16期生の11月8日講座報告

年月日:2023年11月8日(水)晴れ

講座名:地質観察①

講師:佐藤隆春先生 大阪市立自然史博物館 外来研究員

場所:ノバティホール ・汐ノ宮

 晴天に恵まれた気持ちの良い秋の一日、汐ノ宮で地質観察を楽しんだ。

 午前は座学。佐藤先生が執筆された学術的な冊子を見ながら、古瀬戸内海と瀬戸内火山岩類について説明を受けた。その後ジオパークとは、から始まり、大阪東南部の地形地質、嶽山と汐ノ宮の火山岩や河原の石ころ、川の作る地形について講義を受けた。

 午後は汐ノ宮に移動し、石川の川岸をたどって川の中ほどの溶岩の観察を行った。柱状節理を間近に見、手で触れて上から下へ移動すると滑らか、下から上へは引っかかりがあることを確認した。柱状節理の一辺は約20cmあり、高さはその10倍の20mくらいあるらしい。溶岩の冷却面に対して垂直に柱状節理が入ることを、乾いた田んぼや鏡餅を例にわかりやすい説明を受けた。溶岩と泥岩の境目では、黄色い泥岩の中に溶岩が入り込んで混ざり合った黒い安山岩が見られた。泥の地面に溶岩が流れ込んだ境目には、崖の斜面があったと考えられるらしい。1500万年前に溶岩が流れ、石川はまだできてから40万年くらいしかたっていないという。川面にはあちこちで炭酸ガスが湧出する様子が見られた。岩石の観察では泥岩の中にガラス質の鉱滓、カンラン石の宝石ペリドットを見つけることができた。ずっとこのままここに居たいような気分だったが、先生に促されて次は河原の石ころ観察。河原の石は上流から流れて来るので、そこから地層を知ることができるという。それぞれに石を集めて先生に同定をしていただいた。

 溶岩と石川を離れ、次は段丘断層の観察。平坦部分は段丘で急な断層は川が流れていたところだという。実際に段差の場所を見ることができた。坂の途中の土が露出した崖では石ころが見られた。これは昔の石川で28000年前の地形らしい。最終目的地の菅原神社の前で、この辺りも石川だったと聞いた。

 壮大な時間スケールの話を、身近な地域の地質地層の成り立ちをテーマに勉強し、汐ノ宮のジオパークに魅力を感じ、地質について興味を持つことができた。                                           E.H.

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