月 日:R7年2月28日
場 所:二上山博物館(香芝市)、當麻寺(葛城市)
参加者:21人
活動内容:
冬の寒さは和らいだものの、今にも降り出しそうな曇り空。20人が近鉄二上山駅に集合。歩くこと20分で二上山博物館に到着、直行組みと合流し、見学開始となる。当博物館は千数百万年前に大噴火を起こした二上山が生んだ3つの石(サヌカイト、凝灰岩、金剛砂)に焦点を当てた石の博物館である。パンフレットでは「全国初 旧石器時代文化を紹介する石の博物館」と謳っている。サヌカイトは石刀、石槍等の石器として、凝灰岩は古墳の石棺や寺院・宮殿の礎石として、金剛砂(ガーネット)は研磨剤(近年はサンドペーパー)の材料として用いられてきた。これら常設展示の他、冬季スポット展として「石器のふるさと(二上山北麓遺跡群とその周辺の遺跡)」の展示もあった。数多くの石の標本や遺跡の展示を見てまわり、プロジェクションマッピングシアターで二上山の噴火と3つの石の成り立ちの映像をみていると、あっという間に時間は過ぎる。
昼食後、二上山駅に引き返し、当麻寺駅に移動してから當麻寺までまた歩く(どうして駅と寺の表記が違うのだろう?:當は旧漢字、当は新漢字、駅名としては読み易さを優先したようだ)。本殿の手前には日本最古の石灯籠がある。風化が進んでいるが、よく見れば凝灰岩であり、歴史の重みを感じる。本堂のお参り、そして庭園の花々を見てまわる等、思い思いの散策をして当麻寺を後にした。歩数計は既に10,000歩を超えている。運動不足の我が身にはこれもまた貴重である。
見たもの、学んだこと:
- サヌカイト:約1300年前に瀬戸内地方に噴出した高マグネシウム安山岩質マグマを起源とする岩石の一種。全体が均質で斑晶(鉱物の結晶)が少ない。別名「かんかん石」とも呼ばれ、硬い棒で叩くと高く澄んだ音を出す。緻密な構造のため、割れた時には黒曜石のような鋭利な割れ口をつくるため、石槍や石刀として使われた。香川県や二上山地域に限って産出する。香川県の「県の石」になっている。
- 黒曜石と何が違うのか?:サヌカイトの安山岩質マグマに対して、黒曜石は流紋岩室マグマが急冷してできた岩石(ガラス質流紋岩)である。長野県や伊豆諸島、北海道などで産出される。
- 凝灰岩:火山噴出物が地上や水中に堆積して出来た岩石。ドンズルボーは二上山の火砕流が堆積して出来たもの。
- 金剛砂:柘榴石(ガーネット)であるが、二上山の噴火で生じた岩石に含まれており、その母岩の風化に伴って流出し、低地に堆積した砂れきに含まれている。鉄分が多く非常に硬いことから奈良時代以降、主に研磨剤として利用されてきた。