18期生5月21日の講座報告

月  日 : 2025年 5月 21日 (水)  曇り

講座名 : 昆虫入門

講   師 : 鈴木 真裕先生 (大阪公立大学大学院)

場   所 : 堺自然ふれあいの森

 午後から雨が降り出すとの予報で、午前の座学を午後に変更してフィールドワークから始めた。 森の館の広場に出て、網と虫籠等の容器を受け取り、先生から採集場所や班の中での容器の共用などの説明を受けた。 先ずは里での採集。畑や田んぼ、広場など開けた場所だ。広場では蝶々・ハチなどは少なかったが、畑に行くと蝶々があちこちに、トンボも見かけてここでは沢山取れそうだ。 ところが網には入るが、網から籠や容器に入れるのが難しい!逃がしてしまって落胆の声があちこちで聞こえた。 次は森へ。山を少し上がって木々に囲まれた広場での採集だ。ここでは落ち葉の中や木の幹、枝の陰等をさがす。コウチュウ類やチャバネゴキブリ等が見つかった。

昼食後は映像を見ながら昆虫の「目」(モク)の講義だ。 「目」の種類・種数の多い「目」などクイズを混ぜながら学んだ。 同定するには先ずは何目かを決めないと探すのが難しいそうだ。  同定作業は班ごとに分かれて相談しながら決める。 先生自作の資料「鉢ヶ峯の昆虫」と図鑑、ルーペを使っての作業だが良く似た物が多くて大変だ。 講座修了前には、ヤマトシリアゲ(メス)・キマワリ・コチャバネセセリ・キリギリス・オバホタル・ナナホシテントウのサナギなど、多くの昆虫の同定することが出来た。 

昆虫採集は初めての方、何十年ぶりにした方など、童心にかえって虫を追いかけた楽しい一日だった。 

                                         (S・Y)

里での採集風景

昆虫の定義とは?基礎を学ぶ

網から容器に移動中。うまく出来るかな?

キマワリ(コウチュウ目)森で見つけたよ

キリギリス(バッタ目)小さくて可愛い。

ナナホシテントウのサナギ(コウチュウ目)

グループでの同定作業。細かく観察して決めていく。

       

17期生の5月14日講座報告

月 日:5月14日(水)晴

講座名:ネイチャーフォト入門

講 師:阿倉 薫先生 

場 所:ノバティホール、長野神社

 デジタルカメラが登場して約25年、130万画素から性能は著しく向上し、今では主流はスマホカメラになって、1億画素のカメラまであるそうです。ネイチャーフォトはこれらのカメラを用いて自然を撮影した写真(風景、山や空、野生の動植物、水中写真)で、知識や撮影方法、便利グッズ、アプリなどについて学びました。 接写やマクロ撮影などを多く紹介され、顕微鏡モード、焦点深度合成モードがあるカメラは活用しやすいようです。タイムラプス(長時間の変化を短く撮影すること)で粘菌の成長の変化がハッキリとみられ面白く驚きました。 そして実際に、先生が用意されたドングリや小さい貝、十円玉を大きく写したり、旧札の千円札にあるNIPPONGINKOUの細かい文字を探したりして楽しみました。

 午後は、近くの長野神社(重要文化財の本殿、天然記念物のカヤノキをはじめ、周囲の変わった形の植物群、昆虫、花など)でネイチャーフォトの被写体を探し、各自撮影をしました。戻ってから4~5人のチームごとに披露しあい、被写体は同じでもアングルや移し方によってそれぞれ違い興味深いものでした。 最後に、先生の世界クルーズ時の船上の夕日、星空(南十字星)、雲など美しい映像にうっとりし、またトンボの交尾、胎生のアブラムシ、オナガグモの餌取り、ハエトリグモの顔のアップ、ナナフシの交尾など普段見られないものをたくさん見せていただきました。

マクロ撮影グッズ

撮影方法

粘菌

自然の動物 昆虫

昆虫たち

野鳥部会の5月活動報告

月 日 : 2025年5月21日 (水)  曇り

観察地 : 男里川河口

参加者 : 23名

観察種数 : 23種

今回の観察地の男里川は泉南市と阪南市の境界を流れる川です。河口の沖合には関西国際空港があり、大阪湾に残る数少ない干潟があって、多くの貝やカニやゴカイなどが生息しこれを餌とするシギやチドリの飛来地です。  

 集合場所の樽井駅前では空を飛ぶツバメや愛想のよいイソヒヨドリの綺麗な雄が出迎えてくれました。 海へ向かう途中ではグラウンドで、ヒバリやセグロセキレイ、ハクセキレイに会えました。   堤防を越えて海が見える場所に出るとさっそくコチドリやキアシシギ。ハマヒルガオが咲き乱れる場所では5羽のキョウジョシギまでお出ましで大感激でした。  対岸へ渡るために川をさかのぼりウド橋近辺で各自昼食、近くのコンビニでトイレを済ませて再度河口まで今度は左岸を歩きます。  河口近くでやっとお目当てのチュウシャクシギが中州で3羽休憩中でした。じっとしていてくれたので特徴のある下に反り返ったクチバシをゆっくりスコープで見ることができました。  河口に出るとミサゴが近くの上空で獲物を探して飛んだり、テトラポットで休んだりする姿も観察できました。雨の予報もあったので早めに鳥合わせして解散しました。

 干潟で観察できるチドリは大きいものから主にダイゼン、メダイチドリ、シロチドリ、 コチドリの4種です。その他はシギ類です。

 チュウシャクシギは中杓鴫(クチバシがヒシャクに似ている)と書き他に大杓鴫、小杓鴫がいますがそちらはめったに見ることはできません。旅鳥として春に渡ってきます。夏期に北極圏で繁殖するため 南半球のオーストラリアなどから超長距離移動の途中の休憩地として飛来します。これが旅鳥の「春の渡り」です。「秋の渡り」として見られるのはこの逆ルートです。(M.S、写真K.T)

キアシシギ(黄足鷸)

キアシシギ(黄足鷸)

キョウジョシギ(京女鷸)

キョウジョシギ(京女鷸)

コサギ(小鷺)

ムクドリ(椋鳥)

チュウシャクシギ(中杓鷸)

チュウシャクシギ(中杓鷸)

ミサゴ(鶚)

野鳥視線の先は?

いのちの営み探検部会の5月活動報告

テーマ : アメンボを観よう

実施日 : 2025年5月19日(月) 晴れたり曇ったり

観察場所 : 錦織公園

参加人数 : 15名

今日はアメンボの観察。日頃は池や小川に生息するアメンボに目を止める機会がなかったが、今日はじっくりと観察。まずはアメンボの特徴を聞く。

  • ・カメムシの仲間で、日本には約30種類が生息。
  • ・危険を感じると飴のようなにおいを出し、体が細いことから飴棒(アメンボ)と呼ばれた事が名前の由来(諸説あり)
  • ・重さは0.04g、アメンボ25匹でようやく1円玉の重さになる。
  • ・脚には細かい毛が生えていて、体内から分泌される油分を足に塗る事で水をはじき、表面張力を活かして水面に浮かぶ。
  • ・肉食で、小さな虫が水に落ちた波動を脚で感じ取り、餌とする。
  • ・春に水中で交尾し、産卵。卵が孵化すると脱皮を繰り返し成虫になる。

その後、パークセンター裏の石水苑から観察をスタート。多数生息しているアメンボを、小網を使って採取。右に左に動き回ってなかなか同定ができない。 さらにアメンボ池に向かうが、ここでは名前と違って全く姿が見えない。 最後に河内の里の水車脇の小川に移動すると、再び多数のアメンボを発見。 何とか撮影した写真をもとに同定を試み、「コセアカアメンボ」と「ハネナシアメンボ」らしいと推測し、観察を完了。

水面に浮かぶアメンボ達。涼しい顔をして(?)水中に沈まないのがうらやましい。

動き回った後でようやく落ち着いたところを撮影、「コセアカアメンボ」と推定。

写真を拡大すると小さな羽が見える。「ハネナシアメンボ」かな?

昆虫部会の5月活動報告

  • 月 日 : 5月13日(火) 快晴
  • 場所: 西原公園(堺市南区)
  • 参加人数: 16名
  • 活動内容

五月晴れ、初夏の香りがする西原公園(堺市南区)での昆虫部会。公園内は一部除草され、思い通りの昆虫の採集や観察ができるか不安でしたが、32種の昆虫採集・目視をすることが出来ました。大方池の水際ではクロイトトンボが飛び交い、交尾、産卵する様子を観察。西松尾池の藤棚に移動後、アオスジアゲハ、キタキチョウ、ナミアゲハなど春のチョウは夏場の蝶よりまだ小柄ですが、はねの色が鮮明できれいです。アブ類も多く、図鑑と見比べながら体形の微妙な模様や形を皆さんで観察して同定を進めました。どの昆虫もじっくり見つめ、対象的な模様、動き方や翅の使い方など不思議なことや面白いことを気づき、その気づきを出し合うとさらに昆虫の世界が広がり、楽しいひと時になります。以下、目視を含め、32種確認できました。

【採集後同定】 

クロイトトンボ オス・メスシオカラトンボ オス・メス、ヤンマの仲間(目視)、

アオスジアゲハ、キタキチョウ、ナミアゲハ、モンキチョウ、ナガサキアゲハ?(目視)、モンシロチョウ、コミスジ(目視)、ヒメウラナミジャノメ、ヤマトシジミ、

ベニシジミ、セセリチョウの仲間(目視)、ヤスジマルバエダシャク、ウンモンクチバ

オオヒラタシデムシ、セイヨウミツバチ、アオカミキリモドキ、チュウレンジハバチ、ナミホシヒラタアブ、ヒメマルカツオブシムシ

アシブトハナアブ、ヒメクロオトシブミ、シャクトリムシ、ハルゼミの抜け殻、オオカマキリの卵(抜け殻)、ハゴロモ(幼虫)

ハネアリ、モリチャバネゴキブリ(幼虫)

ヒメマルカツオブシムシ

アオシジアゲハ

クロイトトンボの交尾

シオカラトンボのメス

チュウレンジハバチ

ハゴロモ幼虫

ヒメクロオトシブミ

オオヒラタシデムシ

 

吟行部会の5月活動報告

月 日 : 5月17日(土)

行き先 : 白鷺公園 出雲大社大阪分祀

参加人数 :16名

兼 題 :「若夏」「卯の花」「代田」「筍」

 当日は梅雨を思わせる雨空。時に風速5mほどの風が吹く荒天でした。 お目当ての白鷺公園花菖蒲園は「開花はまだ」で、広い花菖蒲園にわずか3~4輪開花しているのみ。写真は「開花したらこんなですよ・・・」と堺市HPから昨年6月上旬写真を借用しました。 白鷺公園は5月下旬~6月中旬の花菖蒲、6月下旬~8月上旬の蓮の花の名所で、白鷺駅から僅か5分の近さ。会員の皆様、ぜひ時期に立ち寄られることをお勧めします。(無料駐車場あり)

 出雲大社大阪分祀は地元で「初芝さん」と呼ばれて親しまれている大社です。(神社概要はhttps://www.izumotaisya-oosakabunshi.com/) 近場でありながら初参詣の方が多く、皆さんその壮大さにビックリでした。(I.K)

会員代表句

若夏の星は降る降る八重山(やいま)の夜   白流子

卯の花や父母を抱きて墓じまい   たけみつ

近江路や代田の人に手を振りし   まさこ

放棄田の中に二枚の代田かな    ゆき雄

麦の穂や束百円の季節買う     みえこ

一枚が蝦(えび)等の遊ふ代田かな     豊年

学び舎の窓が額縁青楓       可笑流

若夏や石垣巡る風ざわわ      流以

三日月の影を揺らせる代田かな   都史子

山椒魚闇にぬらりと太古より    ふじ乃

到来の筍の皮獣めく        楠子

流れゆく代田ばかりの車窓かな   万未知

若夏や礎(いしじ)に探すおじいの名     佐都

次々とSL映す代田かな       行行子

山道の行く手に竹の子顔を出し    さんご

姫皮に今年の味はこれ一番      宗孝

当日句 

特選  青鷺の右眼で吾を睨みおり   行行子

入選  荒梅雨になほ輝きて金の鵬(とり)   ゆき雄

入選  雨風や丸めて凌ぐ蓮浮葉    万未知

 

(堺市HP白鷺公園花菖蒲開花状況より借用)

アウトドアクラブ部会の5月活動報告

実施日 : 2025年 5月 12日(月) くもり

場  所 : 滋賀県大津市・ びわ湖バレイ

参加人数 : 30名

活動名 :  ジップライン体験

内容活動 :

大阪は曇っていて現地びわ湖バレイは、どんな天候なのかを心配しながらJR大阪を出発した。到着の志賀駅からびわ湖バレイは雲の中でちょっと心配でしたがロープウェイのゴンドラで一気に1000ⅿ登った打見山頂上はなんとか曇りで持ちこたえてくれてます。午後までの間、各自自由行動で昼食と1174mの蓬莱山に自力での登山、リフトでの登山?を楽しんだ後 ジップラインの体験の開始ですが装備着用がなかなか大変、安全性を重視しての軍手、ヘルメット、ハーネス(滑車)を装着するとかなり重く本当に重装備です。2組に分かれてスタート地点へ、現地ではインストラクターさんの安全ロープ、ハーネスのロープへの付け方を指導を受けて全6コースへ皆さんやる気満々とドキドキ感が一杯💓1回目のジャンプは顔がこわばって決死の覚悟で飛び出しました。あっという間の100mの飛行、着地がなかなか難しく膝をついたりお尻着地も居ましたね。 2、3回目になると慣れと余裕が出てきて、両手離しや身体を回転させたりといろんなやり方を教えてもらいながら周りの景色を見る余裕の人も出てきました。お天気も晴れてくれて、最後6本目のコースは琵琶湖を見ながらのダイナミックなジャンプでほんとあっという間の 2時間の空中ジャンプを楽しみました。お疲れ様でした。(hiro)

装備を付け出発

初めは恐る恐るのジャンプ

ちょっと慣れてきました

着地は助け合って

風を切って余裕が出てきた

打見山山頂

これがハーネスなど一式セット

お疲れさまとありがとうございました

17期生5月7日の講座報告

月 日:5月7日(水)晴

講座名:深泥池と京都府立植物園見学

講 師:竹門 康弘先生 京都府立植物園協力会

場 所:深泥池、京都府立植物園

 今日は、京都の深泥池の特殊な植生についての講座からです。周囲1.5km面積9ha(浮島3ha)の深泥池は、暖温帯にある低層湿原と、本来もっと寒冷な地域に成立する高層湿原の特徴を併せ持っています。その浮島には12種もの食虫植物が生息する特殊な生態系のため、昭和2年に天然記念物に指定されました。

 まずは、池のタヌキモを観察しました、小さな袋が多数付いて、緑色のものと黒いものがあり黒い袋は餌の微生物を捕まえたものだそうです。小ぶりなオオバナタヌキモ(外来種)も観察できました。 ジュンサイも生息していますが、水面いっぱいに繁殖するため、年に1回の駆除が必要で、ジュンサイのお土産はもらえますが大変な作業とのことです。またこの特殊な生態系を生み出した理由は周囲の地層がチャートから成っており、入り込む河川がないことが上げられます。 雨水は栄養が乏しく、水以外から栄養を取り込む食虫植物には有利な点だそうです。また、14万年前の氷河期から高層湿原は貧栄養な水質、PH、少ない酸素量、冬の寒冷化などいくつもの要因が重なり他に類が無い生態系を維持していることを学びました。そのため外部環境から新たに水や外来生物が流入すると、すぐにその生態系に影響が出てしまうため、外来魚の駆除も毎週行い、樹木の伐採テストや水質、水位を管理して維持など、貴重な深泥池の存続の大変なことを知りました。

 午後は、京都府立植物園。大正13年に開園し、昨年100周年を迎えた日本最古の公立植物園で甲子園球場6個分の面積、12000種の植物があるそうです。 早速、花壇に咲くアヤメから多種の花を見ました。アイスランドポピーは蕾が下を向いていて咲くと額がなくなるとのことで興味深いものでした。180種ある桜の中で最も開花の遅い5月に咲く「奈良の八重桜」、ジュラシックツリーと呼ばれる2億年生存し続けているウォレマイパインメタセコイヤ発見の経緯、イロハモミジの7つに分かれた葉と赤い種、変わった形のショウブの花、金魚葉椿の葉、アイラトビカヅラの花、呼吸根などの説明を受けました。巨大なヒマラヤスギは実は松の仲間とのこと。 また、鑑真和上由来の中国の瓊花についてなど、興味深い話も聞けました。 ガイド終了後、4700m²もあり4500種の植物がある温室へ移動。中には唇のようなバリコウレアトメントサから始まり、かわいいフクシア、変わった形の蘭の仲間等を楽しみました。(Y/M・M/N)

深泥池

深泥池の地層、池の特徴と管理

深泥池

深泥池

深泥池看板

深泥池

植物園

植物園

ヒマラヤスギ

温室の植物

18期生5月14日の講座報告

年月日:2025年5月14日(水) 晴れ

 講座名:淡水魚入門

 講 師:小川 力也先生 (科学教室力塾 塾長)

 場 所:木根館 石川 (河内長野市)

  今日は初めて植物以外の講座で座学と石川で魚類の採集をする「淡水魚入門」である。まずは魚の生態に関するクイズで知っているようで、知らなかった答えにビックリ。「フナのヒレを描けますか?」ヒレの無いフナの絵にヒレを描くのですが、ヒレの数位置は分かっているようで、いざ描くとなると難しいですね。皆さん描けましたか?

 後半は淀川の変化により、それに伴い自然環境の変化があり淀川の生態系に大きな影響を与えている現状や高校生による南河内地域の自然再生の活動で生物多様性保持には自然環境の大切さを再認識した。

  天気も良く水も冷たくなく魚類の採集には好条件で有るが、先生から「魚の成長期には少し時期が早く魚が見えないですね」と、言われたが”1人1匹を目標”にタモ網を手に先生は投網を持っていざ出陣。初めは網の中は石や砂、藻や枯葉等で魚はゼロだったがやがてあっちこっちで「採れた!採れた!」の声が上がり、エビ、メダカ、ヨシノボリ、オオシマドジョウ、カマツカなど50匹ほど採集し、それぞれの魚の特徴を説明して頂きメダカのオスとメスの違いやヨシノボリが腹ビレ2枚を吸盤にしているなどを観察して確認した。多くの受講生は川に入るのは久し振りで子供の頃を思い出して楽しんだ1日になりましたよね。(T・O)

鮮やかに開いた投網!さて獲物は?

う~ん魚採れていない

同名の植物がある味は淡泊な「カマツカ」

砂中で越冬する日本固有種のオオシマドジョウ

ウオーキング部会の5月活動報告

実施日 : 2025年5月8日(木) 晴

行き先 : バラ香る豊島公園と服部天神宮を巡るコース

参加者 : 35名

2025年度のウォーキング部会の最初の例会が青空の下、今春修了した16期生の初参加者と共に35名で服部緑地公園をスタート。 東中央広場から右回りで木々の新緑や色とりどりの花を見ながら園内を散策。 公園内には10余りの池が点在して冬には水鳥観察が楽しめるよ。  公園の南西から住宅街に通って入口にいろんなカラフルな花が植えられた豊島公園へ、ここで休憩の後、市街地を抜けて昼食ポイントの猪名川公園へ向かった。

 猪名川公園は樹木が多くお弁当を食べながら蚊を追い払う場面も。 昼食でエネルギーを充電し、ふれあいの緑地で咲き始めたバラを観賞して終点の  服部天神宮へ歩を進め全員がゴール。お疲れ様でした、次回の参加を待っています。  (T・O)

 

植物部会の5月活動報告

月 日 : 5月7日 晴れ

観察場所 : 陶器山尾根道(天野街道)

参加者 : 33名

 心地よい五月晴れの風に誘われてか33名という多数が陶器山に集合。 先ずはここ陶器山をよく知っているKさんの案内で、ギンランの咲いている場所を目指し尾根道を北へ、 道中の両側に続く木々の若葉がまぶしい。 この時期に緑道を歩くのは本当に清々しく気持ち良い。 お目当てのギンランは少し遅いのではと心配したが、まだまだ彼方此方に花を残していてくれた。 しばらくの撮影タイムをとり、来た道を引き返す。 途中にササユリを多く見かけたが、一部は早くも小さな蕾をつけていた。 道路沿いにはニガナ、ブタクサ、セイヨウタンポポ、オニタビラコ、ノゲシなどキク科の黄色の草花やオヤブジラミの目立たない花も、モチツツジの花はもう終わりかけていた。 ニガナを齧って「全然苦くないね」の反応に、調べてもらうと「苦菜という名前は、茎や葉を切ると白い苦みのある乳液が出ることからついたとされます。乳液というと毒のように思いがちですが、苦いだけで、食用や煎じて健胃や鼻づまりの民間薬として使われてきました」とのこと。 尾根道の樹木ではコナラが目立ち、木本のナガバノコウヤボウキは道沿いに最後まで見られた。

 午後は、陶器山を降りて、桃山学院教育大学沿いに南へ、道沿いでは先の草花に加えて、ウマノアシガタ、オッタチカタバミ、オヘビイチゴやユウゲショウ、チチコグサ、トウバナ、ハルジオンなどが群生して咲いている。その先には今日の第二の目的とした花の広場だ。 一面にハナニガナ、オヘビイチゴ、ムラサキサギゴケ、ミツバツチグリ、ニワゼキショウなどの花が咲くお花畑が広がる。まるで黄色の絨毯、これだけ一面に咲くと草花でも見事というほかない。その隅では、ヘビイチゴやニョイスミレ、イヌガラシ、ヤブタビラコ、クスダマツメクサの花も・・・。

 再び尾根道に戻り、ガンピ、カナメモチ、ノイバラの花とコウゾリナの群生を観察。コウゾリナの茎などに触って「それほど痛くないね」との感想。刺の先が二股に別れクッションのような働きをするため見た目よりは痛くはない構造になっていることを後で知る。タカノツメ、ウメモドキ、ツルウメモドキ、ネジキはまだ蕾状態であった。

 他にもイネ科の植物が多く見られた。 ミゾイチゴツナギは全ての個所で、カモガヤ、スズメノヤリ、ウシノケグサ、コバンソウ、ヒメコバンソウ、ネズミムギは下の道路沿い、トボシガラは最後の尾根道で・・・。(M.K)

ギンラン

ギンラン

ニガナ

ムラサキサギゴケ

ハナニガナなどのお花畑

カナメモチ

コウゾリナ

ツルウメモドキ

18期生の4月30日の講座報告

月 日 : 2025年  4月 30日 (水)  快晴

講座名 : 植物入門 木本

講   師 : 出原 茂樹 先生 (堺植物同好会副会長)

場   所 : 堺市立栂文化会館  西原公園

朝から快晴のさわやかな天気で講座日を迎えた。

今日の講師は出原茂樹先生です。学生時代から樹木に関心を持ってきたとの自己紹介をされ、聞き取りやすいさわやかな声で講義が始まりました。

樹木の分布は気温や降水量で分類され、これをバイオーム(生物群系)と称し、世界のバイオームの区分、日本のバイオームの説明がありました。日本は北から針葉樹林、夏緑樹林、照葉樹林、亜熱帯多雨林があるとのこと。代表的な樹木のスライドを交えて説明していただきました。中でも、亜熱帯多雨林の小笠原諸島、奄美大島の説明は圧巻で、先生の調査活動を踏まえて面白く説明された。講義の最後に昆虫の食害の説明がありました。マツノマダラカミキリ⇒マツ枯れ、カシノナガキクイムシ⇒ナラ枯れ、クビアカツヤカミキリ⇒サクラ、ウメ枯れの説明で、サクラ、ウメの被害は甚大とのこと。

午後は、観察順路に沿って樹木名が記載された資料を片手に、新緑の西原公園に出ていきました。玄関を出てすぐにウバメガシ、次にハンノキ、ケヤキ、ヤマモモと、木の特徴、話題などを交えての説明を楽しみました。自然の雑木林が残っているところでの陽樹、陰樹の遷移の説明は、自然の面白さを知ることが出来ました。カツラの葉は秋には甘い香りがする、秋に良い香りがするキンモクセイは日本にはオカブのみでメカブは無い、ニセアカシアの白い花をお酒に漬けて楽しむ、などのお話も楽しみました。池の周辺ではサクラの根元のフラス(木くずと幼虫の糞の混じったもの)を観察し、サクラ枯れの甚大さを知りました。

爽やかな新緑の中に咲くイヌシデの花、シナサワグルミの大きな花、ニセアカシアの白い花なども観察し、きれいなケヤキ並木を通り本日の講座を終えました。      (M.A)

講義風景

コナラ(真ん中の大木)(陽樹)とアラカシ(陰樹)

サクラの根元のフラス 見上げると枯れ始めている

ウバメガシの実の赤ちゃん 2年かけて実になる

新緑のケヤキ並木は気持ち良し

マップ作り部会の4月活動報告

日 時 : 2025年4月28日(月)曇りのち雨

場 所 : 松尾寺境内、松尾寺公園(和泉市)

参加人数: 16名

天気予報で、午後から雨ということにもかかわらず、16名も集まってくれました。 今回から16期生2名が加わりました。熱心で知識も豊富な方々です。  まずは、春日大社の境内から。すぐに、つぼみの状態ですがキンランが見つかりました。そして、イチヤクソウも。よく見ると、あちらこちらにあり、とても葉の柔らかなホオノキもありました。 そして、春日大社を出て松尾寺境内を通り、段差のある階段をおりていくのですが、途中にキンランが咲いてました。 その先には、セイヨウタンポポの道が広がっていて、見渡すとヤマフジが咲き誇り、左手にはタカノツメがつぼみをつけてました。 そして、モミジ谷へ。紫の実がついたノシラン、ノアザミ、ムラサキケマン、アメリカフーロを観察して、公園の休憩所へ行き昼食です。賑やかで楽しい時間を過ごしました。

 残念なことに、雨が降ってきて駐車場まで歩いて解散となりました。それでも、ヒナギキョウ、コメツブツメクサ、ニワゼキショウ、オオニワゼキショウ、ブタナ、ウマノアシガタ、カマツカ、ヘラオオバコ、スミレなど雨の中観察しました。 不慣れで知識もない世話人を皆さんが助けてくれ助言してくれたおかげで無事に終わることが出来ました。ありがとうございました。(H.M)

イチヤクソウ

ノシラン

ホウノキ

タカノツメの蕾

キンラン

 

石ころ部会の4月活動報告

月 日:R7年4月25日

場 所:嶽山(富田林)、汐ノ宮(河内長野)                                                                                                                                                                                                                                                                                             

参加者:22人

活動内容:

今年度の石ころ部会の入会者は47人。うち、22人のメンバーが、薄曇りの空の下、地質学の佐藤さんと近鉄汐ノ宮駅前に集合。先ずは嶽山に向かって出発。道沿いの山藤が美しい。喘ぎ喘ぎ歩くこと30分で何とか中腹の願昭寺に到着。境内から羽曳野丘陵のパノラマを展望し、佐藤さんの説明を聞く。細長い台地が南北の方向に幾重も延びているのがよく分かる。眼下の高等学校辺りを山裾に嶽山は東側にそびえ立っているが、その地層は礫岩であるようだ。願昭寺の傍の登山口から山道を少し上ると、確かに30㎝から1m大の礫岩(花崗岩)が道を埋めているのが分かる。更に山道を登れば嶽山火山岩の露頭があるのだが、悲しいかな、老齢の身にこれ以上の山登りは荷が重く、観察を断念し、願昭寺に引き返す。

昼食後は石川に戻り、河原の石ころや汐ノ宮火山岩の露頭の観察を行う。露頭周辺の川底からはブクブクと泡(炭酸ガス)が出ている。佐藤さんは川底にペットボトルを逆さまに立ててガスを採取。着火した線香をペットボトルに差し込むと線香の火は消えた。湧水から放出された炭酸ガスのせいであろう。そして火山岩の観察であるが、柱状節理の見られる火山岩は大阪府下では当地のみ、河内長野の自然遺産候補でもあることから、ハンマーで叩くのは控え、周辺に落ちている岩片を拾っての観察である。見るもの、為すこと、盛沢山、有意義な一日であった。

見たもの、学んだこと:

  • 羽曳野丘陵:石川と東除川の間に挟まれ、藤井寺、羽曳野、富田林、河内長野を跨ぐ南北に長い丘陵(台地)である。海底に堆積した大阪層群の地層であるが、大凡100万年前に隆起したもの(上町台地や千里丘陵、枚方丘陵、泉北丘陵なども同様)。生駒・金剛山地なども同様にプレートの動きにより基盤(花崗岩)が南北長く隆起したもの。
  • 河原の石ころ: 佐藤さんの鑑定で最終的に11種類の岩石に分類された。 多かったのは花崗岩、砂岩、礫岩、チャート。他は閃緑岩、泥岩、安山岩、サヌキトイド、石英、片麻岩、凝灰岩。
  • 汐ノ宮火山岩: 二上山や嶽山と同時期(1500万年前)に活動した瀬戸内火山帯の溶岩が噴出した火山岩である。以前は玄武岩とされていたが、シリカ成分(SiO2)の分析から現在は安山岩に分類されている。この安山岩は長石の斑晶がなく、讃岐周辺のサヌカイトと似ていることからサヌキトイドとも称される。かんらん石や輝石の斑晶があることや、成分的にマグネシウムの多いのも特徴である(嶽山火山岩も同時期に噴出した安山岩質溶岩であるが、組成は微妙に異なる)。火山岩の下には花崗岩や安山岩の礫岩である。川底の火山岩の割れ目から炭酸ガスが湧出しているが、有馬温泉と同じくフィリピンプレート由来の深部流体であるようだ。

17期生の4月25日講座報告

月 日:4月25日(水)雨のち曇り

講座名:地質観察②

講 師:佐藤 隆春先生 

場 所:藤井寺市民総合会館・屯鶴峯

午前は、火山活動の概要から、大阪周辺の代表的な火山地層の講義でした。現在は、活火山は112座あり、休火山・死火山の分類表記は廃止になったそうです。 火山爆発として最近起こった木曽御嶽山や雲仙普賢岳の火砕流の体験や被害状況、富士山は1200年間10回の噴火がありその想定被害を学びました。桜島のように噴火し続けている山もありますが、予想していない大きな噴火は大きな災害になることを改めて理解できました。 現在本州西部と四国には火山がありませんが、1400~1600万年前に形成された二上山付近は、多くは地下深くの溶岩が固まった岩頸ですが、屯鶴峯では火砕流の堆積ででき、14層を確認できるところがある事を知りました。

午後は、何とか天候も回復してきたので、是非とも屯鶴峯の景色を見たいということで現地へ。二上山駅から登山口まで2.5㎞を歩きなんとか到着。登り始めたら、すぐに広大な白い地層が見られしばらく感動です。そして実際に地層を触るとザラザラで小さな石を見つけました。確かに球形ではなく、楕円(ラグビーボール状)や円盤状の1~3mmの豆石を確認できました。天候の不安もあり早々に駅に戻りましたが、またゆっくり訪れたいと思える奇岩の景色でした。

火山活動と被害

屯鶴峯のでき方

この風景は驚き

屯鶴峯の火砕流

14回以上火災流が発生した

火山灰が固まり出来た豆石