月 日:R6年10月25日
場 所:滝畑(河内長野市)
参加者:18人
活動内容:
爽やかな秋空の下、バスや車で18名が滝畑観光レストラン前に集合。主な目的はレストラン前(新関谷橋下)の渓流にある露頭の観察と、更に上流の荒滝及び周辺の地形の観察である。今回も地質学の佐藤さんに同行と解説をお願いしている。最初の難関は新関谷橋下の河床(南側)の露頭に辿り着くこと。水量も少なく長靴を履けば問題はないと思われたが、思いのほか苦戦。露頭に辿り着いたのは佐藤さんのみ。ここで佐藤さんから地形・地質の説明を受けた後、上流の荒滝まで渓流沿いの道を約1時間弱歩く。滝を見ながらの昼食も格別である。そして、滝と滝周辺の地形、地質の観察である。この地形がどのようにして出来たのか、佐藤さんの説明をヒントに、凡そ1億年前の地球の営みに思いを巡らせる。川のせせらぎと鳥の鳴く声に心も満たされ、滝畑を後にした。
学んだこと、見学したもの:
- 滝畑は領家帯花崗岩類、泉南流紋岩類(主に溶結凝灰岩)、和泉層群の岩石が東西に分布している。
- 恐竜の闊歩する白亜紀(凡そ1億年前前後)、周辺の各地で火山活動による火砕流が発生し、泉南流紋岩類が堆積した(噴火口の場所は特定されていない)。また、地下では花崗岩質マグマが上昇し・貫入した。その後、地殻変動により東西に細長い海ができ、その海底に和泉層群が堆積した。(大阪の周辺の地質年代図参照:下の写真3)
- 滝畑地区では新関谷橋付近までは泉南流紋岩類が分布し、その上流を和泉層群の礫岩、砂岩、泥岩などが覆っている。光滝や荒滝などの滝畑の滝は和泉層群の浸食によりできたもの。
- 河原の礫岩は黒色のチャートや流紋岩などのかけらを含んでいる。このチャートはどこから来たのか? 近辺では大台ケ原(秩父帯)と摂津峡周辺(丹波帯)の2ヶ所にチャートの巨岩があるが、その何れかであろう。(佐藤さんは地質形成の年代と位置関係から滝畑のチャートは丹波帯のものと推定しておられる)
- 荒滝やその周辺の崖では砂岩の層(30㎝-1m?)が階段状に幾重にも積み重なった形態が見られる。それぞれの層は巨大地震などにより大きな地殻変動がある毎に陸上からの土砂が海底に堆積し、それが長い時間をかけて岩石になったものである。陸地に近いところでは礫岩、遠ざかれば砂岩、更に遠ざかれば泥岩となる。