけて見られるウミウシの説明を受けてから観察を始めた。最初にアメフラシの卵塊が見つかり大盛りあがり。後は、潮だまりでひたすら石をひっくり返して気になるものを見つけたら先生に声をかけて確認した。イソギンチャクやホヤ、ゴカイなどウミウシの餌になるものがわかるようになり、餌のある周辺をしっかり観察しているうちにしだいに見つけられるようになった。ぜひ見たかったアオウミウシや沢山のオカダウミウシが見つかりはじめた。オカダウミウシ以外を見つけようとがんばり、全部で11種類のウミウシを見つけることができた。

 2mm位のオカダウミウシから15cm位のアメフラシまでサイズが色々、色形も様々。触角が2本突き出てそれを利用して水中で化学物質の匂いを感じている。派手な色は食べてもまずいと知らせるためのものらしい。ウミウシは進化の過程で巻き貝の貝殻が退化したもので、カイメンやイソギンチャクなどの美味しくないものを食べることで自身も美味しくない物質を体に蓄積し外敵から身を守る為の貝殻を必要としなくなった。アカボシウミウシのようにオカダウミウシを食べるウミウシもいるらしい。

 ウミウシの不思議な形、生態について学び観察することができた。最後にミサゴが海に突入しあっという間に魚をつかんで飛び去る姿を見送って城ヶ崎海岸を後にした。               E.H.

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16期生の4月24日講座報告

年月日 : 2024年 4月 24日(水) 雨・曇・晴れ

講座名 : 「信太の森の自然観察」

講師 : 田丸八郎 NPO法人 信太の森のFANクラブ理事長

場所 : 信太の森ふるさと館・惣ヶ池湿地

 午後からは90%の雨という天気予報、雨の中での自然観察を覚悟しながら講座開始。先生にも座学を早めてもらい、昼食時間もそこそこに11:50には野外観察スタート。

 なんと16期生の運の強さか、はたまた聖神社の神様が守ってくれたのか、自然観察中は天候に恵まれ、時おり林の中を吹く風に癒されながら信太山丘陵(惣ヶ池湿地)の自然の豊かさを大いに感じることができた。団地や住宅地の間を通り抜け、道路を渡るとそこには「信太山丘陵里山自然公園」の管理棟があり、8月に一部(4分の1ほど)開園されるそうだ。その公園に隣接しているのが「惣ヶ池湿地」。大阪府下最大の湿地で絶滅危惧種も多く生息している。今日もイシモチソウやコモウセンゴケ、コバナノワレモコウなどを観察することができた。また、2000年に絶滅種とされていたシソクサは惣ヶ池湿地の整備により復活したとか。しかし、今また絶滅の危機が。

 市街地から一歩足を踏み入れただけでこんなにも自然豊かな森や湿地帯が広がっているとは…別世界に入ったような不思議な感覚と驚き。しかし、その陰には長年にわたる多くの人の保全への思いと活動があってこそ守られてきたのだということを学んだ。「惣ヶ池湿地」は1999年より「大阪みどりのトラスト協会」が管理し、2014年からは「信太の森のFANクラブ」が中心となって保全活動を行っているとのことだが、私たちも自然に感動し自然から恩恵を受けるだけでなく、その自然を守るために何ができるのか、考え行動しようと思った。

 「信太の森」といえば、「葛の葉伝説」や古くから歌にも歌われ、また多くの遺跡も発掘されている歴史と文化の地。「自然環境を守る」とは、自然だけを守ることではないのだと感じた。ウグイスの清らかな声や時おりセンダイムシクイの名前の由来にもなった「ツルチヨギミ」声を聴きながら、そして道中の植物を観察しながら子供のころの思い出も語り合える楽しい観察会となった。  K.T

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皆さん真剣に、そして楽しく

ふるさと館前の鏡池。アオサギが主のよう。近くに遺跡もあります。

スイバは食べられる。よく似たギシギシとの見分け方は葉の付け根が尖っているか丸いか。丸いのは食べないでね。

団地の土手のチガヤの穂。若い花穂(ツバナ)は食べられる(子供のころおやつにしていた受講生も。懐かしい!)

信太山丘陵里山自然公園、管理棟の軒下で休憩。ようやく8月一部開園

アオスジアゲハの乱舞。公園の入り口で歓迎してくれた。

ヒメハギ、可愛い~右下は種をつけている。

みごとなヤマツツジ(上)左からヤマツツジ、モチツツジ、その交配種のミヤコツツジ(濃いピンク)

惣ヶ池湿地を歩く。湿地には助成金で作った木道が。右、コバナノワレモコウ(絶滅危惧種白い花が咲く。)、ゴウソ(上に雄花、下に雌花がつく)、シソクサ(2000年に絶滅種とされたが、惣ヶ池湿地で見つかり育成中、また絶滅の危機が)

ニガナの下に赤いコモウセンゴケ(上)イシモチソウ(下)どちらも食虫植物の絶滅危惧種

すべてムラサキサギゴケ(白はサギシバともいう)

田丸さんの手の上で寝るニホンカナヘビ。受講生の手の上でもスヤスヤ?右下はニホントカゲ。

森の中にぶら下がるこの物体は何のために?答えがわかってにっこり、みんなで記念写真。答えは受講生に聞いてね!(山では○○に注意)

信太の森のふるさと館前で、カラスノエンドウとスズメノエンドウ(どっちかわかる?)、マツバウンラン、可愛い!シリブカガシを探す受講生の姿も可愛い!)

 

16期生の4月10日講座報告

年月日  2024年 4月10日(水)  快晴

講座名:大和葛城山の自然観察

講師: 桑田幹雄・泉谷一弘 先生

場所: 大和葛城山自然研究路

スプリングエフェメラルと呼ばれるカタクリやショウジョウバカマ、可憐なスミレを観察し、あわよくばギフチョウにも会うことができたらと、はるばるとロープウェイに乗り大和葛城山に出かけた。

カタクリは花が咲くまで7~8年、寿命は50年にも及ぶ。葉が地上に現れてから4~5週間で花を咲かせて姿を消す、花が咲いている時期も2週間程度。西日本では主に山地に生息し、金剛山や葛城山などで見ることができる。

ショウジョウバカマは地面に張り付いたようなロゼット状の葉を出し、そこから伸びた花茎の先に紅紫色の4~8個の花をつける。花は10日間程度咲いており、その後花茎が急に大きく伸び種を風で飛ばす。カタクリとは異なり常緑多年草である。西日本では平野部から高山地域まで生息する。

 スミレは市街地から里山や亜高山まで広く花を咲かせ一説には200種以上もある。近畿には20種程度と少なく、葛城山で見ることのできるスミレはシハイ、アリアケ、タチツボ、ノジスミレくらいだ。

 ギフチョウは鳥海山から山口県まで生息し、3月下旬から6月中旬に発生、カタクリ、ショウジョウバカマ、スミレ、サクラの花を訪れ吸蜜する。卵はミヤコアオイなどに産み付けられる。翅は黄白色と黒の縦じま模様で後翅には青や橙、赤色の斑紋が並ぶ。『春の女神』と呼ばれている。

知識を得て葛城山の自然研究路を歩いた。講座生は斜面に広がるカタクリの群落に喜びの声を上げ、路上を飛び回るギフチョウに興奮しながらカメラのシャッターを押した。いったいどれくらいのギフチョウを見たのだろうか、ほんとに幸運であった。次にショウジョウバカマの群落を見た、咲き始めて盛りに近づいている様子だった。近くで「カーン、カーン」と乾いた音、オオアカゲラの木をたたく姿も見えた。受講生は珍しい野鳥にじっと見入っていた。

 歳を重ねるたびに山に登ることは少なくなり、山野草を観察することは難しくなってきた。金剛山も山頂には行きづらくなったが、大和葛城山は数少ないロープウェイで登れる山だ。少し遠いが思い切って訪れたことで、様々な春の訪れを身体全体で感じることができた。本当に春の女神に出会ったようだ、この日の幸運に感謝する。

また、ていねいに講座生の質問に答えていただいた講師にも感謝する。(H.I)

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上天気の中、ギフチョウやスミレにシャッターを切ります。

鮮やかな赤、青の斑紋の翅、春の天使と呼ばれるギフチョウ。ミヤコアオイの葉の裏に産み付けられた卵。カタクリや桜の蜜を吸う。登山道近くではルリタテハもお出まし!

ミヤコアオイの葉と花

みごとに開いたカタクリの花

まだ咲き始めのカタクリの群落

ショウジョウバカマのみごとな群落、オオアカゲラの木をつつく音が響く林

大和葛城山のスミレたち、アリアケ・シハイ・タチツボ・ノジスミレ

登山道で見つけた花たち、キケマン・ツルカノコソウ・スズシロソウ

上天気に思わず笑顔、バックの金剛山も美しい

大和葛城山の林間に響く春の音(オオアカゲラが木をつつく)

16期生の4月3日講座報告

年月日:2024年4月3日(水) 雨

講座名:多田銀銅山遺跡の見学

講師:兵庫県猪名川町ボランティアガイド

場所:多田銀銅山遺跡

  降水確率90%という悪天候の中、しっかり雨対策をして集合し、白金2丁目のバス停から徒歩で20分ほどで悠久の館に到着した。4人一組で3班に分かれボランティアガイドの説明を受けながら古い家並みを抜けて金山彦神社、昭和期の機械堀りの跡の青木間歩、日本鉱業の跡地、豊臣秀吉が鉱山開発したといわれ大阪城の財政を賄うほどの豊富な銀銅が採れた台所間歩と瓢箪間歩まで見学した。青木間歩では機械掘りの坑道から上に続く体ひとつがやっと入るような江戸時代の手堀りの坑道を見る事ができた。また、緑色や青色の鉱脈を直に観察した。

 間歩というのは坑道のことであるが入口には四ツ留めと呼ばれる鳥居のような形の木組みが設置されていた。金山彦神社の下の神宮寺は神仏習合で右に薬師如来、左に山の神様大山祇命を祀ってあった。鉱山の仕事と信仰の密接なつながりを感じた。

 一方、足元を見るとあちこちにハクサンハタザオの白い花が咲いていて、あと10日くらいで辺り一面が白くなるほどの群生が見られるとの話だった。鉱山の指標植物のハクサンハタザオとヘビノネゴザは重金属耐性で生息し、重金属を根や葉にトラップすることができるらしい。古くから鉱山を探す指標になっていたとは驚きだ。ヘビノネゴザも夏には盛大に群生がみられるだろう。満開の桜の下のハクサンハタザオの白い群生を見たかった。他にもショウジョウバカマやシュンラン、ツツジ、スミレなどが見られたし、桜の木も開花してお花見気分でお弁当を食べる事もできた。

 雨で疲れもいつも以上だったが、悠久の館の資料について説明も聞いてから帰路についた。参加した皆様本当にお疲れ様でした。    E.H.

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16期生の3月27日講座報告

年月日  2024年 3月27日(水)  晴れ

講座名:オリエンテーリング入門

講師: 横田 実 先生

場所: 堺市立健康福祉プラザ・大仙公園

 久々の快晴の大仙公園において、オリエンテーリングの競技概要や使用する道具と競技テクニックなどを学び体験をした。

 講師はオリエンテーリングのイメージを聞くことから始めた。ポイントへ行き探し物をするとか、スタンプラリーをイメージする意見が多かった。オリエンテーリングは地図とコンパス(方位磁石)を使い、決められたコントロール(ポイント)を順番に周り、時間を競う競技であると理解できた。

 次にオリエンテーリング用地図の記号や表示の約束事と、コンパスを使って次への方向確認の方法を学んだ。コンパスはなかなか扱いづらい。

 コンパスの使い方は①コンパスの長辺をレッグ(地図に示されたコントロールを結ぶ線)に合わす ②コンパスのリング内の線を地図の磁北線に合わす ③コンパスの矢印を前方に身体正面に持ち、リングのN表示と磁針のN極が合わさるように、コンパスを回さず身体ごと回す、これでバッチリ次の方向が判る。

 競技テクニックとしてはサムリーディング(地図上の現在地を親指で常に押さえる)・歩測(地図上での距離を歩数で把握)・読図(地図から地形や風景をイメージ)・エイミングオフ(大まかな方向に目標を設定)・リロケート(迷った場合)などを教わった。

 午後からは地図とコンパスを使い、設置された11のコントロールを二人一組で周るオリエンテーリングを実践体験した。地図を読み、コンパスを使い方向や現在地を確認しながらフィニッシュを目指した。

 街中や地下街そして野外でも観察に熱中して『今、何所かな』と判らなくなり迷ってしまうことが多々ある。今いる場所はどこか、どの方向に進めばいいのかは教わった知識や意識が役に立つ。(H.I)

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道なりか、ブッシュの中をまっすぐ進むか。悩ましい、道なりは距離が倍です。

当日使用の地図。コントロールの場所や地図に記号や情報が示されてます。

やる気満々。30秒ごとにスタート。まだ元気いっぱい。

コントロールで電子パンチングして笑顔でクリヤー。

次はどっち?さっそく地図を確認。

いろんなところで地図を確認。地図ばかり見てると躓きますよ。

見つかりません。地図ではここにあるはず、このあと執念で見つけました。

見つかりづらい場所に置かれているコントロール。

 

 

16期生の3月13日講座報告

 

年月日 : 2024年 3月 13日(水) 曇・晴れ

講座名 : 「人と自然公園のつながり」

講師 : 武田敏文(日本パークレンジャー協会代表理事)とガイドの皆さん

場所 : くろんど園地(交野市)

 くろんど園地は、大阪府政100周年の記念事業で金剛生駒紀泉国定公園に作られた自然公園。S40年代(高度成長期)に生駒山の土砂採取で自然破壊が発生、当時山火事も頻繁に発生したということで、「生駒山を守りたい」「この山を守ろう」(府民の森構想)と国から60億円の借金で 600ha買い上げたことが始まりだとか。府民の森を管理、維持するには大阪府と多くの府民の理解が必要だ。今回、ガイドをお願いした日本パークレンジャー協会の皆さんも、ボランティアで自然の大切さを私たちに伝えてくれている。

 前日の大雨が嘘のように、少し寒かったものの雨具のお世話になることもなく、また時折暖かい日の差すなか園内をガイドしていただいた。私市駅前の公園で準備体操をし、民家の間を抜け山道へ、砂利道あり、ぬかるみあり、岩の上やら階段を越えてと、園内は実に変化に富んだハイキングコース。春というには少し早く、出会う花は少なかったものの、シュンランのつぼみやニホンアカガエルの卵とかえったばかりの小さなオタマジャクシと出会うにはグッドタイミングだったかもしれない。ラクウショウの気根や花をつけ始めたミズバショウ、カタクリの葉を見つけたり、大きな花崗岩の塊にびっくりしたりと。また、くろんど園地には昼間はなかなか見ることができないが、夜間にはいろいろな動物たちが活動をしているなど、貴重な話を聞くことができた。スイレン池やミズバショウの湿地では、植物を守るため日々イノシシと戦っているなどの苦労と努力も知ることができた。いろんな人のいろんな苦労があって守られている自然公園。私たちにできることはまずは知ることか。ここにある自然に感謝し、自然を楽しみたいと思った。家に帰ると2万歩を超えていた。全員怪我無く、無事に歩ききることができよかった。安全に楽しくガイドしていただいたことに感謝。16期生2年目の講座に向けての自信につながったのでは。  K.T

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くろんど園地で学習(府民の森ができた背景、暗視カメラに写っている動物は?直ぐそばの木にはキツツキのあけた穴が)

くろんど園地は花崗岩でできた山、園内は大岩がごろごろ。イルカ岩、クジラ岩(頭)見える?

歩き始めて最初の難関、月の輪滝とその周辺

園地で見つけた植物たち(ツチグリ、カンスゲ、コケ、テイカカズラ、ヤブコウジ、ジャノヒゲ)

開花間近のシュンラン、あと少し!

ミズバショウ、ニホンアカガエルの卵(小さなオタマジャクシも見えるかな?)いろいろ質問に答えてくれました

 

 

 

 

園地でよく目にするラクウショウ、気根が空気を求めて湿地から顔を出している。右下はラクウショウの種

お天気になってよかった、みんなにっこり❣

16期生の3月6日講座報告

年月日:2024年3月6日(水)小雨、曇

講座名:コケの観察

講師:木村 全邦先生

場所:橿原公苑

  前日からの雨と春先の冷気の中でたっぷりと水を含んだ美しいコケの観察を楽しんだ。コケは水・二酸化炭素、そして光があれば生きることができ、栄養素を必要としない。光はとても重要で、光を得ることにより土・石・岩・木など適した環境の上で生息する。夏の溪谷のように、湿度があり風が流れ光が届く環境を好む。維管束植物のように水や養分を吸い上げて運ぶ能力はないが、葉の表面には表皮がなく1列に並んだ細胞から葉に付着した露や空気中の湿気を直接吸収し水分を保持している。乾燥した環境では水分が奪われカラカラになるが、湿度が上がると葉が膨らんでくる。大気を汚染する有害物質によって枯れるなど環境に影響されやすく、その中でも特徴的なコケはヨーロッパでは環境汚染の指標として利用されている。根は仮根と呼ばれるものしかなく、何かに寄生することもなく好みの場所で生育し、古くなった下の部分はホコリと一緒に土のようになり湿気を含み新しく育つコケを支え、コケは絶えることなく生育する。生態系として長い目でとらえると、人の手がはいらなければコケの中に草の種が落ちて草むらとなり、昆虫や鳥が集まり、木が生えて森となると考えられる。

 コケは蘚類、苔類、ツノゴケ類に分類される。蘚類は葉と茎の区別のある茎葉体、2nの胞子体とnの配偶体からなり、胞子体は胞子が熟すと蒴の蓋が外れ蒴歯が開き胞子が散布される。苔類は茎葉体と葉状体(ゼニゴケ)があり、蒴はバネのようにはじけて胞子を散布する。ツノゴケ類は葉状体で、胞子体はツノ状に立ち上がりはじけて胞子を散布する。また、コケは十分な水がなく胞子で増えることができなくても、クローンで増える無性生殖によってたくましく繁殖できるものもある。

 以上のような基礎知識を得て野外観察に向かった。最初に標本袋の作り方を、次にルーペの使い方について丁寧な説明を受けた。ルーペ(✕8、✕10)は顔に密着させ対象物をピントの合う位置に持ってくる。コケの一部をつまみ取り下部をしっかり持って横から観察する。レンズのひずみや光の量が気になるが、太陽に背を向け明るい空に向かって観察すると明るく見えるとか。各々がルーペを使って観察を始め、コケの美しさに感嘆の声が上がった。講師の誘導に従ってゆっくりと移動し、気になるコケを取っては名前や特徴を教えてもらいながら橿原神宮の鳥居まで到着した。普段は気にも留めないコケの世界に興味を持ち、ゆったりと時間が流れる気持ちのいい日となった。               E.H.  

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16期生の2月21日講座報告

年月日  2024年 2月21日(水)  曇り一時雨

講座名:緑化入門

講師: 井上昌美 中嶌幸一 先生

場所: 堺市都市緑化センター

野外観察を中心に様々な生き物観察を楽しんできたが、少し趣を変えて自宅の庭やベランダで楽しむ植物について学んだ。午後からは大仙公園の桜たちの話と身近で多様な緑化センターの植物観察を楽しんだ。

ハイドロボールを使ったテーブルヤシの鉢植えを作った。ガラス容器と透明のプラスチックコップを用意、ガラス容器の中にコップを入れその隙間にカラーサンドを詰める、思い思いのデザインや風景を描き側面を飾った。最後にガラス容器の中のコップにハイドロボールとヤシを植え込みユニークな鉢植えが完成。講座生はワイワイ楽しそうに取り組んだ様子、いずれの作品も個性があってすばらしい出来栄えだった。

 大仙公園には50種類1000本のさまざまな桜が植えられている。たとえば京都円山公園の16代目桜守がそこの桜の実生を育てた由緒ある「ヒトエシロヒガンシダレ」、関西ではここでしか咲かない奇跡の桜「チシマザクラ」等々、苦労話など熱心に説明があった。そのあと緑化センターの植物観察をした。

 緑化センターは公害が問題となった時代に、緑化に取り組むとの国の方針により約40年前に開設された。公園や街路だけでなく、個人の庭にも緑を増やしたいとの想いで設計されている。大仙公園の見事な桜たちと緑化センターの植物が花を咲かせる春がもう近い、そのころに訪ねてみたい。(H.I)

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わ~カワイイの声がする、でも表情は真剣です

ユックリと慎重に砂をガラス容器に落とします

 

 

全20点、いずれも力作揃いです

大仙公園の桜のパンフレット、咲いている場所も書いてあります、優れものです

緑化センターの観察、いまは花がないですが、想像力を働かせます

 

16期生の2月14日講座報告

年月日 : 2024年 2月 14日(水) 晴れ

講座名 : 「生物多様性―植物の多様性保全」

講師 : 森 由紀子先生(施設職員)

場所 : 大阪府立花の文化園

 本日のテーマは「生物の多様性」、特に植物園ということで「植物の多様性保全」ということを中心に講義していただいた。

 様々な環境の中で私たちも含め、多種多様の生物が互いに関わりをもって生きている。関係のないように見えてもそれぞれの関係をたどっていけば、浅く広く深く不思議とつながっていることがわかってくる。それらがバランスを保ちながら共存しているのだ。

 生態系は、「生態系」「種」「遺伝子」の3つが多様でなければ維持できないと学んだ。植物の多様性という点で考えても、多様であればあるほど、そこから受ける恩恵も大きい。植物がもたらしてくれる酸素や大気中の水環境、食料や材木、繊維、薬品など資源の確保。また地球温暖化や気候変動の緩和。さらにレクリエーションや精神的な癒し効果、地域の伝統文化など、我々は植物から多くの恩恵を得ている。

 しかし一方、私たちが植物に与える影響はどうか?様々な環境問題から絶滅危惧種が増えているという問題もある。植物の多様性から恩恵を受けるためにも、我々がその多様性を保全していかなければならないだろう。

 花の文化園は、植物多様性保全の拠点園になっているとのことだ。環境省の、植物の生息域外保全を植物園に任せるという方策により、花の文化園も絶滅危惧種の生息域外保全を行うとともに、それら植物の特性情報の研究、蓄積、継承、自生地調査など行っているとのことで、園内での活動だけでなく、担当の紀伊半島にも分け入り、広く調査している。しかし、今心配されているのは、調査員の高齢化や不足。つまり、調査員が絶滅危惧種となっていないか(笑)と話されていた。シニアといえども私たちも調査員となって、せめて自分の身の回りの自然について観察、調査する意識をもつことで、植物の多様性保全の一助とならないだろうか。

 午後からはポカポカ陽気の中、広い園内をたっぷりと時間をかけ、丁寧に案内していただいた。NHKでなじみとなったバイカオウレンやセツブンソウ、ヤドリギの宝石のような実などに感動。夏には絶滅危惧種の珍しい蘭の花が咲くと聞き、次の楽しみもできた。ちょっと涼しい温室で健気に生きている熱帯植物の花にも癒され、植物からもらったたくさんの恩恵に感謝。 K.T

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ちょっとクイズで休憩。この葉っぱはだれ?

園内で見つけた黄色い花(左上からロウバイ、ヒメリュウキンカ、フクジュソウ、マンサク)

ヤドリギに群がる16期生。まるで宝石?真珠?

なんてかわいい!万太郎の母が好きな花。

ユキワリイチゲ(上)とセツブンソウ(下)

トウカイコモウセンゴケ、これも絶滅危惧種。

これも雪割草のオオスミソウ。

温室にも素敵な花が。左上はハリーポッターで有名な魔法の花

園内では梅の香りやロウバイの香りに癒されました❣

 

16期生の2月7日講座報告

年月日:2024年2月7日(水)曇

講座名:アウトドアの安全

講師:平木 祐治先生

場所:堺市立栂文化会館

 心臓突然死は年間7万9千人(毎日200人)もあり、救命措置を少しでも早く行うことで救命率は増加する。119番通報から救急車到着までの間に心臓マッサージやAEDを使用した救命措置を素早く正しく行うことで命を救うことの大切さを学んだ。

 災害時の心得として、揺れ、停電、断水などに備えて1.自助(家具の固定、ガラスにシールを貼る、寝室に背の高い家具を置かない。)2.共助(近隣の人と協力して助け合う。)3.公助(3日後から)が考えられるが、自助と共助が特に大切だということ、またヘッドランプ、ランタン、ダンボールで作られたトイレ、目隠しのテントなどの準備をしておくなど便利な道具の紹介があった。また、自治会などの訓練で災害時の対応を体験しておくなど、30年以内に起こるといわれている南海トラフ大地震に常に備えて置く必要がある。

 三角巾を使った実技では、たたみ三角巾の作り方、本結び、本結びの解き方を練習してから、肘や頭頂部、腕、足を捻挫したときの処置の方法を教わった。それぞれ仕上がりのチェックを受け巻き方のポイントなどの指導を受けた。実際に行ってみると出来そうでうまくできず何か変な仕上がりになる。それを例に正しい形に修正していただき要領をつかんでいった。。

 AED(自動体外式除細動器)の実技では人形のジミー君の救命措置を装置の指示に従いながら行うことと心臓マッサージの方法やポイントを学んだ。また、心臓マッサージの練習用アッパ君を使って心臓マッサージの練習を行った。「もしもしカメよ」のリズムで行うが力加減や手のひらで押すコツがつかみにくく思うように音が出せず、納得するまで何度も挑戦する講座生の様子が見られた。

 疑問点に対し沢山の質問が出され、お互いに考え込む場面もあり意見交換の楽しさを感じた。

 今後の野外活動の備えとしてリュックには三角巾を準備しておきたい。  E,H,                                           

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16期生の1月24日講座報告

年月日  2024年 1月24日(水)  晴

講座名:植物が動く方法

講師: 長谷川 匡弘 先生

場所: 大阪市立自然史博物館

 自然観察の中でも花や実や紅葉には心動かされるが、枯れて落葉した姿はあまり目を引かない。その時期に種子は様々な方法で散布(動く)される。種子や花粉がどのように動くのか学んだ。

 自然史博物館の2F種子散布展示コーナーの説明から始まった。ケヤキは秋に下方の黄色い葉が落ちる、上方の茶色い葉のついた枝には種があり、強い北風が吹く時まで残っている。時には枝ごと400mも飛んでいくことがある。

 植物の種類により動くことのメリットは違う。また動く方法は ①風で運ばれる ②水で運ばれる ③動物に運ばれる ④自分でどうにかする の4つある。

 タンポポやケヤキなどは風に運ばれ、ドングリやエノコログサなどは動物に食べられたりくっついたりして運ばれる。アリに運ばれることも多く、種子に付いたエライオソームを食べるために巣穴に運ばれ、残った種子は巣の中で発芽する。ヤシの実やハマヒルガオなどは海流で運ばれ、フジなどは弾けたりツルを伸ばしたりして動く。

 午後からは非常に寒い中、植物園に出て様々な種子を探し収集した。集めた種子を散布方法別に区分した。その後全員で講師の指導を得て散布方法の区分と植物名の同定を行った。成果物は①風散布16種 ②動物散布26種 ③水散布3種 ④自力散布1種 不明4種の合計50種、結構な種類を収集できた。

 種子が動くことのメリットや運搬者の選定や運搬される方法など、そのシーンに合わせて様々な工夫がされ驚かされることが多く、その植物の営みはワンダーランドだった。(H.I)

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充実してるね、まずは実物を目で確認

植物が動くってなに?散布ってなに?

よく聞いておこう、知っているようで深く知らないな

寒風吹くなか、熱心に探しました

合ってる、大丈夫かな?テーブルで区分しました

真剣に区分と同定しています

 

16期生の1月17日講座報告

年月日  2024年 1月17日(水)  晴

講座名:ネイチャーフォト入門

講師: 阿倉 薫 先生

場所: 河内長野ラブリーホール

フィールドワークなどで自然を楽しむためのマクロ写真撮影入門講座。岩湧山の岩湧寺を中心に昆虫を中心とした写真や動画を撮影されてきた講師にデジタルカメラの知識や撮影時の工夫や注意点を学んだ。

まずスマホを使ってのマクロ撮影にチャレンジした。

実習① 「お札のNIPPONGINKOの文字を探してマクロ撮影」 →スマホで撮影するときは片手で持ち親指でシャッターを押す、もう片方の手でスマホを支える。安定するし格好もよい。

実習② 「教室の壁に色々な高さに張り付けられたビー玉を撮影」 →野草などの被写体は高い所か足元か暗いところなど状況は様々、姿勢や体の安定に注意。野外では体のブレを防ぐための工夫としてストック代わりに100均の伸縮突っ張り棒を使用、軽くて安くてよい。棒やカメラのストラップを伸ばしてカメラを安定させる。

デジタルカメラにある深度合成モードを活用すると被写体全体にピントが合った撮影ができる。セミのヒグラシ頭部のマクロ写真は2つの複眼とその単眼がはっきり確認できた。

手作りの照明を使って撮影した動画の「カタツムリが粘菌を捕食する」はすごくリアルで明るく鮮明だった。ひと昔はプロの領域だったが、市販カメラと工夫一つで撮影が誰でもできる。

実習③「午後からは会場近くの公園で被写体を探してマクロ撮影」→ヤツデやサザンカやスイセンなどをいろいろな角度から近接撮影した。

風景や野草の全体を撮影するだけでなく、マクロ撮影し細部に注目することで気づきが増え、草花や昆虫などに対しての理解が深まる。これからは工夫をしながらピントのあった写真撮影ができるように心がけよう。(H.I)

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マクロってなに?実習が始まりました。

 

ちょっと苦しいな、高いところは。

 

 

 

 

 

 

 

いまいちなマクロ撮影、お札・ビー玉・ヤツデ・スイセン・サザンカです。

出来上がりはバッチリ、手作りの動画撮影用照明を装置。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけで発見、マダラマルハヒロズコガの幼虫。

 

16期生の1月10日講座報告

年月日:2024年1月10日(水)曇、雨

講座名:春の里山観察と七草粥つくり

講師:田淵武夫 富田林の自然を守る会代表

場所:奥の谷

 2024年初の野外活動はあいにくの雨天であったが予定を変更することなく楽しい一日となった。

 最初に大阪シニア自然カレッジ代表から年頭の挨拶があり講座がスタートした。春の七草、芹(せり)、薺(なずな)、御行(おぎょう、ハハコグサ)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ、コオニタビラコ)、菘(すずな、カブ)、蘿蔔(すずしろ、ダイコン)について写真を見ながら説明を受けた後、市販の「春の七草セット」で栽培された七草を観察した。(七草すべてを野外で見られないので参考に。)

 次に竹についての講義。里山管理をすることにより植生を保持しなければ荒れ果てた竹林によって土地が侵食されるという現状を改めて理解した。中国から日本に竹が伝わった由来や竹の種類や特徴など興味深い話題、竹材として利用する場合に切る時期や絶やしたい時に切る時期など、参考になる話もあった。

 野外観察の前に全員でお粥と焼き芋の下ごしらえを済ませ、火の番や調理をスタッフにお願いした。

 雨の中ではあったが寒い冬の時期ならではの野草のロゼットや枯れたチガヤの草むらなど、里山管理された自然の中で懐かしさを感じる散策ができた。

 里山観察から戻ると、七草粥は見事に炊きあがり焼き芋も立派に焼けてかまどの中に並んでいた。

 熱々の七草粥を何度もおかわりし、お漬物や梅干しなど分け合ってお釜の中はすっかり空になった。焼き芋もほっくり甘く焼き上がりみんな笑顔で和気あいあいのお昼を楽しんだ。

 最後は、竹細工。竹の種類や竹を切る道具の説明を受けて思い思いに花入れやペン立て、カップを作り焚き火で熱を加えては布で磨いて作品を作り上げることができた。  E,H,                                            

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16期生の12月20日講座報告

年月日 : 2023年 12月 20日(水) 晴れ、曇り

講座名 : 環境施設見学

講 師 : 施設担当者

場 所 : 舞洲スラッジセンター(大阪市建設局)

      舞洲工場(大阪広域環境施設組合)

 誰もが一度は「あれ、何?」と不思議に思ったのではないだろうか。湾岸線から見えるカラフルでユニークな建物。今回はその舞洲スラッジセンター(下水汚泥処理施設)と舞洲工場(ゴミ焼却施設)を見学した。どちらもオーストリアの芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏デザインによるもので、日本ではキッズプラザ大阪や赤坂の21世紀カウントダウン時計のデザインも手掛けたとか。自然との調和を意識して曲線を多用し、緑に囲まれた唯一無二のユニークなデザインである。その建物の中で、私たちの日々の生活に大きくかかわる下水汚泥処理とゴミ焼却が、最新の技術でより安全に自然環境を配慮して効率的に行われている。さらにエネルギーを生み出し、有効利用できる資材を作るなど考えられているとか。どちらの施設も担当者の方が親切に、また楽しく飽きることなく案内してくださった。

 舞島スラッジセンターではまず建物を支える67本の柱が森の木をイメージしているとか。また、下水処理後の汚泥から、さらに汚泥ケーキと水に分ける実験や処理した灰をAIにより運び移動する可愛い車も見られ楽しかった。

 舞島工場では子供達も楽しく学習できるように各階工夫されていた。その中で大きなクレーンでゴミをつかむ様子や畳やベッド、自転車など粗大ごみが次々に運び込まれ処理されていく様子に驚いた。また、どんなに機械化が進み、AIで管理するとはいえ、機械についた灰や汚れをきれいにするのはやはり人の手。また摩耗する機械を再活用できるように手を入れるのはやはり人なのだと、働いている職員の方を見て感じた。

 日々私たちが当たり前のように出している生活排水や生活ごみ、また粗大ごみなどについて考えなければならないと実感。環境施設で、フル稼働で処理してくれている人たちがいるのだということを忘れてはいけないと思った。 K.T

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舞洲スラッジセンター入り口 窓に舞島工場の煙突が写っている    ユニークな柱、67本すべて違うデザイン

汚泥と水に溶かしたポリマーを混ぜて振ると、汚泥ケーキと水に分離。その他、汚泥ケーキ・焼却灰・溶融スラグ(袋の中、建設資材として活用)・汚泥圧送管の中にたまった塊(取り除く作業が大変、動脈硬化か)

楽しい音楽に合わせて構内を移動、        賢い可愛い!

 

 

 

舞洲工場 巨大クレーンでゴミをひとつかみ みんなで輪になって大きさを実感

舞洲工場の模型 中と外

いろんな場所で記念写真
職員の皆さん、有り難うございました。

 

 

 

 

16期生の12月13日講座報告

年月日  2023年12月13日(水)  晴れ

講座名:野鳥観察①

講師:上村 賢先生(日本野鳥の会 大阪支部 企画グループ)・泉谷 一弘先生

場所:喜志駅~(農耕地)~レインボーホール~粟ヶ池~石川左岸・右岸~寺内町~富田林駅

12月とは思えないような良い天気に恵まれ、さらに上村先生曰く、こんなにたくさんの野鳥に出会えるとは予想外。超ラッキーだったようだ。集合の喜志駅で野鳥ミニ図鑑を頂き、コースの説明を聞き、いざ出発。最初の観察場所、農耕地では、ハクセキレイ、アオサギ、ヒバリ、モズ(雄)、チョウゲンボウ、タヒバリ、モズ(雌)を観察。ハクセキレイはかの古事記ではイシタタキと言われているとか。確かに尾を上下に動かしながら移動する姿は石をたたいているようで可愛い。またチョウゲンボウもよほどお気に入りなのか、飛び立っても必ず同じ家の屋根の同じ場所に戻ってくる。おかげでその姿を望遠鏡でじっくり観察することができた。羽の色や顔の模様の可愛いこと。モズもしっかり観察できた。

 次はレインボーホールに向けて移動。ドバト、ツグミ、スズメを観察。スズメはふっくら可愛い冬姿に。スズメに似た野鳥は多く、なかなか見分けがつかない。野鳥を知るには、まずスズメをじっくり観察してスズメを知ることから。「これはスズメではない」と判れば、違いが判るとか。同じことが猛禽類でもいえる。まずはトビについて大きさ、羽の形、色を知ることからだと。なるほど。

 次に粟ヶ池での観察。初めにマガモだと思っていたら、なんとアヒルだと。頭の中に?がいっぱいになった。微妙なくちばしの色の違いとアヒルの方が少し大きい?しかもマガモとアヒルが仲良く群れで行動している?これはなかなか見分けが難しい。粟ヶ池でも多くの野鳥を観察できた。アヒルは野鳥ではないので、それ以外でマガモ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、カワセミ、ダイサギ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワウ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、クサシギ、そして超々珍しいセイタカシギ。細くて長い脚に丸い体が印象的。

次に石川の左岸右岸。ここでも、オオバン、カイツブリ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、キンクロハジロ、イソシギ、カワラヒワ、カワセミ、モズ、カワセミ、ダイサギ、アオサギ、キジ、タシギ、アオジ(声だけ)など全部で30種を超える野鳥を観察できた。

最後に大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている富田林寺内町を案内してもらいつつ、富田林駅に到着、解散となった。なんとも贅沢なオマケ付きの野鳥観察だった。有難うございました。(写真はOBのSさんの提供、有難うございます。)  K.T

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場所を変えつつ、じっくり観察。最後に寺内町散策。

上・チョウゲンボウ、顔が可愛い猛禽類    下・モズの左雌と右雄

粟ヶ池で白のダイサギ、黒のカワウ。なかなかの立ち姿。

左上・アヒル?マガモ?一緒にいるよ。
右上・コガモだけど子ガモじゃないよ。
左下・オカヨシガモ、お尻が黒いのよ。
右下・キンクロハジロ(金黒白3つの色を持つ鳥)

なんて長い脚、セイタカシギ。なかなか出会えません。 右下・短くてごめん。でもコロンと可愛いイソシギ。

左・エノキ 右・ムクノキ  野鳥の好きな木の実を知ると観察も面白くなる。

16期生の12月6日講座報告

年月日:2023年12月6日(水)晴れ

講座名:化石入門

講師:濱塚博先生 きしわだ自然資料館アドバイザー

場所:岸和田市立中央地区公民館 きしわだ自然資料館

 午前は公民館で座学。最初に大阪とその周辺の第4紀地質図を見ながら和泉山脈、生駒山の斑レイ岩、二上山の火山岩、金剛山の花崗岩、上町台地、千里丘陵などの色付された地質の説明を受けた。地質の違いから地形がわかるという。和泉山脈からは貝の化石が出たことから昔海だったことがわかる。

 化石から何がわかるか。化石の出た場所を調べることにより当時の地層、年代や生物がどのように進化してきたかを知ることができる。

 大阪では1964年に大阪大学の工事現場でマチカネワニの化石が発見された。1994年には岸和田市の水道工事現場で500万年前のキシワダワニの化石が発見された。和泉山脈では6600万年前のモササウルスの下顎の化石が見つかった。

 地質年代表は地球の歴史を刻む時計だという。この見方を教わり138億年前に宇宙が始まり38億年前には生物の起源、古生代カンブリア紀には生物が一気に発展しジュラ紀は恐竜の時代となったが6600年前に巨大隕石の衝突により恐竜は絶滅し小さな生き物が生き残ったことを学んだ。

 宇宙探査機による小惑星の岩石の分析や化石の放射性同位体の量の測定により次々と新しい知見が報告されているという。

 話題が豊富で話し好きの講師の話は尽きなかったが、化石のレプリカ作製は事前に準備万端整えていただき講座生は楽しんで作業できた。石膏が固まる間には講義を続けていただき効率良くお昼前には完成した。

 午後は、きしわだ自然資料館に移動し2階の展示室で解説を受けた。チリメンモンスターから始まりキシワダワニ、モササウルス、ナウマンゾウなどの展示をゆっくりと時間をかけて見ることができた。

 講師の博識とパワーに圧倒された一日となった。E.H

16期生の11月22日講座報告

年月日  2023年11月22日(水)  快晴

講座名:紅葉と冬芽の観察

講師: 栗谷 至 先生

(大阪自然環境保全協会理事)

場所: 和泉シティプラザ・宮の上公園

紅葉と冬芽の知識を得て、午後から泉北高速線和泉中央駅から桃山学院大学のある宮の上公園までの約2㎞を樹木の紅葉や冬芽の解説を受けながら歩いた。

「大阪にあってもコナラです」などと少し脱線気味な紅葉と冬芽の座学を受けた。紅葉には紅葉・黄葉・褐葉と3種あり、いろいろな色素ができたり、葉緑素が分解されたりで違いが生まれる。紅葉の3大要素は①日光②低温③温度差であり、年や場所や枝のついた箇所によって差がある。冬芽には「花芽」と「葉芽」と「混芽」の3種類あり、葉が落ちる冬の時期に目立って枝先にみられると教わった。

午後は晴天のなか、歩き出してすぐヤマモモにからみついたクズの除き方(根元をきる)。続いてマンション前のシマトネリコは奇数回羽状複葉で種のつき方も造りも同様だと確認した。10分ほど歩いた歩道橋の上から見事な黄色に色づいたメタセコイヤに見とれながらその話を聞き、クヌギとクリの葉の違い、シラカシとアラカシの違いなどについてなど次々と話は続く。公園にいつたどり着くのか心配になってきた。

宮の上公園ではケヤキの種子の付いた枝先を飛ばしたり、サクラの枝先の冬芽と芽鱗痕から樹齢を想像したり、サクラの落ち葉から香りを楽しむ方法を聞いたり色々と楽しい話があった。最後に紅葉したイロハモミジとその翼果の見事な様子を見て観察を終えた。

見逃してしまう街の風景の中にも、足を止めて見つめてみると気づかなかったものが多くあることを知った。サクラの冬芽を見ながら春に咲く花や緑葉に覆われる姿や季節を思い、ホッコリとした暖かな一日だった。(H.I)

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気持ちよい青空にメタセコイヤの   黄褐色が映える

話は続く、講師は話のタネをたくさん
引き出してもらったので

サクラの枝中央部にある芽鱗痕、
これから先が1年で伸びた枝

 

 

 

冬芽もいろいろ

 

 

 

見事な紅葉と翼果、クルクル回って飛んでゆけ