観察日 : 5月3日(水・祝)
観察場所 : 奥の谷・河内ふるさとの道(富田林市)
参加者 : 29名
河内ふるさとの道は滝谷不動明王寺に通じる表通りから、その手前の民家の間の狭い小道を左に折れる。その道を暫く進むと辺りは小高い山林に囲まれた里山の風景へと一変する。 「富田林自然を守る会」の里山活動拠点となっているこの里山「奥の谷」は当カレッジの講座や里山保全部会でもお馴染みだ。会の休憩所にもなっている作業小屋にはゴールデンウィークの真只中にもかかわらず、五月晴れの薫風に誘われてか、29名の部員が集まった。
午前中は作業小屋近くの河内ふるさとの道、周辺の畑、水田の植物をゆっくり見て回る。 季節は春爛漫、植物環境と観察には最高だ。 周りは一面にウマノアシガタの黄色、ハルジオンの薄いピンクが群生となって咲き乱れ、道端や畔にはアメリカフウロの淡紅色やムラサキサキゴケやムラサキカタバミの紫色が混じる。そして山側ではマルバウツギの柔らかな緑に可愛らしい満艦飾の白い5弁の花とモチツヅジの赤紫花が続く。回りの森林の新緑に混じってキリやフジの花が姿を見せる、小鳥の囀りも賑やかだ。 休耕田一角の池には小穂を付けたカサスゲが群生していた。 その近くの土手では違ったスゲが・・・後で果苞を確認しヤワラスゲと分かった。
午後は竹林を抜け、東側の里山林道・稜線コース。 ヤブニンジンやヤブジラミ等のセリ科やホウチャクソウは花を終え実を作り始めていた。見晴らし広場に行く途中では見事なキンランの花を見付ける、この花が本日のカメラ被写数ナンバーワンとなった。 稜線の林道ではヒサカキやカマツカは既に花を終え、ササユリの葉茎はかなり大きくなってきている。 途中咲いていた黄色のウツギはコツクバネウツギで、萼片2個を確認する。 作業小屋近くのクワは実を鈴なりに付け始めていて、ガマズミの花は咲き始めだ。 最後は、今日の植物リストに沿い「花合わせ」をする。その数は短時間の観察ではあったが90種を超え、里山の春の花を満喫した観察会となった。(M.K)