月 日:2023年10月11日(水) 曇りのち晴れ
講座名:里山の保全と生物多様性
講 師:田淵 武夫先生
場 所:富田林 奥の谷
近鉄長野線滝谷不動駅に集合して滝谷不動尊めざして歩く、20分ほどで「奥の谷」入口に着いた。「奥の谷」は「富田林の自然を守る会」が里山保全をされている電気も水道もない自然あふれる里山だ。
里山保全と生物多様性について、野外での座学が始まった。落葉広葉樹林の林床を整理し太陽の光が差し込めば、スプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれる植物たちが早春に一面に花を咲かすこともできるとの説明を聞き、この里山にシハイスミレやチゴユリが咲き、蝶が飛ぶシーンが頭に浮かんだ。しかし、現実の「奥の谷」里山林では ①雑木林にヒサカキが密集し林床が暗い ②スギなどの人工林に手入れがされず林床が暗い ③竹の侵入などの問題があり、その対策として人工林や竹の間伐をするとともに雑木林でヒサカキの伐採を行っている。
今日の里山保全実習は雑木林のヒサカキの伐採だ。昼食後、ヘルメット、スパッツ、のこぎりとベルト、皮手袋を着用した講座生はどこから見ても山の作業人になった。首筋から足首まで虫よけスプレーを振りかけ準備は万端、三人一組でヒサカキの伐採に取りかかった。講座生は急な斜面に注意しながら、伐採の指示を受けたヒサカキを一生懸命に切っていく。のこぎりの使い方にも斜面の足場にも次第に慣れ伐採作業は進んだ。作業は1時間超であったが多くの木を伐採することができ、結構広い斜面の林床は日が差し明るくなった。講座生は達成感に表情も明るく、疲れた様子も見せずに満足感がうかがえた。
トンボが田畑の中を飛び回り、カマキリが講師の頭の上に飛んでとまる、子供のころの風景を残す「奥の谷」の里山からは心の安らぎを与えられた。自然から受けるサービスの一つを実感できた一日であった。 (H.I)
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