石ころ部会の6月活動報告

月 日:6月24日

場 所:和歌山県橋本市 紀の川(橋本橋の近傍)

参加者:18人

活動内容:

 梅雨の真っ只中、晴れはしたものの記録的な猛暑。熱中症が気掛かりだが、橋本駅から紀の川の河原へと足を進めると、北の和泉山地、南の紀伊山脈の間を悠然と流れる紀の川と広大な河原の絶景に息を飲む。源流は奈良県の大台ケ原、奈良では吉野川、和歌山では紀の川と名を変え、紀伊水道にそそぐ大河である。地質学的観点から今回も佐藤隆春先生に紀の川や橋本市周辺の地層の解説をお願いした。当地は三波川変成帯や四万十帯など、多くの地層が入り組んでいることから、上流からの石のみならず近傍の石も入り交じり、その種類も多いだろうと推測される。ひとり2個以上の石ころを持ち寄ることとし、18名の参加者は時を忘れて河原をさまよった。ヨシキリのさえずりも耳に心地よかった。

 一か所に持ち寄られた大小様々な石ころの最終鑑定は佐藤先生にお願いした。まとめとして:

  • 合計16種類(以下に下線で示す)の石ころが確認された。
  • 一番多かったのは四万十帯・秩父帯のチャートであった。チャートはプランクトン(放散虫)の殻が海底で堆積したものであるが、同じ地質帯のものとして他に赤色泥岩緑色岩も観察された。(赤色泥岩と赤色のチャートは酷似しており、素人には判別困難)
  • 2番目に多かったのは三波川変成帯の結晶片岩であった。プレートの沈み込みに伴う高圧により既存の岩石が変成したものであるが、元の岩石や色あいの違いから様々な名称がある。今回は緑色片岩黒色片岩珪質片岩砂質片岩が確認された。
  • 他には和泉層群の砂岩礫岩;領家帯の花崗岩閃緑岩斑レイ岩;火山岩類として流紋岩(石英斑岩)玄武岩質安山岩も観察された。他に緑簾石石英もあった。20㎝大の岩石の小さな空洞を注意深くみると無数の小さな水晶(石英の結晶)があった。

 追記: 写真班の佃さんが撮った河原のヒバリが可愛らしかったのでアップロードしました(ヨシキリだと思ってシャッターを切ったが実際はヒバリだったそうです)。 当月当番の平谷さんから母岩の空洞に見える小粒の水晶群の拡大写真を頂きましたので、それもアップしました。宝石拾いも身近に感じるようになりました。暑くて楽しい一日でした。(I.S)

紀の川の河原で石ころ拾い

河原の石ころ鑑定

河原のヒバリ と 水晶

いのちの営み探検部会の6月活動報告

実施日   :  2022年6月20日 (月)

観察場所  :  烏帽子形公園

参加人数  :  26名 

テーマ   :  虫こぶって何?

 ハイキングなどで野山に出かけた時に、植物の葉や茎が異常な形やこぶ状に変形しているものを見かけることがあります。これらは虫こぶ(虫えい)と呼ばれ、昆虫が植物にはたらきかけることで作りだされる。多くは、タマバエやタマバチ、イチジクコバチ、アブラムシなどの仲間の昆虫によってさまざまな植物に作られる。昆虫と寄主植物の組み合わせによって虫こぶの形や色は色々なものがある等、簡単な説明の後、観察開始。

 最初に公園の入口のエゴノキを観察すると、春巻きのようにきれいに巻かれた葉を発見。これは虫こぶではなくエゴツルクビオトシブミという昆虫のゆりかご。成虫は7~9mmのオトシブミの仲間。巻いている葉を開いて見ると小さい卵も観ることができた。別のエゴノキではバナナの房のような形のエゴノネコアシという虫こぶも見つけた。また、エノキでは葉の表面に多数の小さないぼ状の膨らみがついているものを見つけた。これはフジダニの一種により形成されたエノキハイボフシという虫こぶらしい。他にもアラカシの葉でも同じようなものが見つかったがたぶん同じような虫こぶだと思われる。

 昼食後は、観察で採集した虫こぶと、あらかじめ準備していたエノキのエノキハトガリタマフシ、コナラのナラメリンゴフシ、サクランボのミザクラハベリフクロフシ、ヨモギのヨモギハエボシフシの虫こぶを詳しく調べた。エゴノネコアシの外側は堅そうだがカットしてみると内側はふんわりした感じで柔らかそう。中には白い粉状のものと5~6匹のアブラムシが確認できた。ヨモギハエボシフシの中からはヨモギエボシタマバエの幼虫を観ることできた。   (K.I)

エゴノキの葉を器用に巻いて作ったエゴツルクビオトシブミのゆりかご

ヨモギの葉の表面に形成されたヨモギハエボシフシ

エゴノキの虫こぶエゴノネコアシ

エゴノネコアシの内部には多くのアブラムシ(エゴノネコアシアブラムシ)がいた

ヨモギハエボシフシの中にはヨモギエボシタマバエの幼虫と蛹(右)?

部会中にこんな珍客がちょろちょろとオオシラホシハゴロモの幼虫だそうです

 

 

15期生6月22日の講座報告

年月日 : 2022年 6月22日 (水) 曇

講座面 : 昆虫入門②

講 師 : 鈴木 真裕 先生 (大阪公立大学大学院)

場 所 : 堺自然ふれあいの森

今日は昨年10月の「昆虫入門」講座の2回目である。先ずは前回の復習も兼ねた座学で、昆虫は6本脚の生物、クモは8本脚なので昆虫ではありません。世界には確認された昆虫は100万種、植物の27万種よりはるかに多く、まだまだ新種の発見が予想されるので、もっと多くなりそうである。昆虫の名前を調べる第一歩はその昆虫が、どの「目(もく)」に属しているかを知ることで、生物の分類単位の1つである「目」は昆虫では30目ある。その昆虫目のトップは皆知っているクワガタ、ホタル、テントウムシなどのコウチュウ目、2位はハチ目、3位はチョウ目、ハエ目、カメムシ目がトップ5である。コウチュウ目は2枚の翅は重ならず、カメムシ目は2枚の翅が重なっている。ハエ目は翅が2枚、ハチ目は4枚でアブの仲間はハエ目。アブラムシはカメムシ目で口が針になっている。アメンボウもカメムシ目で、カメムシ目は見た目(姿)が多様性である等、同定する時のポイントを習った。

後半は前日の雨も上がったフィールドで昆虫採集。野外の蒸し暑さにも負けず雑木林、畑、田んぼ等を昆虫を探して回ること1時間余り、その後教室で図鑑を手に、すぐに名前が分かる種や判定が難しい種は先生の助けも借りて同定を行った。いろんな昆虫が採集出来る、ふれあいの森は昆虫たちには適した環境がであること、残しておきたい場所であるのを確認して終わりました。(T・O)

暑さに負けず昆虫採集

網は開くのは簡単、たたむのは難しいヨ❕

ヤゴは陸地(半水生)で生活するムカシヤンマ

翅が赤いのでよく目立つベニホタル

吟行部会の6月活動報告

第119回吟行部会、6月活動報告

実施月日 : 令和4年6月18日(土)

実施場所 : 光明池周辺

参加者 : 13名

曇天ながら、光明池駅を出発、よく整備された緩やかな登りの林を抜けて、光明池畔に到着。雨乞い蛙像から、池の畔を歩く。 川鵜や鯉等との出会いを楽しみ、植物観察しつつ、美しい光明池大橋へ。その中央で手を叩くと、その反響も面白い。 その直ぐ近く、池に隣接する《こうみょういけ茶論》さんにて、昼食、句会、更には、美味しいお抹茶とお菓子をいただき、大満足で、帰路のバス、でした。 (文責:村上)

当日参加者の代表句・・・・・・兼題 : 麦の秋、紫陽花、青嵐、麦酒(ビール)

  • 一粒の水滴光る花菖蒲        尚文
  • 本堂の甍が光る立夏かな       ゆう一
  • 碁盤の目黄金に染まり麦の秋    たけみつ
  • 清流の魚籠に三本缶ビール      洋々志
  • 朴の葉の返りて白し青嵐       まさこ
  • 泥染めの田を起こすごと青嵐                ゆき雄
  • ふる里は雨の匂ひやかたつむり    美枝子
  • 紫陽花の首定まらぬ花瓶かな      流以
  • ヤゴに名を付けて見守る空青し    河笑流
  • 棚田なるその一枚に麦の秋      都史子
  • プーチンよ戦いやめよと麦の秋     桂子
  • 子連れ鳬往なしつ農夫早苗植ゑ    ふじ乃
  • 麦の秋砲弾ききし麦のあり       楠子
  • 仏より紫陽花愛でる古刹かな     万未知

当日句 特選二句

  • 河鵜行く底に雲ある今日の池     美枝子
  • 河鵜立ち身を整える水鏡        流以

15期生6月15日の講座報告

年月日 : 2022年 6月 15日 (水)  曇り

講座名 : 磯の生物観察

講師  : 山田 浩二 先生(貝塚市立自然遊学館 研究員)・施設担当者

場所  : 水産技術センター・豊国崎海岸

梅雨入りして二日目の曇り空の中、多奈川駅から歩いて25分、水産技術センターに到着した。同センターでは大阪湾を対象に、海を守る・浜辺を再生する・魚を調べる・魚を増やすと言う役割を担っているそうだ。ビデオを交えての説明の後、館内の展示コーナーや栽培漁業の為の稚魚飼育槽の見学をした。それぞれの水槽にはキジハタやトラフグの稚魚・成魚、それにヒラメの成魚等が元気に泳いでいた。側に緑色の泡が立っている水槽が有り説明によると、ワムシ(プランクトン)と言う生き餌を培養しているそうだ。人間からはルーペで見ないと確認出来ないくらい小さいのだが、稚魚はこれを目でしっかり確認して食べることが出来るので生物飼料として適している。

午後は、大阪に残された貴重な自然海岸“豊国崎海岸”に移動して生物観察の始まりだ。先生から採取方法や注意点等の説明を受けて、思い思いの場所に採取しに行く。波打ち際で石をひっくり返して貝やカニを見つけたり、海藻に隠れている魚を探し出したり、皆真剣だ。 突然の「タコ捕れた!!」の声に歓声が上がった。 一時間の採取の後は同定作業だ。 沢山のウニ・ヒトデ・ナマコ・アメフラシ・10種の貝類・海藻・ドロメやギンポの魚類・タコまで・・・・・ 生物の多さに一同感激!採取した生物は観察終了後、海へリターン。豊かな豊国崎海岸の自然を大事にしたいと思った。          (S.Y)

ルーペ出して!この瓶の中のワムシ見たい!!

ウニ捕まえたよ!食べるにはちょっと小さいね。

僕マダコの子供です。海に帰って立派な大ダコになります。

先生を囲んでの同定作業です。

ウォーキング部会の6月活動報告

ウオーキング部会 第56回例会

行先 : 奈良 「斑鳩の里」

実施日: 2022年6月9日(木)

参加者: 32名

新型コロナによる感染も減少傾向になってきた為、今回は府外でのコースとした。 JR法隆寺駅からスタートし、法輪寺、法隆寺、龍田神社などの寺社を経てJR王子駅まで約10kmを歩いた。 中宮寺や法隆寺付近では小中学の修学旅行生と出会った。 梅雨入り前で天気は良く、日中は30度前後となり、歩いていると汗が出たが木陰で休憩を多く取るようにした。 法輪寺に行く途中の里山では梅雨入りの少し前に咲く花といわれる栗の花などが見られた。(M.A、写真S.H)

15期生6月8日の講座報告

年月日 : 2022年6月8日(水)晴れ

講座名 : アウトドアの安全

講 師 : 平木 祐治 先生

会 場 : 堺市立栂文化会館

午前は座学でアウトドアで一番多い切り傷、擦過傷は傷口を水洗い、出血が多い場合は直接圧迫止血(10~15分)、そして傷テープはかさぶたをつくらず早くきれいに治るジェル状の(湿潤療法)傷テープが良いそうである。熱中症の症状と対策、毒蛇、蜂、野生動物による狂犬病、毒キノコ、ニラと水仙を間違えて食べることも有るなど具体的な対策と予防や受診が必要な症状について学んだ。

午後は実技で三角巾を使って基本的な折り方を学び、頭頂部・腕・膝・下肢のケガの際の巻き方、足首を捻挫した際の固定の仕方等を実際に練習した。隣の人に巻いてあげたり、教え合ったりし熱心に取り組んだ。心肺蘇生法として、人形を使って心臓マッサージの練習とAEDの使い方も学んだ。マッサージは心臓(位置は左胸でなくほぼ真ん中)の上に手を組合せて重ね、手のひらのふくらみの部分で、肘を伸ばして真上から押し下げる。マッサージを始める前に必ず救急車の依頼とAEDを探して持って来てくれように周囲の人にお願いしておくことが大事です。こんな状況に遭遇するかもしれないので、しっかり学んだ。 (T・U)

頭頂部の傷の手当ってこうかな?

ノドに巻くと苦しいのでアゴで結びます。

三角巾を腰に巻いて本結び、引き抜く・出来た?

心臓マッサージ 腕を伸ばして真上からが基本

14期生の6月8日補講講座報告

月 日:2022年6月8日(水)晴れ

講座名:自然公園の観察①

講 師:武田敏文先生 3名のガイドの皆さま

場 所:くろんど園地

 絶好のハイキング日和。準備体操後、3班に分かれて出発。川のせせらぎを聞き、滑らないよう注意して足を進める。白くかわいらしい花が印象的なテイカカズラはつる性の植物。花は初め白く、次第に淡黄色になりジャスミンに似た芳香がある。ムラサキ色の花はタツナミソウ。日当たりを求めて一方向に偏って咲き、とてもかわいい花の形。日本を代表するユリと言われるササユリ。白い花やピンク色の花でひっそりと咲いている。葉がササに似ていることが名前の由来である。

 昼食後、自然公園の意義は、自然の大切さを学ぶ環境教育の場であるなど興味深いレクチャーを受けた。後半コースのミズバショウの群生地向け出発。ウグイス、ホトトギスの鳴き声を聴きながら森林浴気分で心地よい。独特の匂いを持つがきれいな花を咲かせるドクダミ、トラの尻尾のようだと言われるオカトラノオなど観察しながら、ミズバショウの群生地に到着。葉っぱの大きさにビックリ!現在約2,500株あるそうで、ミズバショウの見頃は4月初旬。是非また訪れたいものである。

 次にモリアオガエルの泡巣がある池に案内してもらう。カエルは水中で産卵するのがほとんどだが、モリアオガエルは水面上にせり出した木の枝などに白い卵塊を産みつける。ガイドさんも初めて見るというモリアオガエルが池の中で、私たちを見張るように卵塊の見える位置に心配な様子でじっとしている。親は大変だ。泳ぐ姿がかわいいく時間を忘れて見入る。今日一番の盛り上がりとなった。ガイドさん達のおかげで、沢山の自然に触れ楽しく充実した講座も終了。本日の歩行距離10㎞ほど全員完歩お疲れさまでした。(N.S)

ササユリ花言葉 『上品』『清浄』

日本には世界自然遺産は5つあります

ミズバショウとラクウショウ

モリアオガエル 赤い目がチャーミング

写真部会の6月活動報告

日 時 : 令和4年6月8日(水) 午前10時~12時

場 所 : 大浜公園・旧堺港・旧堺灯台

参加者 : 4名

 爽やかな天候に恵まれて大浜公園内の植物(杜若・菖蒲・睡蓮・紫陽花など)もカメラに収めることができました。 旧堺灯台は小さいながらも歴史を感じる風情があり、暫し撮影タイムを取りました。 少人数での部会になりましたが、ゆっくりと撮影できました。(M.F)

15期生6月1日・2日の講座報告

年月日 : 2022年 6月 1日(水)晴れ ・ 2日(木) 快晴

講座名 : 芦生の森一泊研修

講 師 : ネイチャーガイド 高御堂さん、三船さん、前田さん、藤原さん

会 場 : 京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション芦生研究林

今回は待望の一泊研修で心浮き浮き笑顔で出発。1日目は昔ながらのかやぶき屋根の民家の集落である美山かやぶきの里を散策して宿に早めに到着。夜は15期がスタートしてから初めての一同での食事プラス懇親会で大いに盛り上がり、楽しい時間を共有した。

2日目は今回のメインである芦生の森のトレッキングツアーである。コースは由良川の源と言える谷で原生林の姿をよく留めている歩行距離約4kmの上谷コースである。お弁当をリックに入れてアカショウビンの鳴き声を聞きながら終点の杉尾峠を目指して長治谷作業所を出発して林道へ。スギ林を抜けた野田畑湿原には木地師の住居跡や植えられた黒松やスモモ、ヤマザクラが見られた。そうして、木々が芽吹いて新緑を鮮やかに爆発させている原生林へ。サワグルミ、トチの木、ブナなどの大木、クマハギされた杉や芦生研究林の天然林を代表するアシウスギ、モリアオガエルの白い卵塊、クマの越冬穴、ギンリョウソウ、アシウテンナンショウ、ニリンソウ、キンラン等々頭上から足元まで見るものがたくさんあり観察のネタは尽きない。2班に分かれてのトレッキングで後の班で大発見がありました。Hさんが足元の積もった落葉から先だけ頭を覗かせているキノコを見つけたのでガイドの方に見てもらうと、そのキノコが匂うかどうか確認した後「今出たての希少種のキイロスッポンタケ(匂いがしないので幼菌)です。」との答えに一同、びっくり キノコの専門の先生に連絡されてキイロスッポンタケは京都府内では絶滅したと考えられているキノコなので貴重な研究材料となりそうですネ。由良川の源頭部を確認し杉尾峠から日本海を望んで、谷を渡る心地よい涼風と共にトレッキングツアーは終了しました。自然が創り出した原生林の凄さを感じると共に未来にこの姿を残していく重要性を認識させられた。季節によっていろいろな表情を見せてくれる、この芦生の森をまた訪れてみたいものだ。好天に恵まれ、仲間たちと楽しく過ごした2日間でした。 (T・O、T・U)

トチの巨樹と集合写真

オオルリがいってらっしゃーい❣

新しいクマハギの痕

葉や枝が下向きなのは行きの重さに耐えるため

見つけたよ❕希少種のキイロスッポンタケ

花が葉の下にあるアシウテンナンショウ

植物部会の6月活動報告

日 時 : 2022年6月1日(水)

場 所 : 和田川・別所(堺市)

参加者 : 25名

 泉北高速鉄道の栂・美木多駅から御池台回りのバスに乗り、御池台5丁で下車。降りたバス停脇から直ぐに観察を開始する。

 まずはイネ科の小穂がこんもり密集しているカモガヤ、オニウシノケグサ。馴染みのブタナ、ヒメジョオン等をを見ながら近くの階段を上ると小さな広場が在り、先は長いがここでもゆっくり観察する。大きな紫色の花のムラサキツユクサ、白いトキワツユクサ。他にもホタルブクロやニワゼキショウ、キキョウソウ。木本ではハクチョウゲ。イネ科では繊細で美しいヌカススキ、ヒメコバンソウ、弓なりのカモジグサ等を観察。 さらに奥に進むと明るい高台に出て、金剛山などの山並みを見ながらゆっくりと下る。土手は白くなったチガヤが群生、ノアザミ、全隊に毛が多い黄色いセイヨウヒキヨモギ、ヤワゲフウロ、スイカズラやノイバラ(木本)等を見る。

 道路を渡って和田川横の農道を歩く。 ノゲシ、マメグンバイナズナ(分岐した枝に秩序正しく実を付けている)、刺のあるワルナスビ、紫のアレチハナガサ、ユウゲショウ、アメリカイヌホウズキ、ピンクの小さな花のキツネアザミ、アレチギシギシ、ナガバギシギシ、カギ状の毛が密生した実を付けているのはヤエムグラ。 足下にはコマツヨイグサ、コゴメツメクサ、コナスビの黄色い花に淡紫色のトキワハゼ。コモチマンネングサに、一回り大きなツルマンネングサの花は中々華やかだ。 木本ではクサギ、テイカカズラ、アカメガシワ等を見る。 川沿いにはツルヨシ(匍匐茎が地表を走る)、ナヨクサフジ、クサヨシ、涼やかな青紫色の花を付けているオオカワヂシャ(大川萵苣)は特定外来生物(ちなみに在来種のカワヂシャは準絶滅危惧種で花色が白っぽい)。 小型のイネ科ではホソムギ、オオスズメノカタビラ、カラスムギ、スズメノチャヒキ等を見る。

 昼食後、いよいよササユリを見に行く。花が大きく、色の濃いものなどがあり見応え充分で嬉しくなる。またウツボグサや珍しいソクシンラン(束心欄)も見られた。木本ではガンピ、モチツツジ、ウメモドキ等の花を見る。  盛り沢山の一日であった。  (文・写真 Y.M)

チガヤ

オオカワジシャ

ソクシンラン

ササユリ

ウツボグサ

クサヨシ

里山保全部会の6月活動報告

1    月 日 :  6月3日 (金)

2  場 所 :  富田林市彼方 (奥の谷)

3  参加人数 :  14名

4    活動内容

  爽やかな好天に恵まれ14名参加の賑やかな活動のスタート。   畑組は3月に植えたじゃかいもの周辺除草に始まり、里山部会で初めてチャレンジする黒豆の畑づくりそして種蒔きしました。山組は新しく活動の舞台になる山に山道を作る作業に着手しました。  まずは山道とするルートを選択し、縄を張って道を確定。入口は少し傾斜があり階段にすることに決定。階段に使う木材を山の木で作り、木槌等を使って人力で完成させました。本日は困難な作業でしたが、作業後記念の写真撮影でバンザーイ。(O.N)

山に道をつけるのにまずルートを決めて縄を張る

本日黒豆の種をまく畑の草抜き          ・

3月に植付けたジャガイモも順調に生育

傾斜のきつい道を階段にする作業

完成した階段道

今日の作業は難題だったけどバンザーイと皆満足

14期生の6月1日補講講座報告

月 日:2022年6月1日(水)晴れ

講座名:琵琶湖の環境と薬用植物観察

講  師:滋賀県藤原主査、山浦 高夫館長(山科植物資料館)

場  所:滋賀県大津合同庁舎、日本新薬 山科植物資料館

 午前は、日本最大の湖である「琵琶湖の環境問題」についての講座。近畿の水がめと言われ、私たちの生活には欠かせない存在である琵琶湖の概要や価値についての話のあと、治水・利水の対策、1977年の淡水赤潮の大発生に伴う工場排水規制や石鹸運動などによる水質汚濁対策、ヨシ群落の保全活動など住民や地元企業が自治体と一体となって水環境を守ることに取り組んできたことや、近年は外来魚や外来水生植物の大量発生の問題やプラスチックごみ問題に取り組んでいる。現在は「琵琶湖」を切り口としてマザーレイクゴールズ(MLGs)により2030年の持続可能社会へ向けた13のゴールを設定しているなどの様々な環境保全対策の説明を聞き、水環境を守る大変さと大切さを認識した。今日の講座で滋賀県の皆さんに感謝の気持ちが湧いてきたようであった。

 午後は、日本新薬の山科植物資料館で薬草の観察。資料館の歴史や薬用植物がどんな薬に使われているかなどの説明を聞いて、園内の植物観察へ。園内には3080種の薬用・有用植物を栽培していて、回虫を駆除する薬になるミブヨモギやウコン、ベニバナ、コンニャク、レモン、アーモンド、アセロラ、ムクロジなど馴染みのある草木も多く、薬効などの説明を聞きながら、花や果実、葉っぱなどの匂いや味などを確認し、その度に感嘆の声が上がった。また世界三大珍植物と言われ、一生の間2枚の本葉だけを伸ばすキソウテンガイなどの珍しい植物や毒草なども紹介してもらいその特徴や効能を教えてもらった。最近の新薬はほとんどが科学的に合成して作っているが、長い歴史の中で薬草の果たしてきた役割は大切な遺産で、いつの日か自然の物から作る薬がもっと必要になるときが来るかもしれないと思った。(K.T)

資料館のミブヨモギ
この栽培・育種研究から始まった

これはどんな匂いかな?
何でもチャレンジします

食虫植物のハエジゴク
大きな口を開けて待ってますよ

これがキソウテンガイ葉っぱは2枚
1年で約20㎝伸びます

マップ部会の5月活動報告

日 時 : 2022年5月23日

場 所 : あまの街道陶器山尾根道 (陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)

参加者 : 11名

幸い天気にも恵まれ集合場所から早速観察を開始する。

<A地区> 陶器山に多いネジキが、至る所で優しい白色の壺状の花を鈴なりに付け控えめな甘い香りを漂わす。 ガンピ(雁皮・別名カミノキ)も思いのほか多く、淡黄色の先が4裂している筒状の花を10個ほど付けその存在をアピール。 クリーム色の小さな花を道一杯に落としているのはカキノキ(豆)・・・AB。大木になるニワウルシ(別名シンジュ神樹)も幼木は枝葉を傘状に伸ばしているので見分けやすく、今は穂状に小さな花をたくさん付けている(花については「綺麗とは言いがたいが作りは細かい」の表記もあるので又ゆっくり観察してみたい)AC。 ピンク色の葯の白い花をたくさん付けているのはコミノネズミモチだろうか。他にもシャリンバイ、スイカズラ、トウネズミモチ、ネズミモチAB、ノイバラA~C等が咲き始めていた。

 草本では ハハコグサやチチコグサの仲間の特定に悩むが 咲き始めていた紫のキキョウソウ(別名ダンダンギキョウ)AB、小さな黄色のコメツブツメクサAC、ヒメジョオンA~C、ルリニワゼキショウ、ユウゲショウ等の花に心が和む。 イネ科も今は花盛り{アズマザササ東笹、真っ直ぐなイチゴツナギ、繊細な(ハナ)ヌカススキ・・・A、弓なりのカモジグサB、コバンソウBC、小穂が密集しているカモガヤ(別名オーチャードグラス)C}など多様である。)

<B地区> ちょっと珍しいナナミノキ(七実の木・美しい赤い実を沢山付ける事から命名される)の小さな薄紫色の雌花を見付ける。 草本では 新たにトキワツユクサの白い花、ニワゼキショウBCを確認。

<C地区> Aでも見られたナツハゼ(夏櫨・夏にハゼノキのように葉が色付く事から付く)つやつやした鐘状の紅くなった花を付けていた。ちいさなピンク色の花を塊の様に付けたウメモドキ、そしてセンダン(背が高く花を間近に見ることが出来ず残念)、心惹かれる名前のソヨゴ(風に吹かれた葉がソヨソヨと音をたてるため付けられたとあるが漢字名は「冬青」こちらも気になる命名である)の薄緑色の雌花を見る。 

 今回も樹木の花を間近に見ることが出来、充実した一日を過ごす事ができました。(文・写真 Y.M)

ネジキ

ガンピ

ナナミノキ

ナツハゼ

ウメモドキ

スイカズラ