15期生7月6日の講座報告

年月日 : 2022年 7月 6日 (水)  晴

講座名 : 農業体験

講師  : 柴田美治先生(南いきいきファーム推進会 会長) 笹野鉄夫さん他

場所  : みないき農業塾圃場(堺市南区)

 初めての農業体験は、堺市南区にある約30アールの広さの圃場で行われた。台風崩れの雨が朝に上がり、到着した時は日が差すほどの天気になった。暑くなりそうだ・・・ 午前は夏野菜の収穫と袋入れの実習だ。三つの班に分かれ、収穫方法の説明を受けて、アシスタントと一緒にそれぞれの持ち場に向かう。キュウリやナスは屋外なので良かったが、ビニールハウス担当のトマト班は40℃にもなる室内での作業なので、大変だったそうだ。 収穫は30分ほどで終わり選別作業になったが、連日雨が続いていたせいかキュウリの太りすぎやトマトの実割れなすの表面の摩擦傷等もみられた。畑には収穫した野菜以外にオクラ、カボチャ、甘長ピーマン、枝豆、サツマイモなど作付けられて成長が待たれている。

袋入れ作業は、農作物用「防雲袋」(ボードン袋)と言って穴あきの曇らない袋を使う。野菜の表面を拭き、計量し、形を揃えて袋に入れる。収穫から出荷までの作業は思っていたより手間が掛かる物だと実感した。昼休みに規格外品を格安で分けて頂くことが出来、新鮮野菜を両手いっぱい手にする講座生の姿もあった。

午後は座学で、野菜作りの楽しみ方を体験談を交えながらお話して頂き、その後講座生からの質問にも答えて頂くことが出来た。 農業は日常の管理が大変なのと、猛暑と日照りや逆の大雨、長雨など天候の影響を受けながら苦労して野菜を育てて、それを収穫する喜びは大きい事だろうと思うと共に感謝です。   講座は、30℃を超える暑さのため少し早めに終了した。 (S.Y)                                            

私達が収穫しました!

カメムシの被害に遭ったナスです。規格外になります。

ジャガイモ計量中。以外とむずかしいよ!

作業終了。沢山売れますように!         

15期生6月29日の講座報告

年月日 : 2022年 6月29日(水) 晴

講座名 : 深泥池と京都府立植物園

講 師 : 竹門康弘先生(京都大学防災研究所准教授)・京都府立植物園協力会ガイド

会 場 : 深泥池 ・ 京都府立植物園

日本で唯一、生物群集として天然記念物に指定されている深泥池(みぞろがいけ)を観察したが、観察前の予備知識としてポイント1.暖温帯にあるのに低層湿原(熱帯、暖温帯で発達しやすい)と高層湿原(寒冷な地域で発達しやすい)の両方の特徴を持つ珍しい湿原である。ポイント2.14万年間もの長い間湿原環境が継続されている。(尾瀬ヶ原は4万年ほど)ポイント3.北方系の生物と南方系の生物が共存している多様な生態系が存在している。ここの特徴の一つである浮島はハリミズゴケが堆積したもので夏場はメタンガスが溜まって浮かび上がり、冬場は水面下に沈むそうである。水面にはジュンサイやタヌキモ等の水生生物が繁殖しているその中に水生生物が掻き分けられて浮島に向かって水路が出来ている。これは何と鹿が浮島へ泳いで行く水路なのだ。鹿は安全な浮島を寝床としており鹿が増えて周囲の植生や浮島の破壊や脆弱化の被害が出ている。数多くのトンボ類がいるのも特徴の一つである。今回はラッキーなことに国内最小のハッチョウトンボが私達の目の前の水際に飛来して皆を喜ばせてくれた。ここでの活動が長い先生も初めての体験で驚かれていた。シカ害、水質の変化による生態系への脅威、外来生物の繁殖等からこの自然を保持するには保全の基本を理解してもらい、保全して得られるメリットを人に還元することが大切である。との考えを基本に日々活動されている先生やボランティアの皆さんに感謝です。

京都府立植物園ではガイドして頂いたが花の少ないこの時期と暑さが重なり内容的には少し寂しかった。今回は案内頂いた範囲も広い園内のごく一部となったので春や秋の良いシーズンに来て京都府立植物園を満喫してみましょう。今日はこの猛暑の中を皆元気で終了出来ました。お疲れ様でした。

暑さも何のその、先生の説明に聞き入る受講生

ラッキー 浮島にいるハッチョウトンボが目の前に

黒い粒の捕虫嚢でミジンコを捕えるオオバナイトタヌキモ

ハナイカダ 若葉は天ぷらやおひたしで食べれるそうですヨ

 

15期生6月22日の講座報告

年月日 : 2022年 6月22日 (水) 曇

講座面 : 昆虫入門②

講 師 : 鈴木 真裕 先生 (大阪公立大学大学院)

場 所 : 堺自然ふれあいの森

今日は昨年10月の「昆虫入門」講座の2回目である。先ずは前回の復習も兼ねた座学で、昆虫は6本脚の生物、クモは8本脚なので昆虫ではありません。世界には確認された昆虫は100万種、植物の27万種よりはるかに多く、まだまだ新種の発見が予想されるので、もっと多くなりそうである。昆虫の名前を調べる第一歩はその昆虫が、どの「目(もく)」に属しているかを知ることで、生物の分類単位の1つである「目」は昆虫では30目ある。その昆虫目のトップは皆知っているクワガタ、ホタル、テントウムシなどのコウチュウ目、2位はハチ目、3位はチョウ目、ハエ目、カメムシ目がトップ5である。コウチュウ目は2枚の翅は重ならず、カメムシ目は2枚の翅が重なっている。ハエ目は翅が2枚、ハチ目は4枚でアブの仲間はハエ目。アブラムシはカメムシ目で口が針になっている。アメンボウもカメムシ目で、カメムシ目は見た目(姿)が多様性である等、同定する時のポイントを習った。

後半は前日の雨も上がったフィールドで昆虫採集。野外の蒸し暑さにも負けず雑木林、畑、田んぼ等を昆虫を探して回ること1時間余り、その後教室で図鑑を手に、すぐに名前が分かる種や判定が難しい種は先生の助けも借りて同定を行った。いろんな昆虫が採集出来る、ふれあいの森は昆虫たちには適した環境がであること、残しておきたい場所であるのを確認して終わりました。(T・O)

暑さに負けず昆虫採集

網は開くのは簡単、たたむのは難しいヨ❕

ヤゴは陸地(半水生)で生活するムカシヤンマ

翅が赤いのでよく目立つベニホタル

15期生6月15日の講座報告

年月日 : 2022年 6月 15日 (水)  曇り

講座名 : 磯の生物観察

講師  : 山田 浩二 先生(貝塚市立自然遊学館 研究員)・施設担当者

場所  : 水産技術センター・豊国崎海岸

梅雨入りして二日目の曇り空の中、多奈川駅から歩いて25分、水産技術センターに到着した。同センターでは大阪湾を対象に、海を守る・浜辺を再生する・魚を調べる・魚を増やすと言う役割を担っているそうだ。ビデオを交えての説明の後、館内の展示コーナーや栽培漁業の為の稚魚飼育槽の見学をした。それぞれの水槽にはキジハタやトラフグの稚魚・成魚、それにヒラメの成魚等が元気に泳いでいた。側に緑色の泡が立っている水槽が有り説明によると、ワムシ(プランクトン)と言う生き餌を培養しているそうだ。人間からはルーペで見ないと確認出来ないくらい小さいのだが、稚魚はこれを目でしっかり確認して食べることが出来るので生物飼料として適している。

午後は、大阪に残された貴重な自然海岸“豊国崎海岸”に移動して生物観察の始まりだ。先生から採取方法や注意点等の説明を受けて、思い思いの場所に採取しに行く。波打ち際で石をひっくり返して貝やカニを見つけたり、海藻に隠れている魚を探し出したり、皆真剣だ。 突然の「タコ捕れた!!」の声に歓声が上がった。 一時間の採取の後は同定作業だ。 沢山のウニ・ヒトデ・ナマコ・アメフラシ・10種の貝類・海藻・ドロメやギンポの魚類・タコまで・・・・・ 生物の多さに一同感激!採取した生物は観察終了後、海へリターン。豊かな豊国崎海岸の自然を大事にしたいと思った。          (S.Y)

ルーペ出して!この瓶の中のワムシ見たい!!

ウニ捕まえたよ!食べるにはちょっと小さいね。

僕マダコの子供です。海に帰って立派な大ダコになります。

先生を囲んでの同定作業です。

15期生6月8日の講座報告

年月日 : 2022年6月8日(水)晴れ

講座名 : アウトドアの安全

講 師 : 平木 祐治 先生

会 場 : 堺市立栂文化会館

午前は座学でアウトドアで一番多い切り傷、擦過傷は傷口を水洗い、出血が多い場合は直接圧迫止血(10~15分)、そして傷テープはかさぶたをつくらず早くきれいに治るジェル状の(湿潤療法)傷テープが良いそうである。熱中症の症状と対策、毒蛇、蜂、野生動物による狂犬病、毒キノコ、ニラと水仙を間違えて食べることも有るなど具体的な対策と予防や受診が必要な症状について学んだ。

午後は実技で三角巾を使って基本的な折り方を学び、頭頂部・腕・膝・下肢のケガの際の巻き方、足首を捻挫した際の固定の仕方等を実際に練習した。隣の人に巻いてあげたり、教え合ったりし熱心に取り組んだ。心肺蘇生法として、人形を使って心臓マッサージの練習とAEDの使い方も学んだ。マッサージは心臓(位置は左胸でなくほぼ真ん中)の上に手を組合せて重ね、手のひらのふくらみの部分で、肘を伸ばして真上から押し下げる。マッサージを始める前に必ず救急車の依頼とAEDを探して持って来てくれように周囲の人にお願いしておくことが大事です。こんな状況に遭遇するかもしれないので、しっかり学んだ。 (T・U)

頭頂部の傷の手当ってこうかな?

ノドに巻くと苦しいのでアゴで結びます。

三角巾を腰に巻いて本結び、引き抜く・出来た?

心臓マッサージ 腕を伸ばして真上からが基本

15期生6月1日・2日の講座報告

年月日 : 2022年 6月 1日(水)晴れ ・ 2日(木) 快晴

講座名 : 芦生の森一泊研修

講 師 : ネイチャーガイド 高御堂さん、三船さん、前田さん、藤原さん

会 場 : 京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション芦生研究林

今回は待望の一泊研修で心浮き浮き笑顔で出発。1日目は昔ながらのかやぶき屋根の民家の集落である美山かやぶきの里を散策して宿に早めに到着。夜は15期がスタートしてから初めての一同での食事プラス懇親会で大いに盛り上がり、楽しい時間を共有した。

2日目は今回のメインである芦生の森のトレッキングツアーである。コースは由良川の源と言える谷で原生林の姿をよく留めている歩行距離約4kmの上谷コースである。お弁当をリックに入れてアカショウビンの鳴き声を聞きながら終点の杉尾峠を目指して長治谷作業所を出発して林道へ。スギ林を抜けた野田畑湿原には木地師の住居跡や植えられた黒松やスモモ、ヤマザクラが見られた。そうして、木々が芽吹いて新緑を鮮やかに爆発させている原生林へ。サワグルミ、トチの木、ブナなどの大木、クマハギされた杉や芦生研究林の天然林を代表するアシウスギ、モリアオガエルの白い卵塊、クマの越冬穴、ギンリョウソウ、アシウテンナンショウ、ニリンソウ、キンラン等々頭上から足元まで見るものがたくさんあり観察のネタは尽きない。2班に分かれてのトレッキングで後の班で大発見がありました。Hさんが足元の積もった落葉から先だけ頭を覗かせているキノコを見つけたのでガイドの方に見てもらうと、そのキノコが匂うかどうか確認した後「今出たての希少種のキイロスッポンタケ(匂いがしないので幼菌)です。」との答えに一同、びっくり キノコの専門の先生に連絡されてキイロスッポンタケは京都府内では絶滅したと考えられているキノコなので貴重な研究材料となりそうですネ。由良川の源頭部を確認し杉尾峠から日本海を望んで、谷を渡る心地よい涼風と共にトレッキングツアーは終了しました。自然が創り出した原生林の凄さを感じると共に未来にこの姿を残していく重要性を認識させられた。季節によっていろいろな表情を見せてくれる、この芦生の森をまた訪れてみたいものだ。好天に恵まれ、仲間たちと楽しく過ごした2日間でした。 (T・O、T・U)

トチの巨樹と集合写真

オオルリがいってらっしゃーい❣

新しいクマハギの痕

葉や枝が下向きなのは行きの重さに耐えるため

見つけたよ❕希少種のキイロスッポンタケ

花が葉の下にあるアシウテンナンショウ

15期生5月25日の講座報告

年月日 : 2022年 5月  25日 (水)  晴れ

講座名 : シダ類の植物観察

講師  : 辻井 謙一 先生

場所  : ファインプラザ大阪・光明池緑地

 午前の座学では「シダ植物について」と「光明池周辺のシダ類」の講義だ。シダと言うと、花が咲かないのでマイナーな植物だと言う印象が強いが、ツクシ(スギナ)・ワラビ・ゼンマイ・コゴミ(クサソテツ)等身近な食材だと知ると親しみが湧いてくる。しかし種類が多くて同定するのは難しそうだ。 葉の色や姿と分岐、胞子嚢を入れる包膜の形・色・葉に付く部位等の特徴を確認しなければ決める事は出来ない。 パッと見ただけで分かるイノモトソウ・ノキシノブ・カニクサ・マツバラン等は楽だけれど、ベニシダ、イタチシダの仲間は手強そうだ。

午後は先生作製の“シダマップを”手に、ニュータウンの中に残っている雑木林の中を歩く。最初見たのはコハシゴシダとハシゴシダ。比べると何処が違っているかな?じっくり観察しないと分からないね! 暑い中しゃがみ込んで確認したり、裏返して胞子を見たり、多くの講座生が熱心に観察している姿が見られた。 写真を撮ったり、触ってみたり、思ったより時間が掛かる。時間内にクリア出来なくなりそうなので、初めて見るシダだけに焦点を合わせて速度アップを図った。 結果14カ所48種類のシダ類植物を観察したが、やっぱり今回観察したベニシダ類(7種)、イタチシダ(4種)を見分けるのは手強かった。    (S . Y)

座学の始まりです。スライドよく見えていますか?

コシダ 角のようにぴょんと飛び出している若芽が可愛い!

ベニシダ 包膜が少し紅紫色になっているのが分かりますか?

カニクサ 若草色の柔らかそうな葉に癒されます。

15期生5月18日の講座報告

年月日:2022年 5月 18日 (水) 晴 

講座名: 浜辺の植物観察

 講師 : 大阪自然環境保全協会理事  木村 進 先生 

 場所 : せんなん里海公園

 爽やかな好天で干潮の時間にも恵まれ、格好の浜辺の観察日和であった。せんなん里海公園は人工的に整備された公園であるが、泥質・砂質・礫質海岸、崖地があり、大阪府では浜辺の植物観察に適しているそうである。日射、強風、乾燥、塩分・潮の満干による環境の影響等を受け独自の形態・生態をしていることに注目して観察するが大事である。

 崖地では、ウバメカシ、ヒメユズリハ、トベラなどの木が断崖に張り付くように成長していて、下にはオニヤブソテツなどのシダが見られた。 砂質・礫質海岸ではハマヒルガオ、ハマボウフウ、ハマゴウ、ハマボッスなどの花が健気に咲いているのが見られた。 オカヒジキ、ハマダイコン、ツルナは食べられるそうで、皆で試食してみた。 河口ではヒトモトススキが見られ、何と生駒でも見られるとのことだった。 クサイチゴの群生地があり、美味しく頂戴して目で舌で学習した一日だった。(U.T)

クロマツ この枝で3世代の松ぼっくりが見られた。

ハマヒルガオ 小さくても健気に花を咲かせていました。

オカヒジキ 試食したら少ししょっぱかった!

ツルナ これも試食。青臭いような味わい

15期生2年目5月11日の講座報告

年月日 : 2022年5月11日(水) 曇りのち晴れ

講座名 : 薬用植物観察

講 師 : 山浦 高夫先生 (山科植物資料館館長)

会 場 : 山科植物資料館

今回は15期生では京都で初めての講座となる「薬用植物観察」である。ここ山科植物資料館は京都市の山科区内の住宅街のあり開設して70年の歴史があり現在、世界各地から収集した3,000種を超す薬用・有用植物を植栽している。午前は山浦館長からここで回虫駆虫薬サントニンの国産化に研究開発されたミブヨモギ(サントニンの結晶化に成功した圃場の所在地の京都市壬生の地名から命名された)や各種の有用な植物についての解説で薬用植物の知識を注入。

午後は小グループに分かれて園内の植物をガイドして頂いた。馴染み深い植物のベニバナ(紅花)にはアザミに似た形をしたオレンジ色の花を咲かせますが硬くて鋭いトゲがありベニバナ油となる種子の収穫に苦労するので品種改良でトゲの無い”トゲナシベニバナ”が生まれたが今度は種子が小さくなったので再度、品種改良が行われ、出来たのがトゲが無く種子の大きさも確保されたが花の色がオレンジ色から白い花が咲く”シロベニバナ”となってしまった物語があるそうです。初めて見る植物も多く時間の経過を忘れるほど楽しめたのと、今回の薬用植物観察で昔の人々が暮らしの中から自然界にある人間に有用で効能がある植物を見つけて、取り入れて来た事に人間の偉大さを感じると共に交通機関のトラブルで集合するのが大変な状況も体験した一日でした。(T・O)

日本で最も大きく毎年開花しているキソウテンガイ

日本三大毒草のドクゼリ(右側)茎が中空です

トビカズラ 赤紫色の蝶形花で開花後に独特の香りを放つ

チョウキンレン バナナに似ているが食べられないヨ、観賞用です

 

15期生2年目4月27日の講座報告

年月日 : 2022年4月27日(水) 曇り

講座名 : 天体入門

講 師 : 中島 健次 先生 (那須香大阪天文台台長)

会 場 : SAYAKAホール

午前は太陽と月、それに地球を含む惑星についての講義だ。太陽のフレア(太陽表面の爆発現象)やスーパームーン等について、スライドを見ながら教わる。昨年11月19日に見た ”ほぼ皆既月食”がとても綺麗な赤色だった事も理解できた。今年の11月8日に”皆既月食”があるが、トンガでの大規模な火山噴火の噴煙の影響で見え難くなる可能性もあるそうです。太陽系惑星では水星金星以外は全て衛星を持っており、地球は月の1個だけだが火星は2個、木星は79個、土星は82個も有るそうで、これらの星のお月見は夜空に浮かぶ満点の月を眺めるのだろうか?なんて想像するだけでも面白い

午後は先ず星座早見盤を作り、操作方法を教わる。これで見たい星がいつどの方向に現れるのかが分かる。次の星空の観察会では春の大三角、冬の大三角の解説や、星座にまつわるギリシャ神話なども加えた解説に皆聞き入っていた。私達が月や太陽や星を見た時のその光はリアルタイムの光ではなく、それぞれの星から1秒間に30万㎞の速さで進む光が地球に届くのである。身近な月は1.3秒前の光を、太陽は約8分前の光を見ているが、七夕のひこ星は16年前、おりひめ星は25年前の光を、オリオン座のベテルギウスは500年前、室町時代の光を見ていることになる。遥か遠い星からの光は人類の生まれる前の光を現在の私達が見ることは不思議な感覚に引き込まれ、果てしなく広大な宇宙を感じました。プラネタリウムにいるような空間の中で、先生自作のBGM(効果音)入りの話に笑い、星の美しさ、宇宙の神秘に感動した一日でした。 (S・Y)

望遠鏡の中の鏡を見ています。11.5㎝だって!

久し振りの工作。チョキ、チョキこれぐらいで良いかな?

星座早見盤の完成

星空の観察会の始まりです。

 

15期生4月20日の講座報告

年月日:2022年 4月 20日 (水) 晴

講座名: 植物入門(木本)

講師 : 大阪自然環境保全協会理事  栗谷 至  先生 

場所 : 栂文化会館・西原公園

 

 従来は1年目の初期段階で実施予定の講座であったが、コロナ禍の影響で2年目の実施となった。

午前中は座学で樹木の分類、その構造、幹・枝・葉の構造と形などの説明を受けた。特に近くで見かけることの多い「クリ」「コナラ」「クヌギ」「アベマキ」の4種類の木を、樹皮の形状からグランドキャニオンの地形変化の様子に合わせて覚えておくと、物知り顔できるかも・・・などユーモアたっぷりの話しに皆納得顔であった。

午後は西原公園に出て、実際に樹木の観察を行った。桜の葉をルーペを使って熱心に観察するところからのスタートでした。ケヤキが切られた枝の切り口を樹皮が巻き込んで補強していく様子や、その中心部では樹皮の巻き込みより早く腐朽してしまった様子もみられ、興味深かった。ここ西原公園はニュータウン開発前のアカマツ林が一部残っており、現在はコナラが多いが、やがてはシイの林へとアカマツ林の遷移が予想される貴重な場所である。途中で今日一番の可憐な花のカマツカ(バラ科で非常に硬い材質で別名牛殺し)を見つけ、皆一斉にシャッターを切っていました。(U.T)

桜の葉をルーペで観察中。真剣そのもの!

樹皮の様子からもコナラが同定できる。

傷口を樹皮が巻く様子と、その中の腐朽部位

カマツカの花。可憐で思わずシャッターを・・・!

15期生の4月13日講座報告

年月日 : 2022年4月13日(水) 曇のち晴れ

講座名 : 哺乳類入門

講 師 : 赤木 智香子先生

会 場 : ノバティホール・長野公園

今日は日常生活で身近にいるイヌ、ネコなどのペット類や飼育されているウシ、ウマなどではなく野生動物の哺乳類を「生き物のつながり」と言う視点から考えてみる講座です。これまでの講座で何度か出てきた自然の中のつながりである食物連鎖、生物多様性、生態系は昔も今も我々の生活基盤であり重要であるが、時代の経過と共に生活環境が変化して、減っている動物や増えている動物が混在し、人と動物の棲み分けが困難になったり、人を恐れない「新世代」の動物が登場するようになってきたそうである。我々が暮らしている大阪にはニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、キツネ、タヌキや外来種のアライグマ、ハクビシン、ヌートリアなどの外来種を含めた約40種の哺乳類がいるそうです。フィールドサイン:動物の「生活痕跡」足跡、食痕、糞などの解説で座学が終了。

後半は学習したフィールドサイン探しを長野公園で実践。公園の途中の坂で見ることが稀なヒミズを発見したが残念ながら事故に遇ったと思われる亡骸でした。その後はアカネズミかモグラの穴や、イノシシがエサを探して掘り返した跡や通ったと思われる草地やメスのイタチの糞などを見つけは先生の解説を楽しんだ。最後に先生が持参してくれたアオバズク、ホオジロ、イノシシの下あごの骨、サルの栗の食痕、ツバメの尾羽等々の標本を見せて頂き、夏日となった暑い野外での講座を終えました。    (T・O)

う~ん、なかな見つからないフィールドサイン

イノシシがエサを探した痕のフィールドサイン

イノシシの下あごの骨

モグラに似たヒミズの亡き骸

 

 

15期生の4月6日講座報告

年月日 : 2022年 4月 6日 (水)  晴

講座名 : 自然観察の視点

講師  : 菅井 啓之先生

場所  : 栂文化会館・西原公園

 二年目最初の講座は、「自然観察の視点」というテーマで座学が始まった。 自然観察とは?眺めて、名前を知ることだと勘違いしている人が多いが、知っていても分かったことにはならない。     いのちの在り方営みを、自然から直接学ぶ「自然を読む」事が自然観察である。 また、自然界には無駄な物は何一つ無く、どこかで繋がっているのだから、観察には空っぽの心で、不思議と驚きそして美しさを、自分の目で見て実感する事が大事だと学んだ。

午後からは西原公園での観察会。 先ずは満開の桜の花びらを拾って、花脈を確認する。花脈の模様は人間の指紋のように、どれ一つ同じ物は無いそうだ。すごい!  葉芽、花芽を手に取り、剥がして芽鱗(がりん)、托葉(たくよう)の確認。 枝は芽鱗根(がりんこん)を数えて枝の年数を知る。面白い! 次は石垣の隙間に咲いているオニタビラコ。 根元辺りには苔が生えていたり、枯れ葉がついていたりして、狭い空間に共存している姿が見られた。

 実物を見て触れて、不思議と驚きの連続。 自然観察は楽しいと実感した一日だった。   (Y.S) 

自然観察とは何でしょう?

この枝、この長さで16年目だって!

桜の葉の托葉と花の芽鱗。

石垣のオニタビラコ。頑張ってるね!

15期生の3月30日講座報告

年月日 : 2022年3月30日(水) 晴

講座名 : オリエンテーリング入門

講 師 : 岸和田オリエンテーリング協会会長 横田 実 先生

場 所 : 堺市都市緑化センター ・ 大仙公園

「オリエンテーリングやったことある人」と聞かれて元気よく手を上げたものの、道なき所を走り回りタイムを競う競技とは思っておらず、DVDによる紹介映像を見て皆、驚き認識を新たにした。走力だけでなく地図を正確に読む力・ルートを判断し行動する実行力・冷静さ・忍耐力も必要とするスポーツだという事だった。地図の見方、コンパスの使い方では、地図の向きとコンパスの北の合わせ方など丁寧なレクチャー受けたが、簡単な操作だと思ったのに結果は皆とは違う方向になり、先生に手順の確認をしたり受講生同士で教え合ったりして午前のメイン課題をクリア

午後は大仙公園に出て練習コースでの実習体験をした後、2~3名ずつのグループとなり正式な機器を使ってのオリエンテーリング競技を楽しんだ。スタート地点で地図をもらい、パンチ台のEカードユニットにEカード(電子パンチング計時用カード)をパンチしてスタート。2つのコースを交互に出発するが地図を見て行く方向をすぐ判断するグループやなかなか動き出さないグループがあったり途中、目標のコントロールフラッグの周辺で3~4グループがウロウロ、キョロキョロしている光景が見られたり、地図を見ながら黙々と足早に行くグループあり、それぞれスタイル、ペースで好天のもと満開の桜やユキヤナギノが見ながら(見る余裕があった?)全員がゴール。先生がオリエンテーリング大会の情報サイトに入力してくれて成績がスマフォで閲覧が出来るのでみんなで確認して、いい汗をかいた講座を終了した。世界的な大会や本格的な大会は勿論、子供たちも参加できる公園でのいろいろなオリエンテーリングがあるので参加して下さいと先生からのお誘いも有りました。  (T・U)

やる気満々、余裕のポーズでスタンバイ

手元に注目Eカードをパンチしてスタート

先生のオレンジ色の大会用の勝負服

「バンザーイ」汗だくのゴール

15期生の3月23日講座報告

年月日 : 2022年3月23日(水) 曇

講座名 : 人と自然公園のつながり

講師 : 武田敏文先生・6名のガイドの皆様

場所 : くろんど園地

今日は金剛山生駒国定公園の北端に位置する府民の森くろんど園地ハイキングコースで                    終日、野外学習で自然公園についての学びである。                                    先ずは、ストレッチで体をほぐしてゴールを目指して、さあ歩くぞ

前半は尺治川を右手にせせらぎを聞きながら月輪の滝を注意しながら濡れた細い足場を                      歩いて間近に見学したり、6月には源氏ホタルが飛び交う生息地や春の花には早いが                     それでもシュンランやショウジョウバカマなどを見てくろんど園地休憩所に到着。

昼食後、休憩所のテラスで府民の森の自然公園としての意義や生態系の保全、楽しみ方                    等のレクチャーを受けて後半のコースへ。                                           おおさか環状自然歩道で藪の中に隠れて姿を見せないことが多いウグイスが木枝を飛び交い                  ながら春の訪れを告げる”ホーホケキョ”のさえずりで歓迎してくれて全員が大喜び❕                      池のアカガエルの卵塊や孵ったばかりのオタマジャクシ、カタクリの芽吹きなどを観察し                    最後に見頃となった群生している水芭蕉の花の観賞とクイズを。

武田先生やガイドの皆さんがいろいろ工夫して頂いたレクチャーで楽しく講座を終了しました。                有難うございました。                                                  本日の歩行距離は7㎞強、受講生全員完歩、お疲れ様でした。          (T.O)

 

名前の由来が猿の妖怪
「猩猩」からのショウジョウバカマ

                 八ッ橋の水芭蕉の群生                        株が2400も有ります。

ラクウショウの気根と水芭蕉

昼食後に自然公園の勉強もしたよ!

15期生の3月16日講座報告

年月日 : 2022年 3月 16日    (水) 晴

講座名 : 絶滅危惧植物と多様性保全

講師  : 本田 高史先生

場所  : 大阪府立 花の文化園(河内長野市)

 午前の座学は、植物の多様性保全の話から始まった。 川や海・森林・砂漠・気候や地形に応じて生態系が成り立っている。しかしながら維持して行くには、「生態系」「種」「遺伝子」の三つが多様でなければならない。 先生から、植物と動物・微生物などとの関わりと、何故絶滅しそうになっているのか等を、例を交えながら分かりやすく解説して頂いた。

午後は絶滅危惧種を含めての園内見学だ。 ムクゲはモヒカン頭に、ブラジルヤシはカピパラの顔に見える面白い種の観察。 小さなアセビ花の受粉は、主に蜂がするとのこと。 初めて見るハランの花と実をカメラで撮影。 カラスノエンドウや桜の葉の蜜腺を、ルーペで確認。華やかな花でなくても、このような植物観察も楽しい!!

セッコウランやヤドリギなどを着生させているのも、花の文化園の多様性保全の一つだそうだ。ただ愛でる為だけではなく、植物の多様性を保全し、正しい知識を多くの人に伝える事も、植物園の役割なんだと初めて知った。       (Y.S)                                                  

ここでお弁当食べてたのだ~れだ?

これが蜜腺?意識して見ないと分からないね。

あっ、見つけた!! ハランの花、こんな所にあったんだね。

桜の木に寄生しているヤドリギです。根は幹の中に入っています!!

 

15期生の3月9日講座報告

年月日: 2022年3月9日 (水) 曇り

講座名: 野鳥観察

講師 : 久下 直哉 先生・ 日本野鳥の会大阪支部 松岡三紀夫支部長

場所 : 大阪城公園

 JR森ノ宮駅に集合し大阪城公園へ。まず市民の森に向かい、樹木にいる鳥・地面にいる鳥の見つけ方の説明を受けた。耳をすまし声を聞き目視する。遠くから近くへと見ていくことが基本を再確認され、大きさ・色・鳴き声だけでなく、歩き方・飛び方・えさなど行動を知ることも大切であると説明され、コゲラ・ツグミ・ハクセキレイ・キジバトなどが見られた。

東外堀ではキンクロハジロがお腹を上に向けてバタバタしているところやカルガモの昼寝が見られ、「可愛い」の声。ナポレオンハットのお洒落なヨシガモ・地味なオカヨシガモ・オオバンやカイツブリ・マガモなどゆっくり観察できた。念願のカワセミは声はすれど姿は見せず、残念でした。

梅の花盛りの大阪城梅林で昼食を摂り梅林鑑賞の後、午後から桜門を抜け日本庭園へ。シロハラ・モズ・メジロ・シジュウカラを観察、オオタカの調理場(ドバトの羽を抜いた場所)も覗くことができた。また、隠し曲輪からは対岸でカラスの群れが水を跳ね上げて行水する様子も見られた。全体として双眼鏡の扱いに慣れて自主的に観察を楽しむ人が増えてきた.

アリスイを観察中の人に遭遇し、観察中の人に対してのマナーもレクチャーいただいた。トータルで(カワラバトを除いて)33種の野鳥を観察して無事に終了した。

松岡支部長から野鳥の会の紹介や、久下先生からのバードウォッチングツアーの紹介などで、講座以外での野鳥観察の機会を知ることが出来た。(T .U)

地味な ジミーなオカヨシガモ。

梅林は正に梅の花盛り!!!

城を眺めているのではなく、鳥を探しているんです!!

ナポレオンハットの美しいヨシガモ。

15期生の3月2日講座報告

年月日 : 2022年 3月 2日(水) 雨のち曇り

講座名 : コケの観察

講師 : 木村 全邦 先生

場所: 橿原公苑

今日は日頃、特に気に掛けることも無く見かけるコケ植物の解説と観察である。

コケ植物は蘚類、苔類、ツノゴケ類の3グループのことを言い、日本で約1700種

世界で約2万種が見つかっている。

特徴としては光合成はするが、水を吸い上げる根は無く、水や養分を運ぶ維管束が無く

花を咲かせず胞子体の胞子で増え、オスとメスがある。約4.5億年前に藻類が陸上に

上がってコケ植物になった。先生から今日はこれ一つ覚えて帰って下さい!

今日の講座のキーワードは「胞子体」内容は復習して思い出しましょう。

 

午後からコケ観察がスタート。コケは樹、岩、土、水湿地などに生育しており簡単に

見つけられるがサイズが小さいので樹幹や地面に顔が着くほど近づけてルーペで観察

しては写真を撮る。先生が次々とコケを見つけて解説してくれるので皆さん観察と写真

撮影に大忙しでした。観察の最後に絶滅危惧Ⅱ類で生態が不明な「ヤワラゼニゴケ」が

見つかり観察出来てラッキーな講座となりました。

コケは環境(水、空気)が良い所では種類が多くなるので生育しているコケの種類で

その場所の環境を知ることが出来るそうです。何気なく見ていたコケを楽しみながら

コケの世界へ一歩、足を踏み入れた一日でした

木に顔が着くほど近づけてじっくりと観察

この時期にしか見ることが出来ない      胞子体が可愛い

先端の丸い部分に胞子が含まれている       コダマゴケ

絶滅危惧Ⅱ類のヤワラゼニゴケ。             来年は突然消えているかも?

15期生の1月19日講座報告

年月日 : 2022年1月19日(水) 曇

講座名 : 化石入門

講師 : 濱塚 博 先生

場所 : きしわだ自然資料館・岸和田市立中央地区公民館 (岸和田市)

 講師は濱塚先生と渡邊先生の二人の予定であったが、渡邊先生の都合がつかず、濱塚先生お一人で担当して頂いた。

 午前の座学では、話の初めにしぜん資料館の由来や岸和田の本徳寺に明智光秀の唯一の肖像画が残っていることなどの紹介があった。「地球の歴史」は約46億年と言われているが、歴史を考える尺度は地層から見つかる「化石」をもとに編み出される。その「化石」とは生物の死骸や骨、翼や足跡などで「生物の進化」の時計代わりに使う事である。大陸から切り離され、日本列島の形成の様子や現在の大阪府で地形、地質を知る上で重要な場所等の説明を聞いた。

 午後からは石膏を使って「化石のレプリカ作り」を先生の説明が終わってないのに始めるメンバーもいて、笑いながらの作業となった。レプリカの乾燥時間を利用して館内の展示物の紹介説明を受けた。1階は淡水の生き物をわかりやすく上流域・中流域・下流域やため池に分類して飼育している水槽や沢山の種類の「ウミウシ」が展示されていた。2階にはメイン展示の「ナウマンゾウ」「モササウルス」の骨格標本や「キシワダワニ(岸和田市内で発見された)」「マチカネワニ」のコーナーがあり、特に詳しい説明を受けた。「モササウルス」骨格の展示を常設しているのは日本ではきしわだ自然資料館だけだそうである。

 その他に岸和田の山地・丘陵地の自然コーナーや3階には動物の剥製の展示されており今日は見学時間が無かったので機会があれば見学して下さい。最後に各自自作の化石レプリカと化石名カードを持って帰るのに自分のレプリカの化石名が分からずカード探しにバタバタしましたが、皆さんテイクアウトが出来ました。  (T・U)

ナウマンゾウの骨格標本
とにかくデカイ!

モササウルスの骨格標本
(常設は日本でここだけらしい)

石膏の型取りの説明。チャンと聞いてからですよ!

あふれないように慎重にね

15期生の1月12日講座報告

年月日 : 2022年 1月 12日(水) 曇

講座名 : 環境施設見学

講師 : 施設担当者

場所 : 舞洲スラッジセンター(大阪市建設局)

     舞洲工場(大阪広域環境施設組合)

今日は自然環境にやさしく私達の生活から出る下水やゴミを処理している施設の見学である。桜島から此花大橋を渡ると目立つ2つの建物が目に入る。環境保護芸術家として有名なオーストリアのフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏デザインによる外観の舞洲スラッジセンターと舞洲工場である。

舞洲スラッジセンターは、⦿下水汚泥の効率的処理の為:汚泥焼却設備と汚泥脱水設備の改築・更新、⦿輸送方法をトラックからパイプで:下水汚泥の集中処理と送泥ネットワークの建設、⦿埋立処分から有効処理へ:埋戻し材、路盤材、コンクリート用骨材等の建設資材利用へと、これら3つがめざすものである。汚泥処理は下水処理後の汚泥を脱水した汚泥ケーキを1,300℃~1,400℃で燃焼して約1/15の体積にして建設資材などに利用出来る溶融スラグにする。

舞洲工場は大阪市、八尾市、松原市、守口市で構成する焼却施設で焼却は1日900t、粗大ゴミ処理1日170tの処理能力がある。焼却に伴う焼却灰、ゴミにつきものの臭気、燃焼ガス、工場排水などをカサの減少や有効に供給利用、無害化処理、蒸気は舞洲スラッジセンターへ供給、工場内で再利用や発電に利用して工場の電力を自給し余った電力は売電するなど公害対策に取り組んでいる。両施設とも処理能力が高く大阪に必要な施設ではあるが老朽化は避けることは出来ないので、施設を私達は食用油など流さない、水洗トイレにトイレットペーパー以外を流さない、川にゴミを捨てない、ゴミの分別や減量化などを心がけて守っていきましょう。 (t・o)

玄関に置かれてる下水送水管:舞洲スラッジセンター

巨大な汚泥溶融設備:舞洲スラッジセンター

24時間365日、設備の監視が行われている:舞洲工場

人力で発電にトライ!
照明が点灯:舞洲工場

15期生1月5日の講座報告

年月日 : 2022年 1月 5日(水) 晴のち曇り

講座名 : 春の里山観察と七草粥つくり

講師  : 田淵 武夫先生(富田林の自然を守る会代表) 他スタッフ2名

場所  : 滝谷・奥の谷(富田林市)

2022年新春初講座は、たき火を囲んで、「春の七草」の講義から始まった。 資料を見ながら、七草粥の由来や見分け方等を教わる。花の時期ではないので難しそうだ。大丈夫かな? 周辺のあぜ道や小川など先生と一緒に歩き出す。 するとすぐに「ほとけのざ」が見つかった。しかしその後は、籠いっぱい採取出来たが「はこべら」や「せり」がほとんどだ。最後にやっと「おぎょう」が見つかった。七草すべてを揃えるのは無理なので、事前に用意した七草も併せてお粥作り。スタッフが用意した竹飯盒の御飯と焼き芋も加わって、待ちに待った昼食だ。

  熱々の緑野草たっぷりのお粥を食べた後は、竹を使った工作体験。コップ・ぐい飲み・スコップ・灯籠など・・・思い思いに作っていく。のこぎりで切り、ナイフで削り、サンドペーパーで美しく仕上げる。一番手の掛かる灯籠は、電動ドリルを使って! また、竹飯盒の空き容器はプランターに変身! それぞれ工夫を凝らして仕上げていく。完成した作品を前に、笑顔がこぼれる。今年はいい年になりそうだ!    (Y・S)

春の七草の勉強。焚き火の側で暖かいよ!

ワイワイ、ガヤガヤ同定作業。これ、食べられる?

集中して削らないと・・角度、これぐらいかな?

しっかり押さえてて! もう少しで切れるよ!

15期生の12月22日講座報告

年月日 : 2021年12月22日 (水) 曇り

講座名 : 野鳥観察①

講 師 : 桑田 幹雄 先生 ・ 泉谷 一弘 先生

場 所 : 狭山池・狭山池博物館(大阪狭山市)

 大阪狭山市駅に集合してさやか公園に向かい、現地に到着していたメンバーと講師の先生と合流し、時計回りに歩きながら野鳥観察を行った。  まず、水面のカモ類の観察からスタートした。 池の水が少なかったが、マガモ、オカヨシガモ、カンムリカイツブリ、コガモ、ヒドリガモなどを見ることができた。この池は藻を食べる水面採食ガモが多いそうで、潜水採食ガモとの違いやまた、留鳥・漂鳥・冬鳥についての説明も受けた。 たくさんの人が双眼鏡を持参され、熱心に観察されていた。 茂みの多い所では、ハクセキレイ、キセキレイ、アオジ、ツグミ、カワラヒワ、イカルチドリなどが見られ、計32種類の鳥の見ることができた。 突然ミサゴが現れ、ホバリングしている様子を観察できたり、病院の看板の上にハヤブサが見られ、感動的だった。鳥の名前や生態に詳しい人もおられ、話しが弾む様子も見られた。

 四阿で昼食の後、狭山池博物館に移動し、5~6名ずつ4グループに分かれ、それぞれガイドさんに案内・説明を受けながら見学した。最古のため池という狭山池の歴史や堤の構造、水を通す桶など、改修で発掘されたもの等が展示されていて、技術と規模の大きさを実感した。何度も改修され、下流域の耕作面積の拡大の様子もわかった。(Y.S)

「え~ゴミの間に? あっ見えた!」

カワラヒワの群れだよ

石と同化? イカルチドリが見えますか?

モズの顔・頭・羽・腹・尾じっくり観察できた!

15期生の12月15日講座報告

年月日:2021年 12月 15日(水) 晴れ

講座名:気象と天気

講師:木村 修治先生  

場所:ラブリーホール

今日はいつも受講生の関心度が高い「気象と天気」の講座である。講師はカレッジの講師を初めて担当して頂く気象予報士の木村先生でどんな講座になるのか楽しみである。最初は気象情報全般の知識を25問のクイズ形式で学ぶ。基礎的な気象情報なので簡単かなと思ったが全員が正解したり、三択問題で答えが三つに割れたりして難しい問題も有りました。25問中6割の15問正解が合格点でしたが皆さん合格しましたか?

 ここでクイズ 問、地上で1辺1mの正方形の上で空気の重さはどのくらい?     答、① 1㎏ ② 100㎏ ③ 10,000㎏ 何番でしょうか?  

 気圧を「空気の重さ」ととらえて気圧を理解する実験を体験することに。       実験①「空気の重さがあるか?」  実験②「空気の重さはどのくらい」  実験③「ペットボトルで雲をつくる」 この雲をつくる実験は結果が見えるので楽しい体験でした。

 この後も天気予報や台風とは、台風の災害とめぐみ、日本の四季、注意が必要な天気、防災気象情報などについて動画を使っての講義が行われ、終了時間がオーバーしましたが中身の濃い講座となり先生に感謝!中身の濃い分、頭の中の整理が追い付かない私には次回はもう少し緩やかな講義が良いかな。皆さんは大丈夫でしたか。 クイズの答えは③番です。(T.O)

いろんな画像、動画を使っての講義

左:「雲をつくる」右:「空気の重さはどのくらい」          実験器具

ゴメンナサイ! 雲作りに失敗しました

右から金剛山、富士山、ヒマラヤ、キリマンジェロの山頂から持ち帰ったペットボトル。高度の高いところは空気が少ないことが分かります。

15期生の12月8日講座報告

年月日 : 2021年12月 8日(水) 曇り

講座名 : 38億年生きている

講師  : 施設担当者

場所  : 高槻市立自然博物館・JT生命誌研究館・安満遺跡公園(高槻市)

 高槻駅からバスに乗り、高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)に着いた。芥川側にある、小さな博物館だ。四階建てになっていて、一階からは川辺に出る事が出来、観察も出来るそうだ。四階にある入口から入り、施設担当者から全体の説明を聞き、展示室見学が始まった。 二階には芥川の生き物の水槽が沢山並んでいて、その中に代表魚と言われている“ムギツク”を見る事も出来た。 一階は鳥・哺乳類の剥製や昆虫の標本・ワニの化石も展示していた。中でも鳥の剥製の展示数は、関西では一番だそうだ。

 午後はJT生命誌研究館と安満遺跡公園の見学だ。人数制限の為、二班に分けての見学になった。 JT生命誌研究館って何だろう?玄関に入るとシンボルとも言える“生命誌絵巻”が飾ってある。38億年前、扇の要に、ある一つの生き物が誕生し、扇の縁の現在までの歴史と多様性等が描かれている。ここは、全ての生き物の、生命の物語を研究している所のようだ。ガイドの説明に頷いたり、首を傾げたり、一度で理解するには難しい・・・  でも「又来たい」との声に少しほっとした。

 安満遺跡公園は2,500年前の弥生時代の集落遺跡を含む公園だ。広大な緑地の中に歴史拠点が少しあるだけなので、遺跡を見ると言うより、緑を楽しむ公園のように思えた。家族で遊びに行きたくなった!(Y.S)

剥製の鳥たち。鳶や鷹もいます。

芥川のムギツクです。

これが生命誌絵巻です。

”これ、何かな?”弥生博士教えて!

15期生の12月1日講座報告

年月日:2021年 12月 1日(水) 曇り時々晴

講座名:地質観察①

講師:佐藤 隆春 先生  

場所:河内長野ラブリーホール 石川・汐ノ宮

 前夜の雨で石川は水かさを増し、予想最高気温13度、風速7メートルで河原での観察は厳しい条件下でした。増水のため1500万年前の溶岩の露出部は中州状になっており近づけず、また安山岩の柱状節理も炭酸ガスの湧出部も少し遠くより見ることになり、残念でした。近畿地方は若くて熱いフィリピン海プレートが沈み込み、浅い場所で脱水分解し「有馬型温泉」となり、かつては「汐ノ宮温泉」があったとのことでした。

 河原で花崗岩・砂岩・チャート・礫岩・流紋岩・石英等を拾い、見分け方を学びました。チャートは色が豊富で美しく人気でした。また、安山岩の中に含まれるカンラン石はローマ人から宝石ペリドットとして珍重されたそうで、割ってもらった面をルーペで観察すると小さな粒が見つかり盛り上がりました。その後汐ノ宮公園、千代田神社へと異動しながら、石川の周辺の平坦な地形と段の様子を観察し、平坦部は古い年代の河川敷であること、浸食・堆積と隆起を繰り返して何層にも河岸段丘が見られることがわかり、TV番組の「ブラタモリ」の世界の一端を実感できたようでした。河原への通路の確保等、準備いただいた先生に感謝しつつ終了しました。寒い中お疲れ様でした。(Y.S)

熱心に石探し「これって何やろ」?

色はいろいろ、つるつる肌のチャート

安山岩の中に宝石ペリドットが・・・

汐ノ宮公園から嶽山を望む

15期生の11月24日講座報告

年月日:2021年 11月 24日(水) 晴れ時々曇り

講座名:紅葉と冬芽の観察

講師:栗谷 至先生  

場所:和泉シティプラザ・宮の上公園

 今日は予想最高気温が13℃と12月中旬の気温で、この寒さが一段と木々の紅葉、黄葉を色鮮やかにして私達の目を楽しませてくれている。 緑色の葉が紅葉、黄葉、褐葉に変化する仕組みや樹木にとって、どんな意味が有るのかを知ることにより樹木の知恵を見ることが出来る。 落葉樹は冬芽で寒い時期を過ごし、春に枝葉を成長するための栄養分を秋に葉の中の栄養分を回収する過程でいろいろな色素が作られたり葉緑素が分解されて葉の色が変わり最後に葉柄の基部に特殊な層をつくり落葉する。 美しい紅葉になる為の3要素は日光、低温(氷結しない程度)、温度差である。

 野外ではケヤキやトネリコの実を飛ばしたり、常緑針葉で高木のセンペルセコイアの高さを先生が手を上に伸ばしたら2mになるので、それで計測したり、サクラの枝の樹齢を調べる方法やアメリカフウの葉や実の観察、クスノキのダニ部屋の話や観察、紅葉したカエデの色の違いで太陽の方角を考えてみるとか先生の多様な知識で楽しむことが出来ました。後半に少し雨に降られましたが先生の話好きの影響か?予定のコースを回りきることは出来なかったが秋の紅葉を満喫出来た講座となりました。お疲れ様でした!(T.O)

野外学習に備えてまずは座学

人気のメタセコイアを観察

紅葉が鮮やかな風に揺れるアメリカフウ

高木のセンペルセコイアの高さ計測に挑戦

15期生の11月17日講座報告

年月日 : 2021年11月17日(水) 快晴

講座名 : 奈良公園の巨樹観察①

講師  : 甲斐野 幸一先生(グリーンあすなら) スタッフ3名

場所  : 奈良公園・興福寺・春日大社周辺(奈良市)

 今日の観察会は、興福寺近くにあるスダジイから始まった。先ずは、新しい試みの「葉っぱ図鑑」の説明を受ける。行く先々の木々の葉や実を拾い、画用紙にテープで貼り付け、名前や特徴などを書く。イチョウ・ソメイヨシノ・クロマツ・イチイガシ・・・ドングリは貼りにくい!  子供の頃に戻ったようで、自分だけの実物図鑑はなんだか嬉しい。次に大きなクロマツを使って、樹の高さや幹の太さの測り方を学ぶ。地上から1.3mで幹周りが3m以上の樹木を巨木とされているが、このクロマツは3.7mで立派な巨木だ。しばらく歩くと、竹に幹を貫かれたムクロジが見えてきた。幹周りは4.6mだ、大きい! 昔はこのムクロジの実(皮)で石鹸を作り、中の黒い種は、数珠や羽子板の羽根に使われていたそうで、植物の恵みに感謝だ。

 午後は、飛火野から春日大社周辺の巨樹巡り。幾つかのクスノキを、交代しながら測って、巨樹を体で感じる事が出来た。又、とてもいいお天気だったので、春日大社のご神体である御蓋山や遠くの春日山原始林まで見渡せて、クロマツの巨樹を見ることも出来た。(Y.S)

松の葉っぱって何本かな?

ムクロジ石けん水出来たよ!泡いっぱい!

葉っぱ図鑑で~す

只今計測中。大きそうだね~!

15期生の11月10日講座報告

年月日 :  2021年11月10日 (水) 曇り

講座名   : 鳥類入門

講師 : 久下 直哉 先生

場所 : 大泉緑地(堺市北区)・ 新金岡公民館

 午前中は大泉緑地で双眼鏡の使い方と野鳥の探し方のコツの指導を受けた。先ず遠くから近くへと見ていくことが基本とのこと。前日より続く雨で心配されたが朝には上がり、ハクセキレイ・ジョウビタキ・アオサギ・コガモ・カワウ・オオバンや念願のカワセミの美しい姿もじっくり見られて楽しそうだった。講座生の殆どが双眼鏡を持参し、熱心に観察しておられた。

 午後からは座学で、野鳥の魅力とバードウォッチングの基本となる鳥(ものさし鳥)、留鳥・夏鳥・冬鳥・旅鳥についてなどのレクチャーと、大阪で見られる野鳥の紹介も受けた。初心者の図鑑はイラストのものが使い易く、チャームポイントや観察日時を書き込んで「自分の図鑑」にしていくことを勧められた。「この講座を楽しみに双眼鏡を買いました」とか「退職の時に買った双眼鏡がやっと日の目に合いそうです」と言う声も聞かれた。(Y.S)

並んで望遠レンズでの観察

野鳥の魅力を学ぶ

枯れた竹に佇むカワセミ

じっとしているアオサギ。エサを待っています!

15期生の10月27日講座報告

年月日:2021年 10月 27日(水) 晴れ

講座名:植物入門(草本)

講師:木村 進先生  

場所:堺市立栂文化会館・西原公園

   今日の座学はタンポポである。講師の木村先生が大学生以来ずっとタンポポの調査に携わっておられ植物学の面からだけでなく名の由来、方言・古名、文献、花言葉、いろんな目的での使われ方などクイズを交えた多岐にわたる話とタンポポ調査による日本在来種と外来種の分布状況、分布状況の変動の要因分析など実態に即した内容で皆さんにはタンポポの見方と知識がプラスされたのではないでしょうか。

 カンサイタンポポは花が咲くのは春だけ、種は虫媒花で夏は地中で寝ていて秋に目を出し、成長は遅いが長生き(約50年)である。セイヨウタンポポは花が咲くのは春に多いが1年中咲いて、種は虫媒の必要はなく、水があればいつでもすぐ芽を出し、成長が早いが寿命は短い(約3年)日本と外国のタンポポの違いである。ここでクイズ:タンポポに最も近縁の植物はどれか?*レタス *ゴボウ *ダイコン *ヒマワリ さあ~答は!

 野外学習ではドングリの見分け方。ドングリの実だけでの判断は難しいのでそれぞれのドングリの特徴を実と殻斗と葉の3点セットで見分けます。 今日の講座は従来、春に実施しているがコロナ禍の影響で花が無いこの時期となったが先生の配慮によりのある講座となりました。(T.O)

豊富な資料でタンポポの座学

生憎この時期は花が無く雑草の解説です

このロゼットはヒメジョオンです。タンポポとの違いが分かりますね

ドングリの実と殻斗と葉 左からマテバシイ、クヌギ、コナラ

15期生の10月20日講座報告

年月日 : 2021年10月20日(水) 晴

講座名 : 里山の竹の間伐体験

講 師  : 田淵武夫先生(富田林の自然を守る会代表)、里山部会の方々

場 所  : 滝谷 奥の谷(富田林)

 奥の谷は、滝谷不動尊から道を少し入った所に有る、小さな谷間です。 例年、座学は建物の屋根裏部屋で、プロジェクターの画像を見て行っているが、今年はコロナ感染予防の為、外のテント下で行った。 頂いた資料を見ながら、里山の成り立ちや保全活動のお話等から、なぜ間伐が必要なのかを聞くことが出来た。特に竹に関する問題は、高齢化等で竹藪が広がり続けており、周りの里山林を浸食していることだ。 その後、山を歩いて、間伐前、間伐後の林を比べてみたり、竹が里山林に侵入しているのを見ると、座学での話が実感出来た。

 午後はいよいよ間伐だ。 ヘルメット、アイゼン、スパッツ、革手袋、ベルト、ノコギリ等、慣れない装備に四苦八苦。全員装備完了、竹林に! 三班に分かれて先ずは竹選び。倒す方向を決めて、ロープを掛け、人が居ないかを確認してから切り始める。 「倒れるよー」の声の後、「わぁー」と大きな歓声が上がる。 感動だ! 切った竹は長くてとても重いので、3~4m位に切り分けて下の広場まで運んだ。間伐作業が終わった後、機械でチップにする作業も見学出来た。チップは肥料になるそうだ。

秋晴れの一日、里山での楽しい体験だった。

テントの下での座学です。

このあたりでいいかな?ゴシゴシゴシ・・・

みんなで力を合わせて!!

倒した竹を切り分けています