いのちの営み探検部会11月活動報告

テーマ :植物の紅葉は何のため?!

開催日 :2023年11月20日

場 所 :錦織公園(富田林市)

参加人数:14名

暑い日が続き、進まなかった紅葉も、ここ数日の冷え込みで、いっきに美しい彩りを見せるようになった。公園に入るとすぐに、大きなケヤキの黄葉が、さらに遠くには緑、黄、赤のグラデーションを示すモミジが美しい。なぜ落葉樹は秋には紅葉し、落葉するのだろう?葉の緑はクロロフィルを含む葉緑体による。太陽を浴びて光合成をし、二酸化炭素と水からグルコースと酸素を作る。

秋。日照時間の短縮、気温の低下は、光合成効率の低下をもたらす。葉は老化し植物生存に不利なため葉を落とす準備を開始。まずは再利用できる物質の回収を行う。クロロフィルを分解し、冬芽や根などの器官に運ぶ。これらを翌年の資源として貯蔵し、成長のために利用。さらに葉柄付け根に離層を形成し、葉と枝を結ぶ管を遮断。物質の流通を遮断する。結果、葉の細胞の液胞には老廃物と共にグルコースが蓄積する。

(参考:https://buna.info/article/1929/

葉が赤くなるのはアントシアニン

離層の形成に伴い葉にグルコースが蓄積→このグルコースがアントシアニンの前駆体に結合するとアントシアニンは完成する。抗酸化作用や、活性酸素の生成の抑制といった働きがある。

黄色の葉:カロチノイド

黄色の正体は、カロチノイドという色素。もともと緑色の葉にもカロチノイドはあるが、クロロフィル量が圧倒的に多く、カロチノイドの黄色はクロロフィルの緑色に隠され、葉は緑色に見える。しかし秋、葉の老化に伴いクロロフィルが速やかに分解。隠れていたカロチイドの黄色が目立つようになる。カロチノイドは強い抗酸化作用を持つ。イチョウの葉は黄葉から紅葉への変化を示さない。このような葉はは遺伝子にアントシアニンを作る仕組みを持たないのかもしれない。

茶褐色になる葉

葉の中のクロロフィルの分解と共にタンニンの仲間が増え、茶色になる。タンニンは紫外線を吸収し、細胞内のタンパクや核酸などを紫外線から保護。

紅葉する木を観察すると、一本の木の中でもきれいに紅葉する葉や、黄色そして緑の葉などのグラデーションがある。何故・・・?アントシアニン産生には日光が大事らしい。重なり合った葉で葉の色を観察した。ヤマボウシの葉である。重なり部分に合わせて、明瞭な境界が見られる。上の葉の陰になった下葉の部分は黄色。十分に陽を浴びた部分は紅葉。陽の当たり具合によってアントシアニン産生が影響を受けることがわかった。

加えてもう一つ、錦織公園で紅葉を観察したい植物があった。2019年3月いのちの営み探検部会で出会った食虫植物コモウセンゴケ。大阪では準絶滅危惧種。今も無事に生きてるだろうか。きれいな紅葉を見せてくれるだろうか。・・・あった!! 美しい紅葉とは言えなかったが、しっかりとこの公園に根を下ろしていた。(A.F)

ヤマボウシの葉。アントシアニンの形成には日光が必要。葉で日光を遮られた下の葉は赤くならない。上の葉の輪郭と、相似形で下の葉の赤と黄の境界が現れる(黒の縁取り)
右下:被さる上の葉を除いた。上葉で隠れていた部分が明瞭に黄。

モミジバフウ。
黄〜深紅まで様々な色合い。
右下:モミジバフウの葉と種子                       

食虫植物コモウセンゴケ。
左:2019年3月撮影。右2023年11月撮影。秋の紅葉というより褐葉?
いつまでも元気な姿が見られますように!!

サクラの葉と枝の間に形成された離層。サクラの枝を少し削り、観察。
離層は物質の流通を遮断する

トチノキ。黄葉から褐葉へ
左下:トチの実

木々の紅葉。ケヤキ、モミジなど

 

 

 

 

石ころ部会の11月活動報告

月 日:R5年11月25日

場 所:柏原市 柏原市立歴史資料館・横穴公園及び大和川河原(国豊橋近傍)                                                                                                                                                                                                                                                                                                 

参加者:21人

活動内容:

寒波襲来と思いきや、ぽかぽかの小春日和。今年最後の部会活動に21名がJR高井田駅に集合。午前は歴史資料館と高井田横穴公園の横穴古墳の見学、午後は大和川河原(国豊橋近傍)の石ころ観察である。歴史資料館で縄文・弥生の土器や石器、古墳時代の埴輪や装飾品、江戸時代の大和川の付け替え工事関連資料などの展示を見た後、学芸員の越智さんと横穴古墳の見学に公園内を歩く。古墳造営の文化的・時代的背景や大正期の横穴墓発見の経緯などの説明を耳に、200基以上ある日本最大級の横穴墓群の中の数か所に実際に入って見学し、遠い昔の古墳時代に思いを馳せた。

午後は地質学入門である。佐藤先生から横穴古墳の岩盤(凝灰岩)や公園入口近くの広場にある置き石(花崗岩)についての説明を受けた後、大和川にかかる国豊橋まで移動し、河原の石ころ観察を行った。朝とはうって変わり、河原は強風の荒れ模様ではあったが、思い思いの石を拾い集め、先生に鑑定をお願いした。

今日も多くを学んだが、ポイントを整理すると:

● 高井田古墳の岩盤は凝灰岩である。これは約1500万年前の大峰山・大台ケ原付近で起きた大規模なカルデラ噴火に由来するもので、室生火砕流堆積物と同じものである。当初はドンズルボーと同じように二上山の噴火に伴うものと思われていたが、岩質に違いがある。また、ドンズルボーの凝灰岩が幾層にも重なっているのに対し、高井田ではそのような層は見られない。即ち、1回の噴火で100mを超える堆積物ができたことを意味し、当時のカルデラ噴火の規模の大きさを物語っている。

● 公園入り口近くの広場に10数個ある大きな置石は古代の寺院(太平寺)の庭園の石を移設したものである。岩石の多くは花崗岩であるが、よく見ると縞状の模様の片麻岩に重なっているのが分かる。領家帯花崗岩と領家帯変成岩類が大阪平野の基盤岩であるが、地質年代的には約1億年前に変成岩(主に片麻岩)が高熱により形成された後、約8000万年前に花崗岩質のマグマが下から上昇・貫入したため両者が入り交ざった形になっている。花崗岩と片麻岩の両方がみられる理由である。

● 河原で集めた石ころは花崗岩、閃緑岩、斑レイ岩、流紋岩、安山岩(サヌカイト・サヌキトイドを含む)、砂岩、チャート、片麻岩、石英と鑑定され、5月に行った少し上流の亀の瀬での鑑定結果とほぼ同じであった。同じ大和川でも石ころの大きさや形は少し小さく、丸みを帯びているように思われた。今回は安山岩の他に片麻岩が多く採取されたが、縞状の模様やキラキラ輝いて見える粒子(黒雲母)が目を惹いたためか。(I.S.)

横穴古墳

大和川河原の石ころ観察

山歩き部会の11月活動報告

実施日 : 11月22日(水)天候:晴
行き先 : 天王山・標高270m
コース : 大山崎駅~宝積寺~酒解神社~天王山~十方山~大山崎駅
参加者 : 27名

 このコースは、5月に企画したが、雨で流れた。今日は、11月末にしては暖かく素晴らしい天候に恵まれた。大山崎駅を出て、JRを横切り、宝積寺でコース説明と体操をする。周りの木々が紅葉し、きれいだ。寺の横から参詣道のような登山道を登っていくと酒解神社に着く。ここから少しの距離で天王山の山頂に着く。山頂で早い昼食をとる。山頂を出発しポンポン山への縦走路を進む。サントリー山分岐を越え、十方山分岐で、尾根から外れ、麓側に降りる。少し、降りて登り返したら十方山だ。十方山頂上は、狭く、展望はよくない。少し下ると展望が開ける。さらに下ると、美しい竹林の間の道となる。やがて、名神高速の上に出る。水無瀬の滝を見て、名神の下をくぐり、大山崎駅に向かう。(Y.Y)

山頂にて1班

山頂にて2班

宝積寺にてコース説明

水分補給とひと休み

16期生の11月22日講座報告

年月日  2023年11月22日(水)  快晴

講座名:紅葉と冬芽の観察

講師: 栗谷 至 先生

(大阪自然環境保全協会理事)

場所: 和泉シティプラザ・宮の上公園

紅葉と冬芽の知識を得て、午後から泉北高速線和泉中央駅から桃山学院大学のある宮の上公園までの約2㎞を樹木の紅葉や冬芽の解説を受けながら歩いた。

「大阪にあってもコナラです」などと少し脱線気味な紅葉と冬芽の座学を受けた。紅葉には紅葉・黄葉・褐葉と3種あり、いろいろな色素ができたり、葉緑素が分解されたりで違いが生まれる。紅葉の3大要素は①日光②低温③温度差であり、年や場所や枝のついた箇所によって差がある。冬芽には「花芽」と「葉芽」と「混芽」の3種類あり、葉が落ちる冬の時期に目立って枝先にみられると教わった。

午後は晴天のなか、歩き出してすぐヤマモモにからみついたクズの除き方(根元をきる)。続いてマンション前のシマトネリコは奇数回羽状複葉で種のつき方も造りも同様だと確認した。10分ほど歩いた歩道橋の上から見事な黄色に色づいたメタセコイヤに見とれながらその話を聞き、クヌギとクリの葉の違い、シラカシとアラカシの違いなどについてなど次々と話は続く。公園にいつたどり着くのか心配になってきた。

宮の上公園ではケヤキの種子の付いた枝先を飛ばしたり、サクラの枝先の冬芽と芽鱗痕から樹齢を想像したり、サクラの落ち葉から香りを楽しむ方法を聞いたり色々と楽しい話があった。最後に紅葉したイロハモミジとその翼果の見事な様子を見て観察を終えた。

見逃してしまう街の風景の中にも、足を止めて見つめてみると気づかなかったものが多くあることを知った。サクラの冬芽を見ながら春に咲く花や緑葉に覆われる姿や季節を思い、ホッコリとした暖かな一日だった。(H.I)

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

気持ちよい青空にメタセコイヤの   黄褐色が映える

話は続く、講師は話のタネをたくさん
引き出してもらったので

サクラの枝中央部にある芽鱗痕、
これから先が1年で伸びた枝

 

 

 

冬芽もいろいろ

 

 

 

見事な紅葉と翼果、クルクル回って飛んでゆけ

昆虫部会の11月活動報告

実施日 : 2023年11月14日(火) 晴れ

場 所 : 光明池野鳥の森公園

参加人数 : 14名

活動内容 :

 光明池野鳥の森公園の広場に到着した時、飛び交うトンボの姿もなく 虫の声も聞こえず、「はて!昆虫はいるのだろうか?」と脳裏に一抹の不安が過りました。ゆっくり、草原を歩くと、バッタ類がびっくりしたように飛び出したり跳びはねたり、広場がのはらうたのようになりました。「いるいる、バッタが」の声に網を持ち出し、早速、昆虫探しに。陽射しが良くなると、わずかながら、チョウもトンボも姿を現し、網を掲げて追いかける、いつもの姿。バッタ類が主ですが、期待以上に採集が出来、昆虫と図鑑を照らし合わせながら、模様や色などの違いを見つけ、同定を行い、その間の昆虫談義も楽しい一時でした。同定作業終了後、皆さんで晩秋の光明池のほとりを散策、前日の冷え込みから一転して、小春日和の中、有意義な昆虫観察が出来たように思います。   

観察記録 全34匹(*昆虫外1匹)

【 チョウ目(10匹)】 キタキチョウ ツマグロヒョウモン(オス・メス) モンシロチョウ キタテハ  ヤマトシジミ ベニシジミ ヒメシロノメイガ エビガラスズメ ナンキンキノカワガ(幼虫)

【 トンボ目 (1匹) 】 ナツアカネ

【 バッタ目(14匹)】  アオマツムシ(メス) タカネヒナバッタ セグロイナゴ ショウリョウバッタ  マダラバッタ(オス・緑) マダラバッタ(メス) ツチイナゴ コバネイナゴ トノサマバッタ クルマバッタモドキ ササキリモドキ ホシササキリ クルマバッタ エンマコオロギ(死骸)

【 カマキリ目(1匹)】 ハラビロカマキリ

【 コウチュウ目(4匹)】 ナミテントウ クチキムシ オオユミアシゴミムシダマシ クワガタ?(幼虫)

【 カメムシ目(1匹)】 ヨコヅナサシガメ

【 ゴキブリ目(2匹)】 アマミモリゴキブリ(幼虫) ヒメクロゴキブリ(幼虫)

【 昆虫外 】 ワラジムシ亜目(1匹)マルムシ

太字は写真を添付しています。

12月・1月・2月は休止します。3月はJT生命誌研究館(高槻市)・高槻自然博物館(高槻市)の見学を予定しています。詳細は後日、2月中頃、連絡させていただきます。 11月担当 K・H

光明池 野鳥の森公園

キタキチョウ

ササキリモドキ

ツチイナゴ

ヒメシロノメイガ

オオユミアシゴミムシダマシ

アオマツムシ メス

 

吟行部会の11月活動報告

月  日:11月18日(土)

場  所:天見駅周辺(河内長野市)

参加人数:13名

兼  題:「時雨」「小春」「木守柿」「熱燗」

 雨降りの中、天見駅で集合。急な冬の訪れに寒い寒いと言いながらそれでも普段見られない雨に煙る山里を堪能し昼食と句会会場である 山川草膳「久右衛門」さんへ。雨の為予定より早く迎え入れていただきました。句会中、風が吹いたり、霰が降ってきたり、雷が鳴ったり、時折晴れ間がのぞいたりと冬の天気のオンパレード。変化に富んだ空模様を楽しみ、暖かい部屋での句会。帰りは嘘のような青空でした。(KT)

11月度会員代表句

短日の門を灯して出かけたり    尚文

淡墨の暮るる山々夕時雨      たけみつ

小春日が覗く新芽に宿りたる    洋々志

山間の高稲架闇に吞まれゆく    みえこ

思い込め取り残したる木守柿    河笑流

空と地をふうはり分きて時雨雲   流以

もう鋏届かず百の木守柿      都史子

立ち話また人増えて小春空     ふじ乃

山里に生きて渋柿くれし友     楠子

出雲路や傘を忘れて時雨ゆく    万未知

亡き父とたたみいわしと熱燗と   佐都

花街の匂ひを変へて小夜時雨    行行子

買い物の一と品忘る時雨かな    福老

当日句(同票)

特選 猫走るつかの間霰降り初めて 楠子

特選 山里は冬の気配や山瘦せる  みえこ

 

野鳥部会の11月活動報告

活動日  : 11月15日(水)  

探鳥地  : 鶴見緑地公園

参加者 : 24名

 観察種数: 28 種 

 集合時、鶴見緑地駅前の街路樹の梢でモズが迎えてくれ、スタート直後に駅舎の周りを行きかう2羽のハクセキレイ、道路脇の植込みに出入りするスズメ、上空を群れで飛ぶムクドリなどを観ながら公園内へ。公園に入ったところでメタセコイアの樹上に1羽のツグミが。今季初見の人も多くじっくりと観察した。その後風車の丘までの道中はヒヨドリとカラスの声ばかりで、小鳥が中々見当たらない。

 山のエリアでは木の葉にアサギマダラが翅を休めているのを発見。小鳥が少ない中、ひと時を蝶に癒された。近くでウグイスの地鳴きの声、高い枝で見え隠れする数羽のシジュウカラがいるが、はっきり姿を見ることはなかなか難しい。森を抜けると上空を飛翔するオオタカを全員がしっかりと観察。四季の池ではマガモ・カルガモ・アオサギ・コサギ等とともに池畔の松の横枝にとまってこちらを向いて動かないカワセミをじっくりと観察した。欲を言えば鮮やかなコバルトブルーの背中も見せてほしかったが…。

 昼食後は大池の周りをめぐって水辺の野鳥を観察することに。マガモとコガモの大きさの比較やオスメスの違い等を観察。花さじき前では鳥たちは餌付けされているようで、近づいても全く逃げることもなくヒドリガモ・オナガガモ・キンクロハジロ・ホシハジロに混じって1羽のアメリカヒドリやコサギ等々が集まっている。また、一部のヒドリガモやオナガガモは岸に上がって昼寝?をしているが時々目を開けてこちらを窺っている様子もみられた。今回も小鳥たちが少なく少し寂しい思いもあったが、水辺のカモたちを間近でじっくりと観察できたのは良かった。 (K.I  写真K.T)

ハクセキレイ 若鳥

上空を飛ぶオオタカ

全く動かないカワセミ

マガモとコガモのご挨拶

カモたちの日向ぼっこ

ヒドリガモとアメリカヒドリ

直ぐ潜るカンムリカイツブリ

(参考)下見で会えたメジロガモ

16期生の11月15日講座報告

年月日  2023年11月15日(水)  晴れ

講座名:奈良公園の巨樹観察①

講師:甲斐野 幸一先生(グリーンあすなら代表)・スタッフの方2名

場所:奈良公園(興福寺周辺・春日大社周辺)

 穏やかな秋晴れの中、奈良公園での観察会が始まった。まず初めに配られた紙に各自誕生日を書いて提出。これは後の楽しみだとか?次に画用紙が配られ、それぞれの葉っぱ図鑑を作ることに。葉やドングリを拾っては説明を聞き、セロテープで貼り付けてメモをする。ソメイヨシノからスタートし、スダジイ、イチョウ、クスノキ、興福寺の五重塔を見つつ移動。橘の実を愛で、次はクロマツ。葉の観察、ムササビのエビフライを探し、松脂のにおいや樹皮の亀甲模様を確認。松くい虫で枯れた松、足元の芝生、なぜか奈良には多いナンキンハゼの謎を理解。サイカチの棘に驚き、ムクロジの実からできる石鹼水や数珠の話から日本の習慣の歴史にも触れた。イチイガシやケヤキを見て、荒池園地で昼食。

 午後からは巨樹観察を中心に移動。エノキ、コブシ、イヌシデの種が風で舞う姿を想像し、飛火野へ。見渡す芝生を移動して、大洞クスノキを観察。八度の落雷で中は空洞で今も黒く煤けた跡が残る。それでもしっかりと樹皮が巻き込み生き続ける巨樹の生命力に感動。クスノキ三兄弟や、ケヤキとクスノキの共生する姿に植物の知恵を知った。

 ただ樹木を観察するだけでなく、この異常な気候変動の中でも逞しく慎ましく、そして共生しながら命をつないでいこうとする植物の知恵や不思議に触れた。また実験あり、樹高や幹周を測ったりするなど、有意義で楽しい観察会だった。

 さて、最初の誕生日を書いた紙は、それぞれの誕生木が記入されて手元に返された。短い昼休憩のときにガイドさんたちが全員分調べて書いてくれたのだ。(私はオウゴンキャラボクだった。)すてきなマイ葉っぱ図鑑とともに、なんて素敵なプレゼントだろうか。「ありがとうございます。」 K.T

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

本日の収穫、世界で一つのマイ葉っぱ図鑑!

ムクロジの実(左)・シカの大好きなスダジイの実(右)なかなか見つからないのはなぜ?

石鹸できました!原料はムクロジの実の皮。

ムクロジの巨樹、中の空洞には立派な竹が。ちょっと心配。

立派なエノキの根。かつて土塀の上にあった根。土塀は崩れ、あとは形だけ?

重なる落雷にも耐えてきた大洞クスノキ。守っていきたい。

決して捕まったのではありません。巨樹(イチイガシ)の大きさを実感しているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウォーキング部会の11月活動報告

実施日:2023年11月9日 晴れ

行き先:明日香(奈良)

参加者:33名

 秋晴れの明日香村を歩きました。飛鳥駅の東側は、石舞台等多くの観光の名所があります。過去に2回、ウォーキング部会で歩きました。3回目の今回は、飛鳥駅の西側の地域を歩きました。明日香では、マイナーな観光地域ですが、数多くの古墳群が点在しています。その中を、岡寺から飛鳥駅経由、壺阪山駅まで歩きました。観光協会の2名のガイドさんの親切で楽しい説明により、楽しいウォーキングとなりました。S.H

のどかな道をのんびりと歩きます

写真部会の11月活動報告

実施日 : 11月8日(水)

行き先 : ハーベストの丘

参加者 : 4名

 各自バスや車でハーベストの丘へ。天気は雲一つ無いまさに秋晴れ。 メンバーから「少し雲があった方が良い絵になるのに」という声も。 園内を散策し、食堂で昼食後に歓談して解散しました。(M.S)

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里山保全部会の11月活動報告

月 日 :  11月3日 (金)

場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

参加人数 :  14名

活動内容 :

青空好天の秋11月部会は残暑もよう、活動舞台の通称(奥の谷)は町中より快適感あり14名の参加で開催。 

山組は今月もこの数ヶ月続く山中に生える笹やシダの伐採作業と枯れ枝集め (この文先々月、先月に同じ)。←悪ノリ  放置された缶・ビン類を一輪車で車の入る通路(軽自動車しか入れない)まで運び出しの情けない作業も。富田林の自然を守る会の会員も一緒に活動し作業ははかどりました。

畑組は玉葱、ナンバネギ、春菊、絹さやを植付け。里芋はグーンと生育し来月収穫する事になりました。先月植えたわけぎ、ナンバネギ、にんにくも異常気象に負けず元気に育っています。

*各写真はクリック毎に拡大され、解像度上がります。

今日もがんばるぞー ! シニア里山部会と富田林自然を守る会のメンバー

山肌を覆った蔓や笹を伐りのぞく                      ・

自然豊かな里山に捨てられた空缶・ビンを一輪車で運び出しの情けない作業

1カブ、1カブ元気に大きく育ってねと春菊に呼びかけて植付け

植えたナンバネギに1本、1本ていねいに水やり

グーンと大きく育った里芋 ! 来月は収穫だ

 

16期生の11月8日講座報告

年月日:2023年11月8日(水)晴れ

講座名:地質観察①

講師:佐藤隆春先生 大阪市立自然史博物館 外来研究員

場所:ノバティホール ・汐ノ宮

 晴天に恵まれた気持ちの良い秋の一日、汐ノ宮で地質観察を楽しんだ。

 午前は座学。佐藤先生が執筆された学術的な冊子を見ながら、古瀬戸内海と瀬戸内火山岩類について説明を受けた。その後ジオパークとは、から始まり、大阪東南部の地形地質、嶽山と汐ノ宮の火山岩や河原の石ころ、川の作る地形について講義を受けた。

 午後は汐ノ宮に移動し、石川の川岸をたどって川の中ほどの溶岩の観察を行った。柱状節理を間近に見、手で触れて上から下へ移動すると滑らか、下から上へは引っかかりがあることを確認した。柱状節理の一辺は約20cmあり、高さはその10倍の20mくらいあるらしい。溶岩の冷却面に対して垂直に柱状節理が入ることを、乾いた田んぼや鏡餅を例にわかりやすい説明を受けた。溶岩と泥岩の境目では、黄色い泥岩の中に溶岩が入り込んで混ざり合った黒い安山岩が見られた。泥の地面に溶岩が流れ込んだ境目には、崖の斜面があったと考えられるらしい。1500万年前に溶岩が流れ、石川はまだできてから40万年くらいしかたっていないという。川面にはあちこちで炭酸ガスが湧出する様子が見られた。岩石の観察では泥岩の中にガラス質の鉱滓、カンラン石の宝石ペリドットを見つけることができた。ずっとこのままここに居たいような気分だったが、先生に促されて次は河原の石ころ観察。河原の石は上流から流れて来るので、そこから地層を知ることができるという。それぞれに石を集めて先生に同定をしていただいた。

 溶岩と石川を離れ、次は段丘断層の観察。平坦部分は段丘で急な断層は川が流れていたところだという。実際に段差の場所を見ることができた。坂の途中の土が露出した崖では石ころが見られた。これは昔の石川で28000年前の地形らしい。最終目的地の菅原神社の前で、この辺りも石川だったと聞いた。

 壮大な時間スケールの話を、身近な地域の地質地層の成り立ちをテーマに勉強し、汐ノ宮のジオパークに魅力を感じ、地質について興味を持つことができた。                                           E.H.

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

アウトドア部会の10月活動報告

実施日 : 2023年10月30日(月) 晴れ

場  所 :  亀岡・保津川

参加人数 : 15名

活動内容 :
 今期より発足したアウトドアクラブ部会の初めての報告です。数日前から温度が低い日が続いて、心配しましたが、幸い朝から晴れてくれました。JR嵯峨野線馬堀駅下車後すぐのイベント会社で着替えを行いました。水着の上にウレタンウエットスーツ、ジャケット、風除けナイロンジャケット、ヘルメットで完全防備です。危険予防の説明後、徒歩で数分の保津川へ到着した。幸い風も無く、7人と8人の2隻のゴムボートに分かれて出発し、約5キロ、2時間半のコースにある約20か所の激流に向かいます。皆さん興味津々でさあ最初の激流に突入しワイワイきゃあきゃあ。始めから水しぶきで頭からずぶ濡れ状態、半分を過ぎたところのゆるやかな所で川へ入り泳げない人も、ラッコさん状態でプカプカしたり泳いだり、おもしろいねと。もう少し下ったあたりで土手へ上がり、3メートル高さからほとんどの方が決死の覚悟で飛び込みしました、いい経験でした。帰りはそのままの姿で一駅JRに乗るのも面白い体験です。遅い昼食はバイキングをいただき満足の1日でした。(S.H)

完全防備で出発

ゆったりとした流れといい景色

さあ激流に突入します

緊張の一瞬

わーっ キャア

泳げない人もプカプカ浮かんでます

顔も引きつりますが気合で

ああいい体験良い一日でした

 

 

植物部会の11月活動報告

観察日 : 11月1日(水)晴れ、

観察場所 : 金剛山山麓 百カ辻、五条林道

参加者 : 16名

 秋晴れの好天気に恵まれる。ここロープウェイ乗り場バス停は海抜600m以上の高さにあり、少し肌寒い位だ。 日々秋も深まり四日前の下見時の景色より一段と紅葉が濃くなり、回りの花は少なくなってきたようだ。 バス停付近ではノコンギクとハナタデ、イヌタデが元気。他には花が終わって結実やその種が散った姿となったシラネセンキュウ、ヒヨドリバナ、イタドリ、ボタンヅル、コアカソ、カラムシを観察。 そして一本の木にアカネ、スイカズラ、ノブドウ、ヘクソカズラと4種のツタ植物が絡みついた実をそれぞれ見分け確認する。 その近くではサガリバナが赤い実をつけていた。  

 百カ辻付近ではケシロヨメナやヨシノアザミが一面に咲いていたが、既に一部は勢いをなくしてきている。アキチョウジ、ミズヒキ、ハナタデ、アキノキリンソウ、イヌトウバナはまだまだ元気だ。キンミズヒキやクルマバナ、オトコエシ、ヤブマメはまだ少し花を残してくれていた。 結実したウバユリ、イヌコウジュ、ミゾソバ、ツリフネソウやフユノハナワラビを観察しながらロープウェイ道を上がる。 入口付近のナギナタコウジュはもう花色を失い、テンナンショウは赤い実をつけている。 途中、シュウブンソウ、ヤブタバコ、ガンクビソウのよく似た三種が隣り合って咲いているのを見つけ、その違いを観察する。 他にはゲンノショウコ、メヤブマオウ、アオミズ、ヤマトキホコリ、ダイコンソウの花を確認。

 午後からは府営駐車場まで下る。その回りではケシロヨメナばかり目立つが黄花のヤクシソウと大きな一株となったイナカギクをようやく見つけほっと。 五条林道までのバス道路沿いはノコンギクが溢れている。 林道入口ではアブラチャンの実を頭上に見つけ、林道沿いは花が終わって実のついたノブキ、アキチョウジ、ダイコンソウ、イヌコウジュ、キンミズヒキ、ミカエリソウ、モミジガサ、ツルニンジン等々の秋の植物が埋め尽くしている。 マツカゼソウは少しアキギリは一輪だけアケボノソウは数輪だけだが花を残してくれていたのは幸いだった。 (M.K 写真Y.M)

オトコエシ

ケシロヨメナ

ヤクシソウ

ミゾソバ(ウシノヒタイ)の実

フユノハナワラビ

クルマバナ

アキノキリンソウ

イナカギク

16期生の11月1日講座報告

年月日  2023年11月1日(水)  快晴

講座名:ブナ林の保全

講師: 土井 雄一 先生(和泉葛城山ブナ愛樹クラブ代表)

場所: 和泉葛城山の山頂付近

ブナ生育の南限の環境に近い和泉葛城山では、ブナの自然林が国の天然記念物の指定を受けてから100年を迎える。

快晴の中、午前中はブナ林を周遊し観察した。午後からは愛樹クラブでヒノキ伐採と丸太切りを体験した。愛樹クラブは自然林の周辺でブナの植樹や育樹などをしながらブナの森を守る活動をされているボランティアグループ。

ブナとイヌブナの樹皮や葉の違いなどを聞きながら歩いた。標高が低く気温が高めの葛城山では自然林のブナが減少を続けており、枯れたブナも多く見受けられた。観察の終わるころにはブナとコナラやリョウブやウリハダカエデなどとの区別ができるようになった。ブナは5~6年ごとに多くの実をつけるが、今回はブナの殻斗や実は全く見当たらず足元は落ち葉だけだった。

大峰や高野の山並みを見渡せる広場での昼食ののち、愛樹クラブの作業場に移動してヒノキの伐採を体験した。木を倒す方向を決め、倒す方向に受け口を切り、反対側に追い口の切込みを入れる。その後、木に結び付けたロープで引き倒す。交代してノコギリで切込みを入れる実習をするが、斜面の足場やノコギリの使い方が難しく助けてもらうことが多かった。講座生がロープを引き、倒したヒノキの枝を切り払った。

ブナの自然林は減ってはいるが、和泉葛城山の山頂付近ではブナに加えコナラやカエデやリョウブなどが色とりどりに見事な紅葉を見せてくれた。天気に恵まれて暖かな楽しい一日であった。(H.I)

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

見事な大きさと枝ぶり、ブナも歳を経ると貫禄あるな!

色とりどりな紅葉に思わず見とれて立ち止まった。

ブナの殻斗(カクト)と果実、今年は見つけられなかった。

自然林のブナの5年くらいの実生、若いね、うらやましい。

腰を入れ受け口を切る、なかなか様になってるよ。

ヒノキの丸太切り、持ち帰ってヒノキ風呂かな?

上天気と紅葉に満足、講座生と先生が集合

石ころ部会の10月活動報告

月 日:R5年10月27日

場 所:兵庫県川辺郡猪名川町 多田銀銅山遺跡                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

参加者:22人

活動内容:

 晴れやかな秋空の下、今日は多田銀銅山遺跡の見学である。22名が阪急電鉄川西能勢口駅前に集合。バスに揺られること30分、歩くこと20分で多田銅銀山悠久の館に到着。4人のボランティアガイドの出迎えを受け、4班に分かれて見学開始となる。見る物は多岐にわたるが、主なものは悠久の館の展示(銀銅山に関わる鉱石、道具、絵図、古文書など)、隣接の悠久広場(明治期の精錬所跡:レンガ構造物とレンガ敷遺構)、坑道(台所間歩、瓢箪間歩、青木間歩)など2000以上もの坑道があるそうだが、青木間歩では実際に坑道に入り、幾つもの鉱脈(石英脈)をくっきりと見ることができた。国史跡、町指定天然記念物の大露頭まで歩けば当時の鉱山の賑わいが窺える。鉱山の神様を祭る金山彦神社はスズメバチの巣が撤去されずに放置されているとかで参拝は取り止め。様々な遺構に目を奪われながらもよく歩いたものだ。万歩計は既に12000歩。そうこうする内に空模様も怪しくなり、家路を急ぐこととなったが、有意義な一日であった。

地質学の観点からポイントを整理すると:

 ● 多田銀銅山は二つの地質から構成されている。東側はジュラ紀以前に形成された超丹波帯と丹波帯の堆積岩類の地層が露出している。西側はその後の白亜紀後期に噴出した有馬層群の火山岩類(主には流紋岩質溶結性凝灰岩)がそれら堆積岩類を覆う形で分布している。

 ● 多田銀銅山は熱水鉱床に分類されるが、火山活動で熱水が岩の割れ目に入り、熱水に溶け込んだ銀や銅、鉛などの鉱物が石英成分とともに沈殿し隙間を埋めた鉱脈(石英脈)を有する。当地では主に班銅鉱、黄銅鉱に銀鉱物をともなう銀銅鉱が採掘された。何れも少量の銀が含まれるのが多田銀銅山の特徴のようだ。(I.S.)

多田銀銅山1

多田銀銅山2