月 日:2022年6月1日(水)晴れ
講座名:琵琶湖の環境と薬用植物観察
講 師:滋賀県藤原主査、山浦 高夫館長(山科植物資料館)
場 所:滋賀県大津合同庁舎、日本新薬 山科植物資料館
午前は、日本最大の湖である「琵琶湖の環境問題」についての講座。近畿の水がめと言われ、私たちの生活には欠かせない存在である琵琶湖の概要や価値についての話のあと、治水・利水の対策、1977年の淡水赤潮の大発生に伴う工場排水規制や石鹸運動などによる水質汚濁対策、ヨシ群落の保全活動など住民や地元企業が自治体と一体となって水環境を守ることに取り組んできたことや、近年は外来魚や外来水生植物の大量発生の問題やプラスチックごみ問題に取り組んでいる。現在は「琵琶湖」を切り口としてマザーレイクゴールズ(MLGs)により2030年の持続可能社会へ向けた13のゴールを設定しているなどの様々な環境保全対策の説明を聞き、水環境を守る大変さと大切さを認識した。今日の講座で滋賀県の皆さんに感謝の気持ちが湧いてきたようであった。
午後は、日本新薬の山科植物資料館で薬草の観察。資料館の歴史や薬用植物がどんな薬に使われているかなどの説明を聞いて、園内の植物観察へ。園内には3080種の薬用・有用植物を栽培していて、回虫を駆除する薬になるミブヨモギやウコン、ベニバナ、コンニャク、レモン、アーモンド、アセロラ、ムクロジなど馴染みのある草木も多く、薬効などの説明を聞きながら、花や果実、葉っぱなどの匂いや味などを確認し、その度に感嘆の声が上がった。また世界三大珍植物と言われ、一生の間2枚の本葉だけを伸ばすキソウテンガイなどの珍しい植物や毒草なども紹介してもらいその特徴や効能を教えてもらった。最近の新薬はほとんどが科学的に合成して作っているが、長い歴史の中で薬草の果たしてきた役割は大切な遺産で、いつの日か自然の物から作る薬がもっと必要になるときが来るかもしれないと思った。(K.T)