16期生の4月26日講座報告

年月日 : 2023年4月26日(水) 雨

講座名 : 植物入門(草本)

講 師 : 木村 進 先生(大阪自然環境保全協会 理事)

会 場 : 堺市立栂文化会館・西原公園

 本日の講師木村先生は、タンポポの研究・調査に50年以上携わっておられる。その豊かな知識と熱意たるや、講義を受けながら何度も「目がテン」「目からウロコ」を体験した。まずは明治時代に食用として北海道に導入されたものを、かの牧野富太郎博士がセイヨウタンポポと命名したことや、やがてセイヨウタンポポが日本中に広がると予言した通り2005年をピークに外来種のセイヨウタンポポが日本在来のタンポポと次々に入れ替わっていったことなど、驚き。ところがその後日本の在来種が復活し、やがてその勢力は逆転していく。これは50年に及ぶタンポポ調査によって検証されている。

 50年と言えば西原公園のある、この泉北ニュータウンの歴史と同じである。開発とともにセイヨウタンポポが増え2005年をピークに在来種のカンサイタンポポと入れ替わっていく。そしてニュータウンに緑が増え自然が豊かな街へと変わっていくとともに、またカンサイタンポポが復活しセイヨウタンポポが消えて行く。ただし、開発工事などが行われる駅前広場や新しい農地開発の場所にはセイヨウタンポポは増えるのだ。なんと不思議。これはなぜ??? それはセイヨウタンポポとカンサイタンポポの「生態的性質の大きな違い」が大いに関係しているのである。「生態的性質の大きな違い」とは???さて、本日の学習を覚えていますか【同じタンポポでも西洋と関西(日本)では大いなる違いが・・・】「タンポポ調査を通して、自然環境を知ることが出来る」という木村先生のお話はとても興味深いものである。身近な植物から教えられることはたくさんあるのだ。目からウロコ。

 さて、午後は雨の中の野外観察。あいにくの雨と今年はタンポポの開花が早く肝心のタンポポは十分に観察出来なかったが歩く道すがら多くの植物について外来・在来や名前の由来、生態などなど多くを教えて頂き時間はあっという間に過ぎ、教室へ。その後、教室でカラスムギの穂を使っての実験と観察では教室のあちこちから「動いた」「回った」「びっくり」の歓声が上がる。ここでも、やはり目がテン。手作りのミニ図鑑もいただき、感動いっぱい、満腹の時間であった。 (K・T)

 追記:木村先生の長年のタンポポ研究に、NHKも注目。NHK「おはよう日本」4月30日(日)「サイカル研究室」で西原公園を舞台にタンポポについて放映されます。ぜひご覧ください。        

タンポポにも、いろいろあるんだなあ。

種の大きさが違うと、どんな違いが

雨の中、真剣に聴く16期生。

びっくり水につけたらカラスムギの白いノギ、軸の周りを回転