マップ作り部会の9月活動報告

日 時 : 2024年9月23日(月・祝日)

場 所 : 堺自然ふれあいの森

参加人数 : 6人

 ふれあいの森では沢山の赤トンボと季節外れの桜の花に迎えられる。昨日は彼岸の中日。心配された暑さも和らぎ皆さまほっとされた様子で森の館前から観察を開始する。

(A地区)  濃い緑の葉の大きな薄はトキワススキ(常盤薄)。その前にはアキノノゲシや小さな花をびっしり付けたヨモギ、キンミズヒキ、イヌタデなどが咲いていた。下の草地に降りていくと斜面にはまっすぐ茎を伸ばしたキンエノコロが群生、弧を描いた大きな穂はアキノエノコログサ。キツネノマゴ、ヒナタイノコヅチ、カタバミ、ツユクサ、ピンクの花は綺麗だが厄介な実になるアレチヌスビトハギ(全地区)などを見る。イタドリ(虎杖・タデ科)は雌雄異株で繊細な感じの白い花を上に伸ばしているのは雄株、雌株はピンク色の実を沢山ぶら下げていた。 

 木本では クリのいがやアラカシの実はまだ緑色。毛深い薄茶の花を咲かせているのはシリブカガシ(尻深樫・ドングリの底が凹んでいる)で今咲いている花は来年実になり、落果して芽を出すのは更に翌年の春だそうだ。タラノキは横に枝を張り頭に白い小さな花を沢山付けている。赤く見えたのはゴンズイ(権萃・材にならないので役に立たない魚のゴンズイからとられた?)の実で5~6月に咲くと云う花を残念ながら見損ねてしまった。白とピンクのフヨウの花も咲いていた。   

 畑ではソバの白い花が満開で肥料のような臭いが漂っている。豆果のラッカセイ(落花生・花後に子房柄が地中に潜るように伸びて実を付ける)の花は鮮やかな黄色。畑の近くではオヒシバ、アメリカタカサブロウ、中心が濃い色のピンクのホシアサガオ、小さな花のハキダメギク、コニシキソウ、アメリカセンダングサ、ツリガネニンジン、センニンソウ、ヒヨドリバナなどを見る。またヒガンバナや黄色いオミナエシも咲いていて秋らしくなってきた。薄の根元にナンバンギセルが見られると館の方に教えていただいたが、今まで見たことのないほど立派なものでびっくりする。ヨウシュヤマゴボウの大株では白い花と黒紫色に熟す前の赤い実が美しいコントラストを見せていた。 

 田んぼでは稲がたわわに実りその足元に紫色のコナギ、淡紅色の愛らしいイボクサなどが見られた。

(B地区)  所々でスズメウリ(C地区でも)の花や可愛らしい実を見ながら、コモウセンゴケを目当てに里道に向かう。お昼近くになっていたので今日の花はしぼんでいたが蕾はまだ残っており花期の長さ(6~9月)を感じた。その後は見晴し台には上がらず、里道を館に戻って昼食にした。

(C地区)  昼食後第二豊田川みちを歩く。ダンドボロギク、アメリカセンダングサ、ヤブガラシ、白い花のマメアサガオ、アカネ、アキノタムラソウ、ダイコンソウ、ツユクサ、アメリカイヌホオズキなどを見る。楽しみにしていたタチカモメヅル(立鴎蔓・キョウチクトウ科)、場所によっては絶滅が危惧されているそうだが此処では毎年見られる。今日は花と実も観察できた。後日、白色の冠毛の付いている種子も見られたらと思う。ミズタマソウは本当に綺麗で良い写真を撮ろうと皆さん頑張るが・・・? C地区ではキツネノマゴやタデ科のイヌタデ、ミズヒキ、ハナタデなど姿も大きく群生していて、明るい草地のA地区との違いが良く解った。 

 今日は祝日でふれあいの森も家族連れでにぎわっていた。鳥大好き少年の目には遠く及ばないが、シニアもカエルや昆虫など色々見付けて自然を楽しんだ一日となった。  (文・写真 Y・M)

ゴンズイ

アカネ

タチカモメヅル

タチカモメヅル果実(袋果)

ミズタマソウ

コナギ

ナンバンギセル

ヨウシュヤマゴボウ

マップ作り部会の6月活動報告

月 日 : 2024年6月21日(金) 天候 雨のち晴れ

場 所 : 堺ふれあいの森(堺市)

参加者 : 8名

 昨夜からの大雨で、気象台は梅雨入りを発表。その雨も今朝の9時頃には止んで、青空が見え始める。 しかし、園内は山からの大量の雨水が流れ落ち水浸し状態だ。 参加者はそれでも8名。 5名は長靴を履いて、3名はいつものトレッキングシューズで、いざ出発。 先ずはA地区へ、ここで「今日は無理」とNさん撤退。

(A地区) シロツメクサやムラサキツメクサに混じってネジバナ、カタバミ、アレチギシギシ、ユウゲショウ、ニワゼキショウ、オオイヌフグリ、ブタナ、コハコベ、ヒメジョオンの花が点々と咲いている。下は水浸しだが、水と光をもらって草花はとにかく元気だ。 乾いた場所ではマツヨイグサが彼方此方に(ここではメマツヨイグサとの違いを確認)、そしてヨウシュヤマゴボウの大株にびっくり。 畑の脇ではイヌガラシ、ハキダメギクの花を見つけ、他にも、キツネノボタン、グンバイナズナ、アメリカフウロ、チチコグサ、チチコグサモドキ、オオバコ、ムラサキカタバミ、クスダマツメクサの花やヘビイチゴ、ヤブジラミの実を確認。 樹木としてはアカメガシワの花が咲き始めていた。

(B地区) 森への入口付近の樹木は、ネズミモチは花が終りがけで、リョウブは蕾、コジキイチゴは橙の実をウスノキは赤い角実を付けていて皆で試食。「コジキイチゴは思ったよりいけるが大味」との感想でした。  ヤマハゼ、ウメモドキ、ネジキ、タカノツメ、イヌツゲ、ヒサカキは小さな実をつけ始め、クチナシ、トウネズミモチ、ナンテンは今が花盛り。 草本ではムラサキニガナやオカトラノオの花が彼方此方に、 山道ではヤマトウバナが咲き始めました。 コモウセンゴケは赤い小さな花をいっぱい付けていましたが写真で上手く撮れたかな!

(C地区)草本のオカトラノオはここでは咲き始め、ドクダミは盛りを過ぎたか、ハナミョウガ、ササユリは実をつけ始めていた。 木本ではムラサキシキブの花が咲き始め、ヒメコウゾの実は橙に熟し、イヌビワに実がつき始めた。

雨あがりの足場は最悪でしたが、それでも日が差せば植物は元気に、そしてこの時期にアジサイ系統の花をここで見かけないのは少し寂しい気も・・・。(M.K 写真K.I) 

*写真はクリックする毎に拡大され、解像度も上がります。

ハキダメギク

マツヨイグサ

アカメガシワ

オカトラノオ

ウスノキ

コジキイチゴ

コモウセンゴケ

ムラサキシキブ

マップ作り部会の5月活動報告

日 時 : 2024年5月31日(金)

場 所 : 堺自然ふれあいの森

参加人数 : 8名

 薄紫色の花に包まれているのを見て気づく事の多いセンダン(栴檀・センダン科)だが、ふれあいの森にも大きな樹があった。「栴檀は双葉より芳し」と言われるがこれは白檀のこと。集合場所前からセンダンの花を眺めた後、原っぱの観察を省いて森の館わきから里みちに入る。今は色々な樹々が小さな花を付けている。赤紫色の黄色い葯が目立つ花で葉がビロードのような手触りはヤブムラサキ(藪紫・シソ科)、よく似ているが葉がガサガサしているのはムラサキシキブ(紫式部・シソ科)。淡いピンク色の花のウメモドキ(梅擬・モチノキ科)。イヌツゲ(犬柘植・モチノキ科)も濃い緑の葉に真白い花が映えて美しい(櫛や将棋の駒などの材料になるツゲはツゲ科)。壺型の白い花を下げているネジキ(螺旋木・ツツジ科)。他に白い花を付けているのはソヨゴ(冬青・モチノキ科)やネズミモチ(鼠黐・モクセイ科)。ナンテン(南天・メギ科ナンテン属:一属一種)も見かける。コジキイチゴ(乞食苺・バラ科:青い茎に刺や赤い毛が密生している)の2.5㎝ほどの白い花は殆ど落ち薄緑色の楕円形の実になっていた。所々でピンク色のモチツツジ(黐躑躅)の花を見る。可愛らしいナツハゼ(夏櫨・ツツジ科)は殆どがつやのある紅い丸い実になっていた。鹿の子模様の樹皮が目立つリョウブ(令法・リョウブ科)は長い花序を出していてもうすぐ咲き始めそうだ。その名の由来は律令時代に凶作時の食用になるものとして育て蓄えることを法で決められたためとか、人との深い繋がりを感じる。また少ないが香りの高い蜂蜜が採れるそうだ。4月の部会で蕾だったタカノツメ(鷹の爪・ウコギ科)は早、小さな実になってしまっていた。至る所で見られたカマツカやクロバイの花はもう無い。

 草本ではササユリが里みちを少し入った所に多数咲いていて皆しばし見とれる。甘い香りにも包まれ丁度良いときに来られたと嬉しくなる。さらに東のおじいさんの木(シリブカガシ)を過ぎて進むと松の育成地があり、ここでコモウセンゴケを観察する事ができる。4月より花序が伸び濃ピンク色の蕾を沢山付けているのに驚く。先端のうなだれているものがあったが巻散花序とかさそり尾状花序といわれるもので巻いていたものがほどけていくのだとか。咲いている花が最も高い位置にくるとあり、午前中に咲いて午後には閉じる。

 見はらし広場で昼食にしたが今日が初めての方はここからの眺めを楽しまれていた。午後は谷みちを下り第二豊田川みちへ向かう。谷沿いでは青紫色の花のオカタツナミソウを見る。下るにつれハナミョウガ(花茗荷ショウガ科)が次々に現れ沢山の花序を立てていて見応えがあった。これから花が赤い丸い実になっていく変化を見られたらと思う。確かめていないが花軸や葉裏には細毛が密生しているらしい。4月に見られた粘菌は今回は見付けられなかった。花後のショウジョウバカマ(猩猩袴)は大きくなって堂々とした風情になっている。

 川沿いの道ではエゴノキ(エゴノキ科)の花は終わっていたが、ウツギやガマズミ(莢迷・レンブクソウ科)が綺麗に咲いていた。ヒメコウゾ(姫楮・クワ科)は細い花びらがとれて丸い実になっている。ノイバラ(野茨・バラ科)は白い花をびっしり付けていて見事であった。

 雨が心配されたが降られることはなく終える事ができほっとする。 次回6月の部会は6月21日金曜日です。宜しくお願いします。                                 (Y・M)

センダン

ガマズミ

ハナミョウガ

ハナミョウガ

イヌツゲ

ウメモドキ

ササユリ

コモウセンゴケ

マップ作り部会の4月活動報告

日 時 : 2024年4月23日(火)

場 所 : 堺自然ふれあいの森

参加人数 : 12名

 昨年会員の方と相談の上2024年度の観察場所を堺市の「堺自然ふれあいの森」としたが今日はその第1回目。 場所を区切って植物リストを作成するのだがその区切りは <A地区>森の館前の広場から入り口に近い法道寺川沿いの明るく開けた草はら。<B地区>アップダウンや階段のある尾根道を中心とした雑木の多い部分。<C地区>尾根道を挟んだA地区の反対側の湿り気のある第2豊田川沿いの第2豊田川みち周辺・・・とするのが良いかと思う。  

 雨を気にしながらの一日になりそうだ。<A地区>階段下にピンク色の花の色が濃く感じられるハルジオン。キンポウゲ科らしい光沢のある黄色い花のウマノアシガタの群生は華やか。春の黄色い花々はさらにヘビイチゴと副萼片の大きいヤブヘビイチゴ、ハルノノゲシ、カタバミ、オッタチカタバミ、ケキツネノボタン、カンサイタンポポ、オニタビラコ、コナスビ、小さな花のコメツブツメクサ等々。スイバの雄花は「花柄があるからホラ振ると揺れるでしょ」と雌花との違いを会員の方に教えていただく。見て聞いて少しずつ知識が増えて行く。ギシギシも咲き始めた。オオバコと白い雄蕊が輪に見えるヘラオオバコ、青紫色の花のオオイヌノフグリとそれより小さな花のタチイヌノフグリは共にオオバコ科。他にヒメオドリコソウ、シロツメクサ、カラスノエンドウ(巻きひげは通常3分枝)にカスマグサ(巻きひげは分枝しない)、ハコベ、ウシハコベ(花の柱頭は5裂↔他のハコベ類は3裂)、ナズナ、ミチタネツケバナ、オランダミミナグサ、スズメノテッポウ(イネ科)、スズメノヤリ(イグサ科)、ヤエムグラ、厄介なメリケントキンソウも見付ける。奥の方ではサギゴケの群生も見る事ができた。 木本ではアケビ、コナラの雌花序・雄花序を見る。  

<B地区>ゲンゲ(レンゲ)、イヌガラシ、ハハコグサ、カヤツリグサ科のゴウソ。シダ類では瑞々しいコシダの群生。ゼンマイは渦を巻いているのは栄養葉の若芽で茶色いのは胞子葉だとある。そして間近にコモウセンゴケを観察する。木本では尾根道に向かう入り口で薄いクリーム色のコマユミの花を、至る所でカマツカの真っ白い花を見る。背の高いクロバイは見付けにくいが美しい落花でそれと分る。育成地の若い松が幾本もの長い新芽を伸ばしていた。他に白いコバノガマズミ、コバノミツバツツジ、モチツツジ、ヤマツツジ、ヤマフジの花、ヒメコウゾの雄花・雌花を見る。またホオノキやふわふわの葉のヤブムラサキ、ナツハゼが蕾を付けていた。

見はらし広場と云う所でお昼にしたが谷の向こうに山々が見え、こちらも山に登った気分になる。昼食後は足下が悪いと谷みちを下らずに尾根みちを森の館へ引き返す。が時間も早かったのでチゴユリを見に豊田川沿いの道を歩く。

<C地区>ニョイスミレは花期が遅いので群生もまだ綺麗に咲いていた。またタチツボスミレ、シハイスミレなど花数は少ないが全域で見られた。 “第2豊田川みち”から“蔓の谷みち”を少し上がった所にチゴユリがまだ残っていた。またシュンラン、粘菌なども見ることができた。ハナミョウガはまだ赤い実を付けていたが花期は5~6月で10~15㎝になると云う花序を見逃さないようにしたい。

 終了後、園と部会を開催できる日を確かめるが何とか予定が立ったのでほっとする。

 次回5月の活動日は31日・金曜日になります。ご注意ください。(Y.M)

スイバの雄花

コナラ雌花序・雄花序

ヒメコウゾ・雌花

ヒメコウゾ・雄花

カマツカ

コモウセンゴケ

ゴウソ

コマユミ

マップ作り部会の3月活動報告

日 時 : 2024年3月25日(月)

場 所 : 新檜尾公園から甲斐田川沿い+鴨谷池

参加人数: 8名

 雨が気になる2023年度最後の部会は8名の方の参加でスタートする。

 <草本>アマナ(甘菜=鱗茎が食用になり甘味があるため・ユリ科)が見られると教えて頂き、まずは光明池駅から赤坂台センター方向に向かう。道脇に群落が有り細長い大きな蕾を付けていた。残念ながら花は日が当たらないと開かないそうで低い草丈に4㎝ほどの白い花が咲いた姿を想像してみる。 新檜尾公園に戻って観察を続ける。至る所で見られたスズメノヤリ(雀の槍)。スズメノテッポウはイネ科だがこちらはイグサ科。細長い葉の縁には白く長い毛が生えていて葉の先が棒状に硬くなっているのも特徴。くす玉の様な頭花の仕組みも少々複雑、先に雌蕊が成熟しその後雄蕊の葯が伸びてくるとあるので今は葯が目立つ雄性期と思われる。 昨年5月に咲いていたアメリカオニアザミはまだロゼット状の葉の塊。 先月見たオニタビラコ、カラスノエンドウ、セイヨウタンポポ、ハルノノゲシ、ヒメウズ、ヒメジョオン、フラサバソウ、ミチタネツケバナ、ミドリハコベ、ミヤコグサ(甲斐田川沿い)などの他に葉間に花を付けるため名付けられたというハナイバナ(葉内花・ムラサキ科)の中心が白い薄紫色の小さな花を確認する。 昨4月丸く群生していた紫色と白色のサギゴケ、オランダミミナグサ、葉の重なり具合の見事なヒメオドリコソウが咲き始め、小川のほとりではキツネノボタンの黄色い花を見付ける。よく見かける毛の多いケキツネノボタンと違ってこちらの茎は無毛、葉の切れ込みも浅く、咲く時期もやや早いようだ。 シャガの花が早、咲きそろっていた。イネ科ではカモガヤ、イチゴツナギ、ミゾイチゴツナギを見る。

<木本>楽しみにしていたイスノキ(別名ヒョンノキ)。2月より花序は増えていたが一部の樹でしか見られなかった。綺麗な赤い色をしているが花弁が無いので控えめな感じ。写真では突き出た雌蕊の先が二股になっているのが分った。 満開のハクモクレンは見応え充分、ボケは今は白花が満開。また赤と白の絞りのツバキやコシノヒガンと思われる桜の花も見られた。引き続きヒイラギナンテンやユキヤナギの花とイヌビワ、ムクロジ、クロガネモチなどの実を見る。クスノキのひこばえは爽やかな緑色で樹肌はすべすべ。ラクウショウやメタセコイアにはまだ目立った変化は見られなかった。   

甲斐田川沿いの道では足元が泥濘む所があるので2月に続き途中から鴨谷池へむかう。あまり鳥は見られなかったが帰り道トガリアミガサタケ(尖網笠茸)に出会う。目が慣れてくると結構生えているのが分る。持ち帰った方はシチューに入れて食べたそうで、「量は半分くらいになったが歯ごたえもあり良い出汁が出て美味しかった」との事・・・凄い。キクラゲを採って帰られた方もあるのでまた感想を聞かせて頂ければと思う。

 今日のメンバーは全員野鳥部会員でもあり、絶え間なく聞こえる鳥のさえずりや小鳥の群れの移動する様も楽しんだ一日となった。(文・写真  Y.M)

アマナ

スズメノヤリ

トガリアミガサタケ

クスノキ・ひこばえ

キツネノボタン

ハクモクレン

ヒメオドリコソウ

イスノキ

                        

マップ部会の2月活動報告

日 時 :2024年2月26日(月)

場 所 :新檜尾公園から甲斐田川沿いのA・B地区

参加人数:11名

 前日までの雨の影響が気になるところだが光明池駅からまず新檜尾公園に向かう。  歩道橋脇のユリノキはわずかに実を残すのみ。<草本>公園では紅紫色のカラスノエンドウが咲き始め、越年したものか大きいヒメムカシヨモギや薄い紫色の花のヒメジョオン、小さな花のヒメウズも見付けた。控えめな白い小さな花のミチタネツケバナ、黄色い花のオニタビラコやハルノノゲシ。セイヨウタンポポは大きな花を茎をあまり伸ばさず地面の上に咲かせている。イネ科ではミゾイチゴツナギやカモガヤ(B地区)を見る。 ロゼット状の根生葉など足下の緑にも目が行く。まだ柔らかい大きな葉をこんもりと茂らせているのはスイバ。茎葉は柄が無く茎を抱くが、根生葉は長い柄が有り基部は矢じり型。やや細長い葉を丸く広げているチチコグサは葡枝を伸ばして回りに仲間を作っている。葉が重なるように出ているウラジロチチコグサ。タンポポの根生葉はくさびの様に深く切れ込んでいるので良く解る。細い葉をつんつん伸ばしているツルボやヒガンバナ。昨年部員の方に指摘を受けた新帰化植物と云われるシラホシムグラ(節の上に長毛があるのでヤエムグラと区別できる)が群生している。岩に付いているのはノキシノブ。スズメウリの実もまだ残っていた。甲斐田川沿いでは黄色いミヤコグサ(マメ科・花期5~7月)が早くも咲き始めており、似ているオオイヌノフグリと違って毛深いフラサバソウも淡紫色の花を付けていた。

<木本>新檜尾公園では春分の頃に鮮やか赤色の花が咲くと云うイスノキ(別名ヒョンノキ)に赤い粒々の蕾を見付ける。次回が楽しみだ。葉はナンテンのように枝垂れヒイラギの様な刺のあるヒイラギナンテン(柊南天)、美しく紅葉している部分もあるが、春には緑色に戻るのだとか。今は優しい香りのする黄色い花を付けていた。アキニレの樹皮の模様も楽しい。ボケの朱色の花は満開。丸くて可愛いムクロジ実がまだ残っていた。コブシのベージュ色の蕾は優しい毛に包まれている。枝に付いたまま黒くなっているロウバイの実は、甘い香りの柔らかいクリーム色の花とは対照的。千両はまだ沢山の赤い実を付けていた。甲斐田川沿いでは何もなくなったアカメガシワの裸木を観察。タイワンフウも葉を落としてしまうとわかりにくい。トウネズミモチの黒紫色の実は残っていた。四角に刈り込まれてしまったユキヤナギがぽつぽつと白い花を咲かせ始めていた。

草本も木本も花や葉の茂っていないこの時期に観察できるものがあることに改めて気付かされた一日だった。

 ところでセイヨウタンポポの総苞外片はなぜ外側に反っているのか? 浜松科学館自然観察園の報告によるとそれは「鼠返しのようにナメクジから花を守るための防御機能」とあった。 日本でも普通に見られるチャコウラナメクジ(茶甲羅蛞蝓:体内に板状の甲羅がある・・・確かめる気にはなれない)はセイヨウタンポポと同じくヨーロッパ原産の外来生物(共に1950年頃来日)で特にタンポポの花を好むと云う。 セイヨウタンポポ、外片の反っていない在来のタンポポを用意して観察実験、さらにセイヨウタンポポの反った外片を取り除いて実験したところ上記の防御機能が実証されたそうだ。・・・「タンポポとナメクジの知られざる物語」より。 日本のタンポポ、以前からいただろうナメクジ、色々疑問が湧くが調べきれていない。ちなみにセイヨウタンポポの外片の反りは蕾の頃から見られるそうだ。  文・写真 Y.M

イスノキ(ヒョンノキ)蕾

ムクロジ実と種

ロウバイ花実

アキニレの樹皮

ヒイラギナンテン

マップ作り部会の11月活動報告

日  時 : 2023年11月27日(月)

場  所 : 新檜尾公園~光明池

参加人数 : 13名

今回は今年最後の部会と云う事もあり、主に樹々の変化を見ながら新檜尾公園から光明池までコース全域を歩く事にする。

公園のイスノキ(ヒョンノキ)はゴツゴツした大きな虫えいを沢山ぶら下げていた。春分の頃には鮮やか赤色の花が咲くそうだ。 針葉樹だが落葉するラクウショウ(落羽松)とメタセコイア(曙杉)は良く似ているように思うが落葉や実を見ると違いがはっきり解る。ラクウショウは互生。メタセコイアは対生で側枝ごと落葉する。落葉後も軸の緑色が残るので美しい。枝先に垂れ下がっているのは雄花のつぼみと判明。2~4月に花らしくない花が咲くとあるので気を付けておきたい。また若葉は甘味があって美味しいとも書かれていた。メタセコイアは一度絶滅したと思われていた植物だが1946年中国で大木が再発見され、生きている植物化石と呼ばれている。日本でも株化石が見つかっていて、現在日本各地に育っているのは1950年にアメリカから送られた苗木100本が元だそうでその成長ぶりに驚く。第1号は昭和天皇に献上され、愛でた陛下は昭和62年の歌会始に「わが国のたちなほり来(こ)し年々にあけぼのすぎの木はのびにけり」と詠まれたと云う。

公園からもみじ谷と呼ばれている所に寄り道。モミジの赤、橙、黄色の紅葉が青いままの緑に映えて何とも美しい。コースにはモミジの木が少ないので案内して頂いて感謝。 続いて花芽を沢山付けたコブシやムクロジの黄葉、此処では控えめな紅葉のニシキギ等を見ながら甲斐田川沿いへと進む。

黒い実を付けたスイカズラ(花期は4・5月)の細い蔓には毛が密生、冬の厚めになった葉は少し裏に巻く。 エゴノキの実は薄緑色の果皮は破けて黒っぽい種子が露出していた。 タニウツギは細長い実と共にまだ桃色の花を付けていた。 キリは実と薄茶色の毛に覆われたような変わった花芽を付けている。 小さいが甘酸っぱくて美味しいアキグミの実は手の届く所には残っておらず残念。 イボタノキも思ったより大きな黒い実を付けていた。 繊細な花や葉のネムノキは今は大きな豆果をぶら下げている。 トウネズミモチの実はたわわで美味しそうにすら見える。 ナンキンハゼは紅葉に白い実。 ヌルデの紅葉も美しいが小さな実を口に入れ皆さん「しょっぱ!」 アキニレの色の変化は赤から緑まで賑やか、実はアーモンド味がすると云うが解らなかった。他にアカメガシワ、イヌビワ等の黄葉。カナメモチ等の赤い実。アラカシ、シラカシ、 クヌギ等のドングリを観察。

草本ではまだ咲いているヒメジョオン、ノゲシ、オニタビラコ、ヤナギタデ(蕾)などを見る。晩秋を充分楽しんだ一日であった。(文・写真 Y.M)

コブシ

メタセコイア

ムクロジ

アキニレ果実

トウネズミモチ

イボタノキ

メタセコイア・ラクウショウ

メタセコイア・雄花蕾

マップ作り部会の10月活動報告

日 時 : 2023年10月23日(月)

場 所 : 新檜尾公園

参加人数 : 10名

 甲斐田川沿いから光明池までのコースは人の手が入った所が多かったので、今回は草の刈られていない新檜尾公園をゆっくりと観察する。  まず公園に向かう歩道橋から、細長い松かさのようなユリノキの実を見る事が出来た。  公園ではナス科のイヌホオズキと1950年頃から見られるようになったアメリカイヌホオズキを観察する。前者の葉は丸みを帯び果実は一点からではなく、ずれて付く。後者の果実は一点から出て光沢があるのでそこが見分けるポイントのようだ。 優しい薄黄色の花がそっくりなので見落としてしまいそうな、葉に切れ込みのあるアキノノゲシと葉が細長く切れ込みの無いホソバアキノノゲシを見る。どちらも夕方にはしぼんでしまうそうだ。 地面に広がる赤みを帯びた茎のコニシキソウ(小錦草・トウダイグサ科)も良く見れば可愛い杯状花を付けている。 タデ科ではアカマンマと呼ばれるイヌタデの他にボントクタデ(凡篤蓼)を見る。名の由来は葉に全く辛みが無いので役に立たないと愚鈍(ぼんとく)と付けられたそうだが愛らしい風情の花だ。 カヤツリグサ科ではカヤツリグサ、ヒメクグ、テンツキ(天突)を見る。

 小川のそばではジュズダマ(イネ科)が出現していた。 ホトトギス、ヒヨドリバナ、フジバカマ、薄紫色のヨメナなど秋の花を見る。  引き続き見られたのは鮮やかな黄色の花のブタナ、小さな黄色い花はオニタビラコ、オッタチカタバミ、コナスビなど、白い花のイワダレソウやヒメジョオンなども咲いていた。  木本では ハギが紅色の花を咲かせ、イスノキ(ヒョンノキ)は虫えいとは違うもっと小さい薄茶色の果実を付けていた。ラクウショウ(細い小さな葉や側枝は互生)の実が大きくなり、綺麗な樹形のメタセコイア(細い小さな葉や側枝は対生)は黄色く色付いて来ていた。

 昼食後は高台の原っぱに上がり、一面のメリケンカルカヤ(イネ科)の群生の中を通り、ナワシログミの白っぽく細長い実などを観察。また駅に戻る道ではフウ(別名タイワンフウ・葉が3つに切れ込む)、モミジバフウ(別名アメリカフウ・葉が5つに切れ込み鋸歯がある)などフウ類も多くみられたので秋の紅葉が楽しみだ。フウ類はモミジやカエデとは別の仲間で葉や枝は互生(カエデ類は葉・枝は対生)。またイガイガの丸い実をぶら下げているが、良く似たプラタナス(別名スズカケノキ)の実と違って硬く、踏んでも簡単には潰れない。  また至る所でイネ科の花を見る。大型なので青空に映えるセイバンモロコシ。タチスズメノヒエ、シマスズメノヒエ。コブナグサやチヂミザサの群生。エノコログサ類。カゼクサ、シナダレスズメガヤ、コスズメガヤ、メヒシバ類、チカラシバ、イヌビエ、ヌカキビ、アシボソ、ササガヤ等々。

  秋空のもと、気持ちの良い一日を過ごす事が出来た。  9月に観察した場所は刈られてしまったが、10/18に見て来ていたので一部報告する。 イヌハギ 八方に枝を伸ばして咲いていたクリーム色の花は終わり、球状の閉鎖花を付けていた。 コガンピ 花は細長い実に変身していた。 ヌルデ 実はしょっぱい味がするというので舐めてみた。小さな実が白い粉を吹いているのだが、酸味、塩味、さらに甘味も少し感じられた。戦時中はこの粉を塩の代わりにしたとか。   (文・写真 Y.M)

イヌハギ・閉鎖花

ホソバアキノノゲシ

イスノキ(ヒョンノキ)果実

ボントクタデ

ヌルデ実

イヌホオズキ

コニシキソウ

アキノノゲシ

マップ作り部会の9月活動報告

日 時 : 2023年9月25日(月)

場 所 : 甲斐田川沿い~光明池

参加人数 : 15名(新入会員1名、臨時会員1名を含む)

 前回5月22日以来4ヶ月ぶりの部会は、部員に計った上まだ歩いていないC地区から光明池の土手を目指す事にする。

<甲斐田川沿い>

*秋のイネ科の花・・・フワッとした白い長毛が目立つメリケンカルカヤ。やや紫がかった1㎝ほどの小穂をバラバラ付けているのはカゼクサ。それに良く似たコスズメガヤは全体にやや小ぶりで白っぽく小穂も疎らだ。1本真っ直ぐに穂を立てているネズミノオ。シマスズメノヒエは棒状の小穂に黒い粒のような雄蕊の葯が点々と並んでいるので解りやすい。 背の高いセイバンモロコシ。

*マメ科の植物(葉は3出複葉、花は蝶型花、全体に毛のあるものが多い)・・・今日は萩の付く名の花を色々見る事が出来た。ネコハギは茎を伸ばして匍匐し白い花弁の元に二本の紅紫色の斑紋のコントラストが印象的で3枚の丸い葉は触るとフワフワだ。地味なメドハギの葉は細長く、よく見ればネコハギに似た花を付けていて、漢字名(筮萩)は昔この茎で占いに使う筮(ぜい、訓読みでめどき)を作っていたからとか。イヌハギは、茎は木質化し上部で八方に枝を伸ばした先にややクリームがかった総状花序(花にはやはり紅紫色の斑紋あり)を付けるので目立つ。咲いている開放花が終わる頃にヒメクグ(カヤツリグサ科)の花序の様な球状の閉鎖花を多数付けるそうで、それも後日観察できればと思う。アレチヌスビトハギのピンクの花は今や多くが種に変身していて厄介であった。濃紅色のマルバハギは木本で花序の柄が短いのが特徴。 萩の付かないマメ科の植物では、葉先を引っ張るとV字に切れるので名の付いたヤハズソウ(矢筈草)は写真を見ると葉の側脈が綺麗にV字に並んでいるので納得する。黄色の花は春に見られたミヤコグサではなく、少し大きな花弁がくるりと回ったノアズキだ。紅紫色のクズの花には黄色の斑紋があると云う。-

*キク科・・・クリーム色のアキノタムラソウ。春から咲いている黄色の花のブタナ。茎に毛の多いオオアレチノギク。セイタカアワダチソウやヨモギはまだ蕾。ブタクサ、アメリカセンダングサなどを見る。

*その他 これが?と思う様な姿のワレモコウ(バラ科)を教えてもらう。紫色の花付きの少ないアレチハナガサと華やかなヤナギハナガサ(クマツヅラ科)。淡いピンク色の花のツルボ(キジカクシ科)。黄色の4弁花はチョウジタデ(アカバナ科・別名タゴボウ)。小ぶりな白い花のマメアサガオ(ヒルガオ科)。イタドリ(タデ科)は真っ白い花とピンク色の花を付けたものを見る。

*木本 ムクゲ、フヨウ、タニウツギの花。まだ色づいていない実を付けているのはエゴノキ(実も花と同じくぶら下がっている)、コナラ、サルトリイバラ、トウネズミモチ、葉の切れ込みが深いキレハノブドウなど。葉軸に翼があるので解りやすいウルシ科のヌルデは甲斐田川沿いでは白い実を、光明池近くでは白い花序を付けていた。粉を吹いた様な実は舐めると塩味がするのだとか?

<光明池の土手> 中には分け入らず、周辺から覗く。

甲斐田川沿いでも見た、花柱が突き出ている紫色のツリガネニンジン(キキョウ科)、ツユクサ(ツユクサ科)、クズ、メドハギ、マルバハギ、イヌハギ、ワレモコウなど。 まだあまり開いていない白い花のヒヨドリバナ(キク科)は斜面の中に。小さいが白い花の目立つメリケンムグラ(アカネ科)は土手上で沢山見る事が出来た(写真は6月の活動報告をご覧下さい)。

*木本 マメ科のコマツナギは細い枝を四方に伸ばし、細かい葉と濃いピンク色の総状花序が可愛い。コガンピ(小雁皮ジンチョウゲ科)は小さい上、枝先に多数の白い花を付けているのでなかなかガンピと結び付かなかった。

昼の暑さが心配されたが光明池まで歩く事が出来た。  アレチヌスビトハギの服に付いた種はウェットティッシュで驚くほど上手く取れ、教えて頂いて大助かりであった。(文・写真 Y.M)

ノアズキ

ネコハギ

ヤハズソウ

ワレモコウ

ヌルデ

マメアサガオ

イヌハギ

コガンピ

ツリガネニンジン

チョウジタデ

マップ作り部会の6月活動報告

 部会は雨が心配されましたので当日朝に中止としましたが、知らずに来られた方と世話人とで甲斐田川沿いを光明池まで歩いて来ました。その様子を簡単ですが御報告します。

 日 時 : 2023年6月26日

 場 所 : 甲斐田川沿い~光明池

 参加人数: 3名

 <甲斐田川沿い・C地区~光明池>

 リング状になった白い花が可愛らしかったヘラオオバコは焦げ茶色の長い果穂を付けていた。 ネジバナは至る所で見られ、花の捻れ具合を楽しむ。 先端が二つに分かれているキシュウスズメノヒエ(紀州雀の稗・イネ科)は熱帯アジア、アメリカ大陸原産。名の由来は1924年に日本で初めて和歌山県で発見されたためと云う。 ずらり並んだヒメジョオンに混じってピンク色の花を付けた沢山のハナハマセンブリ(花浜千振・リンドウ科)を見る。 それに良く似た花のノハラナデシコ(野原撫子・ナデシコ科)は少数派。 ちょっと珍しいメリケンムグラ(米利堅葎・アカネ科)は茎の途中の葉腋に1㎝ほどの真っ白い花を付けている。 頭に紫色の小さな花を咲かせているのはヤナギハナガサ(柳花笠・クマツヅラ科)。面白い形のイヌコモチナデシコ(犬子持ち撫子・ナデシコ科)。 またミヤコグサの仲間はまだまだ鮮やかな黄色い花を付けていた。

 4月に観察した樹々の花々は実に変身。今はトウネズミモチが白い花を付け、満開のネムノキは見応え充分。アカメガシワの雄花・雌花を間近に観察する。テイカカズラは落花しているものが多かった

<光明池の土手>

 4月の下見の時には綺麗に刈られていた大きな斜面は、今は草と低木にびっしりと覆われている。 縁では立ち姿の美しいヌマトラノオ(沼虎の尾・サクラソウ科)が静かに咲いていた。 斜面の中ではカキラン(柿蘭・ラン科)を観察。一週間前に下見をして確認していたのだが、まだ綺麗な花を咲かせてくれていて嬉しくなる。 イネ科では動物と同じ名前のカモノハシ(鴨の嘴)を初めて見る。丸みを帯びた棒状の花穂は1本に見えるが2つの総がピタリ合わさったもの。印象的なので次に見た時にもそれと解るのではないかと思わせてくれる。 他にウツボグサやクサイチゴ(木本)を見かける。

 当日は時折雨に遭いながらも、様々なものを観察できましたので、報告させて頂きました。植生リストも作成していますので詳しくお知りになりたい方はお問い合わせ下さい。 Y.M

*以下の写真はクリックする毎に画面が拡大され、解像度も上がります。

ハナハマセンブリ

メリケンムグラ

ネビキミヤコグサ

アカメガシワ雄花

アカメガシワ雌花

ノハラナデシコ

カキラン

ヌマトラノオ

マップ作り部会の4月活動報告

日 時 : 4月24日(月)

場 所 : 新檜尾公園~甲斐田川沿い(~光明池)

参加人数: 8名

 2023年度の「マップ作り部会」は観察場所を光明池駅近くの新檜尾公園から甲斐田川沿いを中心に、そのあと時によって光明池を目指すコースとし、それを地区に分けて一年間定点観察し植生のリストを作成する。

 本年度最初の部会は肌寒い日となった。 光明池駅から新檜尾公園の入り口に移動、今回はリストを用意せず、参加者皆で観察しながら各々書き留めて頂く事とした。

 <草本> 丁度一週間前の下見の時には満開だったフラサバソウ、小さな薄紫色の花は同じオオバコ科のオオイヌノフグリに似ているがこちらは毛深く、もう実になっている物も多かった。名の由来は発見者のフランス人の名にちなんだそうである。 草丈の高い黄色の花のオッタチカタバミ。 小さなコナスビ。 葉の細いチチコグサ(父子草・キク科)とへら型の葉のチチコグサモドキ、どちらも茎など綿毛が多い。 広々とした所では白花のサギゴケと紫色のサギゴケが所々丸く群生していて楽しくなる。 キランソウやトキワハゼは少数派だ。 黄色の花のジシバリ(地縛り・キク科)が一面に広がっている所ではその名の由来が良く解る。 イネ科のヒメコバンソウ、振れば小さな音がしそうと思ったら実際するらしく別名はスズガヤ。イネ科では他にオオスズメノカタビラ、カモガヤ、カモジグサ、トボシガラ、ハルガヤ等を見付ける。 タデ科のスイバ(酸葉)やギシギシ(羊蹄鉄)、アレチギシギシ、エゾノギシギシなどの繊細な小さな花の世界に皆魅了される。 ヘラオオバコも多く花もなかなかに可愛い。 花期の遅いニョイスミレ(如意菫・スミレ科)の群生も見られた。 湿った所ではクレソンの白い花やオオカワヂシャの薄紫色の花を見る。 

 <木本> 面白かったのはイスノキ(柞の木・マンサク科、材はとても堅く木刀にもなるそうだ)。虫こぶが沢山付いていたが2種類有るようで、イスノキコムネアブラムシは葉の面に多数の小型の突起状の虫こぶを作る。イスオオムネアブラムシはゆり根のような丸く大きな虫こぶを作り、枯れた感じになった物の空いた穴を吹くとヒョウと言うような音がする。これが別名ヒョンノキの由来だ。10月頃に果実、3月頃に咲く赤い花、また虫こぶの変化を引き続き見て行きたい。 カマツカやザイフリボクの白い花、ピンク色の花はタニウツギ、またタブノキは新芽と共に優しい黄緑色の花を付けていた。 ラクウショウやメタセコイア等の大きな樹も多く今は緑が美しい。

 下見の時に光明池の斜面が綺麗に刈られていたので今回は光明池までは行かず、手前でミヤコグサより花数の多い黄色のネビキミヤコグサ(根引都草・マメ科)や4弁のピンクの花のユウゲショウ(夕化粧・アカバナ科、観賞用のものが野生化したそう)を観察する。  今年の観察場所は水も流れていて、昨年の陶器山尾根道とはまた違った植物に出会えそうである。  毎回観察リストを作成しているので、詳しくお知りになりたい方はお問い合わせ下さい。 (写真・文 Y.M)

ヘラオオバコ

イスノキ・虫こぶ(オオムネアブラムシ)

ネビキミヤコグサ

サギゴケ・白花

イスノキ虫こぶ・イスノキコムネアブラムシ

タブノキ

マップ作り部会の3月活動報告

日 時 : 2023年3月27日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道 (陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加人数: 11人

前日は雨で心配されたが予報通りお天気は回復し、まずまずの観察日和となる。

 <A地区> *木本では 集合場所の近くでミヤマニガイチゴの五弁の白い花を見付ける。昨年は途中で刈り込まれてしまい赤い実を見る事が出来なかったが今年はどうだろう。ツツジ科では開花が一番早いと云うコバノミツバツツジ。葉の展開はまだなので鮮やかなピンク色の花が更に際立つ。モチツツジは前回以外毎回見られたので「季節感の無い花やなぁ」と言われてしまったが早、咲き始めていた(AB地区)。ヒサカキは匂いは残るが白い花は終わりかけ。アオキは赤い実と共に赤い雌花を見る。カマツカ、ヤマブキ、カナメモチは蕾を、コナラは下垂した薄緑色の雄花を付けていた。つる性のミツバアケビの濃い紫色の雄花、雌花を見付ける。1.5㎝程の大きな方が雌花で5㎜位の小さな花が垂れ下がっているのが雄花だ。他にヒイラギナンテン、レンギョウをみる。

*草本では 薄紫色の小さな花のフラサバソウ、ウラジロチチコグサが咲き始めていた。AB地区でタチツボスミレ(陶器山ではあまりスミレを見かけない)、またシュンランを見付ける事ができた。AC地区でスズメノヤリ、ヒメオドリコソウ。全域でツルニチニチソウ、ハコベを見る。

<B地区> *木本では オオシマザクラ。

*草本では ハハコグサ。BC地区で道脇に並んだシャガの花を見る。

<C地区> *木本で新たに見られた花は ニガイチゴ(ミヤマニガイチゴより葉が丸い)、濃いオレンジ色の蕾を付けたヤマツツジ、ネズ雄花、イロハモミジ、ヤマザクラ蕾、紛らわしい名前だが木本のクサイチゴ、濃厚な甘い香りを漂わしているアケビ。AB地区では蕾だったモモも此処では満開だ。

*草本では オニノゲシ、オランダミミナグサ、スイバ蕾、ハルジオン、小さなヒメウズ、ヤエムグラ、ホトケノザ。タンポポはA地区のセイヨウタンポポ、B地区のカンサイタンポポが此処では隣り合って咲いていた。A地区でも見られたカラスノエンドウを、それより小ぶりなためスズメと名の付いたスズメノエンドウが圧倒していた。

 最後の花合わせは青空に映える桜の花の下で行う。一年のサイクルを確かめる事の出来た観察会となった。 なお毎回観察リストを作成しているので、詳しくお知りになりたい方はお問い合わせ下さい。 (Y.M)

アオキ・雌花と実

オオシマザクラ

ネズ雄花

イロハモミジ

クサイチゴ

アケビ左雄花・右雌花

マップ作り部会の2月活動報告

日 時 : 2023年2月27日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道(陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加人数 : 13人

久しぶりに金剛山が白くなる日が続いたが、昨年11月28日以来の部会はポカポカ陽気に恵まれる。花はあまり見られないのではと思いスタート地点から反対側も歩く事にする。

<番外・北地区> イボタノキ(水蝋の木・モクセイ科・花期5~6月・・・木に付くカイガラムシの一種イボタロウムシが出す分泌物から蝋を採っていた)の黒紫色の実やネジキ(螺旋木・ツツジ科・花期5~7月)の実を見付ける。コウヤボウキ(高野箒・キク科・北AB地区・花期9~10月)は綿毛の付いた実と萼のみになったものも。ヒサカキ(姫榊・モッコク科・北A地区)の白い花(雄花)や黄色味を帯びたヒイラギナンテン(柊南天・メギ科)が咲き始め、ツツジ科のミツバツツジ(三葉躑躅)やモチツツジ(黐躑躅・北AB地区・・・長い間咲いていたピンクの花も今回は見られず)には花芽が付いていた。 草本ではスイセン(全域)とまだ開ききっていない紅紫色のノアザミ(野薊・キク科)を見付ける

 陽の当たる斜面でお昼にした後、出発地点へ戻る。

<A地区> 草本では先ず立派なフキノトウ(フキ蕗・キク科の花茎)が目に入った。それから黄色のコオニタビラコ(小鬼田平子・キク科)やピンク色のヒメオドリコソウ(姫踊子草・シソ科・AC地区・・・葉はフワフワだ)、白いハコベ(繁縷・ナデシコ科・AC地区)など春の小さな花たちに出会う。白い綿毛になっているのはメリケンカルカヤ(米利堅刈萱・イネ科・全域・花期9~11月)。ヘクソカズラ(屁糞蔓・アカネ科・AB地区・花期は9~10月)は茶色の実、リュウノヒゲ(別名ジャノヒゲ・蛇の髭・AB地区・花期は7~8月)はツヤツヤの濃青色の実が残っていた。 木本ではビワ(枇杷・バラ科・花期は11~1月)の花が黄褐色の小さな実になっていた。アオキ(青木・ガリア科・花期3~4月)の赤い実、トウネズミモチ(唐鼠黐・モクセイ科・花期6~7月)の黒紫色の実も残っていた。

<B地区> コセンダングサ(小栴檀草・キク科・BC地区)の実、 木本ではナワシログミ(苗代茱萸・グミ科・花期10~11月)のまだ赤くなっていない褐色の実、ヤツデ(八手・ウコギ科・花期11~12月)のまだ花時のような薄い緑色の実を見る。遠くに見えるウルシ科の実はヤマウルシか?

<C地区> 草本ではやっとオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢・オオバコ科)の愛らしい青紫色の花を見る事ができた。 木本では共にツバキ科のサザンカ(山茶花・・・中国語でツバキ類一般をさす山茶に由来する)、ツバキ(椿)のピンクや赤い花を見る。ツルウメモドキ(蔓梅擬・ニシキギ科)やノイバラ(野茨・バラ科)の実もまだ残っていた。

 陽射しを浴びているだけで嬉しくなる、太陽のエネルギーを感じる一日だった。(Y.M)   

ヒサカキ雄花

フキノトウ

ヒメオドリコソウ

コウヤボウキ・萼のみと綿毛

ヤツデの実

オオイヌノフグリ

 

マップ作り部会の11月活動報告

日 時 : 2022年11月28日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道(陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近)をABCに区切り一年間定点観察する)

参加者 : 9名

今年は綺麗に紅葉している所が多いので、陶器山はどうだろうかと思いながらスタート地点に向かった。

<A地区> 休憩所の回りではイロハモミジが色づき、クロガネモチ(AC)も赤い実を沢山付けていた。今頃咲くのだったとヒイラギ(AC)の白い花を見付けて、甘い香りを楽しむ。又ビワの花も咲き始めていた。アオキの実はまだ青いものがほとんど。 ネジキは不思議な樹である。春にはねじれた幹に小さな白い壺状の花を下向きに並べているが、実は上向きとなる。そして今は驚くほど美しく紅葉しているものがあり感動する。 イヌビワは爽やかな黄色に、アカメガシワも穏やかな雰囲気の黄葉に。コナラは褐色に、カマツカの葉も色づいてきている。モチツツジは花を付けていない木の葉はだんだん赤くなって来ていて、何処を触ってももう粘り気は無い。 鮮やかに紅葉しているのはハゼノキ(AB)だ。

*草本では まだオニタビラコの小さな黄色の花を、全域でヒメジョオンの花を見る。

<B地区> ヒサカキの花芽、カキノキの実(AB)、イヌビワの実(BC)、カマツカの実(BC)ノイバラの赤い実(全域)を見る。コウヤボウキの花の時期はもう終わる。

*草本では リュウノヒゲの黒い実やヘクソカズラの実を見る。またノガリヤス、メリケンカルガヤが目に付いた。

<C地区> ヤツデの白い花、サザンカはピンクと赤い花が咲き始めていた。タイワンフウの紅葉はオレンジ色のグラデーション。ツルウメモドキの実はまだ黄色い物と、黄色の果皮が3裂して橙赤色の仮果皮の現れた物とあり、まだまだ目を引く。トウネズミモチ(全域)のたわわに付いた実は、ネズミモチの実と比べると丸い。イボタノキのつやの無い黒い実、アオツヅラフジの青い実、ガンピの細長い毛のある実、高い所のセンダンの実、落ちているのを見付けると嬉しくなるアオギリの実等を見る。

*草本では キンミズヒキは紅く紅葉していて群生しているとなかなか見事だ。タカサゴユリの変わった実。フジバカマは回りの草を刈られて出現。イネ科のチヂミザサは小穂から伸びていた3本の長い毛が、実が熟しても残っており、粘液が小さな水玉の様に付いていて触れるとニチャッとくっついてびっくりする。ひっつき虫の戦略も様々で面白い。トキリマメも赤くなった可愛らしい実を付けていた。

 穏やかな良い天気に恵まれ、一日楽しく過ごすことができた。      (Y・M)

ヒイラギ

ネジキ

イヌビワ

アカメガシワ

ヤツデ

タカサゴユリ

チヂミザサ

陶器山の紅葉

マップ作り部会の10月活動報告

日 時 : 2022年10月24日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道(陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加者 : 15名

 気持ちの良い秋晴れのもと、しばしの雑談の後、観察を開始する。全地域で花が見られたのは、春からずっと咲いているヒメジョオン(姫女菀・中国の野草「女菀」という花に似ていて可愛らしいことから)とオオバコ(大葉子)。そしてアレチヌスビトハギ、イネ科のエノコログサ(狗尾草・犬の尾に似ていることから名が付いた)、ススキ。ツユクサの青もまだ美しい。 *木本ではコウヤボウキABが咲き始めた。派手では無いがこの時期には直ぐに目に留まり、親しみやすい花である。ドングリはアラカシ、コナラ、マテバシイ、ウバメガシなどの実。トウネズミモチの実も全域で見られた。

<A地区> 新たにちょっと変わった花の付き方をするクワクサが咲き始めた。葉腋に段々に付いた球状の塊には小さな雄花と雌花が混在している。オニタビラコがまだ可愛いい黄色の花を付け、コミカンソウの小さな実は少しオレンジ色に。9月に様々見られたマメ科の花はアレチヌスビトハギ(A~C)だけになってしまったが、イネ科の植物はノガリヤスAB、直立した丈夫な茎のネズミノオAB、チヂミザサAC,メヒシバAC、キンエノコロAC、大きな小穂のアキノエノコログサCなど引き続き観察する。 *木本では(花)ナワシログミ(苗代茱萸)咲き始めた花は筒型の地味なもので、名の由来は翌年4~5月頃に実が赤く熟する事から付く。1輪、2輪とまだ鮮やかなピンク色の花を付けているモチツツジ、種は小さいが足下にはふわふわの葉の実生並んでいて、たくましくも微笑ましい。(果実)4、5月頃に濃い赤紫色の花を咲かせるミツバアケビ。柿色になっている柿の実は高い所にあって手が届かない。赤い実はカマツカやクロガネモチ。くすんだ赤はノイバラ、ナツハゼ。ヒサカキは黒くなり、ネジキの実はまばらに。ハゼノキは光沢のある淡褐色。サルトリイバラABの実はだいぶ赤くなってきた。 

<B地区> 黄色いコセンダングサBCの花は筒状花のみなので花びらが無いように見える。 *イヌビワ(木本)BCの実はまだ青く美しい。

<C地区> 新たにつる性のカナムグラ(鉄葎)の雄花、雌花を見る事が出来た。セイタカアワダチソウACも咲き始めたが此処では少数派。キンミズヒキの群生は花が一面カギ状の刺の付いた果実に変化していて、ちょっと猛々しい風情だ。その他アキノノゲシ、イヌタデ、オシロイバナBC、オッタチカタバミ、カヤツリグサ、キツネノマゴ、ハナカタバミ、小さくてもしっかり実を付けているヨウシュヤマゴボウ等を見る。 *木本では前回数輪見ただけのクコが今は花盛りで樹の数も多い事が解り嬉しくなる。果実では面白い姿のアオギリ、オレンジ色のツルウメモドキ、ナンテン等を見る。

 花の種類は少なくなってきたが、あちらこちらで盛り上がっていて良い一日となった。 (Y.M) 

ミツバアケビ

ナワシログミ

クワクサ

コウヤボウキ

キンミズヒキ 花・実

イヌビワ

アオギリ・実

ツルウメモドキ

マップ作り部会の9月活動報告

日 時 : 2022年9月26日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道(陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加者 : 10名

マップ作り部会は7,8月は夏休みなので6月27日以来の開催である。天気にも恵まれ休憩所から観察を始める。

暑い夏を越え、引き続き咲いていたのはA地区-小さな黄色の花のオニタビラコ。全域でオオバコ(大葉子)、ヒメジョオンの花を見る。 草本で新たに観られたのは  

<マメ科の特徴的な蝶型の花> A地区-赤紫色のヤハズソウ(矢筈草・斜めに側脈が並んでいるので、葉先を引っ張ると切り口が矢筈の形になる)B地区-白い旗弁にくっきり紅い斑紋が入っているネコハギ。C地区-黄色いタンキリマメ(痰切豆・つる性)は全体に毛が多く、また葉の形(葉先の方が幅が広く、3つの小葉はほぼ同じ大きさ)でよく似たトキリマメ(葉の下部の幅が広く3枚の葉のうち頂小葉が一番大きい)と区別出来る。紅紫色のつる性のクズの花は終わりかけ。アレチヌスビトハギはABC全域で見られたものの数はそう多く無かった。

<イネ科> A地区-バラバラと小穂が付いたノガリヤス。細い小穂を数本、掌状に付けたメヒシバ(AC)、葉が特徴的なチヂミザサ(AC)、猫じゃらしと云われるエノコログサは全域で。 B地区-シマスズメノヒエ(棒の様な小穂に黒い点が筋の様に見えているのは黒い葯)。ススキ。 C地区-黒い刺毛が円柱状に付いたチカラシバ、陽が当たると美しいキンエノコログサ。 イネ科は秋の花の季節で色は地味だが姿は多様。特にA地区で色々見ることが出来た。

<ツユクサ・露草>全域- 鮮やかな青色の花が美しい。雄蕊は6本で下の長く伸びた2本が花粉を出す完全雄蕊。真ん中に黄色い小さな花の様に見えるのは短い仮雄蕊だ。

<オシロイバナ>BC 部会員に教えられ名前の由来を初めて見る。C地区の外れの空き地には群生していて、一日花で花はしぼんでいるが意外に大きな黒い種子を付けていた。堅い殻を割ると中には白い実があり、潰してもむと直ぐにきめの細かい粉となった。驚きである。

<その他> A地区-コミカンソウ(早、小さな実を付けていたがまだ青い)、ミズヒキ、ヨモギ。 B地区-オオアレチノギク、あまり馴染みの無いズルカマラ(ナス科)など。 C地区-アメリカアサガオ(薄青紫色の小ぶりなアサガオ)、アキノノゲシ、イヌタデ、オッタチカタバミ。カラスウリの茎がうねうね捩れ膨らんでいるのはウリウロコタマバエによる虫えい(カラスウリクキフクレフシ)、カヤツリグサ科のカヤツリグサとヒメクグ、小さな淡紅色の花が可愛いキツネノマゴ(狐の孫・花後に果穂が伸びて目立つ様を子狐の尾に見立て名付く)、キンミズヒキの群生、コセンダングサ、ヒカゲイノコヅチ、ヒナタイノコヅチなどを見る。

木本で花が咲いていたのは A-モチツツジ、AB-マルバハギ、B-アオツヅラフジ(つる性)、C-ハギ-、そして漏斗型の薄紫色の花のクコ。  7月には花や実を沢山付けていたニワウルシやアカメガシワは静かな佇まいに戻り、確認していたガンピの実が解らなくなってしまった。全域で見られたサルトリイバラの実は大きくなっているがまだ青い。前回花盛りだったトウネズミモチは小さな薄緑色の実をたわわに付け、緑色の葉との対比がとても美しい。人気だったのが大きなマテバシイ(馬刀葉椎)の実。タンニンが少ないので下処理が要らず、そのまま炒って食べられるのだそうだ。

これから秋がだんだん深まり、さらに楽しい部会になるだろう。   (文・写真 Y.M)

ツユクサ

キツネノマゴ

クコ

オシロイバナの実①

オシロイバナの実②

トウネズミモチ

マップ作り部会の6月活動報告

日 時 : 2022年6月27日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道 (陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加者 : 10名

今日はオカトラノオが咲いていると聞き、番外ではあるがまず観察場所と反対の北の方に向かう。<北地区> 白い小さな花を沢山付け、尾を横に伸ばして咲いているオカトラノオ(丘虎の尾)が群生している様は何か優しい風情である。ムカゴを付けたオニユリはまだ青い蕾。 木本で咲いていたのは淡紅色の長い花糸が美しいネムノキ。夕方花が咲き始め、逆に葉は閉じて垂れ下がる。漢字名の(合歓の木)は「眠る木」が訛ったもの。落ちていた花には微かに甘い香りが残っていた。そしてシャシャンボ(小小坊・ツツジ科)(C地区にも)白い壺状の花が下向きに並んでいる。熟した果実はツツジ科の中では一番美味と云い、変わった名前も実の成り様から付けられたものらしい。冬の訪れが待ち遠しい。

集合場所に戻り改めて観察を開始するが、陶器山の1ヶ月の変化に驚かされる。5月に私達を楽しませてくれた樹々の花の多くは実になり始めており、変わりにトウネズミモチ(全域)の白い花が満開であった。 草本では特にC地区で色々な花が咲き始めていた。

<A地区> 陶器山のネジバナ(AC地区)は色鮮やかで立派。濃いピンク色の小さな花をらせん状に沢山付けている。 木本ではマルバハギが咲き始める。ネジキの下向きに付いていた白い花は首をもたげて上向きにカッチリした実へと変身。ガンピ(雁皮)(AB地区)は花の形そのままの細長い実に。ナツハゼ(全域)はもう少ししたら、もっとツヤツヤした可愛らしい実になることだろう。

<B地区> 新たに草本ではアレチギシギシ、ウラジロチチコグサ、ムラサキツユクサを、 木本ではアジサイ(陶器山では少ないようだ)、葉の変形が激しいがアオツヅラフジと思われるもの、アカメガシワ(BC地区)の花を確認する。

<C地区>アカツメクサ、紫色の小さな花を頭に沢山付けたアレチハナガサ、ウスベニチチコグサ、オオバコ、まだ蕾だがガンクビソウ(雁首草・花の付き方がキセルの雁首を思わせる)、黄色の小さな花のコナスビ、薄紫色のトウバナ、草丈は短くてもピンク色の5弁花が目立つハナハマセンブリ(花浜千振)、ヤブガラシ、ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科、洋種山牛蒡・洋種は帰化植物を指す。なおヤマゴボウは有毒で、漬け物などに使われている山菜の“山ごぼう“はキク科で全く異なる) 木本では5月に蕾だったザクロが花と若い実に、他にナンテン、マサキの花を確認する。またナワシロイチゴの実が真っ赤に熟しており皆見つけては味わう。

陶器山では色々な樹木の花を間近に観察する事ができたが、その花々が食べられる物、面白い物、綺麗な物など様々な果実になると思うとまた楽しみである。 (文・写真 Y.M)

オカトラノオ

シャシャンボ

トウネズミモチ

ネジバナ

アカメガシワ・雌花

ハナハマセンブリ

 

マップ部会の5月活動報告

日 時 : 2022年5月23日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道 (陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加者 : 11名

幸い天気にも恵まれ集合場所から早速観察を開始する。

<A地区> 陶器山に多いネジキが、至る所で優しい白色の壺状の花を鈴なりに付け控えめな甘い香りを漂わす。 ガンピ(雁皮・別名カミノキ)も思いのほか多く、淡黄色の先が4裂している筒状の花を10個ほど付けその存在をアピール。 クリーム色の小さな花を道一杯に落としているのはカキノキ(豆)・・・AB。大木になるニワウルシ(別名シンジュ神樹)も幼木は枝葉を傘状に伸ばしているので見分けやすく、今は穂状に小さな花をたくさん付けている(花については「綺麗とは言いがたいが作りは細かい」の表記もあるので又ゆっくり観察してみたい)AC。 ピンク色の葯の白い花をたくさん付けているのはコミノネズミモチだろうか。他にもシャリンバイ、スイカズラ、トウネズミモチ、ネズミモチAB、ノイバラA~C等が咲き始めていた。

 草本では ハハコグサやチチコグサの仲間の特定に悩むが 咲き始めていた紫のキキョウソウ(別名ダンダンギキョウ)AB、小さな黄色のコメツブツメクサAC、ヒメジョオンA~C、ルリニワゼキショウ、ユウゲショウ等の花に心が和む。 イネ科も今は花盛り{アズマザササ東笹、真っ直ぐなイチゴツナギ、繊細な(ハナ)ヌカススキ・・・A、弓なりのカモジグサB、コバンソウBC、小穂が密集しているカモガヤ(別名オーチャードグラス)C}など多様である。)

<B地区> ちょっと珍しいナナミノキ(七実の木・美しい赤い実を沢山付ける事から命名される)の小さな薄紫色の雌花を見付ける。 草本では 新たにトキワツユクサの白い花、ニワゼキショウBCを確認。

<C地区> Aでも見られたナツハゼ(夏櫨・夏にハゼノキのように葉が色付く事から付く)つやつやした鐘状の紅くなった花を付けていた。ちいさなピンク色の花を塊の様に付けたウメモドキ、そしてセンダン(背が高く花を間近に見ることが出来ず残念)、心惹かれる名前のソヨゴ(風に吹かれた葉がソヨソヨと音をたてるため付けられたとあるが漢字名は「冬青」こちらも気になる命名である)の薄緑色の雌花を見る。 

 今回も樹木の花を間近に見ることが出来、充実した一日を過ごす事ができました。(文・写真 Y.M)

ネジキ

ガンピ

ナナミノキ

ナツハゼ

ウメモドキ

スイカズラ

マップ作り部会の4月活動報告

2022年度の「マップ作り部会」は場所を天野街道の陶器山の一部とし、陶器山トンネル上の休憩所を起点に南へ大野台西住宅地付近までをA・B・Cと地区を分け、一年をかけて定点観察します。地区をまたぐものは多く見られるところに記載しています。 なお、特に観察したい場所がある時などは柔軟に行動したいと思っています。

日 時 : 4月25日(月)  

場 所 : あまの街道陶器山尾根道

参 加 : 12名

 初回を前日の雨の影響を受ける事なく開催できほっとする。

<番外> まずはキンランが咲いていると聞き、地区外であったが会いに行く。美しい姿は一株だけでも出会えると嬉しくなる花である。

<A地区>  *木本 コナラの若木に付く虫えいを発見。直径4㎝もある大きな物で、ナラメリンゴフシ(楢芽林檎フシ)の名の通り陽の当たったところが少し紅くなっており、まるで林檎のようで美味しそうにすら見える。その他アラカシ、カマツカ、クサイチゴ、コナラ、モチツツジの花を見ることができた。  *草本では オオイヌノフグリ、オニタビラコ、オヤブジラミ、セイヨウタンポポ、チチコグサ、ツルニチニチソウ、ニガナ、ノゲシ、ヒメオドリコソウ、フラサバソウ、ヤエムグラなどの花を見る。

<B地区>  *木本 イブキジャコウソウ、ガンピ(蕾)、クサイチゴ、クロバイ、ニセアカシア(ハリエンジュ)、ミツバアケビ等の花を間近に観察。サルトリイバラやカキの実はまだ青い。  *草本では オッタチカタバミ、カスマグサ、カタバミ、カラスノエンドウ、カンサイタンポポ、シロツメクサ、セイタカハハコグサ、スイバ、スズメノエンドウ(実も可愛らしい)、スズメノヤリ(実)、タチツボスミレ(数は少ない)、ハルジオン、ヒメウズ、ヤブヘビイチゴなどを確認。

<C地区>  *木本 アオギリ(実、クルクル回りながら落ちてくるところを見てみたいものである)、アメリカマルバヤナギ、コバノガマズミ、ナワシロイチゴ(蕾)ムクノキの花を見る。   *草本では ギシギシを見付ける。黄色いコウゾリナやトウバナの花も咲き始める。その他ケキツネノボタン、コメツブツメクサ、シャガ、タチイヌノフグリ、ナガミヒナゲシ、ブタナ、ヤワゲフウロ等を確認。

 良く見かけるシャガは3倍体のため種子はできないのだと云う。花の構造も3・3・3…3本の雄蕊も雌蕊のヒラヒラした柱頭の付属体の裏に隠れている。これからシャガを見る目が変わりそうだ。 以上です。これからも部会員それぞれの観察力、知識、持ち味を出して頂き、楽しい観察会にして行ければと思います。  Y.M(文・写真)

イブキジャコウソウ

シャガ

スイバ花

ギシギシ花

ナラメリンゴフシ(虫えい)

キンラン

マップ作り部会の3月活動報告

月日 : 3月28日(月)

場所 : 松尾寺周辺の里山

参加人数 : 13人

活動内容 :

 今年度二回目の部会、桜、畑の菜の花、野や木々に咲く様々な花々に力をもらいながら観察をした。 集合場所松尾寺境内には大きなキランソウが数株咲いていた。お寺から下る道、A地区にはスミレ2種(タチツボスミレ、シハイスミレ)、タネツケバナとミチタネツケバナの違いなど観察した。1ミリくらいの小さな白い花ムシクサも見つけた。計19種の花を観察。

 畑沿いの道で、触ると痛いほどの葉を持つ植物が蕾をつけた。オニノゲシだと判明。鮮やかな黄色のウマノアシガタ、小葉が5枚であることからわかるオヘビイチゴ、スミレ、ノジスミレ、濃いピンクのノアザミの蕾も見つけた。ヒサカキ(ビシャコ)のガスのような匂い、シキミの芳香も確認。ここでは31種の植物を観察した。

 丘に登って行くC 地区では楚々と咲く山桜に目を奪われ、ヤワゲフウロ、キウリグサ、ヒメウズ、オオイヌノフグリ、カスマグサなどの小さな花々に心癒された。コバノミツバツツジやモチツツジも開花し始めていた。濃い紫の花が咲くミツバアケビ、白に近い薄紫の花が咲くアケビも発見した。またノシラン、サルトリイバラの実も見つけた。C地区では計16種の花と実が見られた。

 コロナで活動出来ない月も多く、2年続けて松尾寺周辺の植物を観察した。今年度は雨で二回中止になり、2年で5回しか行けなかったが、季節毎に変化する植物の観察を楽しむことが出来た。(文・写真ともF.K)  

アケビ

ノアザミ

ミツバアケビ

ヤワゲフウロ・オオイヌノフグリ

オニノゲシ

キランソウ

マップ作り部会6月活動報告

 月日 626

場所 松尾寺近辺の里山

参加人数 11

活動内容

 梅雨空の中、松尾寺に着くとハンゲショウが私達を歓迎してくれた。3ヶ月ぶりの観察なので、花や実を観察出来る植物はずいぶん変わっていた。

 A地区(お寺から民家のある所まで)ではウワミズサクラの実が見られた。房状に咲く花はよく知られているが、実を見るのは初めての人が多かった。熟した実は塩漬けや果実酒として食べられるそうだ。日があまり当たらないせいか、ここに咲くキュウリグサもハコベもトキワハゼも花が小さい。21種の花や実のなる植物が観察出来た。

 畑沿いのB地区では、草が刈られた後で様子が一変していた。一見よく似ているが異なる、ジャノヒゲとヒメヤブランが近くに咲き、美しい紫のウツボグサ、ピンクの可愛い送りますミゾカクシなどが見られた。また湿った所にしか咲かないヌマトラノオが咲き始めていた。イネ科の植物も多く咲き始め、49種の植物を観察した。

 丘に登って行く地区では、木本が多く、今食べられるウスノキやヒメコウゾの実、秋に期待できるナツハゼやアケビの実、食べられないイヌビワやサルトリイバラの実も見られた。マンネンダケも参加者の目を惹きつけた。観察後に花合わせをする場所にはピンクのネジバナと薄紫のヒナギキョウ(在来種、キキョウソウやヒナキキョウソウより色が薄く、茎一本に一輪ずつ咲く)が群生していた。また近頃よく見かけるハナハマセンブリの姿も見られた。C地区は雨が降り始めたため急いで観察したが、全部で24種の花や実が観察出来た。最後に3月報告の最後の写真の名前は「アオキの花」です。

(FK, 写真 RN, SH, YM)

ハンゲショウハナハマセンブリ

マップ作り部会3月活動報告

1  日時  :   322(月曜日)

2  場所       :   松尾寺周辺

3  参加者   :   12

4  活動内容 

 今年度3回目そして最後の部会。松尾寺の桜が私達を歓迎してくれた。 

 A地区歩き始めてすぐにスミレ2(タチツボスミレとシハイスミレ)その近くにキランソウ発見。名前の通りのトキワハゼも咲いていた。在来種タネツケバナと外来種ミチタネツケバナの違いも確認。特定外来生物に指定されているナルトサワギクの群落が出来ているのが心配だ。見かけない植物を見つけ、マダガスカル原産のシュロガヤツリだと判明。これも増えると厄介な植物だそうだ。A地区では18種の植物を観察できた。 

 続いてB地区。誰も名前を知らない植物、メンバーの検索でヤブチョロギと判明。調べると古代ローマ帝国時代の街道造りに使った花が戦後日本に入って来たそうだ。田んぼの縁にホトケノザ(ここの花の色は鮮やかで美しい)、ヒメオドリコソウ、オランダミミナグサ、ジシバリ、ノゲシ、ムラサキサギゴケ、ゲンゲ、クサイチゴ、ヘビイチゴ、ミドリハコベ(花柱が3本あるのを確認)など。小さなヒメウズも群生していた。鮮やかな黄色のウマノアシガタやムラサキケマンも見つけた。樹木の花では独特の匂いのヒサカキ、いい香りのシキミ。B地区では計26種を確認した。

 今回は前日の雨で道が悪いためC地区での観察を諦め、代わりに池の周りを散策。そこで見つけた樹木の花。写真を掲載するので名前を当ててください。答は次回。(文・写真  FK)

タチツボスミレ

ホトケノザ

ヤブチョロギ

ウマノアシガタ

ムラサキケマン

名前を当てて下さい

 

マップ作り部会の11月活動報告

1.日 時 : 10月26日(月)

2.場 所 : 松尾寺周辺 

3.参加者 : 16名

4・活動内容

<A地区> 絶好の観察日和の中、前号でお知らせしたママコノシリヌグイならぬイシミカワの観察からスタートする。咲き始めたツワブキの黄色い花やアメリカセンダングサ、イネ科のカゼクサ、ヌカキビ等を見ながら下る。

<B地区> コブナグサ、スベリヒユが花をつけ、4月頃から咲き始めているトキワハゼはまだ愛らしい姿を見せてくれていた。不思議な姿のフユノハナワラビ(ハナヤスリ科のシダ植物)、アレチハナガサ、ヤナギタデ、ホシアサガオ、春のオオイヌノフグリ等を見つける。昼食場所では花序が二叉になるキシュウスズメノヒエ(キシュウと付くが熱帯アジア・アメリカ大陸が原産)を観察する。前回時間が無くて行けなかったB地区をさらに進むと色爽やかなツリガネニンジンが立ち並んでおり歓声が上がる。刈り取られずに一株だけ残っていたジュズダマを見てUターン、C地区に向かう。

<C地区> ノシラン(実は今は黄緑色)の前にキチジョウソウ(吉祥草・花はめったに開かず、開花すると吉事があるためこの名が付く)が群生しており驚く。赤紫の穂状に付いた蕾の下から一輪二輪と花が開き始めた風情は何とも云えず、嬉しい出会いであった。又コウヤボウキ、ケシロヨメナ、紫色のクコの花等も見ることが出来た。

刈り取られて見られ無くなったものも含めて確認出来なかったもの、新たに見つけられたもの、色々な変化を体感した一日となった。 (文・写真 YM)

ヤナギタデ

キチジョウソウ

ヒレタゴボウ

チョウジタデ

フユノハナワラビ

キシュウスズメノヒエ

 

マップ部会9月活動報告

月 日  :  9月28日(月)

場 所  :   松尾寺周辺

参加者     :   18名

活動内容

今年度初めてのマップ部会、秋の空と美しい花々が私達を待ってくれていた。

A地区(松尾寺を下り民家に出るまで): 集合場所の松尾寺を出てすぐに見た果実 の美しい植物はママコノシリヌグイと思いきや、後日イシミカワと判明。ナツフジの実、カエデドコロの花と実、ウリクサ、トキワハゼなど17種の植物を観察した。

B地区(水田に沿った道) : 秋の訪れを感じさせるヒガンバナをはじめ、50種以上の植物を観察した。ピンク色のキツネノマゴは何処でもよく見られるが、ここでは白い花が多かった。水田や湿地に生育する湿性植物、イボクサ(ツユクサ科)、コナギ(ミズアオイ科)、チョウジタデ(アカバナ科)、ミゾカクシ(キキョウ科)や、イネ科の植物(キンエノコロ、オヒシバ、メヒシバ、シマスズメノヒエ、チヂミザサなど)が多く見られた。スイカ色のシュウカイドウ、愛らしい紫色のツリガネニンジン、小さな緑の風船のようなスズメウリの実は参加者の目を惹きつけた。

C地区(水田から少し登った丘の周辺) : 5種のハギ(アレチヌスビトハギ、ヌスビトハギ、ネコハギ、マルバハギ、メドハギ)、ノシラン、ヤブランなど30種近くの植物を観察した。まだ熟れていないがアケビの実、次回が楽しみだ。

当日名前のわからなかった植物もあったが、メンバーの力を借りていくつかが判明した(オギノツメ、ナキリスゲなど)。

松尾寺近辺に生育している植物の花や実の月毎の変化を、参加者それぞれが楽しみ、互いに学びあえる部会にして行きたい。(文、写真 FK)

マップ部会9月の花

マップ作り部会2月活動報告

1.月  日 2月24日(月)

2.場  所 神納~唐久谷~地蔵寺~千早口駅

3.参加者数 7名

4.活動内容 時期的に花も咲いていないと思いながらも、春を思わせるような温かい日差しのもといつも通りの道を行く。初めに見つけたのはヒガンバナの葉(夏を迎えるころには枯れてなくなるらしい)水路にはクレソンのほかタネツケバナ、オオイヌノフグリ土手にはカラスノエンドウ、ノアザミ、タチツボスミレなどが花をつけているのが見られた。続いてサンシュユの木にも小さくほころんだ花芽があり、近くにフキノトウが3つ程顔を出しているのを見つける。その後、目新しいものが見つけられずにいたが、シキミの花、アオキの蕾(天ぷらやお浸しとして食用できる)と赤い実を付けているもの、初めて見たヒイラギナンテンの花(いい匂いがするらしい)、少し膨らんだタラノキの新芽(来月にはいただけそう)、アセビの花、ヤブニッケイと思われる木(帰宅後調べていただいた結果葉の大きさ葉の裏の色でシロダモと判断)があった。帰り道、満開の白梅とナンテンの赤い実が綺麗な景観を見せてくれました。(H.N)

サンシュユの花芽

フキノトウ

シキミの花

アオキの蕾

ヒイラギナンテンの花

満開の白梅とナンテン

マップ作り部会11月活動報告

1.月  日 11月25日(月)

2.場  所 神納~唐久谷~地蔵寺~千早口駅

3.参加者数 8名

4.活動内容 曇り一時雨の予報の中、今年最後の活動を実施。ほぼ花がない時期にヨメナ、キツネノマゴ、ヤクシソウ、茶の木などが花をつけているのが見られた。代わりに秋の実と種子がたくさん見ることが出来た。クズ、スイカズラ、ヤブムラサキ、エノキ、ビナンカズラ、ヒヨドリジョウゴ、トキリマメ、センニンソウなどがあり、ビナンカズラ、アオツズラフジそれとカラスウリの果実の中身を空けてみる。ビナンカズラの果実を切ってみると白い花托の周りに果実がたくさんくっついていて、その中に白い種が入っている。アオツズラフジは何度か見たことがあるアンモナイト型の種があり、烏瓜は初めて空けて見ると打ち出の小槌のような種子がある。あとで調べてみると大黒様にも似ていて、しばらくすると種が金色に変色し「金運に良い」と記述があった。またセンボンヤリ、ゲンノショウコなどの花後をじっくりと観察することが出来た。ゲンノショウコは別名ミコシグサと呼ばれていて種を飛ばした跡が神輿の形に似ているとのことだった。 途中の地蔵寺の紅葉は終わりに近かったがそれなりに裏山と合わせ綺麗な紅葉が見られた。

クズの種子  
ビナンカズラの果実 
センニンソウの種子
カラスウリの種子
アオツズラフジの種子
ゲンノショウコの花柄