15期生7月27日の講座報告

年月日 : 2022年 7月 27日 (水)  曇り時々晴

講座名 : 高山植物観察と梅花藻観察

講師  : 湯浅 先生 ・ 吉田 先生 (伊吹山もりびとの会 ガイド)

場所  : 伊吹山 ・ 醒ヶ井 (滋賀県米原市)

 今日は、楽しみにしていた伊吹山での高山植物観察の講座だ。雨の予報で心配していたが、バスの車窓から日が差し込んでいる。大丈夫そうだ!途中から合流されたガイドの湯浅先生から、スカイテラス駐車場に到着する迄の車中で、伊吹山の地形や特徴などの説明を受けた。 ①風が強い②霧が多い③雪が多い、の三つの特徴があると教わる。駐車場に近付くにつれ霧が湧いてきては風に流されている。見て納得!でも涼しくて気持ちよさそうだ。

バスを降り、ガイドブックを手に説明を受けながら西登山道を歩き出す。紫色のクガイソウやヒヨクソウ、桃色のクルマバナやシモツケソウなど可愛い花が現れるが数が少ない。近年、クガイソウ、イブキボウフウ、コオニユリ、シモツケソウ、ワレモコウなどは鹿の大好物の植物なので食害が深刻な状況と逆に鹿が食べないフジテンニンソウやアカソなどが繁殖する為、伊吹山固有の植物が減り山頂のお花畑は以前の面影が無くなったそうだ。私達が、管理されているお花畑の観察をしている時も、囲っている柵の外で草を食べている3頭の鹿を発見。以前のお花畑に戻す大変さを感じた。

その後、伊吹山を後にして梅花藻の観察場所、醒ヶ井に向かう。冷たく澄んだ水中に咲く梅花藻の、可憐な姿に心が癒やされ清涼を感じさせて貰った。往復路共、事故渋滞に遭い約12時間掛かった旅も無事終了。 お疲れ様でした。      (S・Y)           

柵で保護されているシモツケソウです。

伊吹山頂上で集合写真。はいチーズ!

頂上の三角点にタッチ!

梅花藻が清流の中から顔を出してるよ!

 

石ころ部会の7月活動報告

月 日 : 7月22日(金)

場 所 : 河内長野市 ふるさと歴史学習館

参加者 : 14人

活動内容 :

炎天下の野外活動を避け、屋内となったものの、活動自体は今回も石に拘った勾玉作りである。ふるさと歴史学習館が用意してくれた「勾玉づくりセット」には平面にカットされ穴のあいた滑石(蝋石)、サンドペーパー、耐水ペーパーと紐が入っている。これだけでも作成可能であるが作業効率化のため、他に金属製の平型と丸型のやすりも用意されていた。 指導員の指示に従い、四角の滑石を金属製のヤスリと紙のヤスリで勾玉の形に削り上げ、耐水ペーパーで磨いて穴に紐を通せば勾玉のペンダントの出来上がり。実に簡単である。出来栄えについてはそれぞれの想いもあろうが、1時間足らずで作ったにしてはなかなかのもの。これを縄文、弥生の時代に翡翠の原石から作れと言われたらどうしたものか。どんな道具を使って、どのように削り、どのように穴をあけたのだろうか。その労力は想像に難くない。

以下は勾玉や滑石について事後に得た知見である。

  • 勾玉は縄文の昔から日本で作られてきた。形の由来として、元は熊や狼の歯牙に穴をあけて装身具であったとか、胎内の胎児の形、太陽と月の組み合わせ等の所説がある。
  • 当初は滑石のような軟質石材が使用されたのだろうが、地域や時代の変遷により翡翠、碧玉、瑪瑙、ガラス、水晶など様々な材質が使われるようになったようだ。特に、硬度の高い翡翠は整形が極めて難しいことから貴重な宝物であった。歴代天皇の三種の神器(鏡、劔、勾玉)のひとつでもある。
  • 今回使用した滑石は蛇紋岩などの地中の岩脈が酸性熱水変性を受けた変成岩であり、特有の結晶構造のため結合力が弱く、非常に軟質(モース硬度:1)である。主な産出地は中国、オーストラリア、イタリアである。
  • 宝石の硬度は柔らかい順に 滑石(モース硬度:1)< 瑪瑙(2)< 方解石(3)< 蛍石(4)< 黒曜石(5)< オパール(6)< 水晶(7)< 翡翠(8)< サファイア(9)< ダイヤモンド(10)である。
    • 因みに、我々が普段見かける石ころの硬度は 砂岩(2.5)< 大理石(3)< 安山岩(6)< 花崗岩、チャート(7)である。(砂岩なら何とかなるかも。。。)  ( I.S)                      

勾玉の作成風景

勾玉づくり 14人の会心作

15期生7月20日の講座報告

年月日 : 2022年 7月 20日 (水)  晴

講座名 : 両生類と爬虫類

講師  : 木下 裕美子先生(堺自然ふれあいの森 館長)

場所  : 堺自然ふれあいの森

 午前の座学は、まず“里山とは?”の話の後、里山文化の継承の場としての森作りを進めている 「堺自然ふれあいの森」についての説明を受けた。里山の環境を残し、生物多様性を出来るだけ保存して、次世代を担う子供達に伝えると言う取り組みをされているそうだ。私達シニア世代にも懐かしい風景に出会える場所だ。

座学後半は両生類と爬虫類の違いや特徴など比較しながら学ぶ。カエルの婚姻瘤、トカゲの第3の目(頭頂眼)、ヘビの割れた舌先などの説明は面白くて聞き入ってしまった。また、ふれあいの森で会えるカエル・トカゲ・オタマジャクシ・ヘビ等の特徴を教えて頂き午後に備えた。

午後は網を手にしてフィールドへ。暑い時間帯は人間と同じく草陰で涼んでいるとの話で、草をかき分け探す。トカゲを見つけるが動きが速くて捕まらない。三人がかりでやっと小さなカナヘビを捕獲!その後木の葉の上のアマガエル、田圃で見つけたトノサマガエル・ヌマガエル・シュレーゲルアオガエル・オタマジャクシ等を捕獲!ヌマガエルの婚姻瘤やニホンカナヘビの頭頂眼などもルーペで確認することが出来た。知っていましたか?カエルの前足の指が4本で(写真を参照)後ろ足の指は5本なのを。日頃カエルを見ても指の数までは気にしていなかった。じっくりと観察する大切さを再認識。イモリやヘビには出会えなかった(残念よりはホットした?)が小さなカナヘビやカエル達のかわいさに癒やされた一日だった。             (S .Y) 

オタマジャクシ追い込み捕獲作戦?

ニホンカナヘビの頭頂眼。見えますか?

シュレーゲルアオガエルのオタマジャクシです。可愛い!

ヌマガエルの婚姻瘤。メスを抱え込むための抱きダコです。

野鳥部会の7月活動報告

月 日 : 7月20日(水)

探鳥地 : 平成榛原こどものもり公園(奈良県宇陀市)

参加人員 : 16名

観察種数 : 21種

 初参加となった14期生の紹介の後、近鉄榛原駅前をスタート。 上空では夏空をトビ3羽が旋回し、我々を迎えてくれた。 朝の雨に道路は各所で水溜りが残り、気温はそれほど高くないと思うがとにかく蒸暑い。それでもツバメだけは元気よく飛び回っている。  駅から目的地の公園まで2キロ程を宇陀川下流に沿って歩を進める。途中、民家の軒先にコシアカツバメの特徴ある巣を見つけるが、付近にその姿は無し。 川の中を注視しながら進むが、河川敷きの草が深く刈り取られているためか、水鳥や小鳥が少ないようだ。それでもアオサギ、ダイサギにキセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワウ等の水辺の鳥の他にメジロ、イソヒヨドリや電線に止まって長く鳴き続けるホウジロをゆっくり観察。 道中ウグイスの鳴き声はあちこちから・・・

 公園手前のヤマセミのスポットでは河川敷きにヤマセミならぬ鹿の親子に遭遇。途中でも鹿の群れを見ていたが、こんな人里に昼間から多くの鹿の出現にはビックリ。 しばらく公園内をヤマセミを求めて探鳥を続けるがセキレイ類とサギ以外はカワラヒワ、コジュケイしか見つからない。 ヤマセミが現われないのは「河川の水位が下がっているから」とか、「孵化に失敗したから」とも現地で聴いたが・・・残念、次回の楽しみにしましょう。 公園駐車場横でイカルチドリ2羽とキセキレイ3羽が清流を戯れ飛び交うのを最後に帰途となった。 帰り道ではコシアカツバメを追加。 暑さと期待外れでちょっと疲れたかな!(M.K、写真K.T)

コシアカツバメの巣

イソヒヨドリ オスの幼鳥

ホオジロ 鳴く

鹿の親子

キセキレイ

イカルチドリ

いのちの営み探検部会の7月活動報告

実 施 日   : 2022年7月18日(月)

観察場所  : 石川河川敷 

参加人数  : 18名 

5月から晩秋まで出産・子育てをしていて、オギやヨシ、ススキ等のイネ科植物の葉を編んで球形の巣(球状巣)を作る体長が7㎝程の日本で一番小さなネズミ、カヤネズミのフィールドサイン(巣)を探しに河川敷へ。道すがら、エノキについている虫こぶ(エノキハツノフシ・エノキハクボミイボフシ)や、堤防の植物ヤブカンゾウ・ノラニンジンなど観察し、コガネグモが餌のバッタを捕える様子や卵嚢からの子グモの出嚢には興味津々。河川敷に下りてみると下見で見つけていた巣が除草されて跡形もなし、嗚呼!皆で探し回り、ようやく一つ発見。母親は出産前には3~5個の巣を作るので辺りを探しもう一つ発見。今、カヤネズミが住める草地が減少していて、大阪府では準絶滅危惧種に指定されている。原因は開発や生活上のカヤの利用をしなくなった事での草地の減少、それに、川岸のコンクリート化や河川敷の治水による乾燥化とクズの繫茂のようだ。 (M.T)

 

吟行部会の7月活動報告

第120回 吟行部会報告

実施月日 : 令和4年7月16日(土)

実施場所 : 太子町・竹内街道

参加者 :  12名

 開始前の午前9時ごろは、どしゃ降り。「この調子では、実施は無理かな」と一時は諦めかけた。 ところが、集合の9時半には小雨になり、その後はずっと曇天で、暑くない絶好の吟行日和となった。 最初の叡福寺では江戸時代に再建された堂塔や宝蔵を見学。隣接の聖徳太子御廟では円墳を囲む結界石などを見て、街道へ。 旧山本家住宅は豪壮な茅葺き。昔の民具などを鑑賞しながら、しばし休憩。 竹内街道歴史資料館は、江戸時代の絵図や巡礼者にからむ資料などを展示しており、それらを見てから、昼食と句会。南河内の長い歴史と貴重な文化を再認識する充実した一日となった。(文責・渡口)

当日参加者の代表句    兼題 「極暑」 「片陰」 「昼寝」 「茄子」

  • 朝一番玄関初蝉飛びにけり          尚文
  • 省エネに空念仏の極暑かな          たけみつ
  • 午後三時槌音止まる三尺寝         洋々志
  • 陽を受けてきゅきゅと鳴きさう茄子の紺    まさこ
  • 片蔭の濃きを辿りて寺内町          ゆき雄
  • ゼロの列スコアボードの極暑かな        美枝子
  • 極暑来る指輪一つの重きこと         流以
  • 極暑日や虫干からびて庭帚          河笑流
  • 壊されし極暑の町に風ありや         都史子
  • 沖遥か入道雲の力こぶ            ふじ乃
  • 水茄子の薄皮一枚水保つ          楠子
  • 熊野路は大河も細る極暑かな        万未知

当日句  

  • (特選) 太子廟千四百年の蝉しぐれ      万未知
  • (入選) 老鶯の一声雨の叡福寺         洋々志
  • (入選) 結界の石柱揺らし蝉時雨        ゆき雄

 

写真部会の7月活動報告

日 時 : 令和4年7月13日(水)  9時30分~11時30分

場 所 : 住吉大社とその周辺

参加者 : 6名(内、廣川副代表が特別参加)

 猛暑が続く合間の、比較的涼しい日に住吉大社とその周辺をぶらり。 住吉東駅をスタートし、途中、古いお蔵を改造した中に、古い美術品、古い家庭用品、古書、昔の看板、韓国の石像など、多種多様の古物を陳列。持ち主の村上さんとのお話で今年の9月にはお宝鑑定団に出演の予定とお聞きする。何を出品するのかが楽しみに。 住吉大社内では、各人別れて、自由に撮影。社殿、太鼓橋、灯篭、伍大力など1時間後に集合し、喫茶店で軽食後解散しました。 (Y.M)

15期生7月13日の講座報告

年月日 : 2022年7月13日(水) 曇り時々晴れ

講座名 : 淀川の水生生物

講 師 : 施設担当者(丸山さん)

会 場 : 生物多様性センター (寝屋川市)

今日の前半はこれまでの講座でも度々出てきた「生物多様性」について解説して頂いた。”いろんな生物がいろんな自然の中に暮らし、お互いにつながって存在している事”で、生態系の多様性:供給、調整、文化的、基盤の4つのサービスが関係しあって生物は生きている。種の多様性:地球には175万種あるが種の絶滅が進んでいる。遺伝子の多様性:同じ種の生物でも、様々な個性が生まれる。そうして、この生物多様性には第1の危機:開発など人間活動による危機。第2の危機:自然に対する働きかけの縮小による危機。第3の危機:人間により持ち込まれた危機。第4の危機:地球環境の変化による危機の4つの危機が挙げられる。生物多様性は豊かな生態系システムを保つことが人間の健康につながり、気候変動対策の重要な要素で、経済効果をもたらし、文化と密接に繋がっている。つまり、私達が自分自身を守るためには自然を守ることが必要であることの重要性を認識出来ました。

後半はセンター内の展示や屋外ではビオトープ池、水辺の植物園、コイ池などを見学。天然記念物で絶滅危惧種のコイ科で日本固有種のイタセンパラの飼育繁殖を行っており産卵期(9~11月)には赤紫色をしたオスのイタセンパラが見られます。最後に最近関西を中心に増えている外来種のアカハネオンブバッタの調査のお手伝いをしました。採取網で捕まえたバッタがショウリョウバッタかオンブバッタか、判定してオンブバッタなら、それがアカハネオンブバッタであるかを後羽を広げて色を調べます。オンブバッタは透明で、アカハネオンブバッタは赤色をしている。結果はオンブバッタ20匹の内11匹がアカハネオンブバッタで、侵略が進んでいるようだ。は~い今日はここまで。”水曜日は雨が降らないネ”の声を聴きながら帰ります。(T・O)

産卵期にはオスが赤紫色になるイタセンパラ

何処にいるか分かりますか キイトトンボ

四つ葉のクローバーに似た水草デンジソウ(田字草)

花や葉を見ると清々しい気持ちになる蓮

15期生7月6日の講座報告

年月日 : 2022年 7月 6日 (水)  晴

講座名 : 農業体験

講師  : 柴田美治先生(南いきいきファーム推進会 会長) 笹野鉄夫さん他

場所  : みないき農業塾圃場(堺市南区)

 初めての農業体験は、堺市南区にある約30アールの広さの圃場で行われた。台風崩れの雨が朝に上がり、到着した時は日が差すほどの天気になった。暑くなりそうだ・・・ 午前は夏野菜の収穫と袋入れの実習だ。三つの班に分かれ、収穫方法の説明を受けて、アシスタントと一緒にそれぞれの持ち場に向かう。キュウリやナスは屋外なので良かったが、ビニールハウス担当のトマト班は40℃にもなる室内での作業なので、大変だったそうだ。 収穫は30分ほどで終わり選別作業になったが、連日雨が続いていたせいかキュウリの太りすぎやトマトの実割れなすの表面の摩擦傷等もみられた。畑には収穫した野菜以外にオクラ、カボチャ、甘長ピーマン、枝豆、サツマイモなど作付けられて成長が待たれている。

袋入れ作業は、農作物用「防雲袋」(ボードン袋)と言って穴あきの曇らない袋を使う。野菜の表面を拭き、計量し、形を揃えて袋に入れる。収穫から出荷までの作業は思っていたより手間が掛かる物だと実感した。昼休みに規格外品を格安で分けて頂くことが出来、新鮮野菜を両手いっぱい手にする講座生の姿もあった。

午後は座学で、野菜作りの楽しみ方を体験談を交えながらお話して頂き、その後講座生からの質問にも答えて頂くことが出来た。 農業は日常の管理が大変なのと、猛暑と日照りや逆の大雨、長雨など天候の影響を受けながら苦労して野菜を育てて、それを収穫する喜びは大きい事だろうと思うと共に感謝です。   講座は、30℃を超える暑さのため少し早めに終了した。 (S.Y)                                            

私達が収穫しました!

カメムシの被害に遭ったナスです。規格外になります。

ジャガイモ計量中。以外とむずかしいよ!

作業終了。沢山売れますように!         

里山保全部会の7月活動報告

月 日 :  7月1日 (金)

場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

参加人数 :  12名

活動内容 : 今年は 最速の6月梅雨明け、本日は気温37度予想の活動日になりました。

 山組は前月に引き続き、新しく活動の舞台になる山の山道を作る作業です。 傾斜のきつい箇所は前月同様、山の木で階段を作り登り易い山道にしました。また、新しく活動の舞台になる山の植生調査を実施しました。

 畑組は先月植えた黒豆畑の草抜き、順調に生育していることにひと安心、そして3月に植えたじゃかいもをどっさり収穫、本日の参加者で分けて持ち帰りました。(O.N)

気温37度予想の猛暑日だが頑張るぞとスタート

切り拓いた山道を歩き易いよう丁寧に整備

木を伐り、切り開いた山道

新しく活動の舞台になる山の植生調査

黒豆、里芋も順調に生育。雑草も負けずに順調に生育

どっさりジャガイモを収穫。本日の参加者で山分け

2022年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : osnc

マップ作り部会の6月活動報告

日 時 : 2022年6月27日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道 (陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加者 : 10名

今日はオカトラノオが咲いていると聞き、番外ではあるがまず観察場所と反対の北の方に向かう。<北地区> 白い小さな花を沢山付け、尾を横に伸ばして咲いているオカトラノオ(丘虎の尾)が群生している様は何か優しい風情である。ムカゴを付けたオニユリはまだ青い蕾。 木本で咲いていたのは淡紅色の長い花糸が美しいネムノキ。夕方花が咲き始め、逆に葉は閉じて垂れ下がる。漢字名の(合歓の木)は「眠る木」が訛ったもの。落ちていた花には微かに甘い香りが残っていた。そしてシャシャンボ(小小坊・ツツジ科)(C地区にも)白い壺状の花が下向きに並んでいる。熟した果実はツツジ科の中では一番美味と云い、変わった名前も実の成り様から付けられたものらしい。冬の訪れが待ち遠しい。

集合場所に戻り改めて観察を開始するが、陶器山の1ヶ月の変化に驚かされる。5月に私達を楽しませてくれた樹々の花の多くは実になり始めており、変わりにトウネズミモチ(全域)の白い花が満開であった。 草本では特にC地区で色々な花が咲き始めていた。

<A地区> 陶器山のネジバナ(AC地区)は色鮮やかで立派。濃いピンク色の小さな花をらせん状に沢山付けている。 木本ではマルバハギが咲き始める。ネジキの下向きに付いていた白い花は首をもたげて上向きにカッチリした実へと変身。ガンピ(雁皮)(AB地区)は花の形そのままの細長い実に。ナツハゼ(全域)はもう少ししたら、もっとツヤツヤした可愛らしい実になることだろう。

<B地区> 新たに草本ではアレチギシギシ、ウラジロチチコグサ、ムラサキツユクサを、 木本ではアジサイ(陶器山では少ないようだ)、葉の変形が激しいがアオツヅラフジと思われるもの、アカメガシワ(BC地区)の花を確認する。

<C地区>アカツメクサ、紫色の小さな花を頭に沢山付けたアレチハナガサ、ウスベニチチコグサ、オオバコ、まだ蕾だがガンクビソウ(雁首草・花の付き方がキセルの雁首を思わせる)、黄色の小さな花のコナスビ、薄紫色のトウバナ、草丈は短くてもピンク色の5弁花が目立つハナハマセンブリ(花浜千振)、ヤブガラシ、ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科、洋種山牛蒡・洋種は帰化植物を指す。なおヤマゴボウは有毒で、漬け物などに使われている山菜の“山ごぼう“はキク科で全く異なる) 木本では5月に蕾だったザクロが花と若い実に、他にナンテン、マサキの花を確認する。またナワシロイチゴの実が真っ赤に熟しており皆見つけては味わう。

陶器山では色々な樹木の花を間近に観察する事ができたが、その花々が食べられる物、面白い物、綺麗な物など様々な果実になると思うとまた楽しみである。 (文・写真 Y.M)

オカトラノオ

シャシャンボ

トウネズミモチ

ネジバナ

アカメガシワ・雌花

ハナハマセンブリ

 

15期生6月29日の講座報告

年月日 : 2022年 6月29日(水) 晴

講座名 : 深泥池と京都府立植物園

講 師 : 竹門康弘先生(京都大学防災研究所准教授)・京都府立植物園協力会ガイド

会 場 : 深泥池 ・ 京都府立植物園

日本で唯一、生物群集として天然記念物に指定されている深泥池(みぞろがいけ)を観察したが、観察前の予備知識としてポイント1.暖温帯にあるのに低層湿原(熱帯、暖温帯で発達しやすい)と高層湿原(寒冷な地域で発達しやすい)の両方の特徴を持つ珍しい湿原である。ポイント2.14万年間もの長い間湿原環境が継続されている。(尾瀬ヶ原は4万年ほど)ポイント3.北方系の生物と南方系の生物が共存している多様な生態系が存在している。ここの特徴の一つである浮島はハリミズゴケが堆積したもので夏場はメタンガスが溜まって浮かび上がり、冬場は水面下に沈むそうである。水面にはジュンサイやタヌキモ等の水生生物が繁殖しているその中に水生生物が掻き分けられて浮島に向かって水路が出来ている。これは何と鹿が浮島へ泳いで行く水路なのだ。鹿は安全な浮島を寝床としており鹿が増えて周囲の植生や浮島の破壊や脆弱化の被害が出ている。数多くのトンボ類がいるのも特徴の一つである。今回はラッキーなことに国内最小のハッチョウトンボが私達の目の前の水際に飛来して皆を喜ばせてくれた。ここでの活動が長い先生も初めての体験で驚かれていた。シカ害、水質の変化による生態系への脅威、外来生物の繁殖等からこの自然を保持するには保全の基本を理解してもらい、保全して得られるメリットを人に還元することが大切である。との考えを基本に日々活動されている先生やボランティアの皆さんに感謝です。

京都府立植物園ではガイドして頂いたが花の少ないこの時期と暑さが重なり内容的には少し寂しかった。今回は案内頂いた範囲も広い園内のごく一部となったので春や秋の良いシーズンに来て京都府立植物園を満喫してみましょう。今日はこの猛暑の中を皆元気で終了出来ました。お疲れ様でした。

暑さも何のその、先生の説明に聞き入る受講生

ラッキー 浮島にいるハッチョウトンボが目の前に

黒い粒の捕虫嚢でミジンコを捕えるオオバナイトタヌキモ

ハナイカダ 若葉は天ぷらやおひたしで食べれるそうですヨ