マップ作り部会の9月活動報告

日 時 : 2022年9月26日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道(陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加者 : 10名

マップ作り部会は7,8月は夏休みなので6月27日以来の開催である。天気にも恵まれ休憩所から観察を始める。

暑い夏を越え、引き続き咲いていたのはA地区-小さな黄色の花のオニタビラコ。全域でオオバコ(大葉子)、ヒメジョオンの花を見る。 草本で新たに観られたのは  

<マメ科の特徴的な蝶型の花> A地区-赤紫色のヤハズソウ(矢筈草・斜めに側脈が並んでいるので、葉先を引っ張ると切り口が矢筈の形になる)B地区-白い旗弁にくっきり紅い斑紋が入っているネコハギ。C地区-黄色いタンキリマメ(痰切豆・つる性)は全体に毛が多く、また葉の形(葉先の方が幅が広く、3つの小葉はほぼ同じ大きさ)でよく似たトキリマメ(葉の下部の幅が広く3枚の葉のうち頂小葉が一番大きい)と区別出来る。紅紫色のつる性のクズの花は終わりかけ。アレチヌスビトハギはABC全域で見られたものの数はそう多く無かった。

<イネ科> A地区-バラバラと小穂が付いたノガリヤス。細い小穂を数本、掌状に付けたメヒシバ(AC)、葉が特徴的なチヂミザサ(AC)、猫じゃらしと云われるエノコログサは全域で。 B地区-シマスズメノヒエ(棒の様な小穂に黒い点が筋の様に見えているのは黒い葯)。ススキ。 C地区-黒い刺毛が円柱状に付いたチカラシバ、陽が当たると美しいキンエノコログサ。 イネ科は秋の花の季節で色は地味だが姿は多様。特にA地区で色々見ることが出来た。

<ツユクサ・露草>全域- 鮮やかな青色の花が美しい。雄蕊は6本で下の長く伸びた2本が花粉を出す完全雄蕊。真ん中に黄色い小さな花の様に見えるのは短い仮雄蕊だ。

<オシロイバナ>BC 部会員に教えられ名前の由来を初めて見る。C地区の外れの空き地には群生していて、一日花で花はしぼんでいるが意外に大きな黒い種子を付けていた。堅い殻を割ると中には白い実があり、潰してもむと直ぐにきめの細かい粉となった。驚きである。

<その他> A地区-コミカンソウ(早、小さな実を付けていたがまだ青い)、ミズヒキ、ヨモギ。 B地区-オオアレチノギク、あまり馴染みの無いズルカマラ(ナス科)など。 C地区-アメリカアサガオ(薄青紫色の小ぶりなアサガオ)、アキノノゲシ、イヌタデ、オッタチカタバミ。カラスウリの茎がうねうね捩れ膨らんでいるのはウリウロコタマバエによる虫えい(カラスウリクキフクレフシ)、カヤツリグサ科のカヤツリグサとヒメクグ、小さな淡紅色の花が可愛いキツネノマゴ(狐の孫・花後に果穂が伸びて目立つ様を子狐の尾に見立て名付く)、キンミズヒキの群生、コセンダングサ、ヒカゲイノコヅチ、ヒナタイノコヅチなどを見る。

木本で花が咲いていたのは A-モチツツジ、AB-マルバハギ、B-アオツヅラフジ(つる性)、C-ハギ-、そして漏斗型の薄紫色の花のクコ。  7月には花や実を沢山付けていたニワウルシやアカメガシワは静かな佇まいに戻り、確認していたガンピの実が解らなくなってしまった。全域で見られたサルトリイバラの実は大きくなっているがまだ青い。前回花盛りだったトウネズミモチは小さな薄緑色の実をたわわに付け、緑色の葉との対比がとても美しい。人気だったのが大きなマテバシイ(馬刀葉椎)の実。タンニンが少ないので下処理が要らず、そのまま炒って食べられるのだそうだ。

これから秋がだんだん深まり、さらに楽しい部会になるだろう。   (文・写真 Y.M)

ツユクサ

キツネノマゴ

クコ

オシロイバナの実①

オシロイバナの実②

トウネズミモチ