18期生の10月8日講座報告

月 日 : 2025年10月 8日(水) 曇り

講座名 : 人と自然公園のつながり

講   師 : 武田敏文先生、石山・吉田・西田ガイド(日本パークレンジャー協会)

場   所 : むろいけ園地 (四条畷市)

 今回は四條畷市の山間部にある『むろいけ園地』に行った。四条畷駅からバスで坂道を行き園地に着くと、4人の講師(ガイド)の出迎えを受けた。園内観察の説明、ストレッチを行い、3グループに分かれて園内観察ウォークを開始した。

ヌスビトハギとアレチヌスビトハギの違い、ミズヒキの花は赤い花弁2枚・白い花弁2枚で出来ているなどの説明に聞きながら観察し、湿生花薗に来た。ここは『むろいけ園地』のメインの観察場所とのことで、ミゾソバ(ウシノヒタイ)、ツリフネソウ、ミズトラノオ、キセルアザミなど湿地に育つ草花の紹介があった。サクラタデの可憐な花も観察できた。ヒヨドリバナの観察中にアサギマダラという蝶が飛んできて、見ることができたグループでは歓声が上がった。また、ツリフネソウの実を触るとばね仕掛けで飛ばすと聞き、しばしこの遊びに興じた。

湿地帯を抜けると山道に入った。ここではアケボノシュスランの群生地に案内された。群生しているのは非常に珍しいとのことで、公園でも大事に保護している様子が伺えた。途中でヤマナメクジという奇妙な生物に出会った。モミジの並木を通り『森の工作館』(事務所棟)に戻った。

昼食後、『工作館』で「人と自然公園のつながり」の講座を聴いた。大阪平野を取り囲む山の金剛生駒紀泉国定公園の中にこの公園があること。大阪府の府政100周年を期に1967~1978年に自然保護のため8カ所の公園がつくられたこと。自然公園の役割は災害防止・水源確保・気候の緩和、人が楽しみ・学び・癒される場所、生物多様性保全などの説明もあった。最後に自然公園の問題になっていることとして、観光客の増加、ごみ問題、開発圧力、外来種の侵入の説明があった。暑さの残る日に遠方まで出かけた講座であったが、有意義な一日であった。(M.A)

上:湿性花園での観察 左:講師陣との顔合わせ 右:森の工作館での講義風景

上:ツリフネソウ 左:ミゾソバ 右:キセルアザミ

上:サクラタデ 左:ヌスビトハギ 右:アケボノシュスラン

ヤマナメクジ 左が頭 体長は約15㎝

18期生の10月1日講座報告

月  日 : 2025年10月 1日 (水)  晴れ

講座名 : 自然観察の視点

講   師 : 菅井 啓之 先生

場   所 : 栂文化会館・西原公園

 座学の始まりは、黒板に書かれた「栂・美木多」。今日のテーマに関係があると言われて講義が始まった。あれ?これは?今、私達がいる場所の地名だ。観察とは自然界のしさに目を向け、何十年と動かず観察しやすいが有り、生物の様性に気付く事。だからこの場所での観察は意義が有るとのことだと言われ、美木多の文字が含まれていることに気付く。自然観察とは命の在り方、営みを自然から学ぶ「自然を読む」ことで、単に見るだけでは無く、知って疑問に思い、不思議を感じて考える事が自然観察だと学んだ。その後、先生持参の植物の観察が始まる。葉をたたんで眠る葛の葉、メタセコイアとホオノキの葉の大きさ比べ、檜の葉・実・種をルーペで見たり、銀葉カエデの実を放り投げて回転して落ちる姿を見たりして驚きと不思議を感じられた。

 午後からのフィールドでの観察会は、集合場所の床に散らばっている落ち葉集めから始まった。同じケヤキの木なのに葉の大きさが違うのは何故?大きな葉は光合成、小さな葉は種を飛ばす為だと教わり、今まで気付かなかった事を実感した。アラカシのドングリやヤマハゼの紅葉などを観察しながら草地に到着。黒い布を広げて「此処に不思議を探して置いて」の先生の声に、枝や花、葉っぱや実、石などが集まる。講座生の不思議の訳を聞き先生の解説を頂く。次は白黒の市松模様の布を広げて「この四角に収まる物を探して置いて」の声に、小さな葉や花、種や実、木の皮や破れた葉など。これはとても美しい!

実物を見て、触れて、美しさや不思議を感じた一日だった。自然観察は楽しい!!(Y・S) 

檜の実は直径1㎝ほどの球果 銀葉カエデの実は7㎝ほどで北海道で採取

会館入り口の落ち葉の観察

アラカシのドングリは枝先で生育中

皆で不思議探しをして沢山あつまりました。落ちた枝の不思議の解説を受ける。

:額に入れて飾りたいほど綺麗です。

 

18期生の9月24日講座報告

年月日:2025年9月24日(水) 晴れ
講座名:磯の生物観察
講 師:山田 浩二先生(貝塚市立自然遊学館)
場 所:尾崎公民館(阪南市)・長松海岸(岬町)

 「磯の生物観察」講座は例年岬町の豊国崎で生き物採集を行っていたが禁止になったので長松海岸での生物観察となった。
座学は人の手が加えられた海岸が多くを占めて自然海岸が少なくなった大阪湾の現状や環境の変化による影響と磯で観察をする時のポイント、注意点、生息している生き物の種類などをスライドを使っての説明で分かりやすい講義でした。
    
 午後は潮溜まり、岩礁、波打ち際などで、お喋りをしながら探す人、ジッと海中の生き物を探す人、せっせと石をひっくり返して探す人、それぞれのスタイルで磯の生物採集を楽しんだ。採集した生物を海藻と動物に分けてさらに動物を節足動物、軟体動物などに分けて山田先生から同定や個々の生き物の特徴を講義して頂いた。
【カメノテ】節足動物でエビやカニと同様の甲殻類である。潮が満ちてくると殻の頂きからつる脚(黒色)を出してプランクトンを食べる。岩礁に付着後は移動できない。
【ヒザラガイ】軟体動物で多板類 背面に一列に並んだ8枚の殻を持っている。歯舌が発達しており磁鉄鉱で出来た歯を持っている。この歯は磁石に着くそうです。
 今日はそれぞれの実物を見ることが出来たがクラゲやウニ、ヒトデが採集出来なくてチョット残念!でもさほど暑くなく、潮風に吹かれて磯遊び?が出来ました。(T・O)

座学と採集風景

ヒザラガイの表面と裏面の口と触手状突起

カメノテと蔓脚

珍しいイッカクガニ

 

18期生の9月17日講座報告

月 日 : 2025年 9月17日(水)  晴

講座名 : 気象と天気

講 師 : 實本 正樹 先生 (気象予報士)

場 所 : SAYAKAホール (大阪狭山市)

 昨年に引き続き本講座を高校・大学の地学・物理の先生で気象予報士の實本先生にお願いした。大気の中の水蒸気の状態変化、太陽からもたらされる無償のエネルギーの地球規模での収支、それらにより地球規模で大気の循環が発生し、気象変動を引き起こすことを学んだ。講義は難しく質問も多くあったが、講座の最後の世界気象機構で定めている「十種雲形」の説明で、講義が身近に感じた。

 午後は暑い屋外で観察会を行った。ハンディな計測器で気温は34~35℃、風力は0.4~3m/秒であった。青空に浮かぶ雲は雨をもたらさない(好天)積雲と知った。また、「虹をつくろう」実験では霧吹きで霧を出し、霧を多く集めると虹を見ることができ、大納得。

 部屋に戻り、気象現象に関する実験を行った。最初に「霧発生」の実験。ペットボトルにフィズキーパーという栓を付け、空気を目いっぱい詰め込み、栓を開放するとボトル内が真っ白に。これが霧(雲)ができる原理。次に「浮沈子」の実験。ペットボトルの中に浮かんだ「魚型のしょうゆ入れ」が沈んだり、また浮かび上がったり。手品のような実験に大興奮。最後は、「二酸化炭素の溶解」の実験。温水・常温水・冷水を半分ほど入れたペットボトルに炭酸ガスを充填し、ペットボトルを振ると3つのペットボトルの変形に大きな差が出来た。変形が大きいほど炭酸ガスが水に吸収されている。温水は炭酸ガスの吸収が少ない、これが地球温暖化の1つの要因とのこと。これらの実験はすべて百均とホームセンターで手に入るもので出来るのがすごい。

 講義は難しかったが、実験はおもしろく、充実した講座でした。  (M.A.)

講座風景

実験③ 左より、温水・常温水・冷水 変形が大きい程、ガスが水に吸収されている

実験①ペットボトルの中に霧(雲)が出来ました

雲は好天「積雲」
ハンディ計測器で35℃ 今日も猛暑日
虹が出来ました わかるかな

実験② ペットボトルの中に魚型しょうゆ入れが浮かんでいます
アラ!不思議 ペットボトルを握ると魚が沈みます

18期生の9月3日講座報告

月  日 : 2025年  9月 3日 (水)  曇り

講座名 : 地球環境問題と私達の未来

講   師 : 巌 圭介 先生 (桃山学院大学 社会学部教授 )

場   所 : 栂文化会館・西原公園

 9月に入ってもまだ暑い夏が終わらず、今日も「熱中症警戒アラート」が発令されている。3年続けて一番暑い夏が更新されているとの報道に、これはやはり地球温暖化によるものではないだろうか。夏休み明けの初めての講座は、地球温暖化の要因である温室効果ガス削減の取組についての講義と、太陽エネルギーの簡単な利用方法としてのソーラークッカーの作製とゆで卵作り、大型のソーラークッカーをつかっての調理をする。

 ソーラークッカーの原理は①太陽光をどれだけ集められるか。②生じた熱をいかに逃がさないようにするか。③容器は反射しない黒い缶や鍋を使う。の3ポイントだ。先ずは四種類のソーラークッカーの中でも簡単にできる「ききょう」を選び、先生のご指導を頂きながら作製作業に入った。材料のミラーペーパーに図案を写し、はさみでカット、クリップで止めるだけなのだが慣れない作業に四苦八苦、お昼にやっと全員完成できた。陽当たりの良い場所を選び、太陽の位置を確かめ向きを決めて設置する。約一時間後、ゆで卵を作るコーヒー缶のなかの水温を測ると57℃だ。雲が空を覆っていて太陽光が少なく水温の上昇は無理そうなのでここで終了。卵を取り出して確認するが固茹で卵はなさそうだ。温泉卵の人は試食、生卵の人は家に持ち帰りになった。また、先生持参の「サニークッカー」での目玉焼き調理も温度不足で少し柔らかめに仕上がった。ソーラークッカーは天気に左右されるのが難点だ。でも、講座を通して太陽光からの熱を身近に感じられて、とても楽しい一日だった。          (Y・S) 

小さな紙でクッカー作りの練習

太陽に向けてゆで卵の調理中

サニークッカーで目玉焼き作り

仕上がりいろいろ温泉卵は美味しく頂きました。

後日、家での再挑戦!
固ゆで卵成功です。

               

18期生の7月30日講座報告

年月日:2025年7月30日(水) 晴

講座名:ビオトープ入門

講 師:木村 進先生(大阪自然環境保全協会理事)

場 所:大阪府立泉北高等学校(堺市南区))

今日は夏休み中の泉北高校にお邪魔して校内にあるビオトープについての講義と顕微鏡によるプランクトンの観察です。酷暑が続いており先生から「野外学習は短時間にして教室での講義をメインにしましょう」との話に皆「よかった!」

 「ビオトープ」とは「bio(生命)」と「topos(場所)」の合成語で「多様な動植物の生息空間」を意味します。ここ泉北高校のビオトープは2006年10月に完成後木村先生やサイエンス部の皆さんが長年継続して採取した各種のデーターは貴重な資料となっています。

 ワンポイント:穂先に茶色のソーセージみたいな花穂を付けるガマはガマ穂(雌花の集り)から出ている雄花が接しているがヒメガマは雄花が離れています。

 生態系において生態ピラミッドの下層を構成しているプランクトンや生物の分類体系の講義の後は顕微鏡での観察である。用意して頂いた観察材料を顕微鏡で見ると裸眼では見えないちょっとしたミクロの世界へ。オオカナダモ、アオミドロ、ボルボックスなどの藻類、ミドリムシ、心拍が見えるミジンコ、芝生や土壌に生育しているイシクラゲなどの観察を時間も忘れて楽しみました。ワンポイント:菌類(キノコ・カビ)のDNAは動物に近いそうですよ。 お疲れ様でした。(T・O)

上:ビオトープの観察風景
下:校内で育てている植物の説明

ミクロの世界を覗く
小さな生き物に夢中です。

ガガブタの花

オオカナダモの花

18期生の7月23日講座報告

月 日 : 2025年 7月23日(水)  晴

講座名 : 天体入門

講   師 : 中島 健次 先生 (那須香大阪天文台台長)

場   所 : SAYAKAホール (大阪狭山市)

 今回は移動式天文台を展開する那須香大阪天文台の中島台長による天体の講座です。

 まずは太陽の話。昔習ったことだが、きれいな映像と上手な語りで改めて太陽のすごさを知る。強大なフレアの発生で2017年9月6日にGPSに誤差が発生したこと、2012年の日食のことなどの話題もあった。次は月の話。月の満ち欠けの映像による解説は分かりやすい。十六夜月、立待月、居待月など月を楽しむ文化の紹介もおもしろい。

 星の話は惑星から始まった。「水金地火木土天海」と習った惑星のそれぞれの特徴を聞き多様な姿を知った。星座の部では、星座は国際天文学連合で88の星座が決まっている、全ての星はどれかの星座に属していると聞き驚いた。北斗七星、夏の大三角形、冬の大三角形などは「アステリズム」と呼ばれ、星を観察する時の目印になる、ということを知った。

 アステリズムと星座と特徴のある星の映像での春・夏・秋・冬の星空の説明は分かりやすく、ユーモアもあり楽しめた。日本は夜が明るく星を眺める場所が少なくなっているが、星が見える所で、講座の中で作った「星座早見盤」を持って星座観察をしたいと思った。

 最後は、宇宙旅行を体験しましょう!と、宇宙空間を飛んでいるような映像を紹介していただいた。幻想的な映像に見とれると共に、パソコンでここまできれいな編集ができることに感心した講座であった。

 休憩時間に、持参された「反射望遠鏡」で窓からの景色を見れたのも良い体験となった。     M.A.

太陽の構造がわかりやすい

このような星座を考えた人は偉い

上は夏の大三角形、下は冬の大三角形(アステリズム)

日本では星が見えない?(夜の地球)

星座早見盤の説明

星座早見盤製作中

18期生の7月9日講座報告

月  日 : 2025年  7月 9日 (水)  晴れ
講座名 : 地質観察①
講 師 : 佐藤 隆春 先生 (大阪市立自然史博物館 外来研究員)
場 所 : ノバティホール・石川・汐ノ宮(河内長野市)

 初めての地質観察の講義は、私選ジオパーク「汐ノ宮・石川・嶽山」の紹介から始まった。ジオパークとは、地球の成り立ちや自然を楽しみながら、その地域ならではの文化や歴史、人々の暮らしを体験できる場所。今日は汐ノ宮、石川での観察で何が分かるのかを、資料を見ながら説明を受けた。大阪南部の地形や地質、河川によって作られた地形(河成段丘)、河原の礫の観察で上流の地質が分かるなどを学び、午後のフィールドワークに期待が膨らむ。

 午後は酷暑になる予報の為、嶽山は中止して、汐ノ宮・石川での観察になる。まずは河原に降りて礫の観察。拾った石を先生に鑑定して頂くのだが、石が熱くてまるでカイロのようだ。又、珍しい石だと思ったのが鉱滓(コウサイ・溶鉱炉などでの作業で生じる不純物)だと分かりがっかりする人も。それでも花崗岩、安山岩、砂岩、泥岩、礫岩、チャートなどを手にしてしっかり観察だ。次は中洲に渡り、柱状節理の安山岩を触ったり座ったりして感触を確かめる。割れて転がっている安山岩をハンマーで割り、中に有るかんらん石や輝石などをルーペで観察した。水面を見ると、所々炭酸ガスの泡が上がっている。かつては「汐ノ宮温泉」と呼ばれる施設があったらしい。しかし、河原は日陰がほとんど無くて暑さの限界を感じ、場所を大きな日陰が有る公園に移動した。此処で差し入れのアイスキャンディーを食べやっと一息つく。小休止の後、河成段丘の観察のため坂を上る予定だったが酷暑なので中止にした。公園からの眺めを観ながら段丘の解説を受け、今日の講座は終了した。      (Y・S)

1500万年前の溶岩(柱状節理)

大きな日陰で小休止!

ハンマーで割って観察。これは、かんらん石?輝石?

いろいろな石。名前分かるかな?

18期生の7月2日講座報告

年月日:2025年7月2日(水) 曇りのち晴れ

講座名:緑化入門

講 師:井上 昌美先生(NPO法人グリーンカレッジ大阪)

講 師:中嶌 幸一先生(堺市都市緑化センター友の会)

場 所:堺市都市緑化センター(堺市堺区))

 緑化入門の緑(みどり)色は安心・安定の色であるので緑の観葉植物を飾ることで明るい雰囲気となり心が安らぐ効果が有ります。そこで今回は観葉植物を植える鉢をひと工夫してカラーサンドを使ってお好みの色や模様で飾りました。  

 井上先生から作る観葉植物の特徴や完成後の注意事項を聞いた後、スタート。10種類以上のカラーサンドからどの色を使って、どんな模様を描こうかな? 色の組合せを楽しむ人、模様に工夫を凝らす人、それぞれがオリジナル作品を完成して満足、満足! この後は植物を枯らさずに長く楽しみましょう。

 後半は中嶌先生による樹木や剪定の基本の講義と緑化センターの草本、木本を観察した。見慣れた植物でも改めて解説を聞くと気づきが有りますね。

 ちなみに三大紅葉樹は「ニシキギ」「スズランノキ」「ニッサボク」で鮮やかな紅葉が特徴の落葉樹です。では今日はこれで終わります。また来週!(T・O)

テーブル№1の皆さんの作品

テーブル№2の皆さんの作品

テーブル№3の皆さんの作品

テーブル№4の皆さんの作品

テーブル№5の皆さんの作品

初夏を代表する花木のヤマボウシ

大きな葉は食べ物を包んだり焼いたりに使うホオノキ

18期生6月18日の講座報告

月 日 : 2025年 6月18日(水)  晴

講座名 : 両生類と爬虫類

講   師 : 緒方 光明 先生 (堺自然ふれあいの森 教育スタッフ)

場   所 : 堺自然ふれあいの森(堺市南区)

今回は最高気温36℃の猛暑日となりました。汗をかきながら2回目となる「堺自然ふれあいの森」に集合しました。講師の緒方先生から、涼しい教室でふれあいの森の概要をの説明を受け、涼しい時に屋外へ出ました。足のある人間には、足のないヘビは気持ち悪い、足の多いムカデも気持ち悪い、とユーモアのある講義が始まりました。建物の日陰では、ヘビは変温動物のため体が熱くなると日陰で過ごし、冷えると日なたで過ごす、森のシリブカガシの木の下では、ドングリを食べにアカネズミが来るとそれを食べるためにヘビが来るなど生態の説明を学びました。そこから水田に行き、生き物を探しました。草の上にトカゲ(多分ニホントカゲ)がいたり、水田の中にオタマジャクシを見つけたり、飛び跳ねるカエルを捕まえたりしました。

水槽に入れたカエルを前に、これはヌマガエル、この近辺の水田のカエルはほとんどこれとのこと。大きい方がメス、小さい方がオス、オスはメスに抱きつき排卵を促し、それに精子を掛けて子孫を残すなどの説明を受けました。

 午後からの講義はクーラーが壊れるというハプニングが起こり、急遽椅子をもって一階のピロティに移動。これが功を奏し、涼しい風が吹く屋外講義となりました。この近辺で見られる両生類、爬虫類の種類、その生態の特徴をクイズ形式で学びました。講義中、二ホンマムシの子供(標本)、ヒバカリの子供(実物)を見せられ、恐る恐る観察しました。そして、1.5m大のアオダイショウの登場。緒方先生に首を捕まえられ腕に巻き付いた姿で登場しました。体をなでながら歓声が上がりました。

「相手を知ると怖くなくなる」との先生の言葉を聞いて、講座を終えました。

*ヒバカリ:名前の由来は、このヘビに咬まれると毒のため「その日ばかりの命」であるから来ているが、実は無毒である。

*アオダイショウ:毒を持っていないが、咬まれたら傷口を消毒するなどの適切な処置が必要です。      (M.A.)

カエルを追いかける。捕りました。

捕らえたカエルを見ながら日陰での講義

ヒバカリの子供

アオダイショウ。よく見るとかわいいでしょ!

ヌマガエル。右のカエルには白い「背中線」がある(珍しい)

左は午前の屋内での講義。右は午後のピロティでの講義。風が吹き抜け、自然の中で動物達とのふれあいができた。

18期生6月4日の講座報告

年月日:2025年6月4日(水) 曇りのち晴れ

  講座名:金剛山の植物観察

  講 師:土井 雄一先生 (ブナ愛樹クラブ代表)

  場 所:金剛山旧ロープウェイ周辺 (赤阪千早村)

 今日は大阪府と奈良県にまたがる金剛山(1,125m)での植物観察です。土井先生からの資料を手にまずはバス停周辺の花やツボミや実を付けた木々の観察からスタート。「クマシデの果穂」夏までは緑色をしているが秋に熟すと茶色になる。「クリのムシコブ」クリタマバチの幼虫が芽に寄生してムシコブを作る。「アブラチャンの実」油分が豊富で生木でもよく燃える。「ヤマグワの実」山桑の果実は最初は白っぽく次第に赤や紫、そして黒へと熟していく。「ガマズミの実」初めは渋みと酸味が強いが冬が近づくと甘くなる。「ウワバミソウ」アクやクセが無く様々な料理に使える山菜です。「フタバアオイ」家紋の葵紋のモデル。葉はハート形。「コウライテンナンショウ」別名マムシグサ。幼株はすべて雄株で大きく成長したものが雌株になる。などなど資料の観察種一覧74種のうち60種ほど観察が出来ました。

数多くの植物の解説をして頂き記憶容量がオーバー気味となりました。でもタゴガエルの鳴き声や小さな体のミソサザイの大きな鳴き声、それに渓流の水音を聞きながら、木漏れ日のさす林道を歩き、とてもリフレッシュした一日となりました。(T・O)

左上から時計回りにヤマグワの実・クリのムシコブ・クマシデの果穂・アブラチャンの実

左上から時計回りにガマズミの実・コウライテンナンショウ・ウワバミソウ・フタバアオイ

林道で森林浴と観察です

ヒノキの林の中に大きなトチノキが1本

18期生の5月28日の講座報告

月 日 : 2025年  5月 28日(水)  晴

講座名 : 河口・干潟の生物

講   師 : 山田 浩二 先生 (貝塚市立自然遊学館)

場   所 : 近木川河口、前浜 (貝塚市)

今回は南海本線「二色浜駅」に集合、講師の山田先生と合流し、旧紀州街道を通り近木川(コギガワ)に到着。先生の案内でフェンスの横をすり抜け、堤防をよじ登り、恐る恐る斜面をすべり降り、川面近くで集合。まるで冒険ごっこのようなスタート。日陰で先生からカニ釣り要領の説明を受け、釣り道具を準備して、意外にも水のないヨシ原に向います。  ヨシ原のカニの巣穴の前にエサを置くとカニが出てきてハサミでエサを掴みます。このタイミングでゆっくりエサを巣穴から離しカニが完全に出てきたら、糸を引き上げます。やった~!釣れた~!の声。わ~!逃げられた~!の声。大歓声で釣り上げたカニは20数匹。  先生の説明が始まり、甲羅の模様で「これはハマガニ」「これはアシハラガニ」、裏返して細長いふんどしはオス、幅広ふんどしはメスなど。その後カニは川に戻されました。

 午後は干潮の前浜で干潟の生物探し。約1時間、砂を掘ったり、石をはがしたり、網で掬ったりで、たくさん集まりました。ケフサイソガ二。イソガ二、多様な模様のヒライソガニ、たてに歩くマメコブシガニ、食べられるモクズガニ。貝類ではアサリ、大きなアカニシ、マツバガイなど。魚ではミミズハゼなど。怪しげなヒモイカリナマコ、アメフラシ(ウミウシ)、大きなヤドカリのコブヨコバサミなど。先生の説明を楽しく聞きました。

 この日は暑からず寒からず。昼食は高速道路の日陰で気持ちの良い海風に吹かれ、リフレッシュできた講座となりました。

カニ釣り カニの探そう探そう

巣穴から出てきたカニ。釣れるかな?

河口のカニ釣りの成果です

干潟を探索。何がいるかな?

A:アカニシ・アサリ B:マメコブシガニC:ヒモイカリナマコD:タテジマイソギンチャクE:アメフラシF:コブヨコバサミ

18期生5月21日の講座報告

月  日 : 2025年 5月 21日 (水)  曇り

講座名 : 昆虫入門

講   師 : 鈴木 真裕先生 (大阪公立大学大学院)

場   所 : 堺自然ふれあいの森

 午後から雨が降り出すとの予報で、午前の座学を午後に変更してフィールドワークから始めた。 森の館の広場に出て、網と虫籠等の容器を受け取り、先生から採集場所や班の中での容器の共用などの説明を受けた。 先ずは里での採集。畑や田んぼ、広場など開けた場所だ。広場では蝶々・ハチなどは少なかったが、畑に行くと蝶々があちこちに、トンボも見かけてここでは沢山取れそうだ。 ところが網には入るが、網から籠や容器に入れるのが難しい!逃がしてしまって落胆の声があちこちで聞こえた。 次は森へ。山を少し上がって木々に囲まれた広場での採集だ。ここでは落ち葉の中や木の幹、枝の陰等をさがす。コウチュウ類やチャバネゴキブリ等が見つかった。

昼食後は映像を見ながら昆虫の「目」(モク)の講義だ。 「目」の種類・種数の多い「目」などクイズを混ぜながら学んだ。 同定するには先ずは何目かを決めないと探すのが難しいそうだ。  同定作業は班ごとに分かれて相談しながら決める。 先生自作の資料「鉢ヶ峯の昆虫」と図鑑、ルーペを使っての作業だが良く似た物が多くて大変だ。 講座修了前には、ヤマトシリアゲ(メス)・キマワリ・コチャバネセセリ・キリギリス・オバホタル・ナナホシテントウのサナギなど、多くの昆虫の同定することが出来た。 

昆虫採集は初めての方、何十年ぶりにした方など、童心にかえって虫を追いかけた楽しい一日だった。 

                                         (S・Y)

里での採集風景

昆虫の定義とは?基礎を学ぶ

網から容器に移動中。うまく出来るかな?

キマワリ(コウチュウ目)森で見つけたよ

キリギリス(バッタ目)小さくて可愛い。

ナナホシテントウのサナギ(コウチュウ目)

グループでの同定作業。細かく観察して決めていく。

       

18期生5月14日の講座報告

年月日:2025年5月14日(水) 晴れ

 講座名:淡水魚入門

 講 師:小川 力也先生 (科学教室力塾 塾長)

 場 所:木根館 石川 (河内長野市)

  今日は初めて植物以外の講座で座学と石川で魚類の採集をする「淡水魚入門」である。まずは魚の生態に関するクイズで知っているようで、知らなかった答えにビックリ。「フナのヒレを描けますか?」ヒレの無いフナの絵にヒレを描くのですが、ヒレの数位置は分かっているようで、いざ描くとなると難しいですね。皆さん描けましたか?

 後半は淀川の変化により、それに伴い自然環境の変化があり淀川の生態系に大きな影響を与えている現状や高校生による南河内地域の自然再生の活動で生物多様性保持には自然環境の大切さを再認識した。

  天気も良く水も冷たくなく魚類の採集には好条件で有るが、先生から「魚の成長期には少し時期が早く魚が見えないですね」と、言われたが”1人1匹を目標”にタモ網を手に先生は投網を持っていざ出陣。初めは網の中は石や砂、藻や枯葉等で魚はゼロだったがやがてあっちこっちで「採れた!採れた!」の声が上がり、エビ、メダカ、ヨシノボリ、オオシマドジョウ、カマツカなど50匹ほど採集し、それぞれの魚の特徴を説明して頂きメダカのオスとメスの違いやヨシノボリが腹ビレ2枚を吸盤にしているなどを観察して確認した。多くの受講生は川に入るのは久し振りで子供の頃を思い出して楽しんだ1日になりましたよね。(T・O)

鮮やかに開いた投網!さて獲物は?

う~ん魚採れていない

同名の植物がある味は淡泊な「カマツカ」

砂中で越冬する日本固有種のオオシマドジョウ

18期生の4月30日の講座報告

月 日 : 2025年  4月 30日 (水)  快晴

講座名 : 植物入門 木本

講   師 : 出原 茂樹 先生 (堺植物同好会副会長)

場   所 : 堺市立栂文化会館  西原公園

朝から快晴のさわやかな天気で講座日を迎えた。

今日の講師は出原茂樹先生です。学生時代から樹木に関心を持ってきたとの自己紹介をされ、聞き取りやすいさわやかな声で講義が始まりました。

樹木の分布は気温や降水量で分類され、これをバイオーム(生物群系)と称し、世界のバイオームの区分、日本のバイオームの説明がありました。日本は北から針葉樹林、夏緑樹林、照葉樹林、亜熱帯多雨林があるとのこと。代表的な樹木のスライドを交えて説明していただきました。中でも、亜熱帯多雨林の小笠原諸島、奄美大島の説明は圧巻で、先生の調査活動を踏まえて面白く説明された。講義の最後に昆虫の食害の説明がありました。マツノマダラカミキリ⇒マツ枯れ、カシノナガキクイムシ⇒ナラ枯れ、クビアカツヤカミキリ⇒サクラ、ウメ枯れの説明で、サクラ、ウメの被害は甚大とのこと。

午後は、観察順路に沿って樹木名が記載された資料を片手に、新緑の西原公園に出ていきました。玄関を出てすぐにウバメガシ、次にハンノキ、ケヤキ、ヤマモモと、木の特徴、話題などを交えての説明を楽しみました。自然の雑木林が残っているところでの陽樹、陰樹の遷移の説明は、自然の面白さを知ることが出来ました。カツラの葉は秋には甘い香りがする、秋に良い香りがするキンモクセイは日本にはオカブのみでメカブは無い、ニセアカシアの白い花をお酒に漬けて楽しむ、などのお話も楽しみました。池の周辺ではサクラの根元のフラス(木くずと幼虫の糞の混じったもの)を観察し、サクラ枯れの甚大さを知りました。

爽やかな新緑の中に咲くイヌシデの花、シナサワグルミの大きな花、ニセアカシアの白い花なども観察し、きれいなケヤキ並木を通り本日の講座を終えました。      (M.A)

講義風景

コナラ(真ん中の大木)(陽樹)とアラカシ(陰樹)

サクラの根元のフラス 見上げると枯れ始めている

ウバメガシの実の赤ちゃん 2年かけて実になる

新緑のケヤキ並木は気持ち良し

18期生の4月23日の講座報告

月  日 : 2025年  4月 23日 (水)  曇り

講座名 : 植物入門 草本

講   師 : 木村 進 先生 (大阪自然環境保全協会理事)

場   所 : 堺市立栂文化会館  西原公園

昨夜からの雨は昼前には上がり、午後には観察日和。今日の講師は、50年前からタンポポの調査を続けておられる木村先生(通称タンポポ先生)です。外には沢山のタンポポが咲き誇っている春だからこそ、講義もタンポポ中心がいいね。 頂いた資料には、タンポポの種類の見分け方、タンポポ調査の始まり、目的・意義、経過等多くの項目が有り丁寧に解説して頂いた。今年は5年に1度の調査の年なので、調査用紙を頂き調査方法を習って参加したいと言う講座生も多くいた。

昼食時には外来種の外片の反り返りの訳を、先生持参のナメクジを使って実験? 花の食害を防ぐための反り返りだと分かった。

午後のフィールドは先生手作りの「野草ミニ図鑑」を手に、会館周りから歩き始める。ここは外来種(セイヨウタンポポ)が多い。中に一本アカミタンポポが見つかりセイヨウタンポポとの種の色の違いを確認出来た。西原公園でタンポポいっぱいの草地に行き、皆でセイヨウタンポポを探したがほとんどカンサイタンポポだった。先生の説明を聞きながら歩いていると、「今まで気付かなかった草花だったのに。見方が変わって来たわ!」との講座生の声。 植物観察楽しいね!           (S . Y)

 

講座風景タンポポの種類の見分け方?

皆でセイヨウタンポポ探ししています。

アカミタンポポの種、種の色が赤いのわかるかな?

たった一本残っていたシロミタンポポです

18期生の4月16日講座報告

年月日:2025年4月16日(水) 曇り時々晴れ

講座名:自然の見方と観察

講 師:田中 広樹先生(大阪自然環境保全協会 代表理事)

場 所:堺市立栂文化会館 西原公園

 初めての講座となる「自然の見方と観察」の座学では知識が無くても今すぐ自然を観察出来て楽しめる基本となる5つの視点や、これからの自然観察の心がまえを分かりやすく講義をして頂き、今までとは違った自然への接し方を学んだ。

野外学習では1枚の木の葉を表面や裏面を透かして見たり、葉の形や葉脈、手触りや匂い、色など様々な視点で習った観察の仕方を実践したり、公園内の縄文の森で日常の1分と非日常の1分体験や、グループに分かれて色見本と同色の植物探しや、植物の色や形や見た印象や感じから各自が名前を提案してグループでその植物に名前を付ける命名ゲームなどを行ったことで座学の理解が深まりましたよね。

 観察して気付いたことを人に話すのが大切であるのと継続することを忘れないようにしましょう。

 最後にスタッフから一言:先生の説明を最後まで聞いてから行動しましょう‼  (T・O)

18期生初めての座学風景

カラスノエンドウを観る

先生「う~ん!判定が難しい」

植物名を名付け親から発表です。

18期生の4月9日講座報告

年月日:2025年4月9日(水) 晴れ

講座名:開講式・ガイダンス

講 師:カレッジ理事・スタッフ

場 所:堺市立栂文化会館 研修室

 

大阪シニア自然カレッジ18期生の開講式が桜咲く穏やかな晴れの日に行われました。

受講生全員が出席しての初の顔合わせです。

当初は皆さん堅さが有りましたが進行していくうちに気持ちもほぐれて笑顔こぼれてきました。

午後からの自己紹介や班別会議ではワイワイ、ガヤガヤと盛り上がり仲間づくりの良いスタートが出来ました。

これから2年間、全員が元気で座学や野外学習を仲間と楽しんで修了式を迎えよう

    (T・O)

18期講座始まります!

班別会議での話し合い。

携帯電話での連絡網作り、操作に苦労してます。