マップ作り部会の5月活動報告

2023年度の「マップ作り部会」は観察場所を光明池駅近くの新檜尾公園から甲斐田川沿いを中心に、その後時によって光明池を目指すコースとし、それを地区に分けて一年間定点観察し植生のリストを作成する。

日 時 : 2023年5月22日(月)

場 所 : 新檜尾公園~甲斐田川沿い

参加人数: 12名

 新檜尾公園 古くから有るチチコグサは一つの茎の先に一つの頭上花を付けるのでわかりやすいが、ウラジロチチコグサ、タチチチコグサ、ウスベニチチコグサ、チチコグサモドキ等は大正以降、特に第二次大戦後に帰化したもようだ。花期まで根生葉が残っているのはチチコグサ、ウラジロチチコグサ、茎葉の細いのはタチチチコグサ、少しピンクがかった花のウスベニチチコグサ・・・それぞれ綿毛が多いがその密度や場所、葉の幅、葉先の丸みなどにも違いが有るのだが、一見して見分けるのは難しい。 同じキク科でも大きなものは2mにもなると云う全身鋭い棘のあるアメリカオニアザミが立派な花を咲かせていた。特に北海道に多いそうだが増えて欲しくない植物である。 サクラソウ科のコナスビは黄色の愛らしい花の隣にナスビには見えない小さな丸い実を付けていた。 無柄の小穂を間隔を開けて付けているマスクサ(升草)はカヤツリグサ科のスゲの仲間。名の由来は茎の両端を二人でそれぞれ持ち二つに裂いていって大きな升形になるか、子供たちが相性占いに使ったからと云う。地味だが身近な草だったのだなと思う。 4月に白と紫の群生が見られたサギゴケは紫色のものがわずか残るだけとなり、一面咲いていたジシバリの黄色い花も消えていた。 新たに下から段々に花が咲くキキョウソウ(別名ダンダンギキョウ)が紫色の、 松葉の様な葉が特徴的な小さなツメクサ(爪草・ナデシコ科)が白い花を付けていた。 これまた小さなメリケントキンソウ(5~10㎝・米利堅吐金草・キク科)は危険な植物だ。触れた部員の“痛い!”との声でよくよく見れば実に2㎜程の鋭い棘が付いている。南米原産の外来生物で日本では1930年頃に初確認、一度繁殖してしまうと駆除は難しいらしい。トイレ前の斜面ではグランドカバーに使われる免疫力、繁殖力の強いイワダレソウ(岩垂草・クマツヅラ科)の白い花を見付ける。花は徐々に薄紫色に変化していくらしい。

 新檜尾公園を出るとドクダミ(蕺草・ドクダミ科)が一斉に白い花を咲かせていた。足を踏み入れると独特の臭気が立つ。別名十薬と云われる薬草だ。 甲斐田川沿いではコメツブツメクサより大きく華やかな黄色い花のクスダマツメクサ(薬玉詰草・マメ科)。 全体に毛が多い黄色の唇形の花を付けたセイヨウヒキヨモギ(西洋引蓬・ハマウツボ科)。 面白い名前のマンテマ(ナデシコ科)、名は江戸時代に渡来してきたときの”マンテマン“の省略形とか。縁の白い暗赤色の5弁花を一方向に付け、萼筒に褐色の10脈がある。・・・等を見る。

 全体ではイチゴツナギ、ミゾイチゴツナギ、カモガヤ、カモジグサ、コバンソウ、ヒメコバンソウ、シナダレスズメガヤ、シバ、スズメノカタビラ、チガヤ、ヌカススキ、ネズミムギ、ホソムギなどイネ科の花を多数観察する。

 草本中心の報告になったが木本では 新檜尾公園へ向かう途中に在るユリノキ(百合木・モクレン科)でチュ―リップ形の花を一輪のみだったが確認できたこと。 甲斐田川沿いではウツギ(空木・アジサイ科)の真っ白い花が見事だった事。・・・等が印象に残った。

 毎回観察リスト作成しているので、詳しくお知りになりたい方はお問い合わせ下さい。                             (Y.M)

コナスビ花・実

キキョウソウ(タ゛ンタ゛ンキ゛キョウ)

イワダレソウ

ウツギ

マンテマ

アメリカオニアザミ

2023年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : osnc