第115回吟行部会の活動報告 

日 時 ; 令和3年11月20日(土)10時30分~15時

場 所 ; 泉北大蓮公園 句会会場;堺市立南図書館集会室

参加者 ; 14名

 連日の好天気で、小春日和の中をのんびりと公園内を散策しました。陶邑窯跡群の一つ、栂第61号窯の複製を見学して、公園の3分の1を占める大蓮池を巡り、池そばのベンチで早めのお弁当タイム。その後、予約していたカフェに移動して、和室でコーヒーを飲みながら当日句の推敲にかかりました。のんびりしたカフェで、注文がなかなか揃わなくて皆さんにはご迷惑をお掛けしました。(M.F)

当日参加者の代表句

湯豆腐に黙々食べる五十年    尚文

枝の先命尊し帰り花       ゆう一

老いの樹や恥じらひながら返り花  たけみつ

鳰(かいつぶり)波紋のそとに又波紋  洋々志   

フルートに照る陽和らぐ冬の縁側⁽えん) まさこ

小春日やをんな究めて逝く白寿  ゆき雄

ブラウスに袖通さずや冬支度   あきこ

桐落葉ひとはひとはと拾うなり  みえこ

まほろばの甍に添ひて返り花   流以

冬空に赤銅色の月ありて     河笑流

紀三井寺見上げ見返る帰り花   笑子

追はるよに退院の朝返り花    都史子

ふわりふわ日差し集めて竈猫   桂子

山畑の茶の花淡し一日かな    ふじ乃

当日句

特選  小春日や須恵の煙の見えたよな  流以

入選  古窯址に鳥語のシャワー冬うらら  ゆき雄

 

吟行部会の10月活動報告

第114回吟行部会報告

日時 : 令和3年10月16日(土)10時~14時半

場所 : 泉北・美木多 美多彌神社、放光寺、和田家跡 (句会は美多彌神社内の美修館にて)

参加者 : 11名

天気が心配されましたが、当日は晴れて散策日和となり、光明池駅を出発。緑道を歩き、鴨谷地区を抜け、まだまだ農村風景が残る美木多地区へ。途中放光寺、和田家跡を廻ってから、美多彌神社へ。古い由緒ある神社の由来、新しい耐震方式の石の鳥居、境内の尻深樫の森、例年3月に行う流鏑馬の話など、豊島宮司さん自ら楽しくお話していただきました。更に境内では、近くの人たちが参加の、竹明かり作りや注連縄用の稲わら袴取りなどを開催して、この地区のコミュニティーセンターの役割をしており、感心致しました。私達は敷地内に新しく建てられた「美修館」をお借りして、話題の多い、楽しい吟行会でした。

当日参加者の代表句

  • 石段の木の実選びて持ち帰る     尚文
  • 葉佃煮せっせと作る夜長妻      ゆう一
  • 土器の底縄文人の木の実かな    たけみつ
  • 鬼ヤンマ去ってまた来てまた去って   洋々志
  • 悉く鰯雲なり西明し           まさこ
  • ぐうの掌に木の実を隠し「どっちかな」  ゆき雄
  • 畔の道前へ前へと飛ぶばった      みえこ
  • 人工呼吸音(おと)が返事の夜長かな  流以
  • 秋の川映す雲なく澄み渡り       河笑流
  • 秋風や登城の道の割れ瓦       都史子
  • 長き夜夢の合間に朝が来る      桂子
  • 落ち栗で一膳分のおこわ炊き     ふじ乃

当日句

  • 特選  秋麗やお宮見守る王の森      河笑流
  • 入選  御祈祷の母子に号鼓の秋日和   流以

吟行部会の7月活動報告

第113回吟行部会報告

  1. 日  時:令和3年7月17日(土曜日)10:00~15:00
  2. 場  所:河内長野周辺散策(長野神社、西條酒造、石川、スーパーイズミヤ)     句会はノバティー南館会議室
  3. 参加者 :14名
  4. 活動内容:

コロナ禍で、メール句会ばかり続きましたが、久しぶりの吟行会でした。参加者の方々は、皆さんお元気で、この部会でしかお会いできない方々にもお目にかかれました。当日は、過去最長(62日間)の梅雨が明け、汗が噴き出るほどの暑さの中、長野神社~西條酒造~石川(河原)と散策しスーパーイズミヤの「ゆいテラス」の気持ちのいい空間で各々昼食をとり、一息入れて句会の会場であるノバティー南館の会議室に移動して句会を行いました。 本当に久しぶりで、和気藹々と楽しいひと時でした。      報告文責 佃慶子 写真責 松下洋介

 参加者の代表俳句は下記の通りです。

  • 垣根越し軒下簾浪漫あり    智勲
  • 簾越し小さな庭も京風情    尚文
  • 梅雨晴れに羽根を繕うからすかな  松園
  • 縁側の簾を潜り友の顔   ゆう一
  • 夕立やスニーカーが駆け抜ける  たけみつ
  • 窓を開け一会の風と昼寝かな  洋々志
  • 登り窯包みて揺らし蝉時雨   ゆき雄
  • 初ゼミや飛び出せ吾も旅の空  あきこ
  • 水遣りの手に触れ匂う青トマト  美枝子
  • 朝焼けの峰に湧く雲山の山   流以
  • 夏の日の海の向こうの翔タイム  河笑流
  • 初生りの隠れて小さき割れトマト  都史子
  • 背負い児の寝息きこゆる夕焼けよ  田村桂子
  • 夕立に伊予青石の蘇り    ふじ乃

当日句

  •  特選  大樽の鎮座の酒肆の溽暑かな  ゆき雄
  •  入選  方陰に杉玉ゆらり蔵屋敷   田村桂子

吟行部会の11月活動報告

1.日 時 : 020年 11月21日(土)

2.場 所 : 風輪寺 狭山神社 中高野街道

3.参加者 : 14名 投句者:3名

4.活動内容 : 大阪府もコロナ感染が拡大しつつ状況。心配しましたが吟行会皆元気でした。小春日に恵まれて小さなお寺、山茶花の咲き誇る神社の境内、中高野街道をのんびりと、いや当日句を考えながら歩きました。その後さやかホールにて部会をしました。

   各人のベスト句は下記の通りです。

  • 掃き溜まり風に舞いたる枯落葉     智勳 
  • 短日や雨戸早めに閉めにけり      尚文 
  • 団栗をぱりぱり踏むや石の段      松薗
  • 山茶花や白い花弁が散り競ふ      ゆう一
  • 小春日はベランダカフェの開店日    たけみつ
  • 唯一枝ただ一枚の枯葉かな       洋々志
  • ピーポーの後の静寂や月冴ゆる     まさこ
  • 木の実独楽幼きころの夢廻る      ゆき雄
  • 陽だまりの恋しくなりし初冬かな    あきこ
  • 朱くしてさびしきいろのからすうり   みえこ
  • 小春日や親子の長靴かきね端      流以
  • 枯葉舞うああ一年の早きこと      河笑流
  • 風さらう枯葉追う子の背ぬくし     笑子
  • 小春日に誘われ君の月参り       都史子
  • 小春かな窓に馴染みのふくら猫     桂子
  • 枇杷の花巫女持つ鈴の形なす      ふじ乃
  • 孫来たる日がな一日小春かな      体験者
  • 当日句 入選
  • 小春かな知らぬ顔する石地蔵      桂子
  • 枯葉にも派手と地味とが別れおり    ゆう一
  • 窓一面華やかにして帰り花       ふじ乃

吟行部会の10月活動報告

第104回吟行部会活動報告

  1.  日時 : 令和2年10月17日(土)
  2.  行先 : 狭山池、さやかホール
  3.  参加者 : 15名
  4.  活動内容 : コロナにより吟行部会は4月よりメール句会となっており8か月ぶりの通常開催となった。新入会員4名を加え総勢15名の参加となった。生憎雨で狭山池まで歩きさやかホール会議室にて約1時間半恒例により選句。尚、当日句は選句時間なく提出だけにし後日メールで選句となった。コロナの影響で食事なく昼前に解散した。(写真 文責  大塚 尚)
  5.  各人の代表選句
  •  庭草の雨に沈める秋の暮     あきこ
  •  山里は追う子もなくて群とんぼ  みえこ
  •  秋さびし母の時計のベルト穴    流以
  •  分け入りて日射美味しいすすき原    智勲    
  •  冷やかな空気纏いし朝散歩    河笑流 
  •  赤蜻蛉青空向けて放しけり       尚文    
  •  秋思なし笑う友いて日が暮れる   宏子
  •  板の間の一雨毎の冷やかさ       松薗   
  •  燈籠や芒の迷路の道標       敏子 
  •  ひょっこりととんぼ一匹葉先着く   ゆう一   
  •  音もなし断捨離の部屋芒生け    桂子      
  •  澄んだ青に雲の流るる秋日和    たけみつ   
  •  今更に亡き親恋ふる秋思かな    正子
  •  大歓声赤が白抜く運動会       洋々志 
  •  兵馬俑の胡人の眉の秋思かな     ゆき雄
  • 当日句 
  •  特選  古代池霞む浮島秋深し   たけみつ 
  •  入選  秋雨に湖面の鳥も静まりぬ    松薗     
  •    入選  鳥渡る狭山の池に飛沫(しぶき)立つ 河笑流     
  •    入選  秋冷や一期一会のありがたさ    洋々志
     

 

吟行部会2月活動報告

第97回吟行部会活動報告

日時:令和2年2月15日(土)

行先とテーマ:西宮・白鹿記念酒造博物館 「灘五郷の酒造りの歴史を学ぶ」

参加者:10名(欠席投句2名)

活動内容:「見えぬ敵」新型コロナウイルスの感染が広がるなか、参加者は全員、マスクをして緊張の面持ち。最初に「宮水発祥の地」の記念碑を見てから博物館へ。館は記念館と酒蔵館があり、レストランの白鹿クラシックスが隣接している。記念館では節句人形を展示する特別展「令和を寿いで」が開催されており、天皇の装束である黄櫨染(こうろぜん)の袍(ほう)を着けた人形など、豪華で格調高い雛人形の美を堪能しました。酒蔵館では、巨大な樽など酒造りの各種道具を見ながら、日本酒造りの奥深さを学びました。白鹿クラシックスでの句会では、馥郁とした白鹿のお酒を少しずつ味わい、和気あいあいのムードでした。

各人の代表選句:

葬送や別れ惜しみて増す余寒  智勳

裏庭に小さき芽吹き見つけたり  尚文

寒烏風に乗りてぞ遊びける  松薗

猫やなぎ水辺に映へて愛らしい  ゆう一

宴終わりそぞろ歩きの余寒かな  たけみつ

黙礼に黙礼返すマスクかな  洋々志

白梅や瞬かず蕊触るるほど  まさこ

ぼやきつつ逝くノムさんの余寒かな  ゆき雄

珈琲の漂う朝に初音かな  あきこ

そら豆の一尺伸びて春の空  みえこ

蹲の余寒の水や掌に重し  流以

白だけでただ雪だけで息を呑み  河笑流

当日句

特選 美酒醸す宮水の妙雛の宴  まさこ

入選 樽廻船美酒載せ急ぐ春の海  流以

写真、文責 渡口 行雄

吟行部会1月活動報告

”道修町ミュジアムストリートを歩く”

1月18日(土)、冬晴れの気持ちいい一日、句会を楽しんできました。日本の医薬品産業の発祥の地、道修町、江戸時代から脈々と続きます。今も、医薬品物流の2分の1はこの地から、と言われています。御堂筋から堺筋までの、ほんの300メートルのビジネス街に製薬会社が並び、医薬に関する展示施設がいくつも有る「ミュジアムストリート」、そして、医療の神様”神農さん”と親しまれている少彦名神社があります。

土曜日のビジネス街ゆえ、クローズの展示施設が多く、残念でしたが、種々のショーウインドウの展示や、戦災にも焼け残った古い薬業問屋の懐かしい佇まい等も楽しみ、「道修町資料館」で薬業の歴史を学び、「少彦名神社」にお参り、健康を祈りしてきました。

時流れ変われぬ願い去年今年      智勲

昼下がりひとり静かに日向ぼこ      尚文

初詣ここが古里思い決め         松園

ポトポトと落ちる点滴冬の雲       ゆう一

恋猫は尻尾を立ててしのびより     たけみつ

日向ぼこ老いのハミング子守唄     洋々志

仏壇の灯の揺れや去年今年       まさこ

初詣さびれし宮のにはか巫女      ゆき雄

昭和かな銭湯巡る冬の町         あきこ

初詣スマホ光りて帯となる         みえこ

誕生日吾を鼓舞する冬嵐         流以

正月は何人家族や布団干し       河笑流

当日句

特選   神農さんビルの谷間で風邪を撃ち   たけみつ

佳作   吉兆の願かけつつく張り子虎      流以

以上  村上 昌子

吟行部会12月活動報告

第95回吟行部会活動報告

日時:令和元年12月21日(土)

行先:大和西大寺:神功皇后陵、秋篠寺

参加者:14名

活動内容:

暖かい小春日和の中、平城駅をスタートし神功皇后陵へ。御拝所や濠などが整備されており、全員気持ちよく参拝する。そこからは、トラクターなどで秋起こし中の農道を進み、競輪場の中を横断すると目の前が秋篠寺。山門前で記念撮影。苔の庭と重要文化財の伎芸天を拝観する。頭部は天平時代作の乾漆、身体は鎌倉時代作で寄木の木彫の珍しい仏像、首を傾げたその魅力に一同は虜になりました。バスで大和西大寺駅前の、江戸川奈良ファミリー店で昼食と句会。今年最後の締めくくりで、難波に戻り有志で忘年会。アツアツのたこ焼きと各々が「今年一年の俳句を振り返って」を話して盛り上がりました。なお、残念ですが今回で藤浪さん、西川さんが引退されます。また時々はお元気なお顔をお見せ下さい。

各人の代表選句:

故郷のずしりと重き柿をむく 眠童

葉を持つも力が尽きし枯木かな 智勲

枯葉舞うシャッターチャンス待ちにけり 尚文

セーターを変えても曲がる吹矢かな 粋泉

風強し冬が匂うと妻の言う   松薗

冬至の日散るさくら葉の一秒ぞ ゆう一

冬木立天に突き刺すあばら骨 たけみつ

長き影引き連れ渡る冬の橋 洋々志

短日やトトロ流るる商店街 まさこ

句座統ぶる赤セーターの熟女かな ゆき雄

短日や布団の中は夢心地  あきこ

見送りのテールランプに暮早し みえこ

散歩犬急かされ歩く日短かな 流以

短日や公園の声早く止み  河笑流

当日句

特選 首少し傾ぐ天女や冬の縁(えにし) まさこ

入選 冬麗の天女に魂を吸われけり  ゆき雄

写真、文責 松下洋介

吟行部会11月活動報告

第94回吟行部会活動報告

1.日 時: 令和元年11月20日

2.場  所:  小谷城郷土館・桜井神社・感應寺 上神谷散策

3.参加者: 13名

4.活動内容

  秋晴れの散策には絶好の一日。知っている様で意外と知らない 私達が居住している素晴らしい所を 仲間と巡りました。まず、旧住宅街にひっそりとある「小谷城郷土館」を訪ねた、施設員からの説明もそこそこに急ぎ次の桜井神社へ、今秋 建立された大鳥居を見上げ、堺市唯一の国宝・割拝殿に参拝参道から上神谷の里山を(人も車も余り通らない)ひつじ田を見ながら感應寺へ、解放されて歩くのも気持の良いもの、空腹も限界になったところで食事処に到着。ゆっくりと昼食の後 6人室に13人 ワイワイと賑やかに句会を楽しみました。

5.  選句

   団栗や蹴る子投げる子集める子        眠 童

   保津川峡落葉と共に舟下り           智 勳

   湯冷めして妻の上がりを待つ身かな      尚 文

   オリオンの一夜の渡りロマンあり         粋 泉

   日溜まりや祖母の思いで吊し柿        松 薗

   思い切り落葉押し込む袋三つ         ゆう一

   姑の背の落葉踏みなる百度石         たけみつ

    段ボール白菜の尻並びたる          洋々志

   りんご焼く真紅の艶の香ばしき         まさこ

   オリオン座見上げて探す亡夫の星      あきこ

   包丁の研ぎ澄ましたる夜のオリオン     みえこ

   さくら猫側溝おくの落葉床           流 以

   レーザー光線触れているよな鼓星      可笑流

6.当日句

  特選 :  小春日や落城の郷静かなる     洋々志

  佳作 :   大鳥居駕する夢もて七五三      流  以