月 日:5月7日(水)晴
講座名:深泥池と京都府立植物園見学
講 師:竹門 康弘先生 京都府立植物園協力会
場 所:深泥池、京都府立植物園
今日は、京都の深泥池の特殊な植生についての講座からです。周囲1.5km面積9ha(浮島3ha)の深泥池は、暖温帯にある低層湿原と、本来もっと寒冷な地域に成立する高層湿原の特徴を併せ持っています。その浮島には12種もの食虫植物が生息する特殊な生態系のため、昭和2年に天然記念物に指定されました。
まずは、池のタヌキモを観察しました、小さな袋が多数付いて、緑色のものと黒いものがあり黒い袋は餌の微生物を捕まえたものだそうです。小ぶりなオオバナタヌキモ(外来種)も観察できました。 ジュンサイも生息していますが、水面いっぱいに繁殖するため、年に1回の駆除が必要で、ジュンサイのお土産はもらえますが大変な作業とのことです。またこの特殊な生態系を生み出した理由は周囲の地層がチャートから成っており、入り込む河川がないことが上げられます。 雨水は栄養が乏しく、水以外から栄養を取り込む食虫植物には有利な点だそうです。また、14万年前の氷河期から高層湿原は貧栄養な水質、PH、少ない酸素量、冬の寒冷化などいくつもの要因が重なり他に類が無い生態系を維持していることを学びました。そのため外部環境から新たに水や外来生物が流入すると、すぐにその生態系に影響が出てしまうため、外来魚の駆除も毎週行い、樹木の伐採テストや水質、水位を管理して維持など、貴重な深泥池の存続の大変なことを知りました。
午後は、京都府立植物園。大正13年に開園し、昨年100周年を迎えた日本最古の公立植物園で甲子園球場6個分の面積、12000種の植物があるそうです。 早速、花壇に咲くアヤメから多種の花を見ました。アイスランドポピーは蕾が下を向いていて咲くと額がなくなるとのことで興味深いものでした。180種ある桜の中で最も開花の遅い5月に咲く「奈良の八重桜」、ジュラシックツリーと呼ばれる2億年生存し続けているウォレマイパインメタセコイヤ発見の経緯、イロハモミジの7つに分かれた葉と赤い種、変わった形のショウブの花、金魚葉椿の葉、アイラトビカヅラの花、呼吸根などの説明を受けました。巨大なヒマラヤスギは実は松の仲間とのこと。 また、鑑真和上由来の中国の瓊花についてなど、興味深い話も聞けました。 ガイド終了後、4700m²もあり4500種の植物がある温室へ移動。中には唇のようなバリコウレアトメントサから始まり、かわいいフクシア、変わった形の蘭の仲間等を楽しみました。(Y/M・M/N)

深泥池

深泥池の地層、池の特徴と管理

深泥池

深泥池

深泥池看板

深泥池

植物園

植物園

ヒマラヤスギ

温室の植物