月 日 : 9月30日
場 所 : 泉佐野市 犬鳴川渓谷
参加者 : 22人
活動内容 :
季節は既に秋。快晴に恵まれ絶好のハイキング日和。JR日根野駅よりバスに乗り替え30分で犬鳴山バス停に到着。温泉街を通り抜け、参道を進めば渓谷の絶景が目に飛び込む。大きく斜めに傾いた巨大な地層の露頭に息を飲む。森の緑、川のせせらぎ、滝の音に気も和む。さすが「大阪府緑の百選」に選ばれたハイキングコースである。山道を歩くこと小一時間でゴールの「行者の滝」に到着。ひんやりとした滝のしぶきが心地よい。これより引き返し、地層について佐藤先生に簡単に説明をしていただく。地学への好奇心も刺激され、少し若返った気分。「足腰痛み除けの韋駄天」や「ボケよけ不動尊」などにしっかりと願をかけ、犬鳴山バス停に戻る。その後、温泉につかり命の洗濯も出来た。いつか、また来てみたいところである。
佐藤先生の解説や地学関連の書を参考に観察のポイントを以下のようにまとめてみた。
- 大阪の南に連なる和泉山脈(犬鳴山渓谷を含む)は主に和泉層群と呼ばれる地層で、約7000万年前に形成された。
- 犬鳴山渓谷は海底に堆積した礫や砂や泥が長時間かけて固まって岩石になり、その後の地殻変動により隆起して山となり風化と浸食を受けて現在に至っている。その下には花崗岩の基盤がある。
- 海底では数十年から数百年に一度の頻度で起きる混濁流の流れ込みにより泥岩や砂岩が互層となって新たな地層が生まれる。混濁流の原因は主には大地震であり、地層の枚数や厚さは地震の回数や強度を反映していると思われる。地層の厚さは最大7000mもあるという。
- 当地の礫岩には砂岩,チャートの石ころが入っている.これらは現在の地質分布でみると南の大峰山や大台ケ原方面から流れてきたようである。(南側の地層は和泉層群より更に以前に形成されていた)
- 当地の礫岩を観察すると砂岩や泥岩等の他にチャートが混じっている。チャートは放散虫のケイ酸質の殻が堆積して石となったもので、その殻の形状には年代毎の特徴があるので、顕微鏡で観察すれば礫に含まれる石ころの年代がわかる。(それが約1.5億年前なら大峯・大台ケ原の地層) (文と写真 I.S)