石ころ部会の7月活動報告

月 日:R6年7月26日

場 所:箕面川と箕面大滝周辺(箕面市)                                                                                                                                                                                                                                                                                               

参加者:13人

活動内容:

 うだるような猛暑の中、13人が阪急箕面駅前に集合。本日は箕面川と箕面大滝周辺の石ころと地質の観察である。連日の猛暑で渓谷の涼を楽しむなど願うべくもないが、大滝までの2.7㎞の遊歩道は多くのハイカーで賑わっていた。我々は熱中症に気を付けながらも、佐藤先生の指導の下、河原の岩石や道沿いの露頭などをじっくりと観察することが出来た。特別天然記念物のオオサンショウウオを目にすることもできた。予定の観察を全て終えれば、心地よい疲労感が残る。この後は一杯のビールが待っている。そして、今晩から始まるパリオリンピックのテレビ観戦も楽しみである。それぞれの思いを胸に渓谷を後にした。

 今回学んだこと、見学出来たもの:

    • 有馬高槻構造線: 有馬温泉から高槻市市街地北部に至る長さ約55㎞の断層帯で、山地のすそ野に幾つもの活断層が並走、分岐している。北摂の山々はこの断層の活動により上昇した。1000年から2000年の間隔で活動しており、今も要注意。
    • 泥岩やチャートの露頭、チャートと泥岩の互層をなす岩石: これらの地層は丹波層群と呼ばれ、今から約2~5億年前(中生代ジュラ紀)に遠洋の海底で堆積したもの。プレートの移動により陸地殻に付け加わったもので、付加体と呼ばれている。
    • 断層(2つのタイプ): 1)泥岩の崖に幅20㎝の垂直の窪みがある。断層周辺の岩石は断層運動(逆断層)により、こなごなに砕けている。これは断層破砕帯であるが、活動時期は不明。2)五月丘断層: 南北に流れる箕面川がある地点で横にズレていることが分かる。これは横ずれ断層と言われる活断層。
    • 箕面大滝: 滝の崖側は緑色岩(玄武岩)、南の下流側は泥岩で成り立っている。岩石の硬度が違う(緑色岩の方が硬い)ことからから、泥岩が削られて段差となり、段差が拡大し今の滝となった。
    • 火成岩脈(2つのタイプ): 火成岩脈は高温のマグマが岩盤に貫入して固結したもの。1)泥岩に貫入した花崗班岩。 風化したものは茶褐色で「箕面の赤石」と言われている。2)流紋岩の岩脈: 筋状の岩脈であるため非常に見つけにくい。
    • メランジュ: 砂岩と泥岩の互層がプレートの沈み込みの際、高圧によりズタズタ(こなごな)に変形したもの。「写真では手を置いた薄い色の砂岩が上下の泥岩(暗色)に挟まれ、横(左右)方向で厚さが変わり、“コッペパン”のようになっている。これは“ズタズタ”の結果である。」

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