日 時 : 2023年10月23日(月)
場 所 : 新檜尾公園
参加人数 : 10名
甲斐田川沿いから光明池までのコースは人の手が入った所が多かったので、今回は草の刈られていない新檜尾公園をゆっくりと観察する。 まず公園に向かう歩道橋から、細長い松かさのようなユリノキの実を見る事が出来た。 公園ではナス科のイヌホオズキと1950年頃から見られるようになったアメリカイヌホオズキを観察する。前者の葉は丸みを帯び果実は一点からではなく、ずれて付く。後者の果実は一点から出て光沢があるのでそこが見分けるポイントのようだ。 優しい薄黄色の花がそっくりなので見落としてしまいそうな、葉に切れ込みのあるアキノノゲシと葉が細長く切れ込みの無いホソバアキノノゲシを見る。どちらも夕方にはしぼんでしまうそうだ。 地面に広がる赤みを帯びた茎のコニシキソウ(小錦草・トウダイグサ科)も良く見れば可愛い杯状花を付けている。 タデ科ではアカマンマと呼ばれるイヌタデの他にボントクタデ(凡篤蓼)を見る。名の由来は葉に全く辛みが無いので役に立たないと愚鈍(ぼんとく)と付けられたそうだが愛らしい風情の花だ。 カヤツリグサ科ではカヤツリグサ、ヒメクグ、テンツキ(天突)を見る。
小川のそばではジュズダマ(イネ科)が出現していた。 ホトトギス、ヒヨドリバナ、フジバカマ、薄紫色のヨメナなど秋の花を見る。 引き続き見られたのは鮮やかな黄色の花のブタナ、小さな黄色い花はオニタビラコ、オッタチカタバミ、コナスビなど、白い花のイワダレソウやヒメジョオンなども咲いていた。 木本では ハギが紅色の花を咲かせ、イスノキ(ヒョンノキ)は虫えいとは違うもっと小さい薄茶色の果実を付けていた。ラクウショウ(細い小さな葉や側枝は互生)の実が大きくなり、綺麗な樹形のメタセコイア(細い小さな葉や側枝は対生)は黄色く色付いて来ていた。
昼食後は高台の原っぱに上がり、一面のメリケンカルカヤ(イネ科)の群生の中を通り、ナワシログミの白っぽく細長い実などを観察。また駅に戻る道ではフウ(別名タイワンフウ・葉が3つに切れ込む)、モミジバフウ(別名アメリカフウ・葉が5つに切れ込み鋸歯がある)などフウ類も多くみられたので秋の紅葉が楽しみだ。フウ類はモミジやカエデとは別の仲間で葉や枝は互生(カエデ類は葉・枝は対生)。またイガイガの丸い実をぶら下げているが、良く似たプラタナス(別名スズカケノキ)の実と違って硬く、踏んでも簡単には潰れない。 また至る所でイネ科の花を見る。大型なので青空に映えるセイバンモロコシ。タチスズメノヒエ、シマスズメノヒエ。コブナグサやチヂミザサの群生。エノコログサ類。カゼクサ、シナダレスズメガヤ、コスズメガヤ、メヒシバ類、チカラシバ、イヌビエ、ヌカキビ、アシボソ、ササガヤ等々。
秋空のもと、気持ちの良い一日を過ごす事が出来た。 9月に観察した場所は刈られてしまったが、10/18に見て来ていたので一部報告する。 イヌハギ 八方に枝を伸ばして咲いていたクリーム色の花は終わり、球状の閉鎖花を付けていた。 コガンピ 花は細長い実に変身していた。 ヌルデ 実はしょっぱい味がするというので舐めてみた。小さな実が白い粉を吹いているのだが、酸味、塩味、さらに甘味も少し感じられた。戦時中はこの粉を塩の代わりにしたとか。 (文・写真 Y.M)