吟行部会の11月活動報告

月  日:11月18日(土)

場  所:天見駅周辺(河内長野市)

参加人数:13名

兼  題:「時雨」「小春」「木守柿」「熱燗」

 雨降りの中、天見駅で集合。急な冬の訪れに寒い寒いと言いながらそれでも普段見られない雨に煙る山里を堪能し昼食と句会会場である 山川草膳「久右衛門」さんへ。雨の為予定より早く迎え入れていただきました。句会中、風が吹いたり、霰が降ってきたり、雷が鳴ったり、時折晴れ間がのぞいたりと冬の天気のオンパレード。変化に富んだ空模様を楽しみ、暖かい部屋での句会。帰りは嘘のような青空でした。(KT)

11月度会員代表句

短日の門を灯して出かけたり    尚文

淡墨の暮るる山々夕時雨      たけみつ

小春日が覗く新芽に宿りたる    洋々志

山間の高稲架闇に吞まれゆく    みえこ

思い込め取り残したる木守柿    河笑流

空と地をふうはり分きて時雨雲   流以

もう鋏届かず百の木守柿      都史子

立ち話また人増えて小春空     ふじ乃

山里に生きて渋柿くれし友     楠子

出雲路や傘を忘れて時雨ゆく    万未知

亡き父とたたみいわしと熱燗と   佐都

花街の匂ひを変へて小夜時雨    行行子

買い物の一と品忘る時雨かな    福老

当日句(同票)

特選 猫走るつかの間霰降り初めて 楠子

特選 山里は冬の気配や山瘦せる  みえこ

 

野鳥部会の11月活動報告

活動日  : 11月15日(水)  

探鳥地  : 鶴見緑地公園

参加者 : 24名

 観察種数: 28 種 

 集合時、鶴見緑地駅前の街路樹の梢でモズが迎えてくれ、スタート直後に駅舎の周りを行きかう2羽のハクセキレイ、道路脇の植込みに出入りするスズメ、上空を群れで飛ぶムクドリなどを観ながら公園内へ。公園に入ったところでメタセコイアの樹上に1羽のツグミが。今季初見の人も多くじっくりと観察した。その後風車の丘までの道中はヒヨドリとカラスの声ばかりで、小鳥が中々見当たらない。

 山のエリアでは木の葉にアサギマダラが翅を休めているのを発見。小鳥が少ない中、ひと時を蝶に癒された。近くでウグイスの地鳴きの声、高い枝で見え隠れする数羽のシジュウカラがいるが、はっきり姿を見ることはなかなか難しい。森を抜けると上空を飛翔するオオタカを全員がしっかりと観察。四季の池ではマガモ・カルガモ・アオサギ・コサギ等とともに池畔の松の横枝にとまってこちらを向いて動かないカワセミをじっくりと観察した。欲を言えば鮮やかなコバルトブルーの背中も見せてほしかったが…。

 昼食後は大池の周りをめぐって水辺の野鳥を観察することに。マガモとコガモの大きさの比較やオスメスの違い等を観察。花さじき前では鳥たちは餌付けされているようで、近づいても全く逃げることもなくヒドリガモ・オナガガモ・キンクロハジロ・ホシハジロに混じって1羽のアメリカヒドリやコサギ等々が集まっている。また、一部のヒドリガモやオナガガモは岸に上がって昼寝?をしているが時々目を開けてこちらを窺っている様子もみられた。今回も小鳥たちが少なく少し寂しい思いもあったが、水辺のカモたちを間近でじっくりと観察できたのは良かった。 (K.I  写真K.T)

ハクセキレイ 若鳥

上空を飛ぶオオタカ

全く動かないカワセミ

マガモとコガモのご挨拶

カモたちの日向ぼっこ

ヒドリガモとアメリカヒドリ

直ぐ潜るカンムリカイツブリ

(参考)下見で会えたメジロガモ

16期生の11月15日講座報告

年月日  2023年11月15日(水)  晴れ

講座名:奈良公園の巨樹観察①

講師:甲斐野 幸一先生(グリーンあすなら代表)・スタッフの方2名

場所:奈良公園(興福寺周辺・春日大社周辺)

 穏やかな秋晴れの中、奈良公園での観察会が始まった。まず初めに配られた紙に各自誕生日を書いて提出。これは後の楽しみだとか?次に画用紙が配られ、それぞれの葉っぱ図鑑を作ることに。葉やドングリを拾っては説明を聞き、セロテープで貼り付けてメモをする。ソメイヨシノからスタートし、スダジイ、イチョウ、クスノキ、興福寺の五重塔を見つつ移動。橘の実を愛で、次はクロマツ。葉の観察、ムササビのエビフライを探し、松脂のにおいや樹皮の亀甲模様を確認。松くい虫で枯れた松、足元の芝生、なぜか奈良には多いナンキンハゼの謎を理解。サイカチの棘に驚き、ムクロジの実からできる石鹼水や数珠の話から日本の習慣の歴史にも触れた。イチイガシやケヤキを見て、荒池園地で昼食。

 午後からは巨樹観察を中心に移動。エノキ、コブシ、イヌシデの種が風で舞う姿を想像し、飛火野へ。見渡す芝生を移動して、大洞クスノキを観察。八度の落雷で中は空洞で今も黒く煤けた跡が残る。それでもしっかりと樹皮が巻き込み生き続ける巨樹の生命力に感動。クスノキ三兄弟や、ケヤキとクスノキの共生する姿に植物の知恵を知った。

 ただ樹木を観察するだけでなく、この異常な気候変動の中でも逞しく慎ましく、そして共生しながら命をつないでいこうとする植物の知恵や不思議に触れた。また実験あり、樹高や幹周を測ったりするなど、有意義で楽しい観察会だった。

 さて、最初の誕生日を書いた紙は、それぞれの誕生木が記入されて手元に返された。短い昼休憩のときにガイドさんたちが全員分調べて書いてくれたのだ。(私はオウゴンキャラボクだった。)すてきなマイ葉っぱ図鑑とともに、なんて素敵なプレゼントだろうか。「ありがとうございます。」 K.T

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

本日の収穫、世界で一つのマイ葉っぱ図鑑!

ムクロジの実(左)・シカの大好きなスダジイの実(右)なかなか見つからないのはなぜ?

石鹸できました!原料はムクロジの実の皮。

ムクロジの巨樹、中の空洞には立派な竹が。ちょっと心配。

立派なエノキの根。かつて土塀の上にあった根。土塀は崩れ、あとは形だけ?

重なる落雷にも耐えてきた大洞クスノキ。守っていきたい。

決して捕まったのではありません。巨樹(イチイガシ)の大きさを実感しているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウォーキング部会の11月活動報告

実施日:2023年11月9日 晴れ

行き先:明日香(奈良)

参加者:33名

 秋晴れの明日香村を歩きました。飛鳥駅の東側は、石舞台等多くの観光の名所があります。過去に2回、ウォーキング部会で歩きました。3回目の今回は、飛鳥駅の西側の地域を歩きました。明日香では、マイナーな観光地域ですが、数多くの古墳群が点在しています。その中を、岡寺から飛鳥駅経由、壺阪山駅まで歩きました。観光協会の2名のガイドさんの親切で楽しい説明により、楽しいウォーキングとなりました。S.H

のどかな道をのんびりと歩きます

写真部会の11月活動報告

実施日 : 11月8日(水)

行き先 : ハーベストの丘

参加者 : 4名

 各自バスや車でハーベストの丘へ。天気は雲一つ無いまさに秋晴れ。 メンバーから「少し雲があった方が良い絵になるのに」という声も。 園内を散策し、食堂で昼食後に歓談して解散しました。(M.S)

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里山保全部会の11月活動報告

月 日 :  11月3日 (金)

場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

参加人数 :  14名

活動内容 :

青空好天の秋11月部会は残暑もよう、活動舞台の通称(奥の谷)は町中より快適感あり14名の参加で開催。 

山組は今月もこの数ヶ月続く山中に生える笹やシダの伐採作業と枯れ枝集め (この文先々月、先月に同じ)。←悪ノリ  放置された缶・ビン類を一輪車で車の入る通路(軽自動車しか入れない)まで運び出しの情けない作業も。富田林の自然を守る会の会員も一緒に活動し作業ははかどりました。

畑組は玉葱、ナンバネギ、春菊、絹さやを植付け。里芋はグーンと生育し来月収穫する事になりました。先月植えたわけぎ、ナンバネギ、にんにくも異常気象に負けず元気に育っています。

*各写真はクリック毎に拡大され、解像度上がります。

今日もがんばるぞー ! シニア里山部会と富田林自然を守る会のメンバー

山肌を覆った蔓や笹を伐りのぞく                      ・

自然豊かな里山に捨てられた空缶・ビンを一輪車で運び出しの情けない作業

1カブ、1カブ元気に大きく育ってねと春菊に呼びかけて植付け

植えたナンバネギに1本、1本ていねいに水やり

グーンと大きく育った里芋 ! 来月は収穫だ

 

16期生の11月8日講座報告

年月日:2023年11月8日(水)晴れ

講座名:地質観察①

講師:佐藤隆春先生 大阪市立自然史博物館 外来研究員

場所:ノバティホール ・汐ノ宮

 晴天に恵まれた気持ちの良い秋の一日、汐ノ宮で地質観察を楽しんだ。

 午前は座学。佐藤先生が執筆された学術的な冊子を見ながら、古瀬戸内海と瀬戸内火山岩類について説明を受けた。その後ジオパークとは、から始まり、大阪東南部の地形地質、嶽山と汐ノ宮の火山岩や河原の石ころ、川の作る地形について講義を受けた。

 午後は汐ノ宮に移動し、石川の川岸をたどって川の中ほどの溶岩の観察を行った。柱状節理を間近に見、手で触れて上から下へ移動すると滑らか、下から上へは引っかかりがあることを確認した。柱状節理の一辺は約20cmあり、高さはその10倍の20mくらいあるらしい。溶岩の冷却面に対して垂直に柱状節理が入ることを、乾いた田んぼや鏡餅を例にわかりやすい説明を受けた。溶岩と泥岩の境目では、黄色い泥岩の中に溶岩が入り込んで混ざり合った黒い安山岩が見られた。泥の地面に溶岩が流れ込んだ境目には、崖の斜面があったと考えられるらしい。1500万年前に溶岩が流れ、石川はまだできてから40万年くらいしかたっていないという。川面にはあちこちで炭酸ガスが湧出する様子が見られた。岩石の観察では泥岩の中にガラス質の鉱滓、カンラン石の宝石ペリドットを見つけることができた。ずっとこのままここに居たいような気分だったが、先生に促されて次は河原の石ころ観察。河原の石は上流から流れて来るので、そこから地層を知ることができるという。それぞれに石を集めて先生に同定をしていただいた。

 溶岩と石川を離れ、次は段丘断層の観察。平坦部分は段丘で急な断層は川が流れていたところだという。実際に段差の場所を見ることができた。坂の途中の土が露出した崖では石ころが見られた。これは昔の石川で28000年前の地形らしい。最終目的地の菅原神社の前で、この辺りも石川だったと聞いた。

 壮大な時間スケールの話を、身近な地域の地質地層の成り立ちをテーマに勉強し、汐ノ宮のジオパークに魅力を感じ、地質について興味を持つことができた。                                           E.H.

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

アウトドア部会の10月活動報告

実施日 : 2023年10月30日(月) 晴れ

場  所 :  亀岡・保津川

参加人数 : 15名

活動内容 :
 今期より発足したアウトドアクラブ部会の初めての報告です。数日前から温度が低い日が続いて、心配しましたが、幸い朝から晴れてくれました。JR嵯峨野線馬堀駅下車後すぐのイベント会社で着替えを行いました。水着の上にウレタンウエットスーツ、ジャケット、風除けナイロンジャケット、ヘルメットで完全防備です。危険予防の説明後、徒歩で数分の保津川へ到着した。幸い風も無く、7人と8人の2隻のゴムボートに分かれて出発し、約5キロ、2時間半のコースにある約20か所の激流に向かいます。皆さん興味津々でさあ最初の激流に突入しワイワイきゃあきゃあ。始めから水しぶきで頭からずぶ濡れ状態、半分を過ぎたところのゆるやかな所で川へ入り泳げない人も、ラッコさん状態でプカプカしたり泳いだり、おもしろいねと。もう少し下ったあたりで土手へ上がり、3メートル高さからほとんどの方が決死の覚悟で飛び込みしました、いい経験でした。帰りはそのままの姿で一駅JRに乗るのも面白い体験です。遅い昼食はバイキングをいただき満足の1日でした。(S.H)

完全防備で出発

ゆったりとした流れといい景色

さあ激流に突入します

緊張の一瞬

わーっ キャア

泳げない人もプカプカ浮かんでます

顔も引きつりますが気合で

ああいい体験良い一日でした

 

 

植物部会の11月活動報告

観察日 : 11月1日(水)晴れ、

観察場所 : 金剛山山麓 百カ辻、五条林道

参加者 : 16名

 秋晴れの好天気に恵まれる。ここロープウェイ乗り場バス停は海抜600m以上の高さにあり、少し肌寒い位だ。 日々秋も深まり四日前の下見時の景色より一段と紅葉が濃くなり、回りの花は少なくなってきたようだ。 バス停付近ではノコンギクとハナタデ、イヌタデが元気。他には花が終わって結実やその種が散った姿となったシラネセンキュウ、ヒヨドリバナ、イタドリ、ボタンヅル、コアカソ、カラムシを観察。 そして一本の木にアカネ、スイカズラ、ノブドウ、ヘクソカズラと4種のツタ植物が絡みついた実をそれぞれ見分け確認する。 その近くではサガリバナが赤い実をつけていた。  

 百カ辻付近ではケシロヨメナやヨシノアザミが一面に咲いていたが、既に一部は勢いをなくしてきている。アキチョウジ、ミズヒキ、ハナタデ、アキノキリンソウ、イヌトウバナはまだまだ元気だ。キンミズヒキやクルマバナ、オトコエシ、ヤブマメはまだ少し花を残してくれていた。 結実したウバユリ、イヌコウジュ、ミゾソバ、ツリフネソウやフユノハナワラビを観察しながらロープウェイ道を上がる。 入口付近のナギナタコウジュはもう花色を失い、テンナンショウは赤い実をつけている。 途中、シュウブンソウ、ヤブタバコ、ガンクビソウのよく似た三種が隣り合って咲いているのを見つけ、その違いを観察する。 他にはゲンノショウコ、メヤブマオウ、アオミズ、ヤマトキホコリ、ダイコンソウの花を確認。

 午後からは府営駐車場まで下る。その回りではケシロヨメナばかり目立つが黄花のヤクシソウと大きな一株となったイナカギクをようやく見つけほっと。 五条林道までのバス道路沿いはノコンギクが溢れている。 林道入口ではアブラチャンの実を頭上に見つけ、林道沿いは花が終わって実のついたノブキ、アキチョウジ、ダイコンソウ、イヌコウジュ、キンミズヒキ、ミカエリソウ、モミジガサ、ツルニンジン等々の秋の植物が埋め尽くしている。 マツカゼソウは少しアキギリは一輪だけアケボノソウは数輪だけだが花を残してくれていたのは幸いだった。 (M.K 写真Y.M)

オトコエシ

ケシロヨメナ

ヤクシソウ

ミゾソバ(ウシノヒタイ)の実

フユノハナワラビ

クルマバナ

アキノキリンソウ

イナカギク

16期生の11月1日講座報告

年月日  2023年11月1日(水)  快晴

講座名:ブナ林の保全

講師: 土井 雄一 先生(和泉葛城山ブナ愛樹クラブ代表)

場所: 和泉葛城山の山頂付近

ブナ生育の南限の環境に近い和泉葛城山では、ブナの自然林が国の天然記念物の指定を受けてから100年を迎える。

快晴の中、午前中はブナ林を周遊し観察した。午後からは愛樹クラブでヒノキ伐採と丸太切りを体験した。愛樹クラブは自然林の周辺でブナの植樹や育樹などをしながらブナの森を守る活動をされているボランティアグループ。

ブナとイヌブナの樹皮や葉の違いなどを聞きながら歩いた。標高が低く気温が高めの葛城山では自然林のブナが減少を続けており、枯れたブナも多く見受けられた。観察の終わるころにはブナとコナラやリョウブやウリハダカエデなどとの区別ができるようになった。ブナは5~6年ごとに多くの実をつけるが、今回はブナの殻斗や実は全く見当たらず足元は落ち葉だけだった。

大峰や高野の山並みを見渡せる広場での昼食ののち、愛樹クラブの作業場に移動してヒノキの伐採を体験した。木を倒す方向を決め、倒す方向に受け口を切り、反対側に追い口の切込みを入れる。その後、木に結び付けたロープで引き倒す。交代してノコギリで切込みを入れる実習をするが、斜面の足場やノコギリの使い方が難しく助けてもらうことが多かった。講座生がロープを引き、倒したヒノキの枝を切り払った。

ブナの自然林は減ってはいるが、和泉葛城山の山頂付近ではブナに加えコナラやカエデやリョウブなどが色とりどりに見事な紅葉を見せてくれた。天気に恵まれて暖かな楽しい一日であった。(H.I)

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

見事な大きさと枝ぶり、ブナも歳を経ると貫禄あるな!

色とりどりな紅葉に思わず見とれて立ち止まった。

ブナの殻斗(カクト)と果実、今年は見つけられなかった。

自然林のブナの5年くらいの実生、若いね、うらやましい。

腰を入れ受け口を切る、なかなか様になってるよ。

ヒノキの丸太切り、持ち帰ってヒノキ風呂かな?

上天気と紅葉に満足、講座生と先生が集合

石ころ部会の10月活動報告

月 日:R5年10月27日

場 所:兵庫県川辺郡猪名川町 多田銀銅山遺跡                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

参加者:22人

活動内容:

 晴れやかな秋空の下、今日は多田銀銅山遺跡の見学である。22名が阪急電鉄川西能勢口駅前に集合。バスに揺られること30分、歩くこと20分で多田銅銀山悠久の館に到着。4人のボランティアガイドの出迎えを受け、4班に分かれて見学開始となる。見る物は多岐にわたるが、主なものは悠久の館の展示(銀銅山に関わる鉱石、道具、絵図、古文書など)、隣接の悠久広場(明治期の精錬所跡:レンガ構造物とレンガ敷遺構)、坑道(台所間歩、瓢箪間歩、青木間歩)など2000以上もの坑道があるそうだが、青木間歩では実際に坑道に入り、幾つもの鉱脈(石英脈)をくっきりと見ることができた。国史跡、町指定天然記念物の大露頭まで歩けば当時の鉱山の賑わいが窺える。鉱山の神様を祭る金山彦神社はスズメバチの巣が撤去されずに放置されているとかで参拝は取り止め。様々な遺構に目を奪われながらもよく歩いたものだ。万歩計は既に12000歩。そうこうする内に空模様も怪しくなり、家路を急ぐこととなったが、有意義な一日であった。

地質学の観点からポイントを整理すると:

 ● 多田銀銅山は二つの地質から構成されている。東側はジュラ紀以前に形成された超丹波帯と丹波帯の堆積岩類の地層が露出している。西側はその後の白亜紀後期に噴出した有馬層群の火山岩類(主には流紋岩質溶結性凝灰岩)がそれら堆積岩類を覆う形で分布している。

 ● 多田銀銅山は熱水鉱床に分類されるが、火山活動で熱水が岩の割れ目に入り、熱水に溶け込んだ銀や銅、鉛などの鉱物が石英成分とともに沈殿し隙間を埋めた鉱脈(石英脈)を有する。当地では主に班銅鉱、黄銅鉱に銀鉱物をともなう銀銅鉱が採掘された。何れも少量の銀が含まれるのが多田銀銅山の特徴のようだ。(I.S.)

多田銀銅山1

多田銀銅山2

 

 

 

マップ作り部会の10月活動報告

日 時 : 2023年10月23日(月)

場 所 : 新檜尾公園

参加人数 : 10名

 甲斐田川沿いから光明池までのコースは人の手が入った所が多かったので、今回は草の刈られていない新檜尾公園をゆっくりと観察する。  まず公園に向かう歩道橋から、細長い松かさのようなユリノキの実を見る事が出来た。  公園ではナス科のイヌホオズキと1950年頃から見られるようになったアメリカイヌホオズキを観察する。前者の葉は丸みを帯び果実は一点からではなく、ずれて付く。後者の果実は一点から出て光沢があるのでそこが見分けるポイントのようだ。 優しい薄黄色の花がそっくりなので見落としてしまいそうな、葉に切れ込みのあるアキノノゲシと葉が細長く切れ込みの無いホソバアキノノゲシを見る。どちらも夕方にはしぼんでしまうそうだ。 地面に広がる赤みを帯びた茎のコニシキソウ(小錦草・トウダイグサ科)も良く見れば可愛い杯状花を付けている。 タデ科ではアカマンマと呼ばれるイヌタデの他にボントクタデ(凡篤蓼)を見る。名の由来は葉に全く辛みが無いので役に立たないと愚鈍(ぼんとく)と付けられたそうだが愛らしい風情の花だ。 カヤツリグサ科ではカヤツリグサ、ヒメクグ、テンツキ(天突)を見る。

 小川のそばではジュズダマ(イネ科)が出現していた。 ホトトギス、ヒヨドリバナ、フジバカマ、薄紫色のヨメナなど秋の花を見る。  引き続き見られたのは鮮やかな黄色の花のブタナ、小さな黄色い花はオニタビラコ、オッタチカタバミ、コナスビなど、白い花のイワダレソウやヒメジョオンなども咲いていた。  木本では ハギが紅色の花を咲かせ、イスノキ(ヒョンノキ)は虫えいとは違うもっと小さい薄茶色の果実を付けていた。ラクウショウ(細い小さな葉や側枝は互生)の実が大きくなり、綺麗な樹形のメタセコイア(細い小さな葉や側枝は対生)は黄色く色付いて来ていた。

 昼食後は高台の原っぱに上がり、一面のメリケンカルカヤ(イネ科)の群生の中を通り、ナワシログミの白っぽく細長い実などを観察。また駅に戻る道ではフウ(別名タイワンフウ・葉が3つに切れ込む)、モミジバフウ(別名アメリカフウ・葉が5つに切れ込み鋸歯がある)などフウ類も多くみられたので秋の紅葉が楽しみだ。フウ類はモミジやカエデとは別の仲間で葉や枝は互生(カエデ類は葉・枝は対生)。またイガイガの丸い実をぶら下げているが、良く似たプラタナス(別名スズカケノキ)の実と違って硬く、踏んでも簡単には潰れない。  また至る所でイネ科の花を見る。大型なので青空に映えるセイバンモロコシ。タチスズメノヒエ、シマスズメノヒエ。コブナグサやチヂミザサの群生。エノコログサ類。カゼクサ、シナダレスズメガヤ、コスズメガヤ、メヒシバ類、チカラシバ、イヌビエ、ヌカキビ、アシボソ、ササガヤ等々。

  秋空のもと、気持ちの良い一日を過ごす事が出来た。  9月に観察した場所は刈られてしまったが、10/18に見て来ていたので一部報告する。 イヌハギ 八方に枝を伸ばして咲いていたクリーム色の花は終わり、球状の閉鎖花を付けていた。 コガンピ 花は細長い実に変身していた。 ヌルデ 実はしょっぱい味がするというので舐めてみた。小さな実が白い粉を吹いているのだが、酸味、塩味、さらに甘味も少し感じられた。戦時中はこの粉を塩の代わりにしたとか。   (文・写真 Y.M)

イヌハギ・閉鎖花

ホソバアキノノゲシ

イスノキ(ヒョンノキ)果実

ボントクタデ

ヌルデ実

イヌホオズキ

コニシキソウ

アキノノゲシ

山歩き部会の10月活動報告

実施日 : 10月25日(水)天候:晴
行き先 : 高取城址・標高584m
コース : 壷阪寺バス停~五百羅漢~高取城址~土佐街道~壺阪山駅
参加者 : 26名

 秋晴れの素晴らしい天候に恵まれた。壺阪山から歩き出す。五百羅漢を見て、高取城址に向かう。日本三大山城の一つである。高取山の頂上に本丸があった。頂上からは、吉野方面が見え、遠くに大峰連山が望める。昼食と記念写真をとり、帰路に向かう。土佐街道に下る。土佐街道は、かかし祭りの最中であった。土佐街道は、高取藩の城下町である。土佐街道の土佐の名前は、飛鳥時代にさかのぼり、大和朝廷の都づくりに駆り出された、四国、土佐の人々が住み着いたことによる。高取町から毎日、高取山の頂上にある城に通っていたらしいが、1640年に新しい藩主になってからは、麓の高取町に城下町を作ったとのことである。(Y.Y)

高取山A班

高取山B班

高取山風景1

高取山風景2

16期生の10月25日講座報告

年月日  2023年10月25日(水)  晴れ

講座名:きのこ入門

講師:丸山健一郎先生(関西菌類談話会)

場所:ノバティホール・烏帽子形公園(河内長野市)

今回は、「きのこ入門」ということで、きのこ超初級の16期1年生。カラフルで豊富な資料ときのこの巨大模型を使って、いろいろな角度から楽しく詳しく興味深く説明してもらった。きのこに対する認識もすこし変わった気がする。自然界の中できのこの果たす役割や、菌根ネットワークの話、きのこと動物や植物との比較など、興味深かった。オマケの菌類利用の最前線の話から、代替肉・代替脂肪・代替レザー・代替プラスチックなど、さらにマイクロプラスチックの問題解決にも一役買ってくれるのではないかと。菌類の力の偉大さを感じた。菌類すごい!マッシュルームウオッチングの楽しみ方も学び、午後からの観察がワクワクするものとなった。

そして、秋晴れの中、趣のある高野街道を歩いて烏帽子形公園へ。うまく見つかるかなあと心配しながら、紙袋と割り箸をもっていざ採集。みんなの熱意の賜物か、途中の烏帽子形神社の祈願のおかげか、1時間ちょっとで30種以上のきのこを観察、採集することができた。「えっ、これもきのこ?」「小っちゃ~い!」「よく、見つけたね!」「きれい!」そしてお決まりの「これ、食べられますか?」の質問に、すかさず「どんなきのこも1回は食べられますよ。」と先生の優しい声。皆さん、2回目は一生ないかもしれないので、毒きのこには、くれぐれも注意してください。(中には、触っただけでも大変なことになるカエンタケもあり)

最後は、採集したきのこを並べて同定。顕微鏡も使ってクロアシボソノボリリュウタケの子嚢(しのう)の中の胞子も見ることもでき、すっかりきのこの魅力に憑りつかれた秋の一日だった。  K.T

【同定したきのこ(30種)】

・テングタケの一種・ベニタケの一種・カバイロツルタケ・ニガクリタケの一種・アセタケ・アカヤマタケ・ハラタケの一種・ムササビタケ・ホウライタケの一種・ウチワタケ・ワヒダタケ・エゴノキタケ・ハカワラタケ・ホウロクタケ・カワラタケ・ウズラタケ・ネンドタケ・カワウソタケ・ニクウスバタケ・コフキサルノコシカケ・ツガサルノコシカケ・アラゲカワラタケ・クジラタケ・ホコリタケの一種・ニセショウロの一種・ノウタケの老菌・クロコブタケ・チャコブタケ・クロアシボソノボリリュウタケ・サガリハリタケ・おまけでムラサキホコリ(粘菌)の一種も見つけました(笑)

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります

大きなきのこの模型でわかりやすい説明

なんとアリから生えた冬虫夏草        (きのこ)

 

さて、きのこはどこだ?                 (烏帽子形公園できのこ採集)

これもきのこ?サガリハリタケ見~つけた!

本日の収穫物を並べて同定します

最後に、可愛いきのこたち!ハイ、ポーズ❣

 

吟行部会の10月活動報告

月 日 : 10月21日(土)

場 所 : 富田林 寺内町散策 

参加人数 : 10名(欠席投句1名)

兼 題 : 菊、赤い羽根、秋収め、月

 さわやかな秋風に子供だんじりのお囃子に出迎えられ、河内長野寺内町(国の重要伝統的建造物群保存地区)へ、ボランティアガイドの案内で寺内町散策、白壁に大きな屋根 電線は地下 景観は素晴らしい旧杉山家住宅へ(重要文化財)丁度、期間限定で「露子忌」を展示していた。お天気にも恵まれゆっくり散策出来ました。 (MH 代MT)

10月会員代表句

秋暑く世の中異変起こりけり  尚文

菊の香の衣まといて坂下る   たけみつ 

暮れてなお工場の明かり降り月  みえこ

旅立ちは昴に召され秋の日に   河笑流

寂寥の間も与えずや秋の暮    流以

雲は神の通ひ路月まどか    都史子

渋皮煮作りて配る秋納め     楠子

見得を切る武者人形は菊満開   万未知

緩和ケア渇いた口へ菊の酒    佐都

和服着る蒼き眼の人月の宴    行行子

数百の階段上る月見かな    福老

当日句

特選 白塀の高き小窓に秋の風   行行子

入選 秋風に大屋根競う昔町    万未知

 

野鳥部会の10月活動報告

月 日 : 10月18日(水)

探鳥地 : 鉢ヶ峰(堺市)

参加者 : 29名

観察種数 : 17種

 秋晴れの好天気、鉢ヶ峰バス停付近は桜の葉が色づき始め、どこからかモズの鳴き声が・・・。 スタート地点の法道寺境内では金木犀の香りが漂う。 その境内の上池ではカワセミが横切り奥の樹木の中へと消えた。その池の奥にはハシビロカモ一羽を確認する。 集落に入ると色づき始めた柿を狙ってかハシブトガラスが騒がしい。集落が高台のためか、ここからは遠くの梢に止まるモズが良く見える。 集落を抜け稲刈りの済んだ田園では、ダイサギ2羽、ケリ7羽を確認する。 スズメは群れとなって多数。ヒヨドリはあちこちと鳴きうるさい位だ。 コスモス館前では昼食の前と後に、ノビタキをゆっくりとそして近くでしっかり撮影タイムとなった。他にはハクセキレイやイソヒヨドリを観察。

 白樫池では、カワセミが我々を迎えてくれた。池の柵に止まり長時間の休息? 最初は遠くからスコープで、そしてもう少し近づき双眼鏡で、最後は肉眼で見える場所まで・・・。池ではカイツブリが、池畔ではキセキレイを確認。 最後は昨年オシドリが確認された内河池に行くが水面は水草に覆われ、その所為か水鳥の姿が全く見当たらない。

 今回はカモ等の冬鳥や留鳥の小鳥が少なく、期待したワシタカも現れなかったことで、鳥の種数は少なかったが、ノビタキとカワセミを近くでじっくり観察でき、大満足の観察会となった。 (M.K、写真K.T、M.A)

ノビタキ1

ノビタキ2

ノビタキ3

カワセミ

 

 

 

 

いのちの営み探検部会の10月活動報告

テーマ :アサギマダラの渡り

月 日 :2023年10月16日(月曜日)

観察地 :河内長野市流谷周辺

参加者 :18名

 天見駅10時集合15名途中ボ谷分岐で3名合流。八幡神社上流部でアサギマダラ発見の情報で全員意気揚々でボ谷へ入ってすぐに一頭がヒラヒラと舞い幸先ヨシ!と期待しましたがその後ボ谷と上段の白樫谷では発見できず、ツリフネソウの群落で花の蜜を求めるキムネクマバチを観察。八幡神社で昼食・休憩、今年は大銀杏の実が小さく少ない様子。休憩中もツマグロヒョウモン、モンキチョウなどを追いかけていましたが一部の部員はアサギマダラを確認できたようでした。

 午後は砥石谷に入りましたがヒヨドリバナがあるのですが、アサギマダラに会えずアクシデントのため車道に戻り一応散会としました。その後有志でイシモト坂下まで探しましたが見つからず帰路につきました。途中では相変わらず草木や昆虫、粘菌の観察もした。旅する蝶 アサギマダラの美しさとたくましさを実感する一日でした。(T.Y)

*各写真はクリック毎に拡大され、解像度も上がります。

アサギマダラ

クマバチ・ツリフネソウ

ヒヨドリバナ

アケビ

ツルニンジン

マメホコリ(粘菌)

16期生の10月18日講座報告

年月日:2023年10月18日(水)晴れ

講座名:天体入門

講師:中島健次先生 那須香大阪天文台

場所:SAYAKAホール

 太陽、月、天体望遠鏡、惑星、恒星についての話、星座早見盤の作成と利用の仕方そしてプラネタリウムソフトMitakaを使った宇宙旅行の講座を楽しんだ。

 地軸の傾きにより季節によって太陽の高さが異なる事。太陽の黒点フレアの観測。フレアによって磁気に乱れが生じGPSの誤差が増えて電車の安全システム、車のナビ、流通管理システム、ロボットによる農作物の収穫に異常が生じる事。金環日食、皆既日食の起こる理由。月については皆既月食、部分月食、中秋の名月や旧暦で長い期間月を愛で楽しむ日本の文化の話。太陽の周りを回る惑星についてそれぞれの特徴について詳しい説明があった。地球には一つの衛星、月があるが木星には95個、土星には146個もの衛星があるという。星座の星(恒星)については春夏秋冬それぞれの大三角形を目印にして星座を構成する星についてギリシャ神話を交えながらの説明を楽しんだ。

 プラネタリウムソフトMitakaでは地球から見た星空と地球からどんどん離れて宇宙から見た星空の両方を見る事ができた。我々の住む銀河系以外の銀河まで眺め最後には宇宙の果まで連れて行かれた。今わかっている宇宙全体を画像で見ることによってイメージしやすく理解が深まった。

 理論的な詳しい説明と同時に楽しい解説が心地良かった。

 最後には講座生からの質問に対して詳しい解説があり、知れば知るほど奥の深い学問だと実感した。

 夜空を双眼鏡で楽しみたいと思う。  E.H.  

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

  

ウォーキング部会の10月活動報告

行き先: 京阪沿線を歩く(樟葉駅〜淀駅)

実施日: 2023年10月12日(木)

参加者: 29名

 長く続いた暑さも和らぎ秋晴れの良い天気となった。今回は「ひらかた健康ウォーキングマップ」に記載された京阪本線の樟葉駅から淀駅間のコースを歩いた。江戸時代には京街道(東海道57次)とよばれ途中に石碑や古い作りの建物が残っていた。午前中は樟葉駅から八幡市駅まで歩き、登りは男山ケーブルを利用し石清水八幡宮で昼食休憩をとった。

 石清水八幡宮から歩いて下り、八幡市駅近くの「やわた走井餅老舗」で参加した女性達が名物の土産を買っていた。淀川三川合流域にある「さくら出会い館」の展望塔は360度見渡せ、木津川や宇治川も見下ろすことができた。午後3時頃に予定通りゴールの淀駅に到着した。 (M・A)

昆虫部会の10月活動報告

実施日 : 2023年10月10日(火)

場 所 : 錦織公園

参加人数 : 16名

活動内容 :

未明にかけて降っていた雨がまだ残っている天気でしたが、活動時間にはスッキリとした晴れになってくれた。 滝谷駅からの道すがら、チョウやバッタ類に迎えられながら錦織公園へ。 現地直行の方たちと合流して、活発になっているスズメバチの注意の打ち合わせ後「河内の里」を目指して活動開始です。 雨の影響で虫たちが出てくれるかちょっと心配でしたが、早速一匹目のゲットがなんとアサギマダラでした。 これで皆さんの気合が入ってきましたね。古民家を拠点に午前中の採集観察行動を行いました。 皆さんやる気スイッチが入り、思ったよりたくさんの昆虫を見つけていただきました。 とくに女性のWさんがきょうの一番頑張り屋さんでした。 丁度昼食時に雨が来ましたが、同定を終えたころには止んでくれ、今日も楽しい活動を終えることができました。(hiro)

今回出会えた昆虫

【チョウ・ガ類】アサギマダラ、ヤマトシジミ、ツマグロヒョウモン(オス・メス)、ルリタテハ、イチモンジセセリ、ツバメシジミ、ウラギンシジミ、キタキチョウ、ツマグロキチョウ、ヒカゲチョウ、マメノメイガ、キタテハ、マドガ、ナミアゲハ(成虫・幼虫×2・卵)、ツマグロオオヨコバイ 

【トンボ類】ノシメトンボ、オニヤンマ、アオイトトンボ、マユタテアカネオス・メス) 【ハチ類】セイヨウミツバチ、キンケハラナガツチバチ、ホソヒラタアブ、アシブトハナアブ、オオスズメバチ 

【バッタ類】ショウリョウバッタ、ツチイナゴ、エンマコオロギ 

【その他】ツヤアオカメムシ、ホソヘリカメムシ幼虫、ナミテントウ、オオカマキリ、ヒグラシぬけがら

以上32種   赤字は写真を添付しています。

 

*各写真はクリック毎に拡大され、解像度も上がります。

アサギマダラ

アゲハ(4齢幼虫,終齢幼虫)

オニヤンマ

ルリタテハ(おもて)

ルリタテハ(うら)

マユタテアカネ(オス)頭部

 

 

 

写真部会の10月活動報告

日 時 : 10月11日(水) 10時

行 先 : 大阪狭山コミュニティセンター 3階多目的室1

参加人員 : 4名

 4ヶ月ぶりの屋内勉強会、各人2L版5枚の作品を持参し全員で互選。 上位作品5枚を添付。参加人員は少なかったが各人の力作により有意義な勉強会となった。 各人持参の全作品につき意見交換し散会。次回は来年2月を予定しています。(H.O 写真T.H、M.F、M.S、H.O)

*各写真はクリック毎に拡大され、解像度も上がります。

(T.H)

飛び舞う(M.F)

オッと(M.F)

アサギマダラ(M.S)

(H.O)

(H.O)

 

 

 

 

 

 

16期生の10月11日講座報告

月 日:2023年10月11日(水) 曇りのち晴れ

講座名:里山の保全と生物多様性

講 師:田淵 武夫先生

場 所:富田林 奥の谷

 近鉄長野線滝谷不動駅に集合して滝谷不動尊めざして歩く、20分ほどで「奥の谷」入口に着いた。「奥の谷」は「富田林の自然を守る会」が里山保全をされている電気も水道もない自然あふれる里山だ。

 里山保全と生物多様性について、野外での座学が始まった。落葉広葉樹林の林床を整理し太陽の光が差し込めば、スプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれる植物たちが早春に一面に花を咲かすこともできるとの説明を聞き、この里山にシハイスミレやチゴユリが咲き、蝶が飛ぶシーンが頭に浮かんだ。しかし、現実の「奥の谷」里山林では ①雑木林にヒサカキが密集し林床が暗い ②スギなどの人工林に手入れがされず林床が暗い ③竹の侵入などの問題があり、その対策として人工林や竹の間伐をするとともに雑木林でヒサカキの伐採を行っている。

 今日の里山保全実習は雑木林のヒサカキの伐採だ。昼食後、ヘルメット、スパッツ、のこぎりとベルト、皮手袋を着用した講座生はどこから見ても山の作業人になった。首筋から足首まで虫よけスプレーを振りかけ準備は万端、三人一組でヒサカキの伐採に取りかかった。講座生は急な斜面に注意しながら、伐採の指示を受けたヒサカキを一生懸命に切っていく。のこぎりの使い方にも斜面の足場にも次第に慣れ伐採作業は進んだ。作業は1時間超であったが多くの木を伐採することができ、結構広い斜面の林床は日が差し明るくなった。講座生は達成感に表情も明るく、疲れた様子も見せずに満足感がうかがえた。

 トンボが田畑の中を飛び回り、カマキリが講師の頭の上に飛んでとまる、子供のころの風景を残す「奥の谷」の里山からは心の安らぎを与えられた。自然から受けるサービスの一つを実感できた一日であった。  (H.I)

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

稲穂がまぶしい「奥の谷」の風景

講師の帽子の上にカマキリが飛んできた

ヒサカキの伐採開始、どんだけ切るんやろ

 

 

斜面の上のほうまで伐採が進み、            大分斜面が明るい

伐採作業の成果物、すごいやん!

稲穂の奥には伐採した明るい斜面が見える

やったね!みんなでバンザイ

里山保全部会の10月活動報告

月 日 :  10月6日 (金)

場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

参加人数 :  15名

活動内容 :

 夏としか思えない9月が過ぎ、なんとか秋が来たみたいな10月部会を迎え15名参加で開催。 山組は今月もこの数ヶ月続く山中に生える笹やシダの伐採作業と枯れ枝集め (この文先月に同じ)。

 今回はシニア里山部会の会員に加え、奥の谷を活動場所とする富田林の自然を守る会の会員も一緒に活動することになりました。奥の谷は緑豊かな自然の地ですが、笹やシダを取り除くと缶・ビン、バイクや自転車のタイヤ等のばらけた部品ほかゴミだらけ。これらのゴミを富田林の自然を守る会員と共同で排出処理作業になりました。    

 畑組は9月に引き続きあ-あ-またまた畑は雑草だらけ。里芋は先月よりさらにグーンと生育し、収穫が楽しみな大きさになりました。今月はみずな、ナンバネギ、にんにくを植付け、里芋のように元気に育ってね。全員枝豆のおみやげを手に解散。作業は大変も充実の一日になりました。(O.N)

*各写真はクリック毎に拡大され、解像度も上がります。

本日は里山会員の他富田林自然を守る会会員も合同で作業、がんばるぞー !

ゴミはプラスチック類、金具類に分けて排出します

太い竹もチッパーで粉々に、できたチップは畑の肥料に

9月例会から1カ月で畑は草ぼうぼう。今月も全員で草刈りからスタート

順調に生育している里芋の前に、今月みずな、ナンバネギ、ニンニクを植付けました

収穫した枝豆は参加者に分けておみやげ

 

山歩き部会の10月臨時例会活動報告

実施日 : 10月7日(土)天候:晴
行き先 : 三輪山・標高467m
コース : 三輪駅~大神神社~狭井神社~三輪山~狭井神社~三輪駅
参加者    : 13名

 残暑からやっと解放され、臨時例会として奈良・桜井の三輪山(大神神社の御神体)に登拝した。三輪駅より大神神社を経て、約20分で狭井神社へ。神社では、受付後に入山要領の説明(写真禁止、飲食禁止など)があり、各自が首にタスキをかけ、お祓いしてから入山した。 登山道は急な階段、露出根が多く、汗をかきながら黙々と登り、1時間20分で山頂に到着した。山頂には、高宮神社や奥津磐座があってお参りした。 少し休憩後、森の雰囲気を味わいながら下山した。(近くの東屋で遅い昼食) 今回の登拝は殆どの人が初めてで、良い体験になったと思われる。(T.T)

三輪山登拝入口

三輪山 狭井神社

植物部会の10月活動報告

植物観察場所 : 和泉市松尾寺周辺~農道

開催日時 : 令和5年10月4日⁽水) AⅯ10;30~PM2;00

参加人数 : 27名

  明け方に降っていた雨も朝には上がり、涼しい植物観察日和になりました。 集合場所の松尾寺・春日神社前広場から道路に出て観察を始めました。 坂道を下り、鬱蒼とした木立の下には、イネ科のヌカキビ・チヂミザサ・メヒシバ・オヒシバ(メヒシバよりも力強く小穂も太い)がぎっしりと生えて、小さな花を咲かせていました。 このようなジメジメした場所ではツユクサ科のヤブミョウガの白い可憐な花が見られました。ミョウガの名を冠していますが食用ではないそうです。 地面にピッタリと張り付いているウコギ科のチドメグサは小さくて地味な花が付いていました。 日本のどこにでも見られる、野生のグランドカバー的なこのチドメグサの花序は葉より短く、葉腋に1個つき、その先には花弁が5枚の、ごくごく小さな18個の花が固まって付きます。ルーペで丁寧に観察してもなかなか見つけられない小ささです。 もう少し下った駐車場近くにはブドウ科のキレハノブドウが実をつけていました。ツヅラフジ科のアオツヅラフジが電信柱に絡みつき、黒っぽい実を実らせています。ベテランの会員の方がその実を割って、アンモナイトのような形をした、小さな種子を取り出して見せてくださいました。

 農道に出ると道の両側にたくさんの植物が観察できました。 アゼナ科のウリクサは薄紫の花が付き、ツユクサ科の一日花のツユクサ、葉がクワに似ているので名付けられたクワ科のクワクサ、ナス科のイヌホオズキ等を観察しているとなかなか前に進めない状態でした。 群生するイネ科のスズメノヒエ・カゼクサ、サギゴケ科のトキワハゼ、スベリヒユ科のスベリヒユ、タデ科のイヌタデ(別名;アカマンマ)・金平糖のような花のミゾソバ(別名;ウシノヒタイ)、キク科のオオアレチノギク・アキノノゲシ、マメ科のヤブツルアズキ(写真ではトカゲも写っています)、アブラナ科のイヌガラシ・果実の長さが3~7㎜とイヌガラシよりはるかに短いスカシタゴボウ、花を半分に割ったように面白い咲き方をするキキョウ科のミゾカクシは田の畔を筵で覆うように生える様子からアゼムシロ(畔筵)ともいうそうです。ヨシノアザミもピンクの花が綺麗でした。

 サトイモ科のカラスビシャクが道端にすっくと立っていました。 ヒガンバナ科のヒガンバナは今夏の酷暑のせいか、彼岸より随分遅れて咲いていました。 中国から渡来した多年草で、日本国内の方言での呼び方は550以上あるそうです。それもシビトバナ等と何故か不吉な呼び方で忌み嫌われていました。 日本のヒガンバナは種子がないのに各地に分布しています。 因みに中国では種子ができるのもあるそうです。 球根はでんぷんを含み、有毒ですが、あく抜き処理をすると食料不足の時の貴重な食べ物になるそうです。 先人が、もしもの備えとして球根を各地に持ち運んだので広がったという説もあるそうです。 観察も終盤に近付いた頃にスズメバチの被害がありました。申し訳ないです。 お手伝いくださった方にお礼申し上げます。(文と写真 M.F)

アオツヅラフジの実

 

アオツヅラフジの種

カラスビシャク

ツリガネニンジン

ヤブツルアズキ

ミゾカクシ

ヒガンバナ

ヨシノアザミ

 

 

 

 

 

 

 

16期生の10月4日講座報告

年月日  2023年10月4日(水)  晴れ

講座名:自然観察の視点

講師:菅井 啓之先生

場所:堺市立栂文化会館・西原公園

 「自然を観察する」とは、どういうことなのか。ただ、「見て知る」のではなく、「自然」を自分の目で捉えて、自分から何かを感じて発見する、「気づき」を大切にすること。それこそが「自然観察」なのだと教えていただいた。「気づかなければ、何も見えない。」は、とても印象に残る言葉だ。

菅井先生からいただいた資料の冒頭に、「不思議を感じ、いのちを味わい、生き方を学ぶ自然観察の視点」とあったが、「自然」を「いのちの営みの不思議」として捉えること。見て知るのではなく、心の目で直観し洞察したとき、はじめて「いのち」そのものが見えてくる。いのちってすばらしいなあと感じ、いのちのすごさに気づく。そして、自分のいのちもまた、生物の多様性と深くかかわり、支えられて存在しているのだ、と気づくことの大切さなど、いかに「気づき」が大切かを教わった。そして「気づく」ためには、「視点を変える」「見ようと意識する」「出会ったその時、その場所で、その物だけでなく、そのまわりや奥にあるいのちの営みの深さや、関わる全てのものの在り方を見る」ことが大切だと。

自然観察は、「自然」という窓を通して世界を見ること。それは、人生を豊かに深くするための窓でもあるのだろうか。「自然観察、奥が深い!」と感じる講義だった。そして、先生の博識とユーモアたっぷりの話で教室に笑い声がわく。1例をあげれば、いのちとしてみるとゴキブリが天然記念物級のすごい存在なのだと。(私の中でゴキブリの認識が変わりそうだ。)シロツメクサの種も素敵なプレゼントだった。(あれだけ採集するのは、大変な作業だろうな。)

午後からの自然観察では、100mと歩かないうちに、次々に出会う「気づき」。1時間半の中で20以上の不思議に出会えた。文化会館前の道路の石に始まり、街路樹や道端の小さなカタバミ、季節外れの桃の花やツクツクボウシ、空の雲のでき方やケヤキの幹の不思議、キノコと地衣類の共生、なめくじの出現、カラフルな落ち葉、クスノキの葉の作戦、最後にカラスの糞の芸術作品のお話などなど。なんといのちの営みの不思議なことか。世界は不思議で満ち溢れている。すばらしい、そして楽しい自然観察会だった。(K.T)

 *写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

ハート形の可愛い姿、おまんはだれじゃ?          (シロツメクサの種だよ。)

文化会館前の石。このつるつる光る石は?          (硬いチャートが人を支える。)

こんなところにもいのちの営みが…                 (健気なカタバミが黄色い花を咲かせる。)

植えたばかりの桃(10歳くらい?)を10年以上の杉の間伐材が支える。これもまた共生か。

橋を挟んで2本のモミジバフウ。紅葉している(左)、まだ紅葉しない(右)、なぜ?

きれいに色づく葉、秋だなあ!この色は?大きさの違いは?(きっとそれぞれに意味があるのです。みんな違ってみんないい!)

マップ作り部会の9月活動報告

日 時 : 2023年9月25日(月)

場 所 : 甲斐田川沿い~光明池

参加人数 : 15名(新入会員1名、臨時会員1名を含む)

 前回5月22日以来4ヶ月ぶりの部会は、部員に計った上まだ歩いていないC地区から光明池の土手を目指す事にする。

<甲斐田川沿い>

*秋のイネ科の花・・・フワッとした白い長毛が目立つメリケンカルカヤ。やや紫がかった1㎝ほどの小穂をバラバラ付けているのはカゼクサ。それに良く似たコスズメガヤは全体にやや小ぶりで白っぽく小穂も疎らだ。1本真っ直ぐに穂を立てているネズミノオ。シマスズメノヒエは棒状の小穂に黒い粒のような雄蕊の葯が点々と並んでいるので解りやすい。 背の高いセイバンモロコシ。

*マメ科の植物(葉は3出複葉、花は蝶型花、全体に毛のあるものが多い)・・・今日は萩の付く名の花を色々見る事が出来た。ネコハギは茎を伸ばして匍匐し白い花弁の元に二本の紅紫色の斑紋のコントラストが印象的で3枚の丸い葉は触るとフワフワだ。地味なメドハギの葉は細長く、よく見ればネコハギに似た花を付けていて、漢字名(筮萩)は昔この茎で占いに使う筮(ぜい、訓読みでめどき)を作っていたからとか。イヌハギは、茎は木質化し上部で八方に枝を伸ばした先にややクリームがかった総状花序(花にはやはり紅紫色の斑紋あり)を付けるので目立つ。咲いている開放花が終わる頃にヒメクグ(カヤツリグサ科)の花序の様な球状の閉鎖花を多数付けるそうで、それも後日観察できればと思う。アレチヌスビトハギのピンクの花は今や多くが種に変身していて厄介であった。濃紅色のマルバハギは木本で花序の柄が短いのが特徴。 萩の付かないマメ科の植物では、葉先を引っ張るとV字に切れるので名の付いたヤハズソウ(矢筈草)は写真を見ると葉の側脈が綺麗にV字に並んでいるので納得する。黄色の花は春に見られたミヤコグサではなく、少し大きな花弁がくるりと回ったノアズキだ。紅紫色のクズの花には黄色の斑紋があると云う。-

*キク科・・・クリーム色のアキノタムラソウ。春から咲いている黄色の花のブタナ。茎に毛の多いオオアレチノギク。セイタカアワダチソウやヨモギはまだ蕾。ブタクサ、アメリカセンダングサなどを見る。

*その他 これが?と思う様な姿のワレモコウ(バラ科)を教えてもらう。紫色の花付きの少ないアレチハナガサと華やかなヤナギハナガサ(クマツヅラ科)。淡いピンク色の花のツルボ(キジカクシ科)。黄色の4弁花はチョウジタデ(アカバナ科・別名タゴボウ)。小ぶりな白い花のマメアサガオ(ヒルガオ科)。イタドリ(タデ科)は真っ白い花とピンク色の花を付けたものを見る。

*木本 ムクゲ、フヨウ、タニウツギの花。まだ色づいていない実を付けているのはエゴノキ(実も花と同じくぶら下がっている)、コナラ、サルトリイバラ、トウネズミモチ、葉の切れ込みが深いキレハノブドウなど。葉軸に翼があるので解りやすいウルシ科のヌルデは甲斐田川沿いでは白い実を、光明池近くでは白い花序を付けていた。粉を吹いた様な実は舐めると塩味がするのだとか?

<光明池の土手> 中には分け入らず、周辺から覗く。

甲斐田川沿いでも見た、花柱が突き出ている紫色のツリガネニンジン(キキョウ科)、ツユクサ(ツユクサ科)、クズ、メドハギ、マルバハギ、イヌハギ、ワレモコウなど。 まだあまり開いていない白い花のヒヨドリバナ(キク科)は斜面の中に。小さいが白い花の目立つメリケンムグラ(アカネ科)は土手上で沢山見る事が出来た(写真は6月の活動報告をご覧下さい)。

*木本 マメ科のコマツナギは細い枝を四方に伸ばし、細かい葉と濃いピンク色の総状花序が可愛い。コガンピ(小雁皮ジンチョウゲ科)は小さい上、枝先に多数の白い花を付けているのでなかなかガンピと結び付かなかった。

昼の暑さが心配されたが光明池まで歩く事が出来た。  アレチヌスビトハギの服に付いた種はウェットティッシュで驚くほど上手く取れ、教えて頂いて大助かりであった。(文・写真 Y.M)

ノアズキ

ネコハギ

ヤハズソウ

ワレモコウ

ヌルデ

マメアサガオ

イヌハギ

コガンピ

ツリガネニンジン

チョウジタデ

山歩き部会の9月活動報告

実施日 : 9月27日(水)天候:晴
行き先 : 大文字山・標高466m
コース : 蹴上~日向大神宮~大文字山頂上~大文字山火床~銀閣寺~バス停
参加者 : 27名

 残暑が厳しく暑い。蹴上から京都一周トレイルのコースで大文字山に登る。大文字山は、如意が岳の一つのピークである。如意が岳の山頂は別の尾根にある。大文字山山頂まではアップダウンの繰り返しで結構長くて疲れる。山頂から、火床に降りる。火床とは、京都五山の送り火の大の字を燃やすところである。火床からは、左京区の街並みが眼下に見える。火床までは、銀閣寺の方から大勢の人が登ってくる。火床から銀閣寺の後ろに降り、銀閣寺前バス停で帰路に向かう。

大文字山A

大文字山B

火床

石ころ部会の9月活動報告

月 日:R5年9月22日

場 所:和歌山県 橋本市 紀の川河原(南馬場緑地広場近傍)                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

参加者:20人

活動内容:

 昨夜来の豪雨も明け方には上がり、総勢20名が橋本市学文路駅前に集合。駅前の通りから紀ノ川沿いのサイクリングロードを歩くこと30分、緑地グラウンドの手前を折れて少し進めば紀の川の広大な河原と無数の石ころ群が現れる。多少の増水はあるものの、昨夜の豪雨を物ともせず紀の川は悠然と流れている。9月とはいえ、まだ夏の猛暑がこたえるが、気持ちが安らぐ。専門家の佐藤隆春先生より流域の地質について説明を受けた後、石ころ拾いが始まる。河原の石ころはこぶし大、またはそれ以上もあり、色彩豊富で美しい。図鑑を参考にするなどして思い思いに拾った石ころの分類を試みるが、見当のつかない石ころが多く、「不明」として山積みに置かれる。それらの多くは最終的に佐藤先生の鑑定で泥岩や砂岩とされた。泥岩や砂岩の鑑定は比較的に容易と思っていたのだが、意外や意外である。気に入った石ころをリュックに入れ、滴る汗を手で拭い、そこかしこに秋の気配を感じながら帰路についた。

観察のポイント:

  • 紀の川は源流のある大台ケ原を北上し、中央構造線の南側を西に向かって紀伊水道に流れる。流域の地層は海洋起源の四万十帯、秩父帯、三波川帯などの岩石からなっている。これらは付加体である。中央構造線の北側(大阪側)は領家帯花崗岩や和泉層群、泉南流紋岩などの地層からなる。また、周囲にはそれらより年代的に新しい(1500万年前の)火山岩の地層が散在している。今回の観察地点では想定通り、それらを起源とする多種多様な石ころが観察された。観察された石ころは以下の通り。
  • 変成岩としては緑色片岩、黒色片岩、砂質片岩などの結晶片岩が多かった。
  • 堆積岩としては泥岩、砂岩、石灰岩、チャートがみられた。泥岩や砂岩は通常我々が目にするものとは異なり、他の岩種と混ざり合った形状の複雑なものであった。このことから当地の堆積岩は四万十帯ではなく秩父帯の堆積岩(泥岩、砂岩)と推察される。和泉層群の泥岩、砂岩とも違うようであった。
  • 火成岩としては領家帯の深成岩(花崗岩、閃緑岩、斑レイ岩)の他、火山岩(流紋岩、安山岩、玄武岩)も見られた。これらの火山岩は1500万年前の火山活動によるものと思われた。他に、海洋起源の玄武岩とされる緑色岩も散見された。
  • 他に石英が多くみられたが、岩石の割れ目に入り込んだ石英質の脈が岩石の風化後に残ったものなのか。 (I.S.)

紀の川 河原の石ころ採集と鑑定風景

石ころの鑑定結果

16期生の9月27日講座報告

年月日:2023年9月27日(水)晴れ

講座名:気象と天気

講師:木村修治先生 (気象予報士)

場所:ラブリーホール

 雲はどうしてできるのか。空気には重さがある。地表では1mあたり10トンにもなるにもかかわらず私達は同じ空気の中にいるので釣り合っている。風船は上空で膨らむ。水蒸気は目に見えないけれど、冷えると水になり目に見えるようになる。などクイズ形式で説明を受けた。また、講師が実際に高山の空気をペットボトルに入れて持ち帰ったものが大阪ではぺしゃんこにつぶれている様子など、実物の紹介は受講生の興味を引いた。実験では、空気を抜いて密着させた2つの半球の容器は外からの空気の圧力に押されて離れない事や、少量の水を入れ振り混ぜたペットボトルにポンプで空気を入れて急に栓を外すと雲ができる様子を確認した。

 高気圧、低気圧の風の流れ、地上天気図、気象衛星ひまわりの画像、レーダー画像から四季の変化や台風のでき方、進路、海水面の上昇などの説明を受けた。身近なことではあるが理屈で考える機会の少ない気象について、理論に基づいた知識を得る機会になった。

 また、防災に関してハザードマップの見方、気象庁のホームページで得られる気象の情報やNHK防災アプリの活用方法など、防災に関する知識を持って自分を守ることを教わった。スマートフォンを使って日常的に使いこなしておく必要を感じた。

 合間の豆知識として、日本の雨の種類(春雨、小糠雨等)雨かんむりの漢字(雫、靄など)雲の種類(飛行機雲、ひつじ雲等)光学現象(彩雲、ブロッケン現象等)の紹介も、気分を変えて楽しめた。本格的な山好きの講師が自らの写真や経験を例にあげての講座は、ぬくもりのある興味深いものとなった。    E.H.

 *写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。