14期11月20日講座報告

日 時:2019年11月20日(水) 晴れ

講座名:淀川と水生生物

講  師:小 田  優 花  先生(大阪府立環境農林水産総合研究所)

場  所:生物多様性センター(寝屋川市)

今日は昨年建て替えられた生物多様性センターでの講座です。最初に生物多様性とは人間も含め様々な個性を持つたくさんの生物がほかの生物や環境とつながり合いながら存在することであるとの定義を聞いた後、生物多様性についてクイズ形式で身近な例を挙げて、食料、衣服、薬用資源、木材、水質浄化など私たちは生活していくうえで生物多様性の恵みとして様々な生態系サービスを受けていることを教えていただきました。また、淀川の淡水魚類は70種あり、そのうち49種が絶滅危惧種になっており、淀川のシンボル魚天然記念物のイタセンパラも一時絶滅の危機に陥ったが、近年ワンドの整備や外来魚を捕獲することにより増えてきたとのことで受講生も環境保全の重要性について考える機会となりました。イタセンパラは不思議な生態を持っていて、秋にイシガイなどの二枚貝に産卵管を伸ばして卵を産み付け、貝の体内でふ化し、春に泳出し、成長後、秋に産卵するというサイクルで寿命は1年と聞いて皆さん驚きの表情で熱心に聞き入っていました。

午後からは館外のビオトープ池でもんどり網を使って自然観察。ヨシノボリ、ミナミメダカ、ザリガニなど収穫は少しでしたが、イグサ、ワンドスゲ、ミクリ、デンジソウなど絶滅危惧種の植物も案内していただき、生物多様性を守るためには動植物の生息環境を守り、他の場所への移動はしない、えさを与えない、農薬をできるだけ使わない、資源を守るということを私たちが実践することが大切であると改めて認識しました。

もんどり網はこのような仕掛けになっています。
ビオトープには何がいるかなー。あそこになにかいるよ!
イタセンパラのオス(左)とメス。オスは交尾期に色が変わります。