石ころ部会の4月活動報告

月 日 : R5年4月28日

場 所 : 石川 玉手橋下の河原(藤井寺市)                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

参加者 : 26人

活動内容 :

 4月から新たに15期生11名が加わり、石ころ部会も総勢47名の大所帯となった。この日は青空の下、26名が道明寺駅前に集合、玉手橋を渡り、河原に下りて石ころの観察を行った。今回も佐藤先生にご同行頂いた。拾った石は所定の場所に持ち寄り、めいめいが岩石鑑定検索表などを参考に分類した後で佐藤先生に最終鑑定をして頂いた。学習の傍ら、清流に列をなして泳ぐ鯉を眺める。心地よい春の刺激。平穏な一日であった。

鑑定作業のまとめ

    • 今回は最終的に14種類の石ころが集められた(写真参照)。
    • 量的に一番多かったのはチャート、花崗岩、礫岩であり、我々の鑑定の正解率は9割程度であった。
    • 次に多かったのが流紋岩、溶結凝灰岩、サヌキトイドであったが、これらの正解率は1割以下。門外漢にはこれら岩石の鑑定が非常に難しいことを示している。
    • 他に見られた石ころはサヌカイト、凝灰岩、泥岩、閃緑岩、結晶片岩、石灰岩、石英、片麻岩であるが量的には少なかった。泥岩や砂岩が意外に少なかったのは歳月の経過で摩耗、縮小、減少したためか。
    • 我々が安山岩としたものも最終的にサヌキトイドや流紋岩に分類された。サヌカイトは安山岩の一種である。通常の安山岩は斑晶が見られるが、サヌカイトは急冷下で固結したためそれが無く、ガラス質で緻密であるのが特徴。二上山周辺でも類似の岩石が見られるが、サヌカイトほど緻密ではなく、サヌキトイド(サヌカイト様岩石)と呼ばれる。
    • 安山岩と流紋岩の区分も難しい。違いは石英成分の含有量の違いにある(流紋岩は石英斑晶が多い)
    • 溶結凝灰岩が多いのも意外。凝灰岩が火山灰の堆積・固結したものであるのに対し、溶結凝灰岩は高熱の火砕流が固まったもの。軽石が押しつぶされてレンズ状の形状(黒曜石)を示す。
    • これらの石はどこから来たのか?: ガイド本には「石川最上流部の岩湧山やその周辺は和泉層群の砂岩・泥岩・礫岩と泉南流紋岩類とよばれる凝灰岩の仲間からなる。また二上山周辺は安山岩、流紋岩、凝灰岩などの火山岩類が分布する」とある。今回採集した流紋岩は泉南流紋岩であり、二上山やドンズルボーでみる流紋岩とは性質を異にするようだ。また、溶結性凝灰岩も二上山由来ではなく泉南流紋岩類由来のもののようだ。石灰岩は海洋のサンゴ由来、チャートは更に遠洋の放散虫由来。花崗岩や閃緑岩は金剛山や周辺地域の基盤岩である。(I.S.)

石川河原での石ころ拾いと鑑定風景

鑑定の結果