石ころ部会の5月活動報告

月 日:R6年5月24日

場 所:大阪市立自然史博物館「花と緑と自然の情報センター」                                                                                                                                                                                                                                                       

参加者:20人

活動内容:

 2018年の設立以来、石ころ部会は大阪周辺の山や河原での地質や石ころの観察を行ってきた。一転して、今回は大阪市立自然史博物館「花と緑と自然の情報センター」のネイチャースクエア「大阪の自然誌」のコーナーで、これまで野外で学んできたことを整理してみようという試みである。今回も佐藤隆春先生にガイドをお願いした。能登半島地震や南海トラフ地震などの話題の多いなか、大阪の地形の成り立ちについて、地震との関係から解説して頂いたのでいささか盛り上がった質疑応答となった。また、大阪の周囲から採取し、磨き上げられた大き目の岩石の標本は実際に手で触れられるように展示されており、我々が普段、拾う石ころとは大分様相が違って新鮮である。このコーナーは地質学関連以外にも樹木や野鳥、昆虫など大阪に生息する生き物の展示も充実しており、博物館や植物園を訪れた際には是非立ち寄りたい場所である。午後は各自が自由に特別展「自然史のイラストレーション」の観覧や植物園の散策を楽しんだ。

【大阪の自然:まとめ 】

  • ● 活断層と地震: プレートの動き等により、地下の深いところではひずみがたまっている。ひずみが大きくなると岩盤が壊れる。その時のゆれが地表に伝わったものが地震である。その時の岩盤のずれが断層である。過去260万年の間に活動したものを活断層という。大阪の平野や丘陵と山地の間には多くの活断層がある。
  • ● 大阪のおいたち: 凡そ100万年前に始まった活断層の動きによって1000年に1回ほどの間隔で地震を起こしてきた。断層に沿って土地は隆起し、地震の都度、山は高く、平地が低くなる。その結果、現在の北摂山地、金剛・生駒山地、和泉山脈などが作られた。(過去100万年に1000回の大地震があり、これらの山が出来たということか) 
  • ● 大阪湾沿いの低く平らな土地には1万年前より新たに粘土層(大阪層群)が堆積した。山から流れる川の働きで海は埋められ、後退し、現在の大阪平野ができた。粘土層はプリンのように柔らかい軟弱地盤であるため、大阪平野は地震に弱い。
  • ● 大阪の岩石: 大阪の基盤は基本的に花崗岩である。六甲や金剛・生駒の山々は花こう岩類であり、大阪平野も粘土層の下は花こう岩で覆われている。個々には:
  • ○ 北摂山地: 2億年前の堆積岩(丹波帯、超丹波帯)。近畿では一番古い地層
  • ○ 生駒・金剛山地: 8000万年前の花こう岩やはんれい岩、片麻岩など
  • ○ 二上山: 1500万年前の噴火でできた火山岩と凝灰岩
  •  和泉山脈: 7000万年前の堆積岩(和泉層群)と花こう岩、流紋岩
  •  大阪平野: 200万年前から基盤岩の上に堆積した粘土層(岩石ではない)(I.S.)

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16期生の5月29日講座報告

年月日 2024年5月29日(水)  晴れ

講座名:深泥池と京都府立植物園

講 師:竹門康弘先生(大阪公立大学国際機関教育機構客員研究員)

場 所:深泥池と京都府立植物園

 地下鉄北山駅から徒歩10分ほど、市街地のすぐそばに深泥池は存在する。わずか9haの小さな池が3haの浮島を浮かべて14万年、10万年と存在し続けてきた。さらに太古から人がその恵みを享受し利用しながらも存続できたという、まさに奇跡的な池。前日の大雨が嘘のようなさわやかな風の吹く中、深泥池の観察が始まった。

 まずは深泥池の歴史とその成り立ちについての説明を聞きながら、今の深泥池を観察。遠くに見える浮島はミズゴケが堆積してできた「高層湿原」で手前は新しく400年前、奥は数千年前に出来たものだという。浮島でジャンプすると目の前の水面が揺れるという。まさに浮島。なぜ腐らず堆積し続けることができたのか。夏は微生物が分解のために酸素を使い溶存酸素量がなくなり、冬は京都の底冷えで温度がぐっと下がるから。最近の調査で謎が解けたらしい。浮島は夏に浮かび、冬に沈むという浮沈活動をすることで多様な生態系を支えているのだとか。さらに水面に見える網やもんどりは外来種を捕まえるもの。そして水面の水草や藻の分かれ目が意味するものは?事前にもらっていた資料で学習してきた受講生が「○○です」と答え、先生の「正解!」をもらう。また、すぐ目の前にアオサギが獲物を狙っている。今2羽が住みついていて、ザリガニやカダヤシなどの外来種をせっせと駆除してくれているとのことだ。岸辺の湿地を観察しているとシカの足跡やオオバナノイトタヌキモ(外来種)やジュンサイを見つけた。かの魯山人をもうならせたという絶品のジュンサイ。保護管理のおかげか、今は増えすぎて年に数回、間引いて処理しなければならないとか(もったいない)。

 次に池の横の森の中へ。かつては段々畑があり、里山として日々の生活に密着して利用されていたが薄暗い森に。足元には処理されたオオバナノイトタヌキモと茎を切られたジュンサイの根が山盛り!?のはずがジュンサイだけがない。ここにも○○の足跡が、これは今まで気づかなかった大発見だと写真を撮る先生。浮島を寝床に絶滅危惧種を食い荒らすだけでなく、生ごみ処理をしてくれていたことに驚き(笑い)。

 次に浮島がよく見える場所に移動。水面にたくさんの稚魚、カムルチ(雷魚)で外来種といえども縄文時代からいたとか。遠くに目をやると水面にヒメコウホネの黄色い花が見える。絶滅危惧Ⅱ類の希少品種。またタヌキモは深泥池にしかない絶滅危惧種で深泥池には食虫植物が多く、水中食虫植物は15種もあり、陸上のモウセンゴケも多く花を咲かせているという。これもまた深泥池の水質が古くから“酸性で貧栄養”であるからこそだとか。富栄養の水辺では競争に負けてしまうような動植物も、また外来種であってもすべてを受け入れる懐の深さがあったからだと説明を受け、なぜか深泥池が尊く愛しく感じた。

 10万年以上も続いてきたこの豊かで貴重な生態系を未来につないでいくには?

「深泥池の現状・変化を知り、適切な管理方法を選択するためには、保全の基本方針と日々のモニタリングが不可欠。深泥池の価値を知り、保全の基本を理解し、そのうえで保全から得られるメリットをうまく人に還元することが大切だ」と。

かつて自然と生活が密着にかかわっていた里山生活のように、深泥池からの恵みも有効利用しながら、その環境を整え、更に共存し続けていくことが大切なのだと学んだ。

 午後からは京都府立植物園を見学。ガイドさんの見せたいものがあるというの熱い思いで、時間を1時間30分に延長していろいろ紹介してもらった。午前午後ともに熱心に聞く受講生の姿が講師やガイドさんにも伝わったのだと、すべてに感謝感謝!お疲れさまでした。(K・T)

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天然記念物深泥池生物群集の記念碑

深泥池の全体を眺めて
下左から、シカの足跡、オオバナノイトタヌキモとジュンサイ、ジュンサイの花

浮島(上)と浮島に向かうシカの泳いだ後(寝るために毎晩通う)

中央、ジュンサイを手にする講師。みごとな大きさ!

オオバナノイトタヌキモ(外来種の水中食虫植物)の捕虫嚢

前日の大雨で池から流れ出す水、めったに見られることがない。

右上、かつては段々畑や小屋や作業場所があった
中央、大量のオオバナノイトタヌキモ
下、ジュンサイの根を食べたのは”シカ”、講師も驚きの発見!すぐ報告!

浮島がよく見える場所へ。奥にヒメコウホネの黄色い花が見える。左、シカが通る場所とシカから保護された場所、カムルチの稚魚

京都府立植物園でガイドさんから説明を聞く。

 

 

 

樹齢300年のアキニレ、植物園ができる200年前から存在していた。

おしべが花の間にめり込んでいる。指ではじくと花粉を飛ばして中央のめしべに倒れこむ。すごい知恵

17期生の5月22日講座報告

年月日  2024年 5月22日(水曜日) くもり

講座名: 磯の生物観察

講 師: 地方独立法人 大阪府環境農林水産総合研究所 水産技術センター職員 日下部 敬之氏

     貝塚市立自然遊学館  山田 浩二先生

場 所: 地方独立法人 大阪府環境農林水産総合研究所 水産技術センター  ・ 豊国崎 落合川・谷川古港

 

 見学させて頂いた 大阪府泉南郡岬町大阪府環境農林水産総合研究所 水産技術センターは、大阪湾の水質を調べ、貝毒の原因となり 春には増えてくる有毒プランクトンの発生状況の調査、管理などをする①海を見守る  大阪湾に生息する魚の生い立ち、生態を記録することで採れる魚の種類などを予測し 漁業者と漁獲量などの調整を提案する②魚を調べる  大阪湾にはかつてあった干潟が少なくなり 海の生き物を育てる浅瀬が残っていない。人工干潟による波打ち際を作って魚が住み良い環境になるよう③海辺を再生する  水産技術センターの中にある栽培漁業センターで卵から稚魚を育てタグを付けて大阪湾に放流し 生き残る確率を調べ増やす取り組みをする④魚を増やすと、4つの仕事があることを教えて頂き、栽培漁業センターを見学。ヒラメや高級魚アコウ(キジハタ)トラフグの養殖を見ることができた。

午後からは、潮の干潮にあわせて海水が出入りしている昔の船だまり跡、谷川古港(ふるみなと)を長靴に履き替えて泥干潟に住む生物を観察。

場所を変えて落合川河口へ移動。ハクセンシオマネキが巣穴から出入りする様子を息を殺して「アソコの巣穴!」と指をさし小声で伝えながらの観察風景は、お互い (シオマネキと私達) が身を潜めて相手の様子を伺っているようで可笑しくもあり 不思議な時間でした。

温暖化の影響で、暑さに弱いマコガレイ(マガレイ)が減少、逆に暑さに強いハモが豊漁になっている。また、川を綺麗に!という動きの中、海水の窒素やリンなどの肥料が減ったことで餌となるプランクトンの減少により イカナゴが採れず禁漁になるなど、イカナゴのくぎ煮といえば春を告げる美味しい郷土料理が無くなることはとても残念でもあり、私達の食生活に直結していることで改めて温暖化について考えさせられる講義となった。( A . N )

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南海電鉄 多奈川線  多奈川駅

 

吟行部会の5月活動報告

開催日 : 5月18日(土)

行 先 : 四天王寺・夕陽丘界隈  

参加者 : 13名

兼 題 : 雷  夏帽子 ソーダ水 四十雀

 5月と思えぬほどの強い日差しの中 大阪市の上町台地の一部を散策。地下鉄四天王寺夕陽丘駅に集合。まず愛染堂からスタートしてすぐ近くの大江神社、愛染坂を下り大阪市内唯一の滝のある清水寺で涼みながら一休み。次に戦国武将真田幸村ゆかりの安居神社に。最後に四天王寺を参拝して一時解散。昼食後場所を西区民センターまでメトロで移動しての句会でした。(M.S)

 兼題と当日句の互選は次の通り

兼題句
新緑の参道駆ける人馬かな       尚文
夏帽子映画みたいに空を舞い      たけみつ
文庫本捲る手止まる春の雷       洋々志
一太刀にハルカス仕留め日雷      ゆき雄
水底に初夏の光や亀の影        みえこ
ソーダ水喉を通して昭和かな      豊年
パナマ帽澄ました父はセピア色     河笑流
新緑の光と香り部屋までも       良子
風青しうつろふダム湖の波の色     都史子
竹落葉ふかふかふかと降り積もる    楠子
しゅわしゅわは昭和の思い出ソーダ水  万未知
手を繋ぎ姉と出発夏帽子        佐都
対岸へ大声上げて夏帽子        行行子

当日句    特選  夏めくや試し太鼓の弾む音  洋々子
       入選  風薫る太子の幻影回廊に   楠子
       入選  緑陰の玉出の水の清水落つ  たけみつ

昆虫部会の5月活動報告

実施日 : 2024年5月7日(火) 快晴

場 所 : 西原公園(堺市南区)

参加人数 : 15名:

活動内容 :

 快晴の下、西原公園(堺市南区)で本年度最初の昆虫部会を行いました。公園内は除草作業が始まり、昆虫の採集や観察が心配でしたが、25種類の昆虫採集・同定、6種類の目視をすることが出来ました。池の水際でイトトンボが飛び交う場面を眺めていると、柳の枝にヤゴからトンボになろうとしている様子を目撃しました。翅が純白でだんだんと透明感のある翅が広がり、トンボの体も色合いが見え始め、数時間後、シオカラトンボのメスになっていました。他にもマダラホソアシナガバエを近距離で見ると輝きのある体で、たかが「ハエ」と思わず「ハエ」も美しい。皆さんで今日の昆虫採集の同定をすると、どの昆虫もじっくり見つめ、対象的な模様、動き方や翅の使い方など不思議なことや面白いことを気づき、その気づきを出し合うとさらに昆虫の世界が広がり、楽しいひと時になります。 (K.H)

【採集後同定】 25匹

  • シオカラトンボ交尾、②シオカラトンボ脱皮~3枚(10:32 ・11:03・ 3:47)

③オオヒラタシデムシ ④ヤナギハムシ ⑤アオモンイトトンボ ⑥カメノコテントウ ⑦ハナムグリ ⑧ゴキブリ ⑨ハサミムシ ⑩ナミアゲハ ⑪モンシロチョウ ⑫コジャノメ ⑬ヒメウラナミジャノメ ⑭ベニシジミ ⑮ウンモンクチバ ⑯ヨコバイ ⑰チャバネアオカメムシ ⑱マダラホソアシナガバエ ⑲マドヒラタアブ ⑳クロスジオオシロヒメシャク ㉑ゴマダラキコケガ幼虫 ㉒ハチの仲間 ㉓コガタルリハムシ ㉔オオウンモクチバ ㉕セボシジョウカイボン

【目視】6匹  ①テングチョウ ②モンキチョウ ③アメンボ ④ツマグロヒョウモン ⑤アオスジアゲハ ⑥クロアゲハ

カメノコテントウ

クロスジオオシロヒメシ

シオカラトンボ交尾

シオカラトンボ孵化①

シオカラトンボ孵化②

シオカラトンボ孵化③

マダラホソアシナガバエ

山歩き部会の5月活動報告

実施日:5月22日(水) 天候:晴れ
行き先:学文峰
コース:千早口駅~ジルミ峠~学文峰~流谷~天見駅
参加者:30名

 4月度例会が雨で流れたため、新年度第1回目の会合である。近場で楽な山であることが影響しているのか、久しぶりに参加者が30名の大台になった。千早口駅から歩き出し、紅葉で有名な地蔵寺の前を通り、ジルミトンネルの手前から山道に入り、ジルミ峠に着く。峠から学文峰(標高414m)に向かう。シライトソウの群落が迎えてくれる。学文峰で昼食を食べ、集合写真を撮る。下りは、上峠から流谷に向かう。林道を経て、高野街道を一部歩き、天美駅に着く。(Y.Y)

学文峰A

学文峰B

学文峰1

シライトソウ

16期生の5月22日講座報告

年月日  2024年 5月22日(水)  曇り時々晴

講座名:昆虫観察②

講師: 鈴木 真裕 先生

場所: 堺自然ふれあいの森

 昆虫を採集し分類同定作業を行い、昆虫の種類や形態の理解を深めるために堺南部にある堺自然ふれあいの森に集合した。分類同定作業を重点としたことで、自らが採集した生き物の同定や分類を体験できる貴重な講座となった。

 座学は1年目「昆虫入門」で学んだ昆虫に関する知識ついての復習から始まった。24の様々な色や模様のナミテントウムシは1種類であり遺伝によって様々な姿になること、昆虫は100万種ほど判明しており全生物の60%ほどを占めていることなどを思い出した。続いてこの時期にふれあいの森で見られる昆虫について話があった。

 簡潔な座学の後にフィールドでの昆虫採集が始まった。日当たりのよい野原部分と樹木が繁る森部分の2つのフィールドで採集活動を行った。網を片手に持ち「昆虫なんてよう捕まえへん」と言っていた講座生もフィールドに出ると夢中で網を振ってジプロックやプラカップに獲物を収めていた。一歩野原に出ると童心に戻ってしまうらしい。収穫した昆虫は、おおよそ野原部分で70種、森部分で50種くらいであった。1年目の倍近い成果だった。

 午後からは森の館に戻りグループごとに自分たちが採集した昆虫の分類同定作業を行った。昆虫の大きさ・色・翅や触角などの形態を観察して、図鑑やスマホや施設の昆虫見本などを参考に活発な意見交換を行いながら同定に取り組んだ。最後の手段は「先生これ何でしょうか」と聞いていたが実に楽しそうだった。

 昆虫の中には大阪では準絶滅危惧種に指定されている「フタスジサナエ」というトンボも含まれていた。一説によると昆虫は500万種いるとか、フィールドで新しい昆虫を見つけるのはこのようにマンパワーで探すのが一番らしい。講座終了後には講師の鈴木先生が昆虫の撮影を行い、すべての昆虫を野原に帰した。(H.I)

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森の館で昆虫に関する知識のおさらい、シオカラトンボのオスとメスどっち?

野原部分でフィールドワーク、イネ科やマメ科などいろいろな植物の近くに特有の昆虫がいました

森部分でのフィールドワーク、真ん中で網を振っているのが講師、フタスジサナエを捕まえました

チョウ、時計回りに右上からキモンガ・ヒメウラナミジャノメ、ルリシジミ、ベニシジミ、オオムラサキ

 

トンボ、左 ハラビロトンボ、右 胸側面に黒い筋が2本見える、フタスジサナエ

甲虫など ツチイナゴ、ホソハリカメムシ、ヨコヅナサシガメ、クロハナムグリ、チビクワガタ、フタスジバネゴミムシ

その他、左 キスジホソマダラ、右 名前の通り見事なポーズの、ヤマトシリアゲ

グループごとに類別同定中、真剣に意見交換

同定作業中の教室、図鑑やスマホと講師先生を駆使

17期生の5月15日講座報告

年月日  2024年 5月15日(水曜日) くもり

講座名: 鳥類入門

講 師: 日本野鳥の会大阪支部 企画部幹事 久下 直哉先生

場 所: 大泉緑地 新金岡公民館

 堺市 大泉緑地での鳥類入門の講義は、双眼鏡の使い方、野鳥を探すポイントなどを解説していただき、繁殖期・子育ての時期となる今でしか見られない野鳥の様子を観察した。

大泉池に浮かぶ島はたくさんの カワウダイサギ コサギ アオサギなどのコロニーとなっており、ヒナに餌を与える瞬間が見られるなど、講座生は初めて使う双眼鏡に四苦八苦しながらも 講師から教えていただく方向の木々の巣に住む親子を見つけては、お互いにスポットとなる場所を教え合いながら 子育ての風景を観察することができた。

カイツブリの親子やダイサギのヒナ、池を素早く飛び回り 杭や枯れ枝から飛び込んで 餌となる小魚や小さなエビなどを捕獲するカワセミなどを見ることができ、その度に大きな歓声が講座生から湧き起こり、収穫の多い野鳥入門の講義となった。

池の畔で昼食をとり、午後からは新金岡公民館へ移動。午前中に出会った野鳥を振り返り、鳥類標識調査員の講師より、まずは、大きさや色合い、環境、季節、歩いていたのか? 跳ねていたのか?など種類を絞り込む事ができるものさし鳥となるスズメ、ムクドリ、ヒヨドリ、キジバト、ハシブトガラスを知ることでチャート式に野鳥の知識を増やしていくことが大切であることなど教えていただいた。映像や講師が持ってこられた標本を基に 専門的な羽の構造や幼鳥から成鳥への変化などを解説していただき、生態など野鳥に関してより深く知識を得たいなどの感想が講座生から上がり、初めての野鳥観察をするという方も多く バードウォッチングの楽しさを体験できた機会となった。(A.N)

《 出会った野鳥 》 カワセミ、カルガモ、カイツブリ、キジバト、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ、オオバン、コゲラ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヤマガラ、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、スズメ、カワラヒワ、マガモ、エナガ(鳴き声)

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先生を囲んで 皆笑顔で記念撮影

野鳥部会の5月活動報告

活動日 : 2024年5月15日(水) 

探鳥地 : 大阪城公園

参加者 : 30名

観察鳥種数 : 18種 

 大阪城公園の森ノ宮駅からの入口広場は、多くの外国人観光客を含め相変わらず凄い人出だ。その人波を縫うように我々シニア30人の団体が進む。空は曇っており、かえってこの位の方が戸外活動にはベスト。 最初の目的地である「市民の森」に入ると、ここはこれまでの喧騒から離れ静かになり、小鳥の声が聴こえ始める。シジュウカラ、コゲラ、メジロの鳴き声が・・しかしその姿を生い茂った緑の中に見つけるのは難しい。暫く進むとキビタキの囀りが、その鳴き声方向に歩を進めると居ました!目の前に。 すぐ目上の樹木の小枝を転々と移動し、その綺麗な声、黄色が目立つ可愛らしい姿に暫く全員が釘付けに・・・そして感動!

その後は桜広場、豊国神社裏といつものコースを回るがシジュウカラ以外に出会うことはなく、午前の部は終了。

 午後からは期待を籠めて「飛騨の森」へ、情報通り早速にサンコウチョウが樹上に、その鳥影と特有な鳴き声は聴こえても、姿ははっきりと見せてくれない。 しかし、ここでもキビタキが姿を見せ、その鳴き声を再び聴き入る。 帰途のお堀の中は全く鳥の姿なし。 しかし最後にマガモ2羽のペアーが頭上を飛び遠く石垣の上に止まる。仲間に取り残されたのかと皆さんの同情しきり・・・ 本日の探鳥会はとにかくキビタキDAYの一日となりました。(M.K 写真K.T)

キビタキ

キビタキ

コゲラ

取り残されたマガモ♂♀

スズメ(幼鳥?)

スズメの砂浴び

マップ作り部会の4月活動報告

日 時 : 2024年4月23日(火)

場 所 : 堺自然ふれあいの森

参加人数 : 12名

 昨年会員の方と相談の上2024年度の観察場所を堺市の「堺自然ふれあいの森」としたが今日はその第1回目。 場所を区切って植物リストを作成するのだがその区切りは <A地区>森の館前の広場から入り口に近い法道寺川沿いの明るく開けた草はら。<B地区>アップダウンや階段のある尾根道を中心とした雑木の多い部分。<C地区>尾根道を挟んだA地区の反対側の湿り気のある第2豊田川沿いの第2豊田川みち周辺・・・とするのが良いかと思う。  

 雨を気にしながらの一日になりそうだ。<A地区>階段下にピンク色の花の色が濃く感じられるハルジオン。キンポウゲ科らしい光沢のある黄色い花のウマノアシガタの群生は華やか。春の黄色い花々はさらにヘビイチゴと副萼片の大きいヤブヘビイチゴ、ハルノノゲシ、カタバミ、オッタチカタバミ、ケキツネノボタン、カンサイタンポポ、オニタビラコ、コナスビ、小さな花のコメツブツメクサ等々。スイバの雄花は「花柄があるからホラ振ると揺れるでしょ」と雌花との違いを会員の方に教えていただく。見て聞いて少しずつ知識が増えて行く。ギシギシも咲き始めた。オオバコと白い雄蕊が輪に見えるヘラオオバコ、青紫色の花のオオイヌノフグリとそれより小さな花のタチイヌノフグリは共にオオバコ科。他にヒメオドリコソウ、シロツメクサ、カラスノエンドウ(巻きひげは通常3分枝)にカスマグサ(巻きひげは分枝しない)、ハコベ、ウシハコベ(花の柱頭は5裂↔他のハコベ類は3裂)、ナズナ、ミチタネツケバナ、オランダミミナグサ、スズメノテッポウ(イネ科)、スズメノヤリ(イグサ科)、ヤエムグラ、厄介なメリケントキンソウも見付ける。奥の方ではサギゴケの群生も見る事ができた。 木本ではアケビ、コナラの雌花序・雄花序を見る。  

<B地区>ゲンゲ(レンゲ)、イヌガラシ、ハハコグサ、カヤツリグサ科のゴウソ。シダ類では瑞々しいコシダの群生。ゼンマイは渦を巻いているのは栄養葉の若芽で茶色いのは胞子葉だとある。そして間近にコモウセンゴケを観察する。木本では尾根道に向かう入り口で薄いクリーム色のコマユミの花を、至る所でカマツカの真っ白い花を見る。背の高いクロバイは見付けにくいが美しい落花でそれと分る。育成地の若い松が幾本もの長い新芽を伸ばしていた。他に白いコバノガマズミ、コバノミツバツツジ、モチツツジ、ヤマツツジ、ヤマフジの花、ヒメコウゾの雄花・雌花を見る。またホオノキやふわふわの葉のヤブムラサキ、ナツハゼが蕾を付けていた。

見はらし広場と云う所でお昼にしたが谷の向こうに山々が見え、こちらも山に登った気分になる。昼食後は足下が悪いと谷みちを下らずに尾根みちを森の館へ引き返す。が時間も早かったのでチゴユリを見に豊田川沿いの道を歩く。

<C地区>ニョイスミレは花期が遅いので群生もまだ綺麗に咲いていた。またタチツボスミレ、シハイスミレなど花数は少ないが全域で見られた。 “第2豊田川みち”から“蔓の谷みち”を少し上がった所にチゴユリがまだ残っていた。またシュンラン、粘菌なども見ることができた。ハナミョウガはまだ赤い実を付けていたが花期は5~6月で10~15㎝になると云う花序を見逃さないようにしたい。

 終了後、園と部会を開催できる日を確かめるが何とか予定が立ったのでほっとする。

 次回5月の活動日は31日・金曜日になります。ご注意ください。(Y.M)

スイバの雄花

コナラ雌花序・雄花序

ヒメコウゾ・雌花

ヒメコウゾ・雄花

カマツカ

コモウセンゴケ

ゴウソ

コマユミ

17期生の5月8日講座報告

年月日  2024年 5月8日(水曜日) くもり

講座名: 植物入門(木本)

講 師: 堺植物同好会 出原 茂樹 先生

場 所: 堺市立栂文化会館 西原公園

 人にも暑がり、寒がりがいるように、生物はそれぞれ特性を持ち木々を友達として観察することでそのルーツや人類の文化との関係性がわかってくるとユーモアをまじえ わかりやすい言葉で説明して下さる出原先生の講話に興味深く聞き入った。

日本や世界の バイオーム (気温・降水量などに影響を受ける生物群系) について学習。

温暖な関西平野部は照葉樹林に分布し シイ類、カシ類、クスノキが多く生えるが、山地では夏緑樹林に分布し冬になると葉っぱを落とすブナ、ミズナラ、カエデ類が多く生えている。

今回、観察フィールドで見られる植物から🍃🌱🌿 問題が出された。

(1)十両はヤブコウジ 千両はセンリョウ 万両はマンリョウ では、一両は? 百両は?  (2)備長炭の原木は何? (3)触れるとかぶれる樹木は? (4)お墓に供える樹木は?  (5)葉が成長するとき、その形が変化していくのは? (6)葉の裏側の主脈を指でなぞるとイボイボが確認できるのは?  (7)白い花をホワイトリカーなどにつけてお酒として楽しめるのは? など 植物に詳しい講座生はすぐに答えることができ盛り上がった。

先生が研究のために訪れた亜熱帯多雨林小笠原諸島奄美大島の写真では、本島にはない珍しい植物や亀の刺身を食べる文化を紹介、近大鮪の養殖の様子のビデオなど説明のユニークさで「面白いね~」と声が上がっていた。

午後からは資料を手に、座学で教えていただいた強い光を好む陽樹、その下で日照量が少なくても成長する陰樹陽樹林陰樹林が混じった交樹林などコナラやアラカシを実際見ることで、森林の遷移の課程がよりわかりやすくなった。また、人の手が入っていない雑木林自然林を散策しながら爽やかな新緑の匂いを感じ森林浴を楽しむことができた講座となった。  (A・N)

問題の答え・・・(1) 一両はツルアリドウシ 百両はカラタチバナ     (2) ウバメガシ    (3) ヤマハゼ ヤマウルシ    (4) ヒサカキ(ビシャコ)    (5) カクレミノ    (6) シャシャンボ    (7) ニセアカシ

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問題を絵にして説明されるので理解できます

栗の花と同じ匂い  照葉樹のシダジイ

青々とした森林 爽やかな風
癒やされる講義になりました

緑の葉に混じって鮮やかに目立つ紅葉している葉っぱが存在する ホルトノキ

真っ白い花を咲かせるカナメモチ

人の手が入っていない自然林                 見応えがあります

5月9日のウォーキング部会報告

実 施 日: 2024年5月9日(木) 曇りのち晴れ

行 き 先: 北・山の辺の道コース②

参 加 者: 30名

今回は参加者30名が天理駅からスタートして石上神宮、白川ダム、弘仁寺を巡りゴールの山村町バス停まで北・山の辺の道コース②の逆コース約12キロのウォーキングである。

石上神宮で人気者のニワトリの鳴き声を聞いてご利益をもらい(?)、筍から成長した竹が点在する竹林を通り抜けて、高瀬川と楢川の水をたたえた白川ダムでお待たせのランチタイム。昼食を済ませた後半は青空のもと爽やかな澄んだ風を感じながら新緑の山合を歩き、開基は弘法大師の弘仁寺でチョコット休憩し残り3キロ弱の道を車に注意しながらゴールへ歩を進めた。山村町バス停に着くと近鉄・JR奈良駅行バスがグッドタイミングで到着して終了の挨拶はバスの中で「お疲れ様でした」。5月の気持ちの良いウオーキングでした。 (T・O)

荘厳な石上神宮

溜池を改築した白川ダム

水分補給で一休み

のどかな景観

16期生の5月8日講座報告

年月日:2024年5月8日(水) 曇り晴れ

講座名:ウミウシの観察

講師:田中広樹先生

場所:加太・城ヶ崎海岸

  加太駅から徒歩35分程で城ヶ崎海岸に到着。空は晴れ渡り、海に浮かぶ島々を遠くまで見通すことができた。大潮の日で干潮が午前12時頃とウミウシの観察にぴったりの日和となった。この時期の海は海藻も美しく、干潮時には海水の浅い所に緑色の海藻が、中程では淡い黄色、遠くには褐色の分布が見られた。海藻の種類が変わればそこに住む魚や生物も変わる。日光の届き方や水深によって異なる生物の分布の事を層状分布(帯状分布)というそうだ。

 先生に頂いた「うみうしノート」という冊子を開いて春から夏にかけて見られるウミウシの説明を受けてから観察を始めた。最初にアメフラシの卵塊が見つかり大盛りあがり。後は、潮だまりでひたすら石をひっくり返して気になるものを見つけたら先生に声をかけて確認した。イソギンチャクやホヤ、ゴカイなどウミウシの餌になるものがわかるようになり、餌のある周辺をしっかり観察しているうちにしだいに見つけられるようになった。ぜひ見たかったアオウミウシや沢山のオカダウミウシが見つかりはじめた。オカダウミウシ以外を見つけようとがんばり、全部で11種類のウミウシを見つけることができた。

 2mm位のオカダウミウシから15cm位のアメフラシまでサイズが色々、色形も様々。触角が2本突き出てそれを利用して水中で化学物質の匂いを感じている。派手な色は食べてもまずいと知らせるためのものらしい。ウミウシは進化の過程で巻き貝の貝殻が退化したもので、カイメンやイソギンチャクなどの美味しくないものを食べることで自身も美味しくない物質を体に蓄積し外敵から身を守る為の貝殻を必要としなくなった。アカボシウミウシのようにオカダウミウシを食べるウミウシもいるらしい。

 ウミウシの不思議な形、生態について学び観察することができた。最後にミサゴが海に突入しあっという間に魚をつかんで飛び去る姿を見送って城ヶ崎海岸を後にした。               E.H.

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

写真部会の5月活動報告

月 日 : 令和6年5月8日(水)

行き先 : 海遊館(大阪市)

参加者 : 4名

当日は肌寒いお天気の中、海遊館に集合しました。 海遊館前の広場は鯉幟ならぬ「烏賊幟」「ジンベエザメ幟」など海遊館の人気物がはためいていました。 館内は入場制限をしているのでそれほどの混雑はなく、遠足の子供たちと訪日客と思われる方で賑わっていました。 参加者は4名で、入館後は各自自由に撮影し、昼食後に解散しました。(M.F)

光る魚

甚平幟

ジンベイザメ

サメ

ペンギン

アザラシ

里山保全部会の5月活動報告

月 日 :  5月3日 (金)

場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

参加人数 :  16名

活動内容 :

ゴールデンウイーク初日、さて参加者は ? と懸念もなんと16名。里山会員の素晴らしい結束力に感動 ‼

山組は、山の伐採作業で残した木や枯れて落ちた木の枝を回収する作業。山はグーンと明るくなり風通しもよしで、山健康に大きく寄与。切り出した木をチッパーでチップにしました。

里山会員はみんな元気で足腰もしっかりの優良者揃いです。ただし、世話役は少々元気度は不足しているようですが。

畑組は、畑作業の本格シーズンを迎え、畝づくり肥料やり、除草等といつも以上に大活躍。さやえんどう、玉葱を収穫し、里芋、枝豆を植付けました。

今回のおみやげは収穫したさやえんどうと玉葱。山組は畑組の活動に感謝、感謝でおみやげをありがたくいただいています。

*各写真はクリック毎に拡大され、解像度上がります。

ゴールデンウイークを楽しく過ごす初日です。年齢を忘れて楽しみましょう

傾斜厳しい山から切った木、枯れた枝を運び下ろします

畑仕事もこれからが本番、美味しい野菜づくりは土づくりから

                     畝づくりにも力がはいります

3月に植えたジャガイモもグーンと生育しました

本日のおみやげは、さやえんどうと玉葱。野菜は高いからありがたいですね

石ころ部会の4月活動報告

月 日:R6年4月26日

場 所:石川 玉手橋下の河原(藤井寺市)                                                                                                                                                                                                                                                       

参加者:24人

活動内容:

 4月、新たに入った会員を迎え、石ころ部会の会員数は48名。今回も昨年同様、石川の河原の石ころ観察である。24名が道明寺駅に集合、玉手橋を渡り河原に向かう。佐藤先生には当地周辺の地質図を基に、石川の上流から支流を含め、当地までの地質学的な特徴や観察される石ころの種類等の説明をして頂いた。先ずは所定の場所でめいめいが拾った石の分類を行う。そして佐藤先生による結果判定とポイントの説明となる。外観だけでは分からないのが石ころ鑑定の難しいところ、奥の深いところ。1年前の活動報告(R5年4月28日)を読み返すとほぼ同じ内容であることに気づくが、当時よりは全体的に観察力が上がっているようにも思われる。来年は更なる向上を期待したい。観察終了後、多くが葛井寺まで足を延ばし、藤の花見を楽しんだ。

【 観察のまとめ 】

  • ● 最終的に佐藤先生の鑑定で分類された石ころの数は以下の通り:火成岩として流  
  • 紋岩37個、サヌカイト2個、サヌキトイド20個、花崗岩36個、閃緑岩7個、溶結凝灰岩16個; 堆積岩として礫岩30個、砂岩24個、泥岩2個、チャート33個であった。変成岩はひとつもなかった。他には石英が4個あったが、今回、収集・鑑定された石ころの総数は191個であった(個数は写真からの読み取り) 
  • ● 石ころの供給源としては流紋岩(全体の4%)が二上山由来または泉南流紋岩由来、花崗岩(18.8%)が金剛・大和葛城山由来と判断された。残りの大半53.9%(チャート17.2%+礫岩15.7%+砂岩12.6%+溶結凝灰岩8.4%)はほぼ泉南由来と判断された。
  • ● 流紋岩の判別は比較的容易であったが、流紋岩の数個を安山岩に、9個を石灰岩に誤って分類していた。流紋岩は石英の結晶を含むが、安山岩にはないのがポイントのようだ。白色の流紋岩は石灰岩に間違われ易いが、石灰岩であればもっと表面が柔らかく滑っとしている筈であり、塩酸をかけて確認するまでもないとのことであった。
  • ● 同様に花崗岩と閃緑岩も判別に迷うところであるが、これも花崗岩は石英の結晶を含むが、閃緑岩は含まないのがポイント。
  • ● 溶結凝灰岩の判定も難しかった。決め手はレンズ状に押しつぶされた軽石の存在である。軽石は黒曜石になっている場合もある。今回採取したものは二上山の噴火によるものではなく、全て泉南流紋岩由来のものとされた。(I.S.)

 *写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

 

17期生の4月24日講座報告

年月日  2024年 4月24日(水曜日) くもり 時々 晴れ間

講座名: 植物入門(草本)

講 師: 大阪自然環境保全協会 木村 進 先生

場 所: 堺市立栂文化会館 西原公園

 午後から天候は悪化傾向との予報で、開講するとすぐに先生お手製の(日本の植物学の父 牧野冨太郎作成のような)とても詳しく書かれている《春~初夏の野草ミニ図鑑》を手にフィールドへ。 タンポポ研究で有名な木村先生、タンポポの講義を中心に身近に咲いている植物全般の解説を聞きながら公園を散策します。

1904年、牧野冨太郎が刊行した植物学雑誌で札幌でセイヨウタンポポを発見した事を発表。全国に広がって行くだろうと予見した。

セイヨウタンポポは無融合生殖で受粉は不要。種は軽く遠くまで散布され 水さえあれば1年中発芽し定着率も良く1年中開花することができ繁殖力が高い。しかし、アルカリ性の土壌に育ち環境適応能力は低く短命。

在来種であるカンサイタンポポは虫媒介。昆虫による媒介が必要。種子数も少なく 種は重いため遠くへ飛来することができず親株の近くに落下する。春から夏にかけて発芽を抑制し夏眠状態。9月~10月に発芽。開花は春、まれに秋。

 5年ごと続けているタンポポ調査でも、減り続けていた在来種は200年より増加傾向。外来種の分布の低下の原因の一つとして、ずっと続いてきた山を切り開く開拓工事開発による農地の減少が一段落したこと、又、泉北・千里ニュータウンなど 1970 年代から造成された大規模な住宅地の自然環境が安定してきたことなどが考えられると講師は話される。

2024年3月1日~5月31日 2025年3月1日~5月31日はタンポポ調査・西日本2025と称されタンポポの分布を誰でも参加できる調査が開始されます。

先生のご配慮もあり、雨に降られず自然の花たちを楽しむ事ができました。 (A・N)

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

花は咲き競い過ごしやすい季節ですね

《春~初夏の野草ミニ図鑑》で同定します

座学では、ミニ顕微鏡を使ってタンポポの外来種・在来種の花粉の違いを観察します

講座生が皆 “ らんまん ” の世界に入り込んで、真剣な表情で観察しています

植物の構造には、知恵とカラクリがあります

先生が採ってきたチャコウラナメクジで、外片が反り返っている【】をわかりやすく解説して下さいました

 

16期生の4月24日講座報告

年月日 : 2024年 4月 24日(水) 雨・曇・晴れ

講座名 : 「信太の森の自然観察」

講師 : 田丸八郎 NPO法人 信太の森のFANクラブ理事長

場所 : 信太の森ふるさと館・惣ヶ池湿地

 午後からは90%の雨という天気予報、雨の中での自然観察を覚悟しながら講座開始。先生にも座学を早めてもらい、昼食時間もそこそこに11:50には野外観察スタート。

 なんと16期生の運の強さか、はたまた聖神社の神様が守ってくれたのか、自然観察中は天候に恵まれ、時おり林の中を吹く風に癒されながら信太山丘陵(惣ヶ池湿地)の自然の豊かさを大いに感じることができた。団地や住宅地の間を通り抜け、道路を渡るとそこには「信太山丘陵里山自然公園」の管理棟があり、8月に一部(4分の1ほど)開園されるそうだ。その公園に隣接しているのが「惣ヶ池湿地」。大阪府下最大の湿地で絶滅危惧種も多く生息している。今日もイシモチソウやコモウセンゴケ、コバナノワレモコウなどを観察することができた。また、2000年に絶滅種とされていたシソクサは惣ヶ池湿地の整備により復活したとか。しかし、今また絶滅の危機が。

 市街地から一歩足を踏み入れただけでこんなにも自然豊かな森や湿地帯が広がっているとは…別世界に入ったような不思議な感覚と驚き。しかし、その陰には長年にわたる多くの人の保全への思いと活動があってこそ守られてきたのだということを学んだ。「惣ヶ池湿地」は1999年より「大阪みどりのトラスト協会」が管理し、2014年からは「信太の森のFANクラブ」が中心となって保全活動を行っているとのことだが、私たちも自然に感動し自然から恩恵を受けるだけでなく、その自然を守るために何ができるのか、考え行動しようと思った。

 「信太の森」といえば、「葛の葉伝説」や古くから歌にも歌われ、また多くの遺跡も発掘されている歴史と文化の地。「自然環境を守る」とは、自然だけを守ることではないのだと感じた。ウグイスの清らかな声や時おりセンダイムシクイの名前の由来にもなった「ツルチヨギミ」声を聴きながら、そして道中の植物を観察しながら子供のころの思い出も語り合える楽しい観察会となった。  K.T

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

皆さん真剣に、そして楽しく

ふるさと館前の鏡池。アオサギが主のよう。近くに遺跡もあります。

スイバは食べられる。よく似たギシギシとの見分け方は葉の付け根が尖っているか丸いか。丸いのは食べないでね。

団地の土手のチガヤの穂。若い花穂(ツバナ)は食べられる(子供のころおやつにしていた受講生も。懐かしい!)

信太山丘陵里山自然公園、管理棟の軒下で休憩。ようやく8月一部開園

アオスジアゲハの乱舞。公園の入り口で歓迎してくれた。

ヒメハギ、可愛い~右下は種をつけている。

みごとなヤマツツジ(上)左からヤマツツジ、モチツツジ、その交配種のミヤコツツジ(濃いピンク)

惣ヶ池湿地を歩く。湿地には助成金で作った木道が。右、コバナノワレモコウ(絶滅危惧種白い花が咲く。)、ゴウソ(上に雄花、下に雌花がつく)、シソクサ(2000年に絶滅種とされたが、惣ヶ池湿地で見つかり育成中、また絶滅の危機が)

ニガナの下に赤いコモウセンゴケ(上)イシモチソウ(下)どちらも食虫植物の絶滅危惧種

すべてムラサキサギゴケ(白はサギシバともいう)

田丸さんの手の上で寝るニホンカナヘビ。受講生の手の上でもスヤスヤ?右下はニホントカゲ。

森の中にぶら下がるこの物体は何のために?答えがわかってにっこり、みんなで記念写真。答えは受講生に聞いてね!(山では○○に注意)

信太の森のふるさと館前で、カラスノエンドウとスズメノエンドウ(どっちかわかる?)、マツバウンラン、可愛い!シリブカガシを探す受講生の姿も可愛い!)

 

いのちの営み探検部会の4月活動報告

テーマ:植物の様々な送粉様式(カテンソウの花粉飛ばしなど)

開催日:2024年 4月15日

場所:延命寺周辺(三日市駅⇒延命寺⇒千早口)

参加人数:20名

 白やピンク、黄色、紫。色とりどりのの可愛い花の季節となった。一般に、花が美しく目立って見えたり、よい香りがしたり、蜜を分泌したりするのは、鳥や昆虫などの動物を誘引するための適応である。このような花は虫媒花、鳥媒花とよばれる。一方小さく目立たない花もある。その多くは風媒花である。風の力を借りて花粉をとばす。色、香りなどの魅惑的な花の特徴は、風媒を目指すものにとっては無用。開花していても気づかれることすらない。

 今回は、風媒花を中心に、種々の植物の子孫を残すための戦略の観察を試みた。1番の目当てはカテンソウ。所々で群落を成すが、小さく地味な花は人目を引くことは少ない。かつて動画でカテンソウを知って以来、この花のダイナミックな花粉飛ばしを、自分の目で見たいと思い続けてきた。じっと待っても、なかなか花粉を跳ばさない。花に手掌を近づけ、そっと温めた。しばらくして煙のようなものが。花粉が跳んだ!! 次いで、別のおしべも腕を伸ばし花粉を跳ばした。一瞬の出来事。残念ながら写真に記録はかなわなかったが、しっかりこの目に焼き付けた。

 次に目指すはイロハモミジ。秋の紅葉やプロペラのような実は馴染みがあるが、花は??今が花の季節。気づきにくい風媒花である。雄花と両生花があり、まず雄花が、遅れて両生花が咲く。両生花には数本のおしべと先端が2裂した一本の長いめしべがある。花は赤みを帯び、緑の葉とのコントラストが美しい。次に、スイバ。スイバは雌雄異株。雌株と雄株がある。雄花は細い柄でぶら下がっていて、風で揺れながら花粉を放つ。雌花は花粉をのがすまいと、赤くふさふさした柱頭を持つ。どの花にも子孫を残すための巧みな仕組みを見た。(文:A.F. 写真:K.I. とA.F.)

カテンソウ

イロハモミジ

スイバ

春の花

吟行部会の4月活動報告

開催日 :  4月20日(土)

行 先    :  奈良県葛城市 當麻寺

参加者  : 15名

黄砂に霞む奈良盆地、先週末に中将姫に因む練供養会式を終え牡丹祭を開催中の当麻寺へ。仁王門から、(現存天守ではないが)東西両塔が唯一残るお寺の境内を散策しながら奥の院へ。浄土庭園の牡丹や藤の花などを愛で書院で精進料理に舌鼓の後例会に移った。
参道の土産物をつまみぐい、相撲の元祖当麻蹴速塚と相撲館、お寺の国宝・重文やお庭の珍しい花を観賞したりと、盛りだくさんの吟行となった。

会員の代表句・・・兼題:春(の)宵、入学(園)、四月馬鹿、夜桜

ソプラノの高らか響く春の宵    たけみつ
 鉛筆の香り背負って入学児    洋々志
 寄する波テトラポッドに爆ずる春    まさこ
 車屋は大和をとめや春の古都    ゆき雄
 夜桜や人込みさけてシーソーす    みゑこ
 入学児帽子深くし歩きけり    豊年
 逝きし母桜しべ降る千曲川    可笑流
  (しべは漢字)
 ひと片を框へ運ぶ桜東風    流以
 友の家更地になりて春の草    上田良子
 大法螺を吹く子の一理万愚節    都史子
 花馬酔木城跡に立つ無縁塚    ふじ乃
 黄砂降る遥かなタワマンセピア色    楠子
 夜桜の闇に覗くは異界かな    万未知
 春の宵テールランプの続く帰路    佐都
 身一つをもてあましつつ春の宵    行行子

当日句
 特選  ぼうたんに慈母のごとくに白和傘    ゆき雄
 入選  蓮華座に姫の御座して咲く牡丹    ふじ乃

アウトドア部会の4月活動報告

実施日: 2024年4月16日

場  所 :  高見の郷(奈良県吉野郡東吉野村)

行事名: 千本のしだれ桜 鑑賞

参加者: 25名

正式な発足に向けてプレオープン・イベントとして活動してきましたが、新しく発足した アウトドア部会

部会活動スタートは The Pink World 千本のしだれ桜 が満開に咲く高見の郷 鑑賞会を実施。 

ホームページでの開花情報では丁度満開 !! とのことで、期待に胸弾み当日を迎えましたが、朝からあいにくの空模様。不安定な天候との予報を心配しながら三国ヶ丘から貸し切りバスで出発です。

現地に到着した頃には予報も有り難く外れ、青空の見える素晴らしい しだれ桜の鑑賞会となりました。(A.N)

 

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日々の開花予報を見ながら 鑑賞会を心待ちにしていましたが、枝垂れ桜だけ1000本が咲き誇る高見の郷

 

 

 

 

 

 

その素晴らしさに圧倒されながら 桜の木をバックに記念撮影。自然と笑顔になりますね

 

 

 

 

 

 

駐車場からは専用マイクロバスで上がってきますが、麓から歩いてきた健脚メンバー達と一緒に再び記念撮影

 

 

 

 

 

 

お天気の回復で お弁当は枝垂れ桜を愛でながらいただくことができました

17期生の4月17日講座報告

年月日  2024年 4月17日(水曜日) 晴

講座名: 自然の見方と観察

講 師: 大阪自然環境保全協会  代表理事・副会長 田中 広樹 先生

場 所: 堺市立栂文化会館 西原公園

17期生講座 第1回目は スタートに相応しい《自然観察の心構え》について学習しました。 

観察とは単に「見る」のではなくじっくりと「観る」 そして目に見えないもの(命)を外に表れた様子から感じ、捉え、 「察する」。 

自然観察の5つの視点、捉え方として、① 五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を使って感性を研ぎ澄まし観る  ② 大人になっても「不思議」を感じ、そのフィールドの季節の変化を観る  ③ アリの目の様に分析し、鳥の目の様に俯瞰的にいろいろな視点で観る  ④ 生物学では植物を生産者動物を消費者菌類を分解者と表す。地球上ですべてのものはつながっており、生物の進化、歴史などそのつながりを観る  ⑤ 生き物の一生(種子~成木 卵~成虫など)を観る    

座学の後は、フィールドへ出て観察です。

ルーペの使い方やゲームで自然に親しみ 「身近なものでこんなに楽しむ事ができるんだ」  「子供に戻ったように遊びました」 など講座生たちから声が上がり、講座初回目を笑顔で終えることができました。(A.N)

 

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備長炭の原木ウバメガシの新芽の葉脈をルーペを使って観てみます

目をつぶって1分経ったと思ったら挙手。  皆さんの1分はいろいろですね

街路樹のイチョウ      銀杏が落ちていたら雌の木

雄の木の下には雄花  足下にもたくさんの発見があります

色合わせゲーム  一番近いのはどれかな?

グループに分かれて落ち穂拾い

先生が公正にジャッジ

審判の様子を皆さん真剣に眺めています

モミジの花が満開

じっくり観るとこんなに可愛くて不思議な形

最後のゲームは             《ちっちゃなお花に名前をつけよう~ゲーム》

他のグループにバレないようにひそひそ密談中

 

このグループは  “ 春の雫 ” と命名しました
他にも、姫りんりん  ブルーファイブスター  コムラサキカレン  ヒメヒカリブルー     ニシノプリンセス    匂いが似ているから、 胡瓜草 と名付けられ地味だったお花、           きっと喜んでいることでしょう

 

野鳥部会の4月活動報告

月 日 : 4月17日 (水) 天気 

観察場所 : 西除川~狭山池

参加者 : 26名

観察種数 : 33種

  朝から春というより初夏を思わせる日差しが照り付ける。出発点の南海滝谷駅近くではツバメが飛び回り、民家の軒先にツバメの巣が幾つも並ぶ。中にはコシアカツバメの巣も、いずれも育雛にはまだ早いようだ。住宅地ではイソヒヨドリやムクドリの求愛行動が目立ち、あちこちにペアが、この時期ならではのムクドリ雌雄の違いを確認する。西除川沿いの田畑では、子育て中のケリの鳴き声がけたたましく、ヒバリも頭上を派手に鳴きながら飛ぶ。キジの姿を見たのは数人だったが鳴き声は全員が確認。西除川に沿って川下へ進むと、川中にはコガモやマガモがまだ数羽残っていてくれた。クイナは姿を見せたがすぐに草むらの中へ姿を消す。他にもツグミ、コチドリ、ハクセキレイ、カワラヒワ、コゲラ、アオジを観察。期待したヒクイナとカワセミは空振りとなった。

 狭山池に入ってすぐに昼食。午後は池を左回りに半周する。池はかなり水嵩を増し、鳥の姿は少ない。コサギ、アオサギ、カワウ、カイツブリ、オオバンと池畔ではコガモの群れが羽根を休める。中に一羽のキンクロハジロが、どうも怪我をして帰りの渡りの仲間に付いていけなかったようだ。 ウグイスの囀りやモズの鳴き声を聞きながら歩を進めるが、スズメ以外の小鳥がなかなか見つからない。ゴールのさやか公園からは池中に浮かぶフロートに集団で止まるカワウ、コサギ、ゴイサギ、アオサギとすぐ近くの池畔石積で休むコサギの群れ、ゴイサギをじっくり観察する。ここでも傷つき取り残された一羽のオカヨシガモを見つけ、傷ついた二羽のカモを皆さん心配しながらの「取り合わせ」となった。(文 M.K 写真 K.T)

コシアカツバメの巣

ケリ

アオジ

クイナ

コサギの集団

コガモの群れ

コサギとゴイサギ

コサギとゴイサギ

17期生の4月10日講座報告

年月日  2024年 4月10日(水曜日) 快晴

講座名: 開講式・ガイダンス

講師: カレッジ理事・17期生スタッフ 

場所: 堺市立栂文化会館

 美しく華やかに咲いていた桜がハラハラと舞い散る中 17期生講座の開講式が挙行され、相原代表理事は式辞で 2021年2022年と2年間は新型コロナ感染症による自粛期間に募集を中止したことを話し、今期も多くの申し込みがあったことなど感謝の気持ちを述べました。

 〈 学びの場 〉を通して講座生が仲間づくりの輪を広げ、座学やフィールドでの観察や体験をすることで自然と環境保全に更に興味を持ち 講座スタッフ共に楽しく学習が出来るようマナーやルールについての説明。

午後からは17期生自己紹介。当カレッジへ申し込みのきっかけや期待すること、スポーツや趣味、アピールポイントなど皆さん上手なお話しに聞き入り、緊張の中でも笑いもあり、その後、3班に分かれて班長・副班長を決め、班ごとのグループライン作成など和んだ時間となりました。

専門分野の講師を招いての講座のスタートを楽しみに、17期生開講式は終了しました。(A・N)

 

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

2024年度17期生 集合写真

代表の挨拶 開講式が始まりました

2年間の講座に向けて期待など自己紹介 Time

班ごとのミーティング Time

快晴・桜の下 17期生講座がスタートしました

 

 

 

 

 

写真部会の4月活動報告

日時:令和6年4月10日(水)午前10時~12時

場所:久宝寺寺内町

参加者:6名

天気は快晴だが寒い。 久宝寺寺内町は、古い歴史のある町である。 聖徳太子が建立した久宝寺観音院があったことが久宝寺の地名の始まりと言われている。 江戸時代からの古い町家も数多く残っており、写真撮影やスケッチの適地である。 現在の街は、蓮如上人が手掛けたもので、碁盤の目のように街路が通じている。 寺内町ふれあい館で地図をもらい、街並みを散策した。( Y.Y)         

ウォーキング部会の4月活動報告

行 先・・ 私市 府民の森 ほしだ園地

日 時・・ 令和6年4月11日(晴れ)

参加人数・・18名

朝からハプニング 京阪電車は人身事故の為、運転中止 ターミナル駅は、大混雑午前9時半頃に、運転再開  

私市駅出発は予定より30分遅れの10時30分
市立大学植物園前の、天野川「水辺のプラザ」の桜は満開 新緑のハイキング道を進み「ピトンの小屋」で一休み「ピトンの小屋」前のクライミングウォールでは、クライマーが練習中 坂道をゆっくり登って「星のブランコ」を渡る 吊り橋からの景色は絶景スポット

やまびこ広場にて昼食 帰り道は、星田妙見川沿いを下り 「星田妙見宮」に到着 妙見河原の桜並木も満開「大満足」この辺は満開が遅いかも
私市線「河内森」駅に午後3時半過ぎに、到着後解散(SU)

天野川「水辺プラザ」

森林鉄道風歩道橋

星のブランコ

里山保全部会の4月活動報告

月 日 :  4月5日 (金)

場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

参加人数 :  12名

活動内容 :

 2023年度末4名退会。2024年度2名入会で会員は21名、新入会員1名出席で本日12名でのスタート。  遅れていた桜も駆け足で開花、畑は菜の花が満開。春たっぷりの活動舞台、奥の谷です。

山組は、先月山中に生える笹やシダを刈り取った山に残した小さな木の伐採作業 。山の傾斜厳しく大変な作業でしたが、山はグーンと明るくなり風通しもよしで、山健康に大きく寄与。切り出した木をチッパーでチップにしました。

畑組は、来月植付ける里芋の畝づくりチッパーで砕いたチップを肥料として畑に植え込み。菊菜、ネギの収穫と毎回ながら畑で大活躍、本年入会の新会員も畑で頑張っていました。

今回のおみやげは収穫した菊菜とナンバネギ。

<追記>今回は内緒話で、なんと小さなタケノコが4本取れました。おみやげになし。誰が持ち帰ったんやろ ?

*各写真はクリック毎に拡大され、解像度上がります。

今日も元気に山組スタート

かなり厳しい山の傾斜で小さい木を切り、風通しのよい山に

チップの山ができました。畑の肥料になります

畑組も栽培した野菜類に囲まれて元気に頑張ってます

本日の番外。しめしめタケノコ取れたぞー !

今日のおみやげは春菊とネギでした。ほぼ毎回お土産のある、里山部会へ入会をお待ちしています

16期生の4月10日講座報告

年月日  2024年 4月10日(水)  快晴

講座名:大和葛城山の自然観察

講師: 桑田幹雄・泉谷一弘 先生

場所: 大和葛城山自然研究路

スプリングエフェメラルと呼ばれるカタクリやショウジョウバカマ、可憐なスミレを観察し、あわよくばギフチョウにも会うことができたらと、はるばるとロープウェイに乗り大和葛城山に出かけた。

カタクリは花が咲くまで7~8年、寿命は50年にも及ぶ。葉が地上に現れてから4~5週間で花を咲かせて姿を消す、花が咲いている時期も2週間程度。西日本では主に山地に生息し、金剛山や葛城山などで見ることができる。

ショウジョウバカマは地面に張り付いたようなロゼット状の葉を出し、そこから伸びた花茎の先に紅紫色の4~8個の花をつける。花は10日間程度咲いており、その後花茎が急に大きく伸び種を風で飛ばす。カタクリとは異なり常緑多年草である。西日本では平野部から高山地域まで生息する。

 スミレは市街地から里山や亜高山まで広く花を咲かせ一説には200種以上もある。近畿には20種程度と少なく、葛城山で見ることのできるスミレはシハイ、アリアケ、タチツボ、ノジスミレくらいだ。

 ギフチョウは鳥海山から山口県まで生息し、3月下旬から6月中旬に発生、カタクリ、ショウジョウバカマ、スミレ、サクラの花を訪れ吸蜜する。卵はミヤコアオイなどに産み付けられる。翅は黄白色と黒の縦じま模様で後翅には青や橙、赤色の斑紋が並ぶ。『春の女神』と呼ばれている。

知識を得て葛城山の自然研究路を歩いた。講座生は斜面に広がるカタクリの群落に喜びの声を上げ、路上を飛び回るギフチョウに興奮しながらカメラのシャッターを押した。いったいどれくらいのギフチョウを見たのだろうか、ほんとに幸運であった。次にショウジョウバカマの群落を見た、咲き始めて盛りに近づいている様子だった。近くで「カーン、カーン」と乾いた音、オオアカゲラの木をたたく姿も見えた。受講生は珍しい野鳥にじっと見入っていた。

 歳を重ねるたびに山に登ることは少なくなり、山野草を観察することは難しくなってきた。金剛山も山頂には行きづらくなったが、大和葛城山は数少ないロープウェイで登れる山だ。少し遠いが思い切って訪れたことで、様々な春の訪れを身体全体で感じることができた。本当に春の女神に出会ったようだ、この日の幸運に感謝する。

また、ていねいに講座生の質問に答えていただいた講師にも感謝する。(H.I)

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。

上天気の中、ギフチョウやスミレにシャッターを切ります。

鮮やかな赤、青の斑紋の翅、春の天使と呼ばれるギフチョウ。ミヤコアオイの葉の裏に産み付けられた卵。カタクリや桜の蜜を吸う。登山道近くではルリタテハもお出まし!

ミヤコアオイの葉と花

みごとに開いたカタクリの花

まだ咲き始めのカタクリの群落

ショウジョウバカマのみごとな群落、オオアカゲラの木をつつく音が響く林

大和葛城山のスミレたち、アリアケ・シハイ・タチツボ・ノジスミレ

登山道で見つけた花たち、キケマン・ツルカノコソウ・スズシロソウ

上天気に思わず笑顔、バックの金剛山も美しい

大和葛城山の林間に響く春の音(オオアカゲラが木をつつく)

マップ作り部会の3月活動報告

日 時 : 2024年3月25日(月)

場 所 : 新檜尾公園から甲斐田川沿い+鴨谷池

参加人数: 8名

 雨が気になる2023年度最後の部会は8名の方の参加でスタートする。

 <草本>アマナ(甘菜=鱗茎が食用になり甘味があるため・ユリ科)が見られると教えて頂き、まずは光明池駅から赤坂台センター方向に向かう。道脇に群落が有り細長い大きな蕾を付けていた。残念ながら花は日が当たらないと開かないそうで低い草丈に4㎝ほどの白い花が咲いた姿を想像してみる。 新檜尾公園に戻って観察を続ける。至る所で見られたスズメノヤリ(雀の槍)。スズメノテッポウはイネ科だがこちらはイグサ科。細長い葉の縁には白く長い毛が生えていて葉の先が棒状に硬くなっているのも特徴。くす玉の様な頭花の仕組みも少々複雑、先に雌蕊が成熟しその後雄蕊の葯が伸びてくるとあるので今は葯が目立つ雄性期と思われる。 昨年5月に咲いていたアメリカオニアザミはまだロゼット状の葉の塊。 先月見たオニタビラコ、カラスノエンドウ、セイヨウタンポポ、ハルノノゲシ、ヒメウズ、ヒメジョオン、フラサバソウ、ミチタネツケバナ、ミドリハコベ、ミヤコグサ(甲斐田川沿い)などの他に葉間に花を付けるため名付けられたというハナイバナ(葉内花・ムラサキ科)の中心が白い薄紫色の小さな花を確認する。 昨4月丸く群生していた紫色と白色のサギゴケ、オランダミミナグサ、葉の重なり具合の見事なヒメオドリコソウが咲き始め、小川のほとりではキツネノボタンの黄色い花を見付ける。よく見かける毛の多いケキツネノボタンと違ってこちらの茎は無毛、葉の切れ込みも浅く、咲く時期もやや早いようだ。 シャガの花が早、咲きそろっていた。イネ科ではカモガヤ、イチゴツナギ、ミゾイチゴツナギを見る。

<木本>楽しみにしていたイスノキ(別名ヒョンノキ)。2月より花序は増えていたが一部の樹でしか見られなかった。綺麗な赤い色をしているが花弁が無いので控えめな感じ。写真では突き出た雌蕊の先が二股になっているのが分った。 満開のハクモクレンは見応え充分、ボケは今は白花が満開。また赤と白の絞りのツバキやコシノヒガンと思われる桜の花も見られた。引き続きヒイラギナンテンやユキヤナギの花とイヌビワ、ムクロジ、クロガネモチなどの実を見る。クスノキのひこばえは爽やかな緑色で樹肌はすべすべ。ラクウショウやメタセコイアにはまだ目立った変化は見られなかった。   

甲斐田川沿いの道では足元が泥濘む所があるので2月に続き途中から鴨谷池へむかう。あまり鳥は見られなかったが帰り道トガリアミガサタケ(尖網笠茸)に出会う。目が慣れてくると結構生えているのが分る。持ち帰った方はシチューに入れて食べたそうで、「量は半分くらいになったが歯ごたえもあり良い出汁が出て美味しかった」との事・・・凄い。キクラゲを採って帰られた方もあるのでまた感想を聞かせて頂ければと思う。

 今日のメンバーは全員野鳥部会員でもあり、絶え間なく聞こえる鳥のさえずりや小鳥の群れの移動する様も楽しんだ一日となった。(文・写真  Y.M)

アマナ

スズメノヤリ

トガリアミガサタケ

クスノキ・ひこばえ

キツネノボタン

ハクモクレン

ヒメオドリコソウ

イスノキ

                        

16期生の4月3日講座報告

年月日:2024年4月3日(水) 雨

講座名:多田銀銅山遺跡の見学

講師:兵庫県猪名川町ボランティアガイド

場所:多田銀銅山遺跡

  降水確率90%という悪天候の中、しっかり雨対策をして集合し、白金2丁目のバス停から徒歩で20分ほどで悠久の館に到着した。4人一組で3班に分かれボランティアガイドの説明を受けながら古い家並みを抜けて金山彦神社、昭和期の機械堀りの跡の青木間歩、日本鉱業の跡地、豊臣秀吉が鉱山開発したといわれ大阪城の財政を賄うほどの豊富な銀銅が採れた台所間歩と瓢箪間歩まで見学した。青木間歩では機械掘りの坑道から上に続く体ひとつがやっと入るような江戸時代の手堀りの坑道を見る事ができた。また、緑色や青色の鉱脈を直に観察した。

 間歩というのは坑道のことであるが入口には四ツ留めと呼ばれる鳥居のような形の木組みが設置されていた。金山彦神社の下の神宮寺は神仏習合で右に薬師如来、左に山の神様大山祇命を祀ってあった。鉱山の仕事と信仰の密接なつながりを感じた。

 一方、足元を見るとあちこちにハクサンハタザオの白い花が咲いていて、あと10日くらいで辺り一面が白くなるほどの群生が見られるとの話だった。鉱山の指標植物のハクサンハタザオとヘビノネゴザは重金属耐性で生息し、重金属を根や葉にトラップすることができるらしい。古くから鉱山を探す指標になっていたとは驚きだ。ヘビノネゴザも夏には盛大に群生がみられるだろう。満開の桜の下のハクサンハタザオの白い群生を見たかった。他にもショウジョウバカマやシュンラン、ツツジ、スミレなどが見られたし、桜の木も開花してお花見気分でお弁当を食べる事もできた。

 雨で疲れもいつも以上だったが、悠久の館の資料について説明も聞いてから帰路についた。参加した皆様本当にお疲れ様でした。    E.H.

*写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。