年月日:2021年12月15日(水) 晴れ
講座名:粘菌の観察
講 師:川上新一先生(和歌山県立自然博物館)
場 所:堺自然ふれあいの森
コロナ禍、何回も延期中止になっていた念願の「粘菌の観察」講座が開講できました。粘菌とは?英語でSlime Mold(ネバネバした菌)の和訳でアメーバ細胞やその集合体が分泌していることから名付けられた。近年、DNAを調べる手法が進歩したことにより、粘菌は植物でも動物でも菌類でもない生き物!であり、単細胞のアメーバ細胞を有する「アメーバ動物」というグループに属することになった。世界では変形菌(真性粘菌)が1000種以上日本では約600種が確認されているらしい。子実体から風で飛ばされた10ミクロン(0.01ミリ)の胞子は成層圏まで上がることも確認されており、変形体は一時間に数ミリ~数センチも移動可能でき、バクテリアやキノコを餌とする事によって植物の分解を遅らせ森の生態系を維持する自然界での役割を果たしている。そして粘菌は「森の宝石、森の妖精、森の魔術師」などと呼ばれてますよと川上先生は可愛げに言われてました。彼の南方熊楠(ミナカタ クマグス)の研究や「粘菌が迷路の最短の道を選び移動する発見」でイグノーベル賞を受賞したことも面白い話題で、データでは色々な変形体の写真見せてもらい興味が湧いてきました。
午後はふれあいの森の中を観察と採集にスタート。今は見つかる数が少ない時期にあたるが気持ちは前向きにと森の中に入って行った。シイタケ栽培木に付いている個体を見つけた「ムラサキホコリ」と同定やったー!それから木をひっくり返しひっくり返して見つけたと判定はキノコです・・・残念!ひたすら朽ちた倒木を探し回るのはまるで宝探しのようです。見つかるのはほぼキノコ類でロクショウグレラキンとかヤマンバノカミノケなど変な名前のキノコでした。教室に戻って先生持参くださった個体を顕微鏡で観察し子実体の形態の不思議、美しさや動いているのに講座生も更に興味が湧きました。粘菌ロボットや粘菌コンピューターのへの開発が模索されようとしている。ぜひ期待したいと結びました。 (hiro)