マップ作り部会の5月活動報告

日 時 : 2024年5月31日(金)

場 所 : 堺自然ふれあいの森

参加人数 : 8名

 薄紫色の花に包まれているのを見て気づく事の多いセンダン(栴檀・センダン科)だが、ふれあいの森にも大きな樹があった。「栴檀は双葉より芳し」と言われるがこれは白檀のこと。集合場所前からセンダンの花を眺めた後、原っぱの観察を省いて森の館わきから里みちに入る。今は色々な樹々が小さな花を付けている。赤紫色の黄色い葯が目立つ花で葉がビロードのような手触りはヤブムラサキ(藪紫・シソ科)、よく似ているが葉がガサガサしているのはムラサキシキブ(紫式部・シソ科)。淡いピンク色の花のウメモドキ(梅擬・モチノキ科)。イヌツゲ(犬柘植・モチノキ科)も濃い緑の葉に真白い花が映えて美しい(櫛や将棋の駒などの材料になるツゲはツゲ科)。壺型の白い花を下げているネジキ(螺旋木・ツツジ科)。他に白い花を付けているのはソヨゴ(冬青・モチノキ科)やネズミモチ(鼠黐・モクセイ科)。ナンテン(南天・メギ科ナンテン属:一属一種)も見かける。コジキイチゴ(乞食苺・バラ科:青い茎に刺や赤い毛が密生している)の2.5㎝ほどの白い花は殆ど落ち薄緑色の楕円形の実になっていた。所々でピンク色のモチツツジ(黐躑躅)の花を見る。可愛らしいナツハゼ(夏櫨・ツツジ科)は殆どがつやのある紅い丸い実になっていた。鹿の子模様の樹皮が目立つリョウブ(令法・リョウブ科)は長い花序を出していてもうすぐ咲き始めそうだ。その名の由来は律令時代に凶作時の食用になるものとして育て蓄えることを法で決められたためとか、人との深い繋がりを感じる。また少ないが香りの高い蜂蜜が採れるそうだ。4月の部会で蕾だったタカノツメ(鷹の爪・ウコギ科)は早、小さな実になってしまっていた。至る所で見られたカマツカやクロバイの花はもう無い。

 草本ではササユリが里みちを少し入った所に多数咲いていて皆しばし見とれる。甘い香りにも包まれ丁度良いときに来られたと嬉しくなる。さらに東のおじいさんの木(シリブカガシ)を過ぎて進むと松の育成地があり、ここでコモウセンゴケを観察する事ができる。4月より花序が伸び濃ピンク色の蕾を沢山付けているのに驚く。先端のうなだれているものがあったが巻散花序とかさそり尾状花序といわれるもので巻いていたものがほどけていくのだとか。咲いている花が最も高い位置にくるとあり、午前中に咲いて午後には閉じる。

 見はらし広場で昼食にしたが今日が初めての方はここからの眺めを楽しまれていた。午後は谷みちを下り第二豊田川みちへ向かう。谷沿いでは青紫色の花のオカタツナミソウを見る。下るにつれハナミョウガ(花茗荷ショウガ科)が次々に現れ沢山の花序を立てていて見応えがあった。これから花が赤い丸い実になっていく変化を見られたらと思う。確かめていないが花軸や葉裏には細毛が密生しているらしい。4月に見られた粘菌は今回は見付けられなかった。花後のショウジョウバカマ(猩猩袴)は大きくなって堂々とした風情になっている。

 川沿いの道ではエゴノキ(エゴノキ科)の花は終わっていたが、ウツギやガマズミ(莢迷・レンブクソウ科)が綺麗に咲いていた。ヒメコウゾ(姫楮・クワ科)は細い花びらがとれて丸い実になっている。ノイバラ(野茨・バラ科)は白い花をびっしり付けていて見事であった。

 雨が心配されたが降られることはなく終える事ができほっとする。 次回6月の部会は6月21日金曜日です。宜しくお願いします。                                 (Y・M)

センダン

ガマズミ

ハナミョウガ

ハナミョウガ

イヌツゲ

ウメモドキ

ササユリ

コモウセンゴケ

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