石ころ部会の7月活動報告

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月 日 : 7月22日(金)

場 所 : 河内長野市 ふるさと歴史学習館

参加者 : 14人

活動内容 :

炎天下の野外活動を避け、屋内となったものの、活動自体は今回も石に拘った勾玉作りである。ふるさと歴史学習館が用意してくれた「勾玉づくりセット」には平面にカットされ穴のあいた滑石(蝋石)、サンドペーパー、耐水ペーパーと紐が入っている。これだけでも作成可能であるが作業効率化のため、他に金属製の平型と丸型のやすりも用意されていた。 指導員の指示に従い、四角の滑石を金属製のヤスリと紙のヤスリで勾玉の形に削り上げ、耐水ペーパーで磨いて穴に紐を通せば勾玉のペンダントの出来上がり。実に簡単である。出来栄えについてはそれぞれの想いもあろうが、1時間足らずで作ったにしてはなかなかのもの。これを縄文、弥生の時代に翡翠の原石から作れと言われたらどうしたものか。どんな道具を使って、どのように削り、どのように穴をあけたのだろうか。その労力は想像に難くない。

以下は勾玉や滑石について事後に得た知見である。

  • 勾玉は縄文の昔から日本で作られてきた。形の由来として、元は熊や狼の歯牙に穴をあけて装身具であったとか、胎内の胎児の形、太陽と月の組み合わせ等の所説がある。
  • 当初は滑石のような軟質石材が使用されたのだろうが、地域や時代の変遷により翡翠、碧玉、瑪瑙、ガラス、水晶など様々な材質が使われるようになったようだ。特に、硬度の高い翡翠は整形が極めて難しいことから貴重な宝物であった。歴代天皇の三種の神器(鏡、劔、勾玉)のひとつでもある。
  • 今回使用した滑石は蛇紋岩などの地中の岩脈が酸性熱水変性を受けた変成岩であり、特有の結晶構造のため結合力が弱く、非常に軟質(モース硬度:1)である。主な産出地は中国、オーストラリア、イタリアである。
  • 宝石の硬度は柔らかい順に 滑石(モース硬度:1)< 瑪瑙(2)< 方解石(3)< 蛍石(4)< 黒曜石(5)< オパール(6)< 水晶(7)< 翡翠(8)< サファイア(9)< ダイヤモンド(10)である。
    • 因みに、我々が普段見かける石ころの硬度は 砂岩(2.5)< 大理石(3)< 安山岩(6)< 花崗岩、チャート(7)である。(砂岩なら何とかなるかも。。。)  ( I.S)                      

勾玉の作成風景

勾玉づくり 14人の会心作