植物部会の10月活動報告

月 日 : 10月5日(水) 

観察場所 : 金剛山黒栂谷道

参加者 : 16名

 明け方までの雨が止み、昼間は曇って昨日までの暑さから穏やかな気温に変わるとの予報で、先ずは金剛山登山口から気分よく出発。 スタート地点近くの道路ではカゼクサの穂に雨露が残り、それこそミズタマソウが群生しているかのような光景。 登山道沿いは秋の草花が真っ盛りだ。 シュウカイドウの紅い花がしばらく続くと、その先はツリフネソウやカナムグラの花が一面に広がる。そしてメヒシバ等のイネ科の花に混じってアキノタムラソウやミズヒキ、キンミズヒキ、ボントクタデ、イヌタデ、ハナタデ等タデ科の花やヨシノアザミ、ヤブマメ、ツルニンジン、メナモミ、コアカソ、シシウド等の花が彩りを添える。 歩を進めると沿道は里の花から山の花に変わった。 山側の崖にはケシロヨメナの白い野菊があちらこちらに、そして楽しみにしていたサラシナショウマやジャコウソウの花も未だ残っていた。

 黒栂谷林道に入ると、今度はタデ科に混じってシソ科の紫花が目立ってきた。 ナギナタコウジュやアキチョウジ、イヌコウジュなどの花は小さいが色は綺麗だ。 見栄えのするキク科のノコンギクやヒヨドリバナに加え地味なヤブタバコやシュウブンソウの花も随所に。 タデ科では新たにハナタデ、ミゾソバ、ミヤマタニソバ、タニソバ、アキノウナギツカミの花が加わる。 ハダカホオズキやアメリカイヌホオズキ、アカネ、ヒヨドリジョウゴの実はまだ青い。 今回のメインであるアキギリやアケボノソウの花も林下各所に見つけ、セトウチホトトギスと隣り合ってシロバナヤマジノホトトギスが咲いていたのは幸運でした。 昼食後は更に川に沿って登ると、次々に現われるシラネセンキュウの白い花が暗い谷間に浮かび、絵になる景色に感動。オタカラコウの大きな黄花もそれにも負けじと目立っている。 そして灌木のミカエリソウの花を最後に林道を折り返した。 その近くで見た不思議な球形の実はその後ナベナの実と判明。帰路では、行きに見落としたカラスノゴマの群生も見つかり、これでほぼ用意した植物リストをクリアー、否それ以上。 今回は3年前に比べ2週間程時期が早くなり、植物生態の違いがよく分かる観察会となった。 (M.K)

サラシナショウマ

ジャコウソウの花

アキギリの花

アキノウナギツカミの花

ハダカホオズキの実

ナベナの実

オタカラコウ

セトウチホトトギス

セトウチホトトギスとシロバナヤマジノホトトギス

ケシロヨメナとツリフネソウ