日 時 : 2022年6月27日
場 所 : あまの街道陶器山尾根道 (陶器山トンネル上の休憩所~大野台西住宅地付近をABCに区切り一年間定点観察する)
参加者 : 10名
今日はオカトラノオが咲いていると聞き、番外ではあるがまず観察場所と反対の北の方に向かう。<北地区> 白い小さな花を沢山付け、尾を横に伸ばして咲いているオカトラノオ(丘虎の尾)が群生している様は何か優しい風情である。ムカゴを付けたオニユリはまだ青い蕾。 木本で咲いていたのは淡紅色の長い花糸が美しいネムノキ。夕方花が咲き始め、逆に葉は閉じて垂れ下がる。漢字名の(合歓の木)は「眠る木」が訛ったもの。落ちていた花には微かに甘い香りが残っていた。そしてシャシャンボ(小小坊・ツツジ科)(C地区にも)白い壺状の花が下向きに並んでいる。熟した果実はツツジ科の中では一番美味と云い、変わった名前も実の成り様から付けられたものらしい。冬の訪れが待ち遠しい。
集合場所に戻り改めて観察を開始するが、陶器山の1ヶ月の変化に驚かされる。5月に私達を楽しませてくれた樹々の花の多くは実になり始めており、変わりにトウネズミモチ(全域)の白い花が満開であった。 草本では特にC地区で色々な花が咲き始めていた。
<A地区> 陶器山のネジバナ(AC地区)は色鮮やかで立派。濃いピンク色の小さな花をらせん状に沢山付けている。 木本ではマルバハギが咲き始める。ネジキの下向きに付いていた白い花は首をもたげて上向きにカッチリした実へと変身。ガンピ(雁皮)(AB地区)は花の形そのままの細長い実に。ナツハゼ(全域)はもう少ししたら、もっとツヤツヤした可愛らしい実になることだろう。
<B地区> 新たに草本ではアレチギシギシ、ウラジロチチコグサ、ムラサキツユクサを、 木本ではアジサイ(陶器山では少ないようだ)、葉の変形が激しいがアオツヅラフジと思われるもの、アカメガシワ(BC地区)の花を確認する。
<C地区>アカツメクサ、紫色の小さな花を頭に沢山付けたアレチハナガサ、ウスベニチチコグサ、オオバコ、まだ蕾だがガンクビソウ(雁首草・花の付き方がキセルの雁首を思わせる)、黄色の小さな花のコナスビ、薄紫色のトウバナ、草丈は短くてもピンク色の5弁花が目立つハナハマセンブリ(花浜千振)、ヤブガラシ、ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科、洋種山牛蒡・洋種は帰化植物を指す。なおヤマゴボウは有毒で、漬け物などに使われている山菜の“山ごぼう“はキク科で全く異なる) 木本では5月に蕾だったザクロが花と若い実に、他にナンテン、マサキの花を確認する。またナワシロイチゴの実が真っ赤に熟しており皆見つけては味わう。
陶器山では色々な樹木の花を間近に観察する事ができたが、その花々が食べられる物、面白い物、綺麗な物など様々な果実になると思うとまた楽しみである。 (文・写真 Y.M)