石ころ部会の5月活動報告

月 日 : R5年5月26日

場 所 : 大和川・亀の瀬付近の河原、亀の瀬地すべり資料室(大阪府柏原市)                                                                                                                                                                                                                                                                                                   

参加者 : 25人

活動内容 :

梅雨入り間近ではあるが好天に恵まれ、25名が河内堅上駅に集合。亀の瀬方面に100mほど歩くと路の左側(北側)に急崖がある。佐藤先生の説明により花崗岩の露頭と分かる。先に進むと目の前に大和川、その対岸には明神山が見える。安山岩溶岩の噴出によるものであるが、美しい山である。更に進んで亀の瀬地区の河原におりる。そこは10~30㎝大の礫で埋め尽くされており、先月に行った石川の河原とは大分様相が違う。石の観察と鑑定にうんちくを傾けた後は佐藤先生の最終鑑定と説明に興味津々。納得するも直ぐに忘れてしまいそう。昼からは「亀の瀬地すべり資料室」に移動し、地すべりの学習である。よどみのない係員の説明(名調子)が耳に心地よい。亀の瀬は古来より大和と河内を結ぶ龍田古道の要衝(天然の関所)。北側の山は地すべりを起こしやすい地層(大地が最大で30mも移動した)。そのため大和川が氾濫、ひいては奈良盆地や大阪平野で浸水の被害を起こす。対策として、山の土塊の除去、杭打ち、地下水の抜き取りなどを行なっており、今では地区内の地すべりは殆どなくなっているそうである。資料館を出て、排水トンネル内部と近年発見された亀の瀬トンネル(明治25年完成)の遺構も見学した。地すべり対策事業の規模の大きさや明治期の鉄道トンネル施工技術に感銘を受けて亀の瀬を後にした。内容の濃い学習の一日であった。

学んだこと

ü  花崗岩は西日本の主な基盤岩(約8000万年前の岩盤)であり平地で露頭を見れるのは非常に珍しい(六甲、生駒、金剛の山々はそれが隆起したもの)

ü  大和川の南側の明神山は二上山とほぼ同時期(約1500万年前)の火山活動で安山岩溶岩を周囲に広範に噴出した。斑晶のない緻密なサヌキトイドも見られる。

ü  大和川の北方のトメショ山周辺も約1500万年前に噴出したドロコロ溶岩流によるドロコロ火山岩(安山岩)が分布している。

ü  地すべりの本体(土塊)はドロコロ溶岩であり、その下は花崗岩である。その境目にレキ層と粘土などの滑り易い地層がある。そのため、地下水などの影響を受け、上部の土塊がゆっくりと動き出して地すべりを起こすようだ。

ü  大和川河原で一番多く見られた石ころはサヌキトイドを含む多種多様な安山岩のレキであった。次に多かったのは花崗岩とチャートであった。

ü  先月観察した石川のように流紋岩や溶結凝灰岩は殆ど見られず、安山岩が圧倒的に多かった。花崗岩やチャート、片麻岩などは両河川に共通して多く見られた。(I.S.)

河内堅上駅から亀の瀬の大和川河原、地すべり対策施設等の見学

亀の瀬の岩石(資料館の展示標本と今回河原で採集した石ころ)

 

 

 

 

 

山歩き部会の5月活動報告

実施日 : 5月24日(水)

行き先 : 中山連山最高峰・標高478m

コース : 中山観音駅 ~中山観音寺  ~ 中山連山最高峰~奥の院~清荒神駅

参 加 : 40名

 今回の参加者は、40名である。二班に分けて活動したが、それでも20名ずつである。中山連山は、低い山の集まりであり、そのピークが中山連山最高峰である。中山観音駅からお寺の中を通り抜け、裏山に登る。途中に2~3か所展望台がある。最初の展望台で小休止したのち、夫婦岩を通り、高度を上げていく。少しトラブルがあったが、中山連山最高峰に到達する。弁当と記念撮影を済ませ、下山する。下山は、中山寺の奥の院を通る。改修された奥の院を通り、清荒神社の駐車場へと降りる。ここで解散して、希望者は荒神さんにお参りした。(Y.Y、写真M.K)

*各写真をクリックして頂くと200%に拡大します。

中山全体A

中山全体B

いのちの営み探検部会の5月活動報告

実施日  : 2023年5月15日(月)

観察場所  :   河内長野・ボ谷 

参加人数 : 13名 

 午前の降水確率60%、10時には雨雲は通り過ぎているので実施。「マムシグサ」を求めてボ谷への道すがら、欧州原産の園芸種のツタバウンランや花の形がチャーミングで葉っぱを天婦羅にするユキノシタ(ダイモンジソウやジンジソウと同じなかま)、薄紫と白いタツナミソウなどを観察し、スイバとギシギシの違いを確認し、エノキの葉をまいたオトシブミ(中には卵が)やケヤキに出来た虫こぶケヤキハフクロフシで立ち止まってはと寄り道し、「ピッピッ ピッピュクワイ ピッピュクワイ ちょっと来い ちょっと来い♬♬♬♬」コジュケイが騒がしく呼んでいるが別方向へ。

 「マムシグサ」はサトイモ科テンナンショウ属の植物、他にはウラシマソウやムサシアブミなど日本には30種以上とか、種名や分類は明確でないのでテンナンショウ属植物を「マムシグサ」と総称する場合があるようだ。観察したのは正しい種名は何だろう?不思議な植物で、雄株と雌株があり、同じ個体が雄から雌へ、雌から雄へと年により性転換!初めの数年は花を付けない無性個体、ある程度成長すると雄株に、球茎(地下茎の一種・芋)が小さい間は雄株、球茎に栄養を蓄え大きくなると翌年には雌株に、また、球茎が傷ついたり光合成がうまくいかず栄養を蓄積出来なければ翌年には雄株に戻る!受粉のしくみも独特、花粉媒介者はキノコバエ、付属体からの匂いに誘われ仏炎苞の奥深くへ入ると戻る事が出来ず、雄株の場合は仏炎苞の合わせ目には出口が有るが、雌株には出口がなく死んでいく。仏炎苞を切り開き、内部を観察しながら植物の子孫を残す生存戦略の巧みさやしくみには驚き感心もする。(T.M

 

16期生5月24日の講座報告

年月日  2023年5月24日(水)  天気 晴れ

講座名:淡水魚入門

講 師:小川 力也 先生(科学教室力塾 塾長)

場 所:木根館(河内長野市立林業総合センター)・石川

 学生時代にイタセンパラの魅力に憑りつかれ、以来40年以上魚類の生態研究に取り組んでおられる小川先生。さらに、今は力塾で中高生を指導、未来の研究者を育てている。先生の膨大な知識から繰り広げられる講義に、魅了される楽しい充実した1日だった。   午前の座学では、2時間があっという間に過ぎ、もっと話を聞きたいという受講生の方がたくさんいたように思う。「おもしろい!」「楽しい!」「ええっ!ほんと?」と、身近な魚の生態の不思議を、クイズを交えてわかりやすく、興味深く教えていただき、受講生の皆さんも真剣に聞き入っていた。特に、専門のイタセンパラの生態は驚くばかりで、本当に「目が点・・・」「目からウロコ」が何枚落ちたことか。魚の世界も不思議がいっぱいだ。

また、大阪の河川、淀川や大和川、石川の深いつながり、また、明治から現代にいたるまでの人の手による開発や改修と、自然との関わりの深さ複雑さにも感じ入るところがたくさんあった。また、先生が指導された高校生たちの、~南河内地域の自然再生~石川に対する熱い思い、地域や行政も取り込んでの活動にも心を打たれた。

 午後の観察では、シニアがあっという間に子供に帰り、夢中で魚とりに取り組む姿は、微笑ましく楽しいものだった。メダカの雌雄の見分け方やヨシノボリの話、オイカワやカワムツなど、たくさん教えていただいた。他に、川エビや珍しいトンボのヤゴなども捕獲、カエルまで参加の楽しい川遊び?だった。最後のヨシノボリの卵は、感動ものだった。 (K.T)

真剣に話を聞く受講生

捕れたよ、捕れたよ!

ヨシノボリの雌

オイカワ、カワムツ

メダカの雌雄の違いは?

小川先生、見事な網捌き

捕獲大成功!

石の裏にヨシノボリの卵

何が捕れるかな?

まるで宝石みたい!

 

 

吟行部会の5月活動報告

開催日 : 令和5年5月20日 (土曜日)

場 所 : 高倉寺 寶積院(堺市指定有形文化財)      

句会会場 : 泉北ラボ

参加人数 : 12名

泉北ニュータウンの古刹 高倉寺.寶積院を訪ねました。ここは泉北ニュータウンの玄関口「泉ヶ丘駅』から徒歩で行けます。今日はこの高倉寺 寶積院にある小堀遠州若年の作と伝えられている小庭園、亀の形をしている「亀の庭」と豊臣秀吉がここで茶会を開いた時に「聚楽第」から一字とって「寶聚庵』と命名した茶室を拝観させて頂く予定だったが 茶室は現在使われてなく外から眺めるだけになりました。お庭をしばし観賞して寺内を散策。徒歩で句会会場へ会場のランチボックスを利用して昼食、そのまま自由に句作
オープンなレンタルルームでまた 一味違った吟行でした。(M.T)

・5月兼題 八十八夜・幟・巣立鳥・薫風
・5月会員の代表句
薫風や鯉ひるがえる芥川   尚文
薫風の飛鳥路駆けるニューファミリ  たけみつ
風燻る美男で座す阿修羅像  洋々志
ロシアへと帰るも定め巣立鳥 ゆき雄
立漕ぎのセーラー服や青嵐  美枝子
薫風や各駅停車に乗ってみた 河笑流
朝戸開けとまれ目高をひいふうみい  流以
年中の手間を忘るる苺時   都史子
たかだかと武者絵の幟里の庭  楠子
野菜苗を買うて八十八夜かな 万未知
巣立鳥教え子の笑むスクリーン 佐都
風薫る先達ここでひと休み  行行子

・5月当日句特選
青葉風本尊不在新御堂     楠子
・当日句入選
新都市に鎮むる寺や庭涼し  ゆき雄
雨上り青葉簾の参詣路    都史子
宝積院菩提の花の髙きかな  河笑流
夏立つや亀の甲羅もさみどりに  たけみつ

野鳥部会の5月活動報告

活動日 : 5月17日(水)

観察場所 : 大阪城公園

参加者数 : 31名

観察種数 : 18種 

 集合場所となった森ノ宮駅前の公園入口では、半袖、短パンの外国人だらけだ。今日の気温は30度近くになるだろうとの予報で、今回から新しく加わった15期生を含め31名、半袖は無理としてもそれなりの暑さ対策をお願いして出発。ここ大阪城公園は渡り鳥の通過地となっており、春秋のシーズンには多くの渡り鳥が羽を休める。先ずはムシクイ類やビタキの仲間などの夏鳥が多く集まっているという情報のあった「市民の森」へ、しばらく進むが森はスズメの鳴き声ばかりだ、雛に餌を与える親スズメやファミリーで移動するスズメ達を見るのはこの時期だけのことでもあり、微笑ましい光景だが・・・他には???。すると突然にホトトギスの一声、しかし姿は全く見えない。そしてエゾムシクイの囀りも遠くで・・・・・、森の端でようやくシジュウカラの姿と囀りを聴く。 ここで予定コースを変え、成果を求めて「飛騨の森」への直行を採る。道中はスズメとムクドリ多数、東外堀にはカワウ一羽、北外堀にはカワウとカルガモ一羽のみ。

 飛騨の森では多くのカメラマンやバーダーが集まっている。聞けばサンコウチョウとマミジロがいるとのこと。これは期待できると昼食もそこそこに午後の観察が始まった。サンコウチョウは雌でしたが、しっかり姿を見せてくれて、しばらく一同その鳥を追いかけることに・・・鳴き声を聞いた方もいたようです。マミジロは一部の人だけでしたがばっちり姿を捉えました。写真に撮れなかったことが残念ですが。

 その後、天守閣東側、豊国神社裏、桜広場といつもは多くの夏鳥や小鳥に出会える場所も、暑さのせいか、今年は渡りが早かったのかツバメ以外に姿を見せず、道中はカラス、スズメ、ムクドリ、カワラバト、ヒヨドリばかり・・・最後にコゲラとホオジロの鳴き声を加えても18種とちょっと寂しい探鳥会となりました。(M.K 写真K.T)

サンコウチョウ

サンコウチョウ②

アオサギ

カルガモ

カワウ

スズメの親子

 

16期生5月17日の講座報告

年月日:2023年5月17日(水)晴れ

講座名:鳥類入門

講 師:久下 直哉 先生(日本野鳥の会大阪支部企画部幹事)

場 所:大泉緑地公園・新金岡公民館

 晴天ではあったが気温30度超えの予報があり熱中症の心配をしながらのスタートになった。双眼鏡や鳥類図鑑を持参している講座生が多く熱心な様子が伺えた。

 大泉池ではサギ、カワウのコロニーが見られた。中央休憩所の日陰からの観察で体の負担が少なくスコープを通してじっくりと観察することができた。大きな木の下方にはコサギ、上方にはカワウが巣を作り、側にはアオサギの巣も見られた。群れでありながら共生している様子が観察できた。成鳥と幼鳥の羽の色の違いやカワウの成鳥のエメラルドグリーンの虹彩、首元の色彩の白黒黃色のコントラスト、喉元をふるわせて暑さをしのぐ様子など講師の説明が興味深く何度もスコープを覗き飽きることなく観察した。ひなが育つ時期でもありこの様な光景を見られた事は非常に幸運だったらしい。続けて公園内でシジュウカラの囀りを聞きながら声から様子を感じ取ることやスズメの幼鳥の柔らかな色調の羽と成鳥との違いを観察した。「見たいものをじっくり見ることが観察なのですよ。」という講師の言葉が印象に残った。

 午後の座学のテーマは「鳥の羽根と鳥類標識調査からわかること」

 羽根の構造を知ること、羽根の色で種類や幼鳥と成鳥の違いがわかることを学んだ。他にも虹彩やくちばしの色も幼鳥と成鳥の見分け方になる。カスミアミを使った大規模調査で鳥に標識を付け追跡調査を行っていることも学んだ

 最後に鳥の剥製や頭骨格で構造や色彩を観察した。カラスのくちばしのキャップには大いに盛り上がった。

参考:YouTubeでイヌワシ 伊吹山 米原で検索するとライブ配信が行われています。 (E.H)

カワウ、コサギのコロニーを観察

上方にはカワウ、下方にはコサギがいます。

木の上にはカワウの巣が沢山!

講義風景

1960年頃作製の標本。色が保存されています!

標本で羽の構造を観察します。

昆虫部会の5月活動報告

1. 日時 : 5月9日(火)10:00〜

2. 場所 : 西原公園(堺市南区)

3. 参加人数 : 17名

4 .活動内容 : 当日は天候にも恵まれ、初夏の西原公園で初めて参加された方もおられ、17名の方々と和気あいあいのもと活動が始まりました。 まず、全員で公園案内図の前で、本日の活動場所の確認と先週の下見の状況の説明の後、大方池付近へ移動。 ここでは、イトトンボ、アオスジアゲハ、アゲハ、シジミなどたくさんの種類の昆虫との出合い頭ありました。 次に、西松尾池付近へ移動し、ここではクロアゲハ、ヤンマ、フタスジヒラタアブ、アオサカメムシなどとの出合いがあり、今日は、キタキチョウ、モンシロチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ルリシジミ、ヒナバッタ、コミスジ、アオスジアゲハ、ヤマトシジミ、ナミアゲハ、クロイトトンボ(オス、メス)、マガリケムシヒキ、ベニシジミ、フタスジヒラタアブ、アカサシガメ、セボシジョウカイ、ヒゲブトハムシダマシ?、コメツキムシ、ウスキクロテンヒメシャク、クワガタの幼虫、クワキヨコバイ、キノコムシ、アオクサカメムシ、イトトンボ羽化直後、ジョウカイボン、オオクロクシコメツキ、タイワンクマバチ、タイワンクマバチ幼虫、イトトンボの仲間。 [目視]クロアゲハ、ヤンマ、ツマグロヒョウモン以上31種の昆虫との出合いがあった。

 昼食の後、会員の井上さんから提供のありました、珍しい竹の中で巣づくりをしているタイワンクマバチの巣を竹ごと預かって来て、竹を割って全員で確認しました。 一節の中は、四つの部屋に区切られていて、各部屋に幼虫の餌(蜜と花粉と唾液で固められた?)があり、皆んなで少しずつ試食「甘酸っぱくて美味しい」と高評価であったがタイワンクマバチの上前をはねた罪悪感だけが残った。

 一方、大方池付近の朽木の中で、甲虫の幼虫らしきものを見つけ、これは何の幼虫か?カブトムシ、クワガタ、カナブンなどなど意見が出て来て、結局朽ち木の中で見つけ、大きさからクワガタと同定した。今日の活動はたくさんの昆虫との出合いなど、いろいろ波乱に富んだ活動となりました。 (文、絵:HT   写真:K T )

羽化したて?のイトトンボ

クロイトトンボ連結産卵

アオスジアゲハ(色鉛筆画)

竹の中のタイワンクマバチの巣

竹の中から飛び立つ寸前のタイワンクマバチの成虫?

クワガタの幼虫

ウォーキング部会の5月活動報告

第62回ウオーキング部会

行き先 : 伏見桃山城から大岩山展望所

実施日 : 2023年5月11日

参加者 : 30名

 五月晴れの中、総勢30名で伏見桃山駅を出発した。 まず駅近くの御香宮神社を訪れ御香水と呼ばれる有名な名水を味わい、次に平安京を作ったと言われる桓武天皇の陵墓に参った後、伏見桃山城にて城を眺めながら少し早い昼食を食べる。 お城は耐震強度を満たしていないため天守閣内部は見学できなかったのが残念だった。 伏見城を後にして木陰のある伏見北堀公園内をゆっくり散策した後、大岩山展望所に向かう。 青々とした竹林を眺めながら急坂の道を登り展望所に到着。 展望所から伏見桃山城や京都の町を一望し、ちょっとした登山気分を味わった。 展望所より急坂を下山し藤森駅にて解散する。(M.Y)

御幸宮神社の名水

桓武天皇陵

伏見桃山城

大岩山展望所

16期生5月10日の講座報告

 年月日 : 2023年5月10日(水) 晴れ

 講座名 : 植物入門(木本)

 講 師 : 栗谷 至 先生 (大阪自然環境保全協会理事)

 場 所 : ファインプラザ大阪・光明池緑地

 午前中室内で樹木について基本的な知識を学び、午後は光明池緑地に出かけ樹木や草花の樹皮・葉・花などについて説明を受け観察した。 座学では、樹木の生存戦略(長生きする、水平に広がる、背丈を高くなど)のため、光合成したデンプンなどを幹に貯めながら縦方向にも横方向にも成長すると説明があり、樹木では樹形と光合成の働きが大事であると学んだ。 樹木の見分け方では近くで見かけることの多い「クリ」「コナラ」「クヌギ」「アベマキ」の4種類の木を、樹皮の形状からグランドキャニオンの地形変化の様子に合わせて覚えておくと三割程度の樹木は見分けることができるとのことであった。

 午後の野外観察では、ケヤキを見ながら仲間のエノキやムクノキとの違いについて説明があり、枝先と下枝の葉の大きさに違いがあることを観察した。ヒメユズリハの下では類似のユズリハとヤマモモとの違いについて、図鑑を使って「同定」の仕方を学んだ。これから図鑑を選ぶなら、種類数の多いもの、言葉より図や絵で特徴を示したものが分かり易いと助言があった。スダジイの下ではシイ類は密生して下草や他の樹木などが育たないので、大阪あたりでは最後はシイ林のままである。最後にそれぞれが採取した葉っぱから葉脈を観察し、葉脈の様子を知ることも樹木を知る一つであると学んだ。 晴天の中、講師の先生には樹木に限らず草花など目に入る植物すべてを丁寧に説明いただき、少し時間を心配しました。関心を持って見つめると、緑地の林は不思議がいっぱいだった。(H.I)

葉っぱ葉脈から導管を観る

うまくいったケヤキの強剪定痕

代表的な代償植生についての座学模様

ナラ枯れ防止、この辺りの被害は峠を越した

図鑑を使ってヒメユスリバの同定模様

枯れ枝を使って芽鱗痕の説明

写真部会の5月活動報告

実施日 : 5月10日(水)

行 先 : 浜寺公園

参加人員 : 5名

 暖かいと言うよりも、動くと暑い程の晴天。しかし日陰では涼しくて撮影日和。 今年度最初写真部会(4月は雨で中止)なので、今年度から入部した山崎さんが初参加、参加者は計5名。 浜寺公園のバラ園は今が満開。 平日に拘わらず、結構人出もあり、特に小学生の校外授業で黄色い声が賑やかでした。 その中を約1時間、満開の種々のバラを撮影し、園内で昼食後に解散。 帰途中に、浜寺名物の松露団子を買い求める人も。 (Y.M)

里山保全部会の5月活動報告

月 日 :  5月5日 (金)

場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

参加人数 :  14名

活動内容

 2023年度最初の4月例会は雨天中止となり本5月例会がスタート。 本部会に15期生が7名入会、うち3名が出席し14名での賑やかさ。 心配されたお天気も良し、みんなやる気満々です。 畑組は寒さに耐えたて成長したエンドウと同じく負けずに生育した玉葱を収穫。 3月に植え順調に生育したジャガイモにたっぷりの肥料やり、さらに枝豆、かぼちゃ、ニラ、赤ジソの植付けと多忙な活動作業になりました。

 山組は3月に引き続きこの数ヶ月続く山中に生える笹やシダの伐採作業と枯れ枝集め。 笹やシダに隠れた缶、瓶、ペットボトルや自動車のバッテリー、バイクのタイヤ等の放置ごみが見つかり、大阪という都会地の里山の現実にショックを受けました。 畑組が収穫したタマネギとエンドウのおみやげをみんな笑顔で持ち帰りました。(O.N)

雨で4月部会が中止になり、2023年度のスタート5月部会の参加者

昨年12月に植えたエンドウの収穫         .

 

3月に植えたジャガイモも元気に生育しています

昨年11月に植えたタマネギをどっさり収穫、お土産に分けていま~ス !

山組は今日も頑張って、山の笹やシダを刈り取るぞー !

放置されていた里山のごみにショック

 

植物部会の5月活動報告

観察日 : 5月3日(水・祝)

観察場所 : 奥の谷・河内ふるさとの道(富田林市)

参加者 : 29名

 河内ふるさとの道は滝谷不動明王寺に通じる表通りから、その手前の民家の間の狭い小道を左に折れる。その道を暫く進むと辺りは小高い山林に囲まれた里山の風景へと一変する。 「富田林自然を守る会」の里山活動拠点となっているこの里山「奥の谷」は当カレッジの講座や里山保全部会でもお馴染みだ。会の休憩所にもなっている作業小屋にはゴールデンウィークの真只中にもかかわらず、五月晴れの薫風に誘われてか、29名の部員が集まった。

 午前中は作業小屋近くの河内ふるさとの道、周辺の畑、水田の植物をゆっくり見て回る。 季節は春爛漫、植物環境と観察には最高だ。 周りは一面にウマノアシガタの黄色、ハルジオンの薄いピンクが群生となって咲き乱れ、道端や畔にはアメリカフウロの淡紅色やムラサキサキゴケやムラサキカタバミの紫色が混じる。そして山側ではマルバウツギの柔らかな緑に可愛らしい満艦飾の白い5弁の花とモチツヅジの赤紫花が続く。回りの森林の新緑に混じってキリやフジの花が姿を見せる、小鳥の囀りも賑やかだ。 休耕田一角の池には小穂を付けたカサスゲが群生していた。 その近くの土手では違ったスゲが・・・後で果苞を確認しヤワラスゲと分かった。

 午後は竹林を抜け、東側の里山林道・稜線コース。 ヤブニンジンやヤブジラミ等のセリ科やホウチャクソウは花を終え実を作り始めていた。見晴らし広場に行く途中では見事なキンランの花を見付ける、この花が本日のカメラ被写数ナンバーワンとなった。 稜線の林道ではヒサカキやカマツカは既に花を終え、ササユリの葉茎はかなり大きくなってきている。 途中咲いていた黄色のウツギはコツクバネウツギで、萼片2個を確認する。 作業小屋近くのクワは実を鈴なりに付け始めていて、ガマズミの花は咲き始めだ。 最後は、今日の植物リストに沿い「花合わせ」をする。その数は短時間の観察ではあったが90種を超え、里山の春の花を満喫した観察会となった。(M.K)

ウマノアシガタの群生

咲き乱れるマルバウツギ

ハルジオンの群生

ムラサキサキゴヶの群生

コツクバネウツギ

キンラン

カサスゲ

ヤワラスゲ

マップ作り部会の4月活動報告

日 時 : 4月24日(月)

場 所 : 新檜尾公園~甲斐田川沿い(~光明池)

参加人数: 8名

 2023年度の「マップ作り部会」は観察場所を光明池駅近くの新檜尾公園から甲斐田川沿いを中心に、そのあと時によって光明池を目指すコースとし、それを地区に分けて一年間定点観察し植生のリストを作成する。

 本年度最初の部会は肌寒い日となった。 光明池駅から新檜尾公園の入り口に移動、今回はリストを用意せず、参加者皆で観察しながら各々書き留めて頂く事とした。

 <草本> 丁度一週間前の下見の時には満開だったフラサバソウ、小さな薄紫色の花は同じオオバコ科のオオイヌノフグリに似ているがこちらは毛深く、もう実になっている物も多かった。名の由来は発見者のフランス人の名にちなんだそうである。 草丈の高い黄色の花のオッタチカタバミ。 小さなコナスビ。 葉の細いチチコグサ(父子草・キク科)とへら型の葉のチチコグサモドキ、どちらも茎など綿毛が多い。 広々とした所では白花のサギゴケと紫色のサギゴケが所々丸く群生していて楽しくなる。 キランソウやトキワハゼは少数派だ。 黄色の花のジシバリ(地縛り・キク科)が一面に広がっている所ではその名の由来が良く解る。 イネ科のヒメコバンソウ、振れば小さな音がしそうと思ったら実際するらしく別名はスズガヤ。イネ科では他にオオスズメノカタビラ、カモガヤ、カモジグサ、トボシガラ、ハルガヤ等を見付ける。 タデ科のスイバ(酸葉)やギシギシ(羊蹄鉄)、アレチギシギシ、エゾノギシギシなどの繊細な小さな花の世界に皆魅了される。 ヘラオオバコも多く花もなかなかに可愛い。 花期の遅いニョイスミレ(如意菫・スミレ科)の群生も見られた。 湿った所ではクレソンの白い花やオオカワヂシャの薄紫色の花を見る。 

 <木本> 面白かったのはイスノキ(柞の木・マンサク科、材はとても堅く木刀にもなるそうだ)。虫こぶが沢山付いていたが2種類有るようで、イスノキコムネアブラムシは葉の面に多数の小型の突起状の虫こぶを作る。イスオオムネアブラムシはゆり根のような丸く大きな虫こぶを作り、枯れた感じになった物の空いた穴を吹くとヒョウと言うような音がする。これが別名ヒョンノキの由来だ。10月頃に果実、3月頃に咲く赤い花、また虫こぶの変化を引き続き見て行きたい。 カマツカやザイフリボクの白い花、ピンク色の花はタニウツギ、またタブノキは新芽と共に優しい黄緑色の花を付けていた。 ラクウショウやメタセコイア等の大きな樹も多く今は緑が美しい。

 下見の時に光明池の斜面が綺麗に刈られていたので今回は光明池までは行かず、手前でミヤコグサより花数の多い黄色のネビキミヤコグサ(根引都草・マメ科)や4弁のピンクの花のユウゲショウ(夕化粧・アカバナ科、観賞用のものが野生化したそう)を観察する。  今年の観察場所は水も流れていて、昨年の陶器山尾根道とはまた違った植物に出会えそうである。  毎回観察リストを作成しているので、詳しくお知りになりたい方はお問い合わせ下さい。 (写真・文 Y.M)

ヘラオオバコ

イスノキ・虫こぶ(オオムネアブラムシ)

ネビキミヤコグサ

サギゴケ・白花

イスノキ虫こぶ・イスノキコムネアブラムシ

タブノキ