石ころ部会の4月活動報告

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月 日:R6年4月26日

場 所:石川 玉手橋下の河原(藤井寺市)                                                                                                                                                                                                                                                       

参加者:24人

活動内容:

 4月、新たに入った会員を迎え、石ころ部会の会員数は48名。今回も昨年同様、石川の河原の石ころ観察である。24名が道明寺駅に集合、玉手橋を渡り河原に向かう。佐藤先生には当地周辺の地質図を基に、石川の上流から支流を含め、当地までの地質学的な特徴や観察される石ころの種類等の説明をして頂いた。先ずは所定の場所でめいめいが拾った石の分類を行う。そして佐藤先生による結果判定とポイントの説明となる。外観だけでは分からないのが石ころ鑑定の難しいところ、奥の深いところ。1年前の活動報告(R5年4月28日)を読み返すとほぼ同じ内容であることに気づくが、当時よりは全体的に観察力が上がっているようにも思われる。来年は更なる向上を期待したい。観察終了後、多くが葛井寺まで足を延ばし、藤の花見を楽しんだ。

【 観察のまとめ 】

  • ● 最終的に佐藤先生の鑑定で分類された石ころの数は以下の通り:火成岩として流  
  • 紋岩37個、サヌカイト2個、サヌキトイド20個、花崗岩36個、閃緑岩7個、溶結凝灰岩16個; 堆積岩として礫岩30個、砂岩24個、泥岩2個、チャート33個であった。変成岩はひとつもなかった。他には石英が4個あったが、今回、収集・鑑定された石ころの総数は191個であった(個数は写真からの読み取り) 
  • ● 石ころの供給源としては流紋岩(全体の4%)が二上山由来または泉南流紋岩由来、花崗岩(18.8%)が金剛・大和葛城山由来と判断された。残りの大半53.9%(チャート17.2%+礫岩15.7%+砂岩12.6%+溶結凝灰岩8.4%)はほぼ泉南由来と判断された。
  • ● 流紋岩の判別は比較的容易であったが、流紋岩の数個を安山岩に、9個を石灰岩に誤って分類していた。流紋岩は石英の結晶を含むが、安山岩にはないのがポイントのようだ。白色の流紋岩は石灰岩に間違われ易いが、石灰岩であればもっと表面が柔らかく滑っとしている筈であり、塩酸をかけて確認するまでもないとのことであった。
  • ● 同様に花崗岩と閃緑岩も判別に迷うところであるが、これも花崗岩は石英の結晶を含むが、閃緑岩は含まないのがポイント。
  • ● 溶結凝灰岩の判定も難しかった。決め手はレンズ状に押しつぶされた軽石の存在である。軽石は黒曜石になっている場合もある。今回採取したものは二上山の噴火によるものではなく、全て泉南流紋岩由来のものとされた。(I.S.)

 *写真はクリックする毎に拡大し、解像度が上がります。