植物部会の10月活動報告

植物観察場所 : 和泉市松尾寺周辺~農道

開催日時 : 令和5年10月4日⁽水) AⅯ10;30~PM2;00

参加人数 : 27名

  明け方に降っていた雨も朝には上がり、涼しい植物観察日和になりました。 集合場所の松尾寺・春日神社前広場から道路に出て観察を始めました。 坂道を下り、鬱蒼とした木立の下には、イネ科のヌカキビ・チヂミザサ・メヒシバ・オヒシバ(メヒシバよりも力強く小穂も太い)がぎっしりと生えて、小さな花を咲かせていました。 このようなジメジメした場所ではツユクサ科のヤブミョウガの白い可憐な花が見られました。ミョウガの名を冠していますが食用ではないそうです。 地面にピッタリと張り付いているウコギ科のチドメグサは小さくて地味な花が付いていました。 日本のどこにでも見られる、野生のグランドカバー的なこのチドメグサの花序は葉より短く、葉腋に1個つき、その先には花弁が5枚の、ごくごく小さな18個の花が固まって付きます。ルーペで丁寧に観察してもなかなか見つけられない小ささです。 もう少し下った駐車場近くにはブドウ科のキレハノブドウが実をつけていました。ツヅラフジ科のアオツヅラフジが電信柱に絡みつき、黒っぽい実を実らせています。ベテランの会員の方がその実を割って、アンモナイトのような形をした、小さな種子を取り出して見せてくださいました。

 農道に出ると道の両側にたくさんの植物が観察できました。 アゼナ科のウリクサは薄紫の花が付き、ツユクサ科の一日花のツユクサ、葉がクワに似ているので名付けられたクワ科のクワクサ、ナス科のイヌホオズキ等を観察しているとなかなか前に進めない状態でした。 群生するイネ科のスズメノヒエ・カゼクサ、サギゴケ科のトキワハゼ、スベリヒユ科のスベリヒユ、タデ科のイヌタデ(別名;アカマンマ)・金平糖のような花のミゾソバ(別名;ウシノヒタイ)、キク科のオオアレチノギク・アキノノゲシ、マメ科のヤブツルアズキ(写真ではトカゲも写っています)、アブラナ科のイヌガラシ・果実の長さが3~7㎜とイヌガラシよりはるかに短いスカシタゴボウ、花を半分に割ったように面白い咲き方をするキキョウ科のミゾカクシは田の畔を筵で覆うように生える様子からアゼムシロ(畔筵)ともいうそうです。ヨシノアザミもピンクの花が綺麗でした。

 サトイモ科のカラスビシャクが道端にすっくと立っていました。 ヒガンバナ科のヒガンバナは今夏の酷暑のせいか、彼岸より随分遅れて咲いていました。 中国から渡来した多年草で、日本国内の方言での呼び方は550以上あるそうです。それもシビトバナ等と何故か不吉な呼び方で忌み嫌われていました。 日本のヒガンバナは種子がないのに各地に分布しています。 因みに中国では種子ができるのもあるそうです。 球根はでんぷんを含み、有毒ですが、あく抜き処理をすると食料不足の時の貴重な食べ物になるそうです。 先人が、もしもの備えとして球根を各地に持ち運んだので広がったという説もあるそうです。 観察も終盤に近付いた頃にスズメバチの被害がありました。申し訳ないです。 お手伝いくださった方にお礼申し上げます。(文と写真 M.F)

アオツヅラフジの実

 

アオツヅラフジの種

カラスビシャク

ツリガネニンジン

ヤブツルアズキ

ミゾカクシ

ヒガンバナ

ヨシノアザミ