16期生の11月15日講座報告

年月日  2023年11月15日(水)  晴れ

講座名:奈良公園の巨樹観察①

講師:甲斐野 幸一先生(グリーンあすなら代表)・スタッフの方2名

場所:奈良公園(興福寺周辺・春日大社周辺)

 穏やかな秋晴れの中、奈良公園での観察会が始まった。まず初めに配られた紙に各自誕生日を書いて提出。これは後の楽しみだとか?次に画用紙が配られ、それぞれの葉っぱ図鑑を作ることに。葉やドングリを拾っては説明を聞き、セロテープで貼り付けてメモをする。ソメイヨシノからスタートし、スダジイ、イチョウ、クスノキ、興福寺の五重塔を見つつ移動。橘の実を愛で、次はクロマツ。葉の観察、ムササビのエビフライを探し、松脂のにおいや樹皮の亀甲模様を確認。松くい虫で枯れた松、足元の芝生、なぜか奈良には多いナンキンハゼの謎を理解。サイカチの棘に驚き、ムクロジの実からできる石鹼水や数珠の話から日本の習慣の歴史にも触れた。イチイガシやケヤキを見て、荒池園地で昼食。

 午後からは巨樹観察を中心に移動。エノキ、コブシ、イヌシデの種が風で舞う姿を想像し、飛火野へ。見渡す芝生を移動して、大洞クスノキを観察。八度の落雷で中は空洞で今も黒く煤けた跡が残る。それでもしっかりと樹皮が巻き込み生き続ける巨樹の生命力に感動。クスノキ三兄弟や、ケヤキとクスノキの共生する姿に植物の知恵を知った。

 ただ樹木を観察するだけでなく、この異常な気候変動の中でも逞しく慎ましく、そして共生しながら命をつないでいこうとする植物の知恵や不思議に触れた。また実験あり、樹高や幹周を測ったりするなど、有意義で楽しい観察会だった。

 さて、最初の誕生日を書いた紙は、それぞれの誕生木が記入されて手元に返された。短い昼休憩のときにガイドさんたちが全員分調べて書いてくれたのだ。(私はオウゴンキャラボクだった。)すてきなマイ葉っぱ図鑑とともに、なんて素敵なプレゼントだろうか。「ありがとうございます。」 K.T

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

本日の収穫、世界で一つのマイ葉っぱ図鑑!

ムクロジの実(左)・シカの大好きなスダジイの実(右)なかなか見つからないのはなぜ?

石鹸できました!原料はムクロジの実の皮。

ムクロジの巨樹、中の空洞には立派な竹が。ちょっと心配。

立派なエノキの根。かつて土塀の上にあった根。土塀は崩れ、あとは形だけ?

重なる落雷にも耐えてきた大洞クスノキ。守っていきたい。

決して捕まったのではありません。巨樹(イチイガシ)の大きさを実感しているのです。